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Review: Şimdi Ensemble: Eternal Love; Şirin Pancaroğlu / Meriç Donük: Elişi
2016/12/11
嶋田 丈裕 (Takehiro Shimada; aka TFJ)
Eternal Love
(Kalan, 696, CD, 2015)
1)Şimdi 2)Bu aşk bir bahr-i ummandır 3)Bulan özünü gören yüzünü 4)Gel ey kardeş 5)Suzidil Mevlevi Ayini'nden bölüm 6)Arpistlere Suzidil 7)Acemaşiran Taksim 8)Acemaşiran Saz Semai 9)Aşkın ile aşıklar 10)Mini Mini Nihavend Peşrev 11)Hep ikilik birlik için 12)Ey aşık-ı dildade
Bora Uymaz (vokal), Şirin Pancaroğlu (Mandallı arp), Mehmet Yalgın (kemençe), Hasan Kiriş (tanbur), Orhun Yılmaz (ney), Volkan Ergen (perküsyon); Michel Godard (serpent, tuba, bas), Meriç Donük (Mandallı arp).

トルコの女性 harp 奏者 Şirin Pancaroğlu と男性歌手で作曲家でもある Bora Uyman による アナトリア (Anatolia) のスーフィー (Sufi) 音楽のプロジェクト Şimdi Ensemble。 といっても、bağlama 弾き語りのアシク (aşık) やハルク (halk) などよりも、 むしろ、ゆったりした節回しもクラシカルなサナート (sanat) に近く感じられる音楽だ。 Kalan らしい、おちついた演奏を聴かせるプロジェクトだ。 しかし、使っている楽器が少し変わっている。 kemençe, ney は馴染みがあるものだが、 Şirin Pancaroğlu の弾く harp は Mandallı arp とクレジットされている。 ブックレットの写真を見る限りでは concert harp ではなく、少々小ぶりな lever harp。 これが kanun の代わりのように使われている。 また、bağlama (saz) でも oud でもなく、丸い胴、細長いネックに5弦の tanbur が使われている。 さらに、jazz や classical の文脈で活動するフランスの tuba / serpent 奏者 Michel Godard が、ゲストで数曲参加している。 jazz 色はほんと無く、Godard がやっているヨーロッパの古楽プロジェクトのトルコ版のようにも感じられる時もあるアルバムだ。

(Kalan, no cat. no., CD, 2011)
1)Kırmızı Buğday 2)Bahçelerde Börülce 3)Başına Bağlamış Astar Doğaçlama 4)Başına Bağlamış Astar 5)Hicaz Mandira 6)Aşlamayı Aşladım 7)Şenlik Raksı 8)Gül Kuruttum 9)Kervan - Tini Mini Hanım 10)Al Fadimem Intro 11)Al Fadimem
Şirin Pancaroğlu (arp), Meriç Dönük (arp), Jarrod Cagwin (perküsyon); Arslan Hazreti (Azeri kemança) on 7; Erdem Helvacıoğlu (togaman gitarviol ve elektronikler) on 10; Dilek Türkan (vokal) on 10,11.

5年前になるが、Şimdi Ensemble の Şirin Pancaroğlu が、 やはり女性 harp 奏者の Meriç Dönük と制作したアルバム。 こちらはオリジナル曲で、写真で見る限り使っているのも concert harp のよう。 トルコの伝統的な旋法を使っていると思われる展開もあるが、harp の音色のせいかそんな節回しも軽く感じられる。 Rabih Abou-Khalil のアンサンブルで長年活動する打楽器奏者 Jarrod Cagwin による 軽快な響きの flame drum が刻むリズムが全面的に添えられている。 軽く明るい harp と flame drum の響きから、微かに東地中海の雰囲気が香るように感じられるアルバムだ。 ちなみに、収録曲 “Kervan - Tini Mini Hanım” のミュージックビデオも作られている [YouTube]。

10余年前に Doublemoon や Kalan といったレーベルをフォローしだした頃 [関連発言]、 Şirin Pancaroğlu & Ignace Jang: Kuyruklu Yıldız Altında (Doublemoon, dm0009, 2000, CD) を入手して聴いてみたのですが、これはかなりストレートに classical な作り。 その後、Şirin Pancaroğlu はフォローしていませんでした。 この2作は Michel Godard や Jarrod Cagwin の参加もあって聴いてみたのですが、 最初からこの路線の作品で出会いたかったものです。