北欧フィンランドと湾を挟んだ隣国エストニアの二カ国の音楽を紹介するショーケース FINEST Sounds の日本でのイベントが 5月23日から27日にかけて東京各所で開催されていたのですが、その一つ、 Finest Jazz Music Night を観てきました。 フィンランドからは Olli Hirvonen New Helsinki と Utopianisti の2組、 エストニアからは Weekend Guitar Trio と Peedu Kass の2組が出演しました。
最初に登場したのは、今年で結成25周年となる Weekend Guitar Trio。 2000年前後に中東欧の音楽に探りを入れていた頃 [関連発言] に知り、出演した中では唯一CDを持っていたグループ。 ツアーを意識したのか、今回のコンサートでは、3人ともソリッドボディの electric guitar で、 Soo 以外の二人は Steinberger (もしくはその類似) のヘッドレスでボディも小型のものを使っていました。 guitar 3人の音をどう組み合わせているのかCDで聴いている限りではわからなかったのだが、 Tõnis Leemets が高音域で旋律を弾くことが多い lead guitar 的な役割、 Robert Jürjendal は低音部を着実な押さえるような bass 的な役割。 Mart Soo はエフェクトを使うことも多く、rhythm を刻みつつも、時に lead も取るよう。 そんな3人の軽快な演奏が楽しめました。
続いて、フィンランドの electric guitar 奏者 Olli Hirvonen 率いる4tet New Helsinki。 イギリスと北欧の新しい jazz の動きを紹介してきているレーベル Edition から リリースがあります。 guitar はエフェクトを使って音響的なテクスチャを作り出すような演奏というより細かく技巧を凝らして弾くまくるスタイル。 そのリズムもあってか、かなり jazz rock 的に感じられました。
三番手はエストニアの Peedu Kass Momentum。 今までノーチェックで、今回聴くのは初めて。 編成としては piano trio ですが、流麗に聞かせるだけでなく、 electronica 以降ならではの細かく強い反復を使った曲などもあり、 いかにもコンテンポラリーな演奏が楽しめました。
トリはフィンランドから、7人と編成が大きめのアンサンブル Utopianisti。 2010年から活動しているようですが、今回聴くのは初めて。 MCで Frank Zappa に言及していたように、かなり1970sっぽい Prog rock 色もある jazz rock。 メンバーは比較的若く、当時から活動していたというより、そのスタイルもオマージュ的な意味合いが強いのでしょうか。