去年 [鑑賞メモ] に続いて、今年も JAZZ ART せんがわ へ。 余裕があれば1日ゆっくり観たい所でしたが、ですが、日曜は既に予定あり。というわけで、観られたのは、土曜のこの坂本 弘道セレクションの公演のみでした。
Peter Evans は、Clean Feed などのレーベルに録音を残してきている NYを拠点に jazz/improv の文脈で活動する trumpet 奏者。 そんな彼を迎えて、前半は邦楽器とのセッション、千野のソロを挟んで、後半は千野、坂本とのセッションでした。 前半の邦楽器とのセッションといっても、雅楽の笙と、近世の楽器である琴という組み合わせからわかるように、 邦楽のイデオムを用いることは無く、音のテクスチャを重ねていくようなセッションだった。 Evans も、明確なメロディを演奏するどころか、マウスピースをまともに鳴らすようなことすらほとんどなかった。 千野の疎なピアノソロの後のセッションは、打って変わって、強い音で吹くことが多い展開。 千野もピアノだけでなく自作か大幅改造らしき urklavier という小型の琴のような弦楽器を、 そして、坂本もチェロを、ファンやバイブレータ、オブジェクトを使って音を駆使して、手数多く音を鳴らす展開。 直前にテクスチャを重ねるようなセッションがあったせいか、少し1970s風とも感じるフリーな即興セッションでした。
2008年に始まった日本の jazz/improv のミュージシャンをメインとしたフェスティバル JAZZ ART せんがわ ですが、 公式なアナウンスはありませんが、この2018年の第11回で ラストになるとのこと。 これは、会場の せんがわ劇場 の運営が直営管理から調布市文化・コミュニティ振興財団が指定管理者の下に移行するに伴ってのこと。 2015, 6年と行かなかったものの、初回から足を運んでいたフェスティバルだっただけに、一つの時代が終わったかかと感慨深いものがあります。