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Review: Michiyo Yagi Talon (live) @ Koendori Classics, Shibuya, Tokyo
2021/12/19
嶋田 丈裕 (Takehiro Shimada; aka TFJ)
Michiyo Yagi Talon
公園通りクラシックス
2021/12/12, 14:30-17:00.
Michiyo Yagi Talon: 八木 美知依 [Michiyo Yagi] (electric 21-string koto [エレクトリック21弦箏], koto [箏], vocals [歌]), 磯貝 真紀 (17-string koto [17弦箏], koto [箏], vocals [歌]), 高橋 弘子 (electric 17-string koto [エレクトリック17弦箏], koto [箏], vocals [歌]), 木村 麻耶 (25-string koto [25弦箏], vocals [歌])

COVID-19も、海外ではオミクロン株の感染爆発が発生しているものの、国内は感染が鎮静化し日常もかなり戻っています。 ということで、約1年4ヶ月ぶりに小さなハコ —前回と同じですが— でのライブに足を運びました。 八木 美知依 率いる箏カルテット Talon は、『ボンクリ・フェス2021』で初お目見えですが、 そちらへは足を運ばなかったので、聴くのは初めてです。

休憩を挟んで前半、後半、アンコール1曲で約2時間。 オープニングで演奏した White Man Sleep (Kevin Volans 作曲、Kronos Quartet: Pieces Of Africa (Elektra Nonesuch, 1992) 所収曲) では 4面の箏のアコースティックな響きで多様なフレーズを織りなす一方、 後半の「キャプテン・ウルトラ」 (冨田 勲 作曲) などはむしろ4面の箏が時にはユニゾンで音を重ね厚い響きの迫力を感じさせました。 「通り過ぎた道」 (八木 美知依 作曲) では箏2面のみの繊細な音空間の中で八木のソロの歌唱を聞かせる一方、 『ボンクリ・フェス2021』にあたって藤倉 大のリクエストもあって作曲したという「桃の実」 (八木 美知依 作曲) では4人のポリフォニーも聴かせました。 アンサンブルならではでしょうか、 箏と歌声の多彩な響き —アコースティックなだけでなく時にはエフェクタ (リングモジュレータ) も使った— を楽しむことができました。

1年以上間が空いてのライブだったので、要リハビリ状態でちゃんと音が聴けるか若干不安があったのですが、 予想以上に音が耳に入ってきて、ホッとしました。 やっぱりライブは楽しいものです。 (むしろ、鑑賞メモを書く方にリハビリが要りそうです。)