東京芸術劇場のボンクリ・フェス (“Born Creative” Festival) のアーティスティック・ディレクターとしても知られるイギリスを拠点に活動する作曲家 藤倉 大 [Dai Fujikura] が、 jazz/improv 文脈でも活動する箏奏者 八木 美知依 と組んで制作した Bibi 『微美』 (Idiolect, IDJL-001 / Jazzland, 3779539, 2023) [Bandcamp] のリリースに合わせてのライブです。 例年ならボンクリ・フェスの『箏の部屋』 [鑑賞メモ] でやりそうな顔合わせです。 日程の都合で今年は 八木 美知依 がボンクリ・フェス不参加とのことで、こうなったのでしょうか。 途中休憩を1回挟んでアンコール無し、 CDの曲を演奏するというのではなく、前半後半共に曲を明確に切らずのセッションでした。
前半は、まだ耳が慣れないか、掻き/叩き鳴らされる箏の音や、電子的に加工された音のテクスチャに包まれるよう。 後半に入ると、冒頭しばらくは断片的ながら高音の21弦筝で爪弾かれる旋律が浮かび上がったり、 中盤以降、ベース筝をルーパーで回して脈動するようなビートを感じる展開に。 そんな展開に乗る藤倉の弾くキーボードも時にコスミッシュで、意外にもクラウトロックっぽく感じる時もありました。 特に後半は、繊細にプロデュースされた感もあったアルバムとは違った、ライブならではの演奏が楽しめました。