jazz/improv の文脈で活動するスイスのグループ Nik Bärtsch's Ronin の、 2015年 [鑑賞メモ] 以来9年ぶりの来日です。 6月12日は、ノンストップ1セットにアンコール1回の2時間弱のライブでした。
electri bassが代わったものの、 Nik Bärtsch の内部奏法も交えた打楽器的に硬質な音色を多用する piano を軸に、 Kasper Rast とカチカチいうリムショットも効果的な drums が絡む、反復感を強調したグルーヴィな演奏は相変わらず。 しかし、Awase (ECM, ECM2603, 2018, CD) の頃からそうですが、 Sha がタンギングを抑えてフレーズは反復するものに普通に sax/clarinet を鳴らす演奏をメインとするようになり、 その alto sax の音色もあってかそこはかとなく fusion 味を感じる演奏でした。
しかし、アンコールでは、Sha の bass clarinet もタンギング強めに弾き刻むような演奏がグッと表に出、 Bärtsch と Rast の硬質な音のデュオもあり、 全体として展開のストップ/スタートやはっきりした音の抜き差しなど変化のある展開もあって、とても良い演奏。 このアンコールのような演奏ももっと聴きたいと思ったライヴでした。