jazz/improv の文脈で活動するものの、反復感を強調してグルーヴを作り出すような演奏を聴かせる スイスのグループ Nik Bärtsch's Ronin のライブ。 度々来日しており、前に観てからそれほど間は置いていないように感じたが、 Nik Bärtsch - Sha duo から約3年ぶり [関連レビュー]、 Ronin としては約5年ぶり [関連レビュー]。 ノンストップの1セットにアンコール2回で約2時間。 特に目立った新展開は無かったが、相変わらずの演奏が楽しめた。
今回の日本ツアーでは「エレクトリック・セット」と「アコースティック・セット」が2公演ずつあったのだが、 自分の観たのは「アコースティック・セット」 (特に狙ったわけではなく、日程の都合)。 カフェバーの一角に作られたステージで、ピアノはアップライト、PA無しでのライブだった特にこぢんまりという程の空間ではなく、厨房からの音も漏れ聞こえるようなハコだったが、 PA Engineer に音を作ってもらわなくても十分にいい音を出していた。
明るくパーカッシップな音で細かなフレーズを反復する piano が印象的ではあるが、 強い音を繰り返しての piano 全体を響かせるかのような音も耳を捉えた、 それだけでなく、piano と electric bass の組み合わせでのグルーヴィな低音や、 electric bass の高音の guitar のようなスレーズなど、 こんな音出しもしていたんだと、と、いろいろ気付かされる所もあった。
特に曲を切らずにモジュールを繋いていくように展開していく所などは、 初めて SuperDeluxe で Mobile を観たときに近い感覚 [関連レビュー]。 カフェバーの空間だし、飲食しながらまったり聴く方が合っていたかもしれない、とも思った。
最近、Nik Bärtsch は house のDJ/プロデューサー Henrik Schwarz と Scripted & Prepared というプロジェクトをやっている [関連レビュー]。 今度はこのプロジェクトで来日してくれれば、とも思う。