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Review: Fabrice Hyber, Seed And Grow @ ワタリウム美術館 (美術展)
嶋田 丈裕 (Takehiro Shimada; aka TFJ)
2008/08/10
Fabrice Hyber
ファブリス・イベール 『たねを育てる』
ワタリウム美術館
2008/04/26-2008/08/31 (月休; 5/5, 7/21開), 11:00-19:00 (水11:00-21:00).

プロジェクト作品を多く手がけるフランスの作家による ワタリウムでの7年ぶりの展覧会だ。

展示室のうちドローイングやオブジェが展示された2階はイベント開催中で、 3階のすき間から覗き見た程度。 以前に C'Hybert Tokyo Rally で観たような、 コンセプトを雑然と図解する程度のようだった。 3階の緑の小道のインスタレーションは力業とは思ったけれども、 日が当たらず半ば枯れた草にファンで送られる風は 「そよ風」とは程遠い仕上がりだったのは残念。 4階のミツバチの飼育も季節が良ければもっと動きが楽しめたのかもしれない、 という感じだった。

早々に美術館を出て周囲の路上で展開している Art で街をやさい畑にする Project を見て回った。 最も大がかりなのは、外苑西通り神宮前三丁目交差点南西角の数十メートル四方の空地を野菜畑にしたもの。 しかし、その作りはいかにも素人の雑然とした家庭菜園という感じで、かなり微妙。 外苑西通り沿いの店の前のプランターの育ちも残念な感じ。 そんな中では、スターバックスコーヒー青山外苑西通り店の前のプランターが 大きく育っていたのが印象に残った。 ちゃんと面倒を見ることができる店員がいたのだろうか。 全体としては、アート作品として何らしかの拘りを持ってマネジメントされている感が無かった。 長い会期の末近くになり野菜も管理する人も力尽きはじめていたのかもしれないが、 都会の中にゲリラ的な畑を展開する面白さ、かっこよさが感じられるわけでもなく、 少々残念なプロジェクトになってしまっていたように思う。

ところで、南青山三丁目交差点からワタリウム美術館にかけて、 外苑西通りの歩道植え込み何カ所でバジルが生えていると気付いた。 特にプロジェクトの一環であることを示す表示もなく、 普通の植え込みの緑のように生えていた。 これは、この Hyber のプロジェクトと関係あるのだろうか。

以下は、関連する談話室への発言の抜粋です。

[2243] 嶋田 丈裕 <tfj(at)kt.rim.or.jp>
- 若林, 東京, Fri Aug 29 23:42:55 2008

先日、Fabrice Hyber 展 @ ワタリウム美術館を観に行った際に、 「ところで、南青山三丁目交差点からワタリウム美術館にかけて、 外苑西通りの歩道植え込み何カ所でバジルが生えていると気付いた。(中略) これは、この Hyber のプロジェクトと関係あるのだろうか。」 と書きました。 これについて、昔からここを読んでくれている友人が、 こんな情報を寄せてくれました。

嶋田さんも気付かれた、 外苑西通りの植栽帯の街路樹の足元のバジル、 今回のイベントと関係あると思います。
というのも、深夜歩いてたら、 和多利さんが、水やってまわってましたから。

やっぱり Hyber 展関連と見て良さそうです。 (歩道の植え込みとか言わずに植栽帯と言うあたりが、 建築な人らしいなあ、と少しウケました。) というわけで、キラー通りに行った際には、植栽帯もチェックしてみましょう。