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Review: ホンマタカシ 『ニュー・ドキュメンタリー』 (Takashi Himma: New Documentary) @ 東京オペラシティアートギャラリー (美術展)
嶋田 丈裕 (Takehiro Shimada; aka TFJ)
2011/06/12
Takashi Himma: New Documentary
東京オペラシティアートギャラリー
2011/04/09-2011/06/26 (月休;5/2開). 11:00-19:00 (金土11:00-20:00).

1990年代から雑誌・広告写真の文脈でも活動する写真家 ホンマタカシ の展覧会。 といっても、そんな雑誌・広告での仕事を回顧するものではなく、 コンセプチャルな作品を集めもの。 初めて作品を観たのは1998年の『東京郊外』 [レビュー] だったのだが、 その時、郊外の風景を撮った写真ながら、 タイポロジー的な写真や「サイトグラフィックス」的な写真 [レビュー] との違いに違和感を覚えていた。 今回の展覧会で作品をまとめて観て、その理由が判ったような気がした。

今回の展覧会の導入部にあった 自分の子供を写した家族写真を真似た写真シリーズ (実際の家族写真も含む) Tokyo and My Daughter (1999-2010) や、 イタリアの11人の未亡人の古いスナップ写真を再構成した Widow (1999-2010) を観て思い出したのは、 1980年前後にアメリカの写真作品によく見られた「アプロプリエーション」。 ファストフード店 McDonald's の写真をシルクスクリーン作品にした M (2000-2009) も、そのようなありふれた既成のイメージを流用した作品といえます。 そして、そういう文脈で『東京郊外』を観ると面白かったのかもしれません。

正直に言えば ホンマタカシ の写真作品は自分の好みではあまりないのですが、 今回の展覧会は観ていて腑に落ちるところもあって (勘違いかもしれないが)、興味深く観ることができた。