4月に観た個展が気になった写真家の、新作展。 今回は白飛びしたような写真だったが、前に観たように間抜けに感じられなかったのは、 画面の縁にかかって僅かに覗く歩く人物像に、意識を宙ぶらりんにされた感があるからかもしれない。 写真が2枚組になっており、2枚の写真の間の空白 (色が黒いので空黒か) が 人物像の中心部を隠しているように見える —— 実際は異なる人物の一部なのだが —— というのも、 時間が連続しているようで不連続という僅かな緊張感を生んでいたように思う。 そしてそのその微妙さが良かった。
物語ったりドキュメントしたりというより、絵画的というか写真的なビデオ作品なのだが、 液晶ディスプレイを使った液晶絵画ではなく、 壁面や空間を区切る構造物へのプロジェクタ投影によるゆらめくテクスチャという感じ。 スクエアに投影しない所もテクスチャ感を強調しているよう。 そこから先がいまいちピンとこなかったのも確かなのだけど、 ビデオ投影されているギャラリーの雰囲気は好みだった。 以前にここで観た 田口 行弘 の展示 [レビュー] もそうだったのだが、 キュレーターが 高橋 瑞木 の回の展示は自分の好みに合う可能性が高いかもしれない。