1920年代前後の革命直後のロシアにおいてグラフィック・デザインの分野で活躍した Александр Родченко (Aleksandr Rodchenko) の展覧会。 Rodchenko の孫にあたる Александр Лаврентьев [Aleksandr Lavrentiev] のコレクションに基づき、 本や雑誌、商品パッケージなどの小品を中心に、そのエスキスも多めに集めていた。 最近は Rodchenko や Russian Avant-Garde の展覧会の頻度もすっかり増えて、 2年前にも東京都庭園美術館 [レビュー] で Rodchenko の回顧展があったばかり。 エスキスの多さなど重箱の隅という感も否定出来ない。少々マニア向けの展覧会だろうか。
確かに有名な雑誌やパッケージのデザインのエスキスからデザインの過程が伺われ興味深いものがあったが、 労働組合のためのビラやポスターや技術系専門書籍のための装幀デザインなど、 今まであまり目にすることのなかったものに最も興味を引かれた。 といっても、いかにも Rodchenko というデザインで、 今まで見た事の無かった意外な作風を発見できたわけではない。 写真もあったが、今までの展覧会でも出て来たような有名なものが中心だった。
しかし、展覧会カタログもしっかりしたものが作られている。 この手のデザインが好きだということもあると思うが、 小さなハコにあった展覧会がそれなりに楽しめた。