1990年代以降手掛けているピンホール・カメラによる作品。 今回は「ピンホールの家」ではなく、 スイスから送られてきた厚紙製の手作りのパノラマ・カメラで、 ブローニー・フィルムを使用し、フィルムサイズは 6cm × 17cm。 これを横長ではなく縦長に使っていた。 ソフトフォーカスで青みかがかった暗い画面はいかにもピンホールだが、 画面が小さく縦長のせいか、携帯電話の低解像度のカメラで、明け方の風景を撮っているかのよう。 東京スカイツリーをバックにに電線だらけの電柱を撮った写真における電線や、 モクレンの花を撮った写真の背景に走る枝々のシルエットなど、 画面を走る線に特徴を感じた展覧会だった。