2002年から『ダンストリエンナーレトーキョー』として表参道界隈で開催していた コンテンポラリーダンスのフェスティバルが、 『Dance New Air – ダンスの明日』 と今年から名を変えての開催となりました。その最初の週末に、2つの作品をハシゴして観てきました。
Alain Platel 率いるベルギーはヘント (Ghent, BE) のカンパニー Les Ballets C de la B。 そのカンパニーで活動する 伊藤 郁女 による振付・演出による作品。 エロティックなものを観る視線を主題にした作品のようですが、 フライヤ写真で見られるような舞台後の鏡の使い方が一番の興味でした。 冒頭の舞台手前側は着衣のまま奥側の半身を裸にして鏡を通して裸体を見せるところや、 最後の舞台奥から手前に照明を当てて裸のシルエット越しに鏡に映る裸体が見えるところなど、 さらに向こうの観客の映り込みまで含め、巧いと思いました。 しかし、効果的に感じたのは、これら最初と最後だけ。 途中は奥の方に下げてしまい、鏡の効果はほとんど無し。 ダンス自体も見せたいということだったのだとは思いますが、中だるみを感じました。
原田 知世 をフィーチャーした『シレンシオ』 (東京芸術劇場, 2013) [レビュー] など、 最近はメジャー感もある ex-水と油の 小野寺 修二 の新作。 片桐 はいり をフィーチャーした 『異邦人』 (世田谷パブリックシアター, 2010) [レビュー] は良かったので、その後のコラボレーションがどう深化している興味で観てみました。 『異邦人』では狂言回し的な位置づけだったように思うのですが、 今回の作品では女性3人の間に性格付けの違いは強く感じられず、 役者のキャラ付けはなく3人の動きで状況を作り出すよう。それは良かったかしらん、と。 しかし、水と油 の時に強く感じた身体の動きで空間を歪めたり接続したりするような表現が薄く、 物足りなく感じたのも確か。 エンディングの操り人形を3人で引っ張り合うようなテンション高い動きの場面が、もう少しあったらなあ、と。