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Review: Victoria Thierrée-Chaplin: Murmures des murs @ 世田谷パブリックシアター (サーカス)
嶋田 丈裕 (Takehiro Shimada; aka TFJ)
2015/10/18
Victoria Thierrée-Chaplin
世田谷パブリックシアター
2015/10/17, 15:00-16:30.
Conception et mise en scéne: Victoria Chaplin-Thierrée, avec Aurelia Thierrée.
Ainsi que Jamie Martinez et Magnus Jakobsson.
Décor: Victoria Chaplin-Thierrée. Choréographie: Victoria Chaplin-Thierrée et Amando Santin.
Production: Compagnie Des Petites Heures. Création: 2011.

喜劇映画俳優 Charles Chaplin の娘で、 サーカス・アーティストの夫 Jean-Baptiste Thierrée と1970年代から Le Cirque bonjour、Le Cirque Imaginaire そして Le Cirque Invisible と、 現代サーカスの文脈で活動する Victoria Chaplin-Thierrée。 息子 James と娘 Aurelia もサーカス・アーティストとして活動している。 Le Cirque Invisible や Victoria の舞台は The Guardian の文化欄などで目にすることも多く、 以前から観てみたいと思っていたのだが、 Victoria と Aurelia によるコラボレーションによる作品 Murmures des murs で、やっと観ることができた。

脇役的な2人の男性パフォーマーだけでなく、面を付けた匿名的な男性パフォーマーも数名登場するが、 ほぼ Aurelia をメインに据た作品。 古いアパートから引っ越しの荷造りをするも収拾が付かない Aurelia が夢の中に入っていき、 その夢の中のイメージを描いていた。 追われている所は悪夢的だけれども、ちょっと変で可愛らしいイメージの連鎖が楽しめた。

エアリアルも少し見せたがアクロバット的な技で見せるのではなく、 イリュージョン、パペットにダンスで夢のようなイメージを連鎖させて描いていくよう。 そんな所は Compagnie Philippe Genty [レビュー] とも共通する所もあり、 ちょっと可愛らしい悪夢の中の女性一人芝居的な所は Claire Ruffin: L'Imsomnante [レビュー] なども連想させられた。 そういう意味では少々ありがちとは思ったが、 夢の中で登場する緩衝材の怪獣などの変な生き物の造形も Aurelia の衣装もよく、 可愛らしい雰囲気の舞台が楽しめた。