子供のいる家族向けの演目を集めての TACT/FESTIVAL 2015 が 今年もGW中の東京芸術劇場で開催されました。5日に、その中の2本を観てきました。
José Montalvino の Théâtre National de Chaillot といえば、 2013年の Don Quichotte du Trocadéro が良かったので [レビュー]、 今回も楽しみにしていました。 衣装はもちろん、動物の映像戯れるような構成、魔法の呪文での客弄りなど、子供を飽きさせない演出かな、とは思いました。 しかし、男性タップダンサーに、女性はバレエダンサー2人、歌えるコメディエンヌに逆立ちを得意とするアクロバット、と、 少人数ながら得意技は様々。キレの良い多様な動きの組み合わせが楽しめました。
青緑白赤の4部構成で、青は空の動物 (鳥)、緑は森や草原の動物がテーマ。白は西アフリカの吟遊詩人 griot と楽器 kora のお話。最後の赤は Don Quihotte du Trocadéro からの抜粋でした。 kora の演奏やアフリカのダンスをビデオで済ませて短めにあっさり終わった griot と kora の白を、 生の演奏やダンスも多めにもう少し長く観たく思いました。
昨年の TACT/FESTIVAL に L'Immédiat [レビュー] で参加した Camille Boitel。 今年は感じプロダクション siar hasard による Boitel も協力したこの作品が来ました。 眠れずにベットをのたうつ様に着想したダンス、というかオブジェクト/フィジカルシアター、という趣の作品でした。
スチールパイプのベッドと大量のクッションで埋め尽くされた天蓋のようなものというシンプルな舞台で、 照明も寝室のように暗め。 Boitel はサーカスをバックグラウンドに持ちますが、特にサーカスの技や身体能力を誇示するよう場面はなし。 基本的に女性がソロで演じるのですが、ベッドから落ちたり、傾いたベッドのエッジで寝たり。 単にゴロゴロと寝返りを打っているようで、身体は巧みにコントロールして、面白い動きに。 ちょっぴり不気味ながらも悪夢的だったり、脅迫観念的だったりすることはなく、 派手に笑いを取りに行くわけではないものの、眠れない不条理にな状況もユーモラスで可愛らしい作品でした。 女性の cello と歌の生伴奏も、ナイトスタンドとして絡んだりしつつ、落ち着いた雰囲気に合っていました。
2つ舞台の間の時間は、ロワー広場で Corpus: Les Moutons 『ひつじ』。 毎年恒例で何回も観ているので [レビュー]、 座って遠巻きに眺める程度にしていましたが、安定した面白さです。