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Review: Teatrul Naţional Radu Stanca Sibiu: Călătoriile lui Gulliver [Gulliver's Travels] @ 東京芸術劇場 プレイハウス (演劇)
嶋田 丈裕 (Takehiro Shimada; aka TFJ)
2015/10/21
『ガリバー旅行記』
東京芸術劇場 プレイハウス
2015/10/19. 14:00-15:30.
Acting exercises inspired by the work of Jonathan Swift
Coordinator: Silviu Purcărete. Scenografie şi light design: Dragoş Buhagiar. Muzica: Shaun Davey.
Data premierei: 26 Mai 2012.

ルーマニア・トランシルバニア (Transylvania) 地方の主要都市シビウ (Sibiu) の Teatrul Naţional Radu Stanca Sibiu の2年ぶりの来日公演は、 18世紀イギリスの小説『ガリバー旅行記』 (Jonathan Swift: Gulliver's Travel, 1726, amended 1735) に着想した作品。 『ガリバー旅行記』を物語るのではなく、 第四篇のフウイヌム [Houyhnhnm] 国の話、特にヤフー [Yahoo] という種族の逸話をメインに、そのイメージを演じるような舞台でした。 ヤフーの話だけでなく、第一篇の小人国というかリリパット [Liliput] 国のイメージらしきものもありましたが。

本物の馬を舞台にあげての冒頭から、不潔で卑しいヤフーのイメージを比較的直接的に描ぐ前半は、 グロロテスクな中世ヨーロッパを思わせるイメージも楽しめました。 しかし、5組の「二人羽織」でのシーン、スーツ姿の人々によるシーンなど、 その意図が腑に落ちず、アイデア倒れのようにも感じられてしまいました。 いろいろ試みているのでしょうが、全体としてはぼやけた印象になっていまいました。

リリパット国を思わせる場面では、ガリバーが弄ぶ箱と人形の動きに合わせてその横で小人役の俳優を動かすことで表現していたのですが、 こういう表現はコンテンポラリーなマイムやサーカスの舞台でもっと精度良くやって見せるもの。 頭を切り落とされる場面や、刀で刺される場面にしても、イリュージョンで使うテクニックを使ったり。 前日にコンテンポラリー・サーカスの舞台を観たばかりだったということもあるかと思いますが、 表現が雑に感じられてしまい、この舞台の世界にはまり込めませんでした。

今回の来日公演は二演目連続ということで、 Oidip 『エディプス王』 の公演もあったのですが、こちらは平日のみということで断念しました。