東京芸術劇場で毎年GW恒例の家族向けの演劇祭 TACT/FESTIVAL。 今年も5日に、3本を観てきました。
フランス出身の Bruno Rudolf とブラジル出身の Ricardo Rodrigues が ブラジル・サンパウロで2007年に結成したカンパニーによる作品。 国際空間の入国審査で引っかかって入国できず足止めを食らった二人。 そんな状況を、ユーモラスなエアリアルのアクロバットで表現した作品でした。 といっても、エアリアルの技をブランコやティッシュといったいかにもエアリアルな道具立てで見せるようなパフォーマンスではなく、 荷物のトランクを宙に吊るし、そこで宙ぶらりんな生活を始めるという、 その描写にエアリアルのテクニックを使っていました。 そんあ不条理な状況が生み出すユーモアが楽しめた作品でした。
次の公演までの時間は、ロワー広場で毎年恒例の Corpus: Les Moutons 『ひつじ』 [2010年のレビュー]、 何回も観ているので、座って遠目に観てましたが、相変わらずの盛り上がりです。 今年は、5月7, 8日に別演目 Camping Royal が予定されていて、 それも少々気になったのですが、7日はふじのくに⇄世界演劇祭2016へ行く予定。 もし余力があったら8日に観に行きたいものです。
ひょろりと背が高い男性 Brian Henninot と小柄な女性 Clémence Rouzier による フランス南西部トゥールーズの凸凹2人組による、可愛らしいマイムによるコメディ。 マイムだけでなく、 あまり明確な筋は無く、派手な技やネタ無しに、反復を少しズラしていく中に笑いを仕込んできます。 細かな仕草の積み重ねで作り出す雰囲気も良。コメディのミニマリズムを見るようでした。 最後は、Henninot のアコーディオン伴奏で Rouzier の歌を、やはり反復で笑いと取るように。
Cie Jérôme Thomas で活動していたKim Huynh と Jive Faury が2006年に結成したフランスの男女ペア。 男女ペアによるロープをメインとしたジャグリング、マニピュレーション、そして、マジックの要素も少し入れたショー。 女性パフォーマーの Kim Huynh は 2012年に Cie 14:20 の一員として来日して “Constellations” 『星座』という、グローボールを使ったジャグリングショーをやっていた [鑑賞メモ]。 縄を浮かび上がらせるようなライティングなど共通点はありましたが、 ちょっとワガママな女性とマイペースな男性のカップルのやりとりという形で、 技を繋いで見せていくという結構オーソドックスな演出。 それも悪くはなく、こういう雰囲気って日本のカンパニー/パフォーマーはなかなか出せないんだよなあ、と思いながら観ていました。
かっては二階のプレイハウスを会場にしての公演がありましたが、 去年に続いて今年も地階の小劇場、シアターイースト/シアターウエストが会場。 サーカス中心の演目を楽しみましたが、 各作品小粒で、全体としてもこじんまりした印象は否めませんでした。 やはり、予算が削られているのでしょうか。