2012年にびわ湖ホールで初演されたダンス作品ですが、観るのは今回の再演が初めて。 小道具も最低限に映像プロジェクションと照明駆使した舞台でした。 特に、中盤で多く見られた、 フロアに抽象的な映像を投影しつつ、その上のパフォーマーをひざ下が暗くなるよう横から照明することで、 まるで床に光の水を張ったようにように見せる演出はさすが。 そんな床を光の帯を走査させると、Dumb Type らしい光学スキャナの走査光源のようでもあり、 そこで 平井 優子 が赤いドレスで踊ると、光の波打ち際で戯れているよう。
そんなスタイリッシュなダンスの演出もあり、 2012年に観た『明るい部屋』 [鑑賞メモ] よりも楽しめたのですが、 ダンスがメインではない場面では少々退屈に感じたのも確か。 展覧会を観たときにも感じたことですが [鑑賞メモ]、 テーマの「光」「色」に関連して選ばれ、ナレーションで流された西洋の古典的なテキストと 舞台上で起きていることの関係ががピンときませんでした。 むしろ、それとは対照的な俗っぽい日本語のセリフとのギャップに「西洋コンプレックス」を見るようなひっかかりを感じてしまいました。