10月に素晴らしい公演 Contact で来日した Philippe Decouflé [レビュー] が演出を手がけたミュージシャルを観てきました。 芸能プロダクションの企画・制作によるミュージカルを観るのは初めてです。 Contact のようなめくるめくスペクタルを期待しましたが、それを期待した自分が間違い。 Cie DCA のようには身体能力の高いパフォーマーが揃わないということもあると思いますが、 予想以上に丁寧にストーリーや登場人物の内面を説明する演出で、 Decouflé の持ち味である幻惑的な演出があまり見られませんでした。 例えば、真悟の内面を「〜といいます」といちいちセリフで説明するという。 こういったものは象徴的なマイム、ダンスや照明などの演出を重ねて表現して欲しいところでしたが、 これもエンタテインメントの舞台としてわかりやすく作っていたということなのでしょうか。 最も Decouflé らしく感じたのは、最後のブランコの演出。 エアリアル・パフォーマーではないのでシンプルにブランコ揺らしているだけのものでしたが、 このような宙を舞う動きを象徴的に使いたかったのだろう、と。 また、そのネタをストレートに使ったりしてはいませんでしたが、 制作中に Decouflé がロボットレストランに行った理由が、わかったような気がしました。
コンテンポラリー・ダンスの振付・演出家を使った似たような企画のミュージナルとしては、 やはりホリプロの企画制作による Inbal Pinto & Avshalom Pollak [関連レビュー] 演出の『100万回生きたねこ』 (2013) があります。 こちらは気になっていたものの観ていないのですが。やはり、こんな感じなのでしょうか。