人工霧によるインスタレーション「霧の彫刻」で知られる 中谷 芙二子 の展覧会。 彼女の父である物理学者 中谷 宇吉郎 が晩年にフィールドにしたグリーンランドを題材にした展示ということで少々腰が引けていましたが、 人工霧のインスタレーションもしているということで、足をはこんできました。 今までにも、人工霧を使ったインスタレーションを観たことがありますが [鑑賞メモ1, 鑑賞メモ2]、いずれも野外。 今回の展示作品「Glacial Fogfall」で初めて屋内での人工霧を体験しました。 間欠的に霧を発生させており霧が晴れている時間の方が長かったように思いましたが、 霧を発生させても風で流されないため、まさに霧に包まれるような体験をすることができました。 霧を発生させるノズルやその吹き出しの様を間近に見たのも初めて。その様子も興味深く見ることができました。
中谷 宇吉郎 の遺品、研究で用いたメモ、資料の類の他、 中谷宇吉郎 雪の科学館 のために1994年に、彼がフィールドにしていたグリーンランドに赴いて持ってきた石や、その際のビデオも展示されていました。 それで 中谷 宇吉郎 のグリーンランドでどういう研究をしていたのかわかったという程ではありませんでしたが、 石やドラム缶が霧に包まれると、フィールドにいるかのような気分になれました。 (実際のところ、ビデオで撮影されたグリーンランドはよく晴れており、研究していた場所が霧の多い場所だったわけでもなさそうでしたが。)
この展覧会で知ったのですが、 加賀市の片山津温泉に、 中谷宇吉郎 雪の科学館 (1994年開館) というのがあったのですね。 中谷 芙二子 の人工霧のインスタレーションもあるとこのと。 北陸新幹線が延伸されたら、金沢と合わせて足を伸ばしてみるのも良さそうだな、と。