ふじのくに⇄せかい演劇祭 2018 の話の続き。一泊して、翌昼に、この舞台を観ました。
インド洋のフランス海外県のレユニオン島 (île de la Réunion) 出身で、 現在はフランス中部リムザン (Limousin) 地方の首邑リモージュ (Limoges) の国立劇場を拠点に活動する Jean-Lambert-wild による、 Shakespeare の Richard III を道化芝居として解釈した舞台。 写真や予告映像から、2016年に観た Oivier Py: La Jeune Fille, le Diable et le Moulin, d'après les frères Grimm [鑑賞メモ] のような舞台が楽しめそうと期待していた。 実際、人形劇場を意識したと思われる舞台美術で繰り広げられる道化芝居を楽しんだけれども、その一 その一方で、物足りなく感じたところもあった。 特に、使われる音楽が生演奏ではなく、ダンスを踊るどころか歌うような場面すら無かったのが、とても物足りなかった。 人形芝居小屋の雰囲気の中にビデオや照明使いなど現代的な演出を忍ばせ、エンディングなどむしろ現代演劇的な演出になっていたが、 それも折角の道化芝居的な雰囲気を削いでしまっていたように感じた。
Shakespeare の Richard III に基づく作品としても、 2016年の Ong Keng Sen (dir.) 『三代目、りちゃあど』 [鑑賞メモ] に続いてとも言えるが、なんとも相性が悪いようだ。オリジナルがダメということではないと思うのだが……。