(Erato, 08256 462206 9 4, 2014, 2DVD)
Compositeur: Francis Poulenc
Livret de Francis Poulenc.
Texte de la pièce de Georges Bernanos, adapté avec l’autorisation d’Emmet Lavery,
d’après une nouvelle de Gertrude Von Le Fort
et d’un scénario du R. P. Brückberger et Philippe Agostini.
Mise en scène: Olivier Py
Scénographie (décor et costumes): Pierre-André Weitz;
Lumières: Bertrand Killy.
Avec:
Patricia Petibon (Blanche de la Force),
Sophie Koch (Mère Marie de l’Incarnation),
Véronique Gens (Madame Lidoine),
Sandrine Piau (Sœur Constance de Saint Denis),
Rosalind Plowright (Madame de Croissy),
Topi Lehtipuu (Le Chevalier de la Force),
Philippe Rouillon (Le Marquis de la Force),
François Piolino (Le Père confesseur du couvent),
Annie Vavrille (Mère Jeanne de l’Enfant Jésus),
Sophie Pondjiclis (Sœur Mathilde),
Matthieu Lécroart (Thierry, le médecin, le geôlier),
Yuri Kissin (Le second commissaire, un officier),
Jérémy Duffau (Le premier commissaire).
Direction: Jérémie Rhorer.
Orchestre National de France;
Chœur du Théâtre des Champs-Elysées,
Alexandre Piquion (chef de chœur).
Un spectacle produit par Le Théâtre des Champs-Elysées
/ Le Théâtre Royal de La Monnaie, Bruxelles.
Filmé au Théâtre des Champs-Elysées Le 21 décembre 2013.
Réalisation: François-René Martin
6月に Met Live in HD で観て良いと思っていた所、
Olivier Py [鑑賞メモ] の2013年のプロダクションがあることを知って、DVDで観てみました。
フランス革命末期の恐怖政治の時代に殉教したコンピエーヌの16名のカルメル会修道女の実話をベースに、
彩度明度を抑えた演出で物語にある
不条理の下で尊厳を持って生きる/死ぬことはどういうことなのか問うかのような緊迫感を感じさせつつ、
光の使い方が美しく、interlude などでの象徴的な話の運び方も巧みでした。
修道女服以外はフランス革命時代ではなく現代的でシンプルでミニマリスティックなスーツだったりワンピースドレスだったりしましたが、
舞台を現代に置き換えたのではなく、むしろ特定の時代を感じさせないような演出と感じました。
最初の見所は、Acte I 最後 4ème tableau の Madame de Croissy の死の場面。
死の床を高い位置に立て置く演出が視覚的に面白かった。
下からの照明は窓から差し込む日ということを表しているだけなく、
が観客から見づらい家具を浮かび上がらせ、Croissy の表情も不気味に浮かび上がらせます。
そして、その中で、Blanche と Madame de Croissy が手を伸ばし会うことにより、
Blanche の身代わりの死を象徴的に表現していました。
次の見所は、やはり、Acte II の 3ème tableau、一緒に海外に亡命しようとやってきた兄 Le chevalier とそれを拒む Blanche の場面です。
Py の演出では、手を取ったり、兄を抱きしめたりと、Blanche が葛藤する様子がドラマチックに演出されます。
そしてそれを Patricia Petibon は歌いながらも棒立ち気味にならずに全身で演じます。
2013年の Théâtre des Champs-Elysées の trailer [YouTube] でこの場面が使われたのも納得です。
最後の見所は、もちろん、ラストの Salve Regina ですが、そこに至るまでの展開が良いです。
3ème tableau の光を使った監獄の表現も美しく、
interlude でのこれから殉教だと示す象徴的な活人画的表現を経て、
4ème の Salve Regina は現実味を排し既に彼女たちは天に登っているかのよう。
そして、ラスト、Blanche が星空に登って消えていくような余韻を残します。
作品本来の良さを損なうことなく抽象度を高め、視覚的に美しく、
John Dexter の演出よりも遥かに自分の好みの演出でした。