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Review: 渡邉 尚 (頭と口) × Guillaume Martinet (Defracto) 『妖怪ケマメ L’esprit des haricots poilus』 @ KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ (サーカス)
嶋田 丈裕 (Takehiro Shimada; aka TFJ)
2019/10/14
KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ
2019/10/06, 12:00-12:45.
作・出演: 渡邉 尚 (頭と口) [Hisashi Watanabe (Atama to Kuchi)], Guillaume Martinet (Defracto).
音楽・演奏: 野村 誠; 音楽・装置: Sylvain Quement; ドラマトゥルク: Johan Swartvagher; 照明: Alrik Reynaud; 衣装: Eve Ragon; 編み手・ボール製作・通訳: 儀保 桜子.

2015年に活動を始め、2016年の渡仏後は 儀保 桜子 とのユニットになった 頭と口 の 渡邉 尚 [鑑賞メモ] と、 2016年に世田谷パブリックシアターに来日した Defracto [鑑賞メモ] の Guillaume Martinet による新作公演です。 メタな要素のあるコンセプチャルな作品だった Defracto: Flaque のようになるかと思いきや、 むしろ『逆さの樹』に近い、グニャっと動くジャグリングをする異形の動物、というか、ジャグリング妖怪たちの遊ぶ様を楽しむ1時間弱でした。

少し突起のビーンズバックでのジャグリングが多用されるわけですが、 技の高度さを見せるようなものでも、物語るようなものでもなく、 口で咥え投げるような動きでジャグリングしたり、二人仰向けになって足でバレーかテニスのようなゲームに興じたり、 軟体も駆使した奇妙な姿勢で戯れるよう。 野村 誠 も舞台脇で生演奏しますし、儀保 桜子 もアシスタント的にパフォーマンスに絡みましたが、 Flaque のような不条理な巻き込まれ方などはなく、 あくまで、そんな2人の「妖怪」的な姿勢と動きの面白さに焦点が当たったパフォーマンスでした。