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Review: 『第12回 恵比寿映像祭』 (Yebisu International Festival Art & Alternative Visions 2020) @ 東京都写真美術館 界隈 (美術展);
嶋田 丈裕 (Takehiro Shimada; aka TFJ)
2020/02/24
Yebisu International Festival Art & Alternative Visions 2020
東京都写真美術館, 日仏会館 ほか
2020/02/07-02/24 (月休), 10:00-20:00 (2/24 10:00-18:00)

東京都写真美術館とその界隈で開催されているアニュアルの映像芸術展です。 年度末繁忙期で毎年とはいかないものの継続的に観てきているので [2年前の鑑賞メモ]、定点観測的な気分で観てきました。 今年のテーマ「時間を想像する The Imagination of Time」にピンときて楽しめた程ではないですが、 いくつか気になった作品について。

別会場の日仏会館で展示されていたのは、高谷 史郎 の新作委嘱作品《Toposcan/Tokyo》。 『明るい部屋』展 (東京都写真美術館, 2013) [鑑賞メモ] に展示されていたアイルランドで撮影された《Toposcan/Ireland》 (2013) の東京版です。 同様8枚のディスプレイを使ったインスタレーションで、 ストライプに引き延ばされた風景と、通常の同ビデオ、そして、氷付いたかのようにスチル化していく映像は同様ですが、やはり見入ってしまいます。 特に、東京港湾で撮られたものの、波が凍っていくように見える様が良いです。

地階に展示されていた韓国の作家 Hwayeon Nam (남 화연, 南 和延) によるビデオインスタレーション Dancer from the Peninsula 《半島の舞姫》 (2019) は、 1911年京城生の舞踊家 崔 承喜 (최 승희, Choi Seung-hee) に取材した作品。 作品中では、日中戦争中は日本占領下の中国北京で活動し、戦後は北朝鮮で舞踊研究所の設立したというエピソードに触れています。 映像の中では触れられていませんでしたが 石井 漠 に師事し、1967年に粛清され家族と共に行方不明になったといいます。 崔 承喜 という題材は良く、研究をまとめた本として読んだり、 主演映画『半島の舞姫』 (今 日出海=監督, 新興キネマ, 1936) や当時の資料展示を観たいとは思うきっかけにはなりましたが、 ビデオインスタレーションとしての説得力はさほど感じられませんでした。

LEDディスプレイの上にグラスやアルミのオブジェを並べて幻惑的なイメージを作り出していた 木村 友紀 《MPEG-4 H.264 Reflecting in Sizes》 (2019) や、 まだそういう言葉が無かった時代ながらアートアニメーション的なイメージ連想を白黒映画化したかのような 都筑 道夫 原案、高橋 悠治 音楽による 真鍋 博 《時計》 (1963) も、印象に残りました。