2/10土曜は美術館・ギャラリー巡り。まずは恵比寿のこの展覧会へ。
東京都写真美術館とその界隈で開催されているアニュアルの映像を主な対象とした美術展。 改装休館を終えて東京都写真美術館がメイン会場として戻ってきた去年が結構良かったので [鑑賞メモ]、今年も期待していましたが。 しかし、テーマが「インヴィジブル Mapping the Invisible」ということで、 形式的な面白さというよりコンセプチャルな作品が多くあまり楽しめませんでした。
今回は周辺のギャラリーで開催されている地域連携プログラムも観て回ったのですが、 むしろそちらの方が楽しめました。(比較的暖かく散歩日和ということもありましたが。) そんな中では、レースのベールを人が被ったかのような形で下の人を消して白黒写真化した 小瀬村 真美 や、 ガラス容器に映像を封じ込めたかのような 松原 健 など、 MA2 Gallery の展示が印象に残りました。 小瀬村 真美 は今年6月に原美術館で個展が予定されているとのこと。これは楽しみです。
続いて、六本木へ移動。
アニュアルで開催されている文化庁芸術家在外研修の成果報告展。 こちらも、定点観測的に毎年のように観てますが、今年も画廊巡り代わりの気分で観てきました。 しかし、去年 [鑑賞メモ] ほど、良いなと思える作家に出会えませんでした。
そんな中で最も印象に残ったのは mamoru。 マルチプロジェクションのビデオインスタレーションですが、映像を丁寧に作っている所と、 展開はあるけど物語的に過ぎず音楽やダンスに共通するような抽象度な所が気に入りました。 『第10回 恵比寿映像祭』の方にも出展していたのですが、複数のディスプレイの組み方は面白いとは思ったもののこぢんまりしている上、映像がワーク・イン・プログレスなのが惜しいなと思っていたので、 『20th DOMANI・明日展』に展示されていた作品の方が良いな、と。
さらに表参道へ移動。
現代美術の文脈で1990年後半以降注目されるようになった中国・北京出身の作家の展示です。 蔡 楚生 [Cai Chusheng] 監督によるサイレント映画 『新女性』 (aka New Women, 聯華影業公司, 1935) へのオマージュとなる作品 白黒の映像作品 New Woman (2013) の続編と言える作品とのこと。 マルチモニターのカラー映像作品となっています。 人口的というよりキッチュな色合いの水辺の風景を背景に、戦間期もモダンを思わせる装いの 水着姿の東洋系の若い女性がポーズを取ったり、動いたりしていました。 戦間期モダンな女性の姿に目が奪われつつ、キッチュな色のセンスは好みではなく、なんとも微妙な印象。
映像を丁寧に作っている所や、展開はあるけど物語的に過ぎず象徴的な表現に留まる抽象度など、 直前に観た mamoru の作品と共通点を感じました。 最近の流行に疎いのですが、最近はこのようなマルチスクリーンのビデオインスタレーションが一つの流行なのでしょうか。
さらにもう一件、展覧会を観たのですが、それについては記事を分けます。