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Review: Guandini Juggling / Alexander Whitley: Spring (サーカス/ダンス / streaming); Compagnie 111 / Aurélien Bory: Sans Objet (サーカス / streaming); Kristin & Davy McGuire: Vertigo (サーカス / streaming)
嶋田 丈裕 (Takehiro Shimada; aka TFJ)
2021/01/27

毎年1月後半から2月頭にかけてロンドンで開催されているコンテンポラリーなマイム/サーカスのフェスティバル London International Mime Festival (LIMF)。 今年はCOVID-19のため公演は行わず、その代わりに1月18-31日の会期で、委嘱の新作短編映像5本 (5 Short Films) と 過去にLIMFで上演された作品の中から選ばれた映像 (Videotheque) を、ストリーミングしています。 全てを観きれないボリュームなのですが、日曜25日に観た中から印象に残ったものを。 先週末観た分の鑑賞メモはこちらです。(2021/02/01追記)

Director: Sean Gandini; Choreographer & Co-director: Alexander Whitley.
Music: Gabriel Prokofiev; Lighting Design: Guy Hoare; Costume Design: Lydia Cawson.
Jugglers: Dominik Harant, Kati Ylä-Hokkala, Kim Huynh, Liza van Brakel, Tristan Curty (Guandini Juggling), Wes Peden (guest appearance); Dancers: Yu-Hsien Wu, Tia Hockey, Leon Poulton (Alexander Whitley Dance Company), Erin O’Toole (Guandini Juggling).
Musicians: Camerata Alma Vita, Joel Barford (drums), Joseph Snelgrove (drums).
First performance: 18 January 2019 at La Maison des Arts de Créteil, France.
A LIMF (London International Mime Festival) co-commission. Performed 31 January - 2 February 2019 at Sadler's Wells Theatre as part of LIMF 2019.
62 min.
URL: https://www.youtube.com/watch?v=ToEykdP7O4E

Pina Bausch オマージュの Smashed で知られ [鑑賞メモ]、 オペラやバレエ、ダンスとジャグリングのコラボレーションの最先端を行く Guandini Juggling が、 イギリスの振付家 Alexander Whitley とコラボレーションした2019年の作品です。 Gabriel Prokofiev 作曲で、弦楽 5tet と twin drums に electronica な音を加えた “baroque meets techno” な音楽に合わせて、 光と色とシルエット、そのジャグリングとダンスのリズミカルな動きによる変化で、動く抽象画のように視覚化していくよう。 ダンスの振りもジャグリングの動きに着想したものが多く使われ、よく見ていればダンサーとジャグラーが区別できますが、 明示的な役割分担無くジャグラーとダンサーの動きがシームレスに組み合わされています。 ボール、リング、クラブなどジャグリング道具以外の道具はつかわず、 衣装も含め基本的に白やグレーの中、リングの片面を彩色するなど、色使いもポイントを押さえたもの。 そんなミニマリスティックな演出が、とても好みでした。

公演の動画とは別に、LIMF 2021 のために収録された Gandini Juggling 主宰の Sean Gandini の約1時間のトークも ストリーミングされています。 日本では彼らのバックグラウンドを知る機会がほとんどないので、とても興味深く聞けました。 Pina Bausch オマージュの Smashed の LIMF 2017のための Special Edition では、 Dominique Mercy (ex-Tanztheater Wuppertal Pina Bausch) が関わったのですが、 パリ公演に観にきたという Mercy の出会いの経緯とか、一緒に新たに作った Charles Aznavour の歌を使った場面の話とかしています。 ex-Merce Cunningham Company のダンサーが Gandin に来てジャグリングを覚えたという話や、 Spring に出演した Alexander Whitley Dance Company のダンサーなど、ダンスとジャグリングのスキルを持つ人材も増えてきているとのこと。 Spring に Gandini Juggling のダンサーとして出演クレジットされている Erin O’Toole は、 Gandini Juggling が Royal Ballet とコラボレーションした 4X4: Ephemeral Architectures に出演したバレリーナで、 それ以来、Guandini Juggling のコアな部分になっているとのこと。 彼らのようなダンスとジャグリングの二つのスキルを持つパフォーマーが増えてくると、 ダンスとジャグリングの融合度のより高い作品が作れるようになってくるのだろうと、楽しみです。 ちなみに、Gandini 曰く、ダンサーがジャグリングに近づく方が、 ジャグラーがダンスに近づくより、容易ではないかとのことでした。(2021/02/01追記)

Compagnie 111 / Aurélien Bory
Avec: Olivier Alenda, Pierre Cartonnet
Conception, scénographie et mise en scène: Aurelien Bory
Pilote, Programmmation robot: Tristan Baudoin Composition musicale: Joan Cambon Création lumière: Arno Veyrat
Production: Compagnie 111 – Aurélien Bory
Création 2009.
Enregistrée le 5 fevrier 2010 au Théâtre des Avvesses à Paris.
63 min.
URL: https://www.youtube.com/watch?v=n1_-Wel2E8E

南フランス・オクシタニアの首邑トゥールーズを拠点とする Cie 111 による、 1970年代に自動車組立ラインで使われていた真空吸着ヘッドの産業用5軸ロボットアームを、 舞台上でダンサーとして蘇みがえらせた作品です。 といっても、ロボットアームだけを動かしても動きの面白さには限界があるわけで、 2名のサーカス・アーティストがマイムやアクロバットの動きで絡むことにより、 時にユーモラスで意思を持つものかのように動きを見せていきます。 黒のビニールシートで覆ったり、真空吸着ヘッドで床板を動かしたり、 暗めの舞台の中でカンテラ風の照明を使ったり、逆光を効果的に使ったりと、 視覚的に幻想的と感じる演出も好みでした。 トレイラー動画やスチル写真で以前から気になっていたカンパニーでしたが、 今回やっと、動画とはいえ作品を通して観ることができました。

Live performance with projection onto gauze.
Choreography and Performance: Kristin McGuire.
Projection Design: Davy McGuire.
A short film, commissioned for the 2012 London International Mime Festival.
4 min.
URL: https://www.youtube.com/watch?v=n1_-Wel2E8E

イギリス・ロンドンを拠点に活動する、マルチメディア・アートの2人組ユニットです。 Davy はデヴァイズド・シアター (devised theatre) の、Kristin はダンスのバックグラウンドを持つとのことです。 この短編ビデオ作品は、Kristin の pole dance に Davy の live video projection を重ねたものを、ワンテイクで撮影したもの。 ポールを包むかのように半透明の幕を下げ、幕や床に白い光の網のようなパターンを投影し動かし、 pole dance に合わせてダイナミックに動かしていきます。 合唱曲に合わせて白い光に包まれた感もあるパフォーマンスは幻惑的ながら神々しくさえ感じられました。