Perfume のライブでの映像演出で知られる 真鍋 大度 と 石橋 索 が主宰する Rhizomatiks の個展です。 NTT ICC で展示を観たり、 野村 萬斎 とのコラボレーションを観たりしたことはありましたが、これだけまとめて展示を観るのは初めてです。 レディメイドではなく手作り感も残る資料展示も興味深くありましたが、やはり、 2011年の作品をアップデートした Particles 2021 の大仕掛けなレールの足場はもちろん、 振付家 MIKIKO / ダンスカンパニー ELEVENPLAY の映像プロジェクション、ロボティクス、AR (Augumented Reality) を組み合わせた抽象ロボットダンスショー Rhizomatiks × ELEVENPLAY “multiplex” など、 インスタレーションが見応えありました。 しかし、Rhizomatiks に限らず NTT ICCに展示されているようなメディアアートにもよく感じることですが、 必ずしも簡単で効果的な実現方法を目指さない技術の無駄使い感が面白いものの 一方でやっていることの自己目的化による空虚さも否ねません。 特に、“multiplex” の、使われる electronica な音楽やARで重ねられるダンサーのイメージがステロタイプな所に、 その点への制作時の興味の無さを垣間見るようでした。
Mark Manders はオランダ出身でベルギーを拠点に活動する現代美術作家。 MOTのコレクション展示でも観る機会もありましたが、個展を観るのは初めてです。 社会的なコンセプトを持つインスタレーションの多い現代美術においては珍しく、 心象風景や連想による漠然とした物語を描くような比較的オーソドックスにシュールレアリズムの流れを汲む立体作品です。 比較的小さな作品もやドローイングも展示されていましたが、 やはり惹かれたのは、ブロンズながら乾燥によるひび割れも作り込んだクレイ風のテクスチャで仕上げた大きめの立体作品。 そんなスケール感や質感もあって、自分が人形大になって不条理なクレイ・アニメーションの世界に迷い込んだようでした。
企画展示室 1Fでは 『Tokyo Contemporary Art Award 2019-2021 受賞記念展 風間サチコ、下道基行』。 第1回とのことですが、2作家の作風が大きく異なっていて、この賞はどういう表現を評価しようとしているのかしらん、と。
コレクション展示室では 『MOTコレクション コレクションを巻き戻す』。 戦前というか19世紀末の明治期から最新のもので1991年まで。あえて、ほぼ制作年順に淡々と展示されていました。 東京都現代美術館らしくないという意外さはありましたが、面白いと思う程ではありませんでした。うむ。