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Review: 『サウンド&アート展 見る音楽、聴く形』 @ アーツ千代田3331 1Fメインギャラリー (美術展)
嶋田 丈裕 (Takehiro Shimada; aka TFJ)
2021/11/21
アーツ千代田3331 1Fメインギャラリー
2021/11/06-2021/11/21 (会期中無休). 12:00-18:00.
一柳 慧, invisi dir, 宇治野 宗輝, 金沢 健一, 齋藤 鉄平, 園部 良, 武満 徹, Phil Dadson: From Scratch, 西原 尚, Martin Riches, François Baschet, Bernard Baschet, Pierre Bastien, FUJI|||||||||||TA, 藤田 クレア, 松本 秋則, 明和電機, 吉村 弘, Hans Reichel, Luige Russolo (多摩美術大学芸術学科による再制作, 秋山 邦晴 監修).
主催: クリエイティブ・アート実行委員会

鳴らすことのできる彫刻、音が出るオブジェを集めた展覧会です。 近年よくあるサウンド・インスタレーションは外され、 叩いて鳴らす打楽器的なオブジェに偏りがある、制作年などの背景を考慮しないフラットな展示、など、 網羅性、体型性には少々物足りなさを感じましたが、会場規模などを考えると、仕方ないでしょうか。 触って音を出せる展示、音が出るよう実演のある展示が多く、さらには体験コーナーも設けられ、音出しも楽しい展覧会でした。

最近は、大きく音を鳴らすものより、繊細な音を響かせる作品が好み。 金沢 健一《音のかけらテーブル》 [過去の鑑賞メモ] をはじめ、 齋藤 鉄平《波紋音》や 松本 秋則《竹音琴》などが発する繊細な音を楽しみました。 レコード/CDで音を聴き写真で観る機会はそれなりにあるものの、なかなか実物を観る機会のない Hans Reichel の “Daxophone” が、展示のみで鳴らすことができなかったのは、少々残念。

その一方で、お馴染み明和電機 [過去の鑑賞メモ] などの 電気仕掛で音をだすオブジェ作品の実演 (無人の自動演奏ですが) も楽しみました。 会場が狭く、会期末の週末ということもあり子連れ客も含め賑わっており、 その賑やかさの中に繊細な音がかき消されがちだったのが、少々残念でした。