東京都写真美術館主催のアニュアルの映像芸術展です。 例年、東京日仏会館も展示会場となっていましたが、今年は、周辺の関連展示はあったものの、東京都写真美術館でほぼ完結。 国内作家中心というのはもちろん、昨年 [鑑賞メモ] にも増してコンパクトに感じられました。 COVID-19 下で企画準備段階から大きな制約があることは容易に想像できるので、こうして継続しているだけでも意義があるとは思いますが。
写真やビデオを使ったコンセプチャルな現代アート文脈の作品が中心で、 映像の妙、視覚トリック的な面白さを感じる作品があまり無かったのが物足りなく感じました。 といっても、この映像の妙、視覚トリック的な面白さの無さは、「スペクタクル後」という企画意図かもしれません。 しかし、そんな中では、ストロボライトやデジタルビデオカメラの走査を使って観る 立体ゾートロープ作品 パンタグラフ 《ストロボの雨を歩く》 (2015) が、恵比寿映像祭に出てくる作品らしくて、気に入りました。 ここ20年近く、あまりチェックできていなかったのですが、 studio BIG ART [鑑賞メモ] の人だと懐かしく、 こうして制作が続いていて嬉しく思ったりしました。
今回は3階の展示室の2/3ほどが、映像祭のメインテーマに合わせた「スペクタクルの展覧会:小原真史企画」と題された、 19世紀末から20世紀にかけての博覧会やそれに関連するスペクタクルの写真・映画からなる展示で、コレクション展示を観るよう。 映像祭内企画ではなく、テーマで通常のコレクション展示をして欲しかったです。