『DANCE 4』はTACT FESTIVAL 2022の中のダンスパフォーマンス企画で、 ひびのこづえ の衣装を用いたダンスを4作品を上演するものです。 去年、ひびのこづえの展覧会を観て [鑑賞メモ]、 着て踊られてこそ面白いと実感しこともあり、 シアターウエストで上演された3作品を観ました。 もう1作品、ロワー広場で上演された『WONDER WATER × ホワイトアスパラガス × 川瀬 浩介』は、 上演が午前中のみと時間が合わず観られませんでした。 (『WONDER WATER』は以前に観たことがあります。)
最初に観たのは3人の男性ダンサーによる『UP AND DOWN』。 大宮 大奨, 川合 ロン はコンテンポラリーダンスの舞台で観たことありましたが、高村 月 は初めてでしょうか。 「裸の王様」、「三匹の子豚」、「赤ずきん」といった童話に着想した衣装とダンスですが、 特にオリジナルの話を追うというより、そのキャラクターに着想したといったところでしょうか。 全体としてのテーマを掴み兼ねましたが、少々ドタバタ気味のユーモラスな衣装と動きを楽しみました。
『ROOT:根』はアオイヤマダのソロ。 バルーンでできた大きなカエルの造形物を背負って登場し、 踊りながら少しずつ衣装を脱ぎ捨てつつ、最後には血管のような模様のあるボディタイツ姿に。 ヴォーギングのようなポーズを使い、衣装を減らしていく展開もあって、ストリップティーズも少し連想させられました。 ひびのこづえの展覧会 [鑑賞メモ] での《AR forest》が印象に残っていたので、 いろいろ衣装を着替えキャラクターが七変化してくようなパフォーマンスも観てみたかったように思いました。
日を替えて最後に観たのはaltneuの2人によるもの。 前半は『UP AND DOWN』にも似て童話的なキャラクタに着想したものですが、 北風と太陽の対立関係から、ライオンと人魚姫で異種のファーストコンタクトのような関係へ。 後半はグッと抽象的になり、 繋がった衣装を絡めたコンタクトインプロビゼーションのような動きから、 うっすら模様のあるボディタイツ姿でのリフトも交えたパ・ド・ドゥ、と、 次第に親密になっていく男女のストーリーも感じさせる構成。 動きも美しく、観た3作の中では最も見応えを感じました。
TACT (Theater Arts for Children and Teens) の中の企画ということもあり、 全体として、抽象的に過ぎず衣装などにとっつきやすさもあり、 リラックスして楽しめた公演でした。