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Review: 新国立劇場バレエ団 / 平山 素子 『春の祭典』 [The National Ballet of Japan: The Rite of Spring] @ 新国立劇場 中劇場 (ダンス)
嶋田 丈裕 (Takehiro Shimada; aka TFJ)
2022/11/27
The National Ballet of Japan: The Rite of Spring
新国立劇場中劇場
2022/11/26, 14:00-15:30.
『半獣神の午後』
振付: 平山 素子.
音楽: 笠松 泰洋 “Expiration”, Claude Debussy “Syrinx”, “The Afternoon of a Faun”
衣裳: 堂本 教子; 照明: 森 規幸; 振付補佐: 中川 賢, 藤村 港平.
出演: I. 福田 圭吾, II. 渡邊 峻郁, 木下 嘉人, III. 宇賀 大将, 小野寺 雄, 福田 紘也, 石山 蓮, 太田 寛仁, 小川 尚宏, 上中 佑樹, 菊岡 優舞, 樋口 響, 山田 悠貴, 渡邊 拓朗, 渡部 義紀
約30分
新国立劇場バレエ団委嘱・初演
『春の祭典』
演出・振付・美術原案: 平山 素子; 共同振付: 柳本 雅寛.
音楽: Igor Stravinsky “The Rite of Spring” (piano, 4 hands)
衣裳: 堂本 教子; 照明: 小笠原 純; 美術作品協力: 渡辺 晃一 (作品《On An Earth》より)
出演: 池田 理沙子, 中川 賢 (ゲストダンサー); 演奏 (piano): 後藤 泉, 松木 詩奈.
約40分
2008年「古楽とストラヴィンスキー」にて初演

平山 素子 振付作品を新国立劇場バレエ団ダンサーが踊る、中劇場を使ってのダンス公演です。 第一部で新作『半獣神の午後』を、休憩を挟んで後半に2008年初演の『春の祭典』を上演しました。 何回か再演されていますが 平山 素子 の『春の祭典』を観るのは初めてです。 明示はされませんでしたが、いかにも Nijinsky / Ballets Russes を連想させられる組み合わせです。

前半はニンフが出てこない代わりに半獣神 (牧神) が1人ではなく群舞、ソロ、デュオと変奏して展開します。 官能的というより健康的な身体美という感じだったのは、ニンフ抜きという演出だけでなく、ダンサーたちの資質もあるでしょうか。 後半の『春の祭典』は、Pina Bausch [鑑賞メモ] にしても Noism [鑑賞メモ] にしてもそうですが、 生贄の乙女のプロットや群舞のイメージが強いわけですが、 デュオとすることでそこを外され、2人のダンサーと2人のピアノ奏者という構成もあり、グッと形式的に感じられました。 しかし、この場合は終わりはどうするのだろうと思って観ていたら、床に敷かれた布もろろも舞台下へ吸い込まれていきました。

身体能力の高いダンサーの資質もあるかもしれませんが、 原典のプロットはあえて外して、形式的な作りをしているようにも感じられました。 しかし、現在の社会的状況を意識させられるような Noism の『春の祭典』を観てから1年余りしか経ってないせいか、 もしくは、2008年という制作年の時代の雰囲気なのか、 かなりあっさりとした演出に感じられてしまいました。