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Review: 新国立劇場バレエ団 『ニューイヤー・バレエ』 (2022/2023シーズン) [The National Ballet of Japan: New Year Ballet (2022/2023 Season)] @ 新国立劇場オペラパレス (バレエ)
嶋田 丈裕 (Takehiro Shimada; aka TFJ)
2023/01/15
The National Ballet of Japan: New Year Ballet (2022/2023 Season)
新国立劇場オペラパレス
2023/01/14, 14:00-16:15.
指揮: Paul Murphy. 管弦楽: 東京交響楽団.
Choreography, Concept and Staging: David Dawson
Music: Johann Sebastian Bach
Set Design: David Dawson; Costume Design: Yumiko Takeshima [竹島 由美子]; Light Design: Bert Dalhuysen.
World première: 15 June 2000, Dutch National Ballet, Het Muziektheater, Amsterdam.
出演: 米沢 唯, 柴山 紗帆, 小野 絢子, 五月女 遥, 中島 春菜, 根岸 祐衣, 渡邊 峻郁, 速水 渉悟, 中島 瑞生.
The Sleeping Beauty, Grand Pas de deux
Choreography: Marius Petipa.
Music: Pyotr Ilyich Tchaikovsky.
Costume Designer: Luisa Spinatelli.
出演: Yasmine Naghdi, Matthew Ball (The Royal Ballet).
Don Juan (excerpt)
Choreography: John Neumeier.
Music by Christoph Willibald Gluck, Tomás Luis de Victoria.
出演: Alina Cojocaru, Alexandr Trusch (Hamburg Ballet).
Choreography: George Balancine.
Music: Georges Bizet.
衣裳: 大井 昌子; 照明: 磯野 睦; Staging: Ben Huys.
Premiere: 1947.
出演: 第1楽章: 米沢 唯, 福岡 雄大, 他; 第2楽章: 小野 絢子, 井澤 駿, 他; 第3楽章: 奥田 花純, 木下 嘉人, 他; 第4楽章: 吉田 朱里, 中家 正博, 他.

今年も新国立劇場バレエ団の恒例の正月公演で「劇場へ初詣」[去年の鑑賞メモ]。 コロナ禍の影響で、無観客配信になったり、演目変更になったりと、不規則な開催が続いていましたが、 今回は海外からのゲストダンサーによる Pas de Deax もある、正月公演らしい華やかな公演を楽しむことができました。

第一部は、David Dawson 振付の A Million Kisses to my Skin。 配信でみた Dawson 振付の Metamorphosis が気に入っていたので [鑑賞メモ]、 今回最も楽しみにしていた演目でした。 やはり、舞台装置なしで寒色のレオタードで踊るミニマリスティックな演出の抽象バレエです。 ポワントを履いていますしクラシックなバレエ的な動きをベースとしていますが、 少し捻りというか変化を付けたり、群舞でも揃えるのを避けたり。 音楽のせいかリフトなどのアクロバティックな要素の多寡のせいか Metamorphosis の方が好みのようにも思いましたが、 現代的なシャープな演出でダンサーの動きの美しさを堪能できました。

休憩を挟んで第二部は、ゲストによるPas de Deuxから。 最初の The Royal Ballet からのペアはクラッシックな Pas de Deux をきっちりと。 The Royal Ballet ならコンテンポラリーな演目が観たいと思うところもありますが、 正月公演ですし、こういうオーソドックスで華やかなのもアリでしょうか。 続く Humburg Ballet からのペアは John Neumeier の作品からの抜粋で、 さほど長くない時間の抜粋ながらメロドラマチックな世界を舞台上に作り出していました。 さすが Alina Cojocaru、可憐だ、と。

そして、最後は Balancine の抽象バレエ。 高い技術を持ったダンサーが揃っているだけに、群舞もゴージャスな舞台で、気分も盛り上がりました。 2019/2020シーズンの『ニューイヤー・バレエ』は最初に Balancine、最後にコンテンポラリーでしたが [鑑賞メモ]、 今年のように最後に Balancine のシンフォニックなバレエを持ってきた方が盛り上ががって終われるので、正月公演の華やかな公演に向いているように思いました。