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Review: Alain Resnais (dir.): Je t'aime, je t'aime 『ジュ・テーム、ジュ・テーム』 (映画)
嶋田 丈裕 (Takehiro Shimada; aka TFJ)
2025/04/13
Je t'aime, je t'aime
un film de Alain Resnais.
『ジュ・テーム、ジュ・テーム』
1968 / Parc Film (Fr), Les Productions Fox-Europa (Fr) / 94 min.
Réalisation: Alain Resnais; Scénario: Jacques Sternberg; Image: Jean Boffety; Musique: Krzysztof Penderecki; Directeur de production: Philippe Dussart.
Claude Rich (Claude Ridder), Olga Georges-Picot (Catrine), Anouk Ferjac (Wiana Lust), a. o.

L'Année dernière à Marienbad 『去年マリエンバードで』 (1960) [鑑賞メモ] などの作品で1960年代にヌーヴェルヴァーグ左岸派として知られるようになった、 フランスの映画監督 Alain Resnais が1968年制作したタイムリープ物のSF映画です。 今まで見逃していて、今回の上映で初めて観ました。 1980年代以降はむしろ演劇などの演出技法を映画に置き換えたコメディ色濃い作風となりましたが [鑑賞メモ]、 こちらはむしろ L'Année dernière à Marienbad に近い、記憶に関する映画です。

ピストル自殺を試みたものの未遂になった男 Claude は、退院して病院を出るとすぐ、 声をかけられ車に乗せられて町外れにある秘密の研究所へ連れて行かれます。 そこではタイムリープの研究をしており、ネズミでの実験に成功した彼らは、Claude の合意を得て人体実験に乗り出します。 Claude はタイムマシンに入れられ短時間だけ約1年前の過去に飛ばされますが、動作が安定せずに、行ったり来たりすることになります。 不安定なタイムリープによって、Claude が自殺に至った経緯が、時間順がシャッフルされた断片として、再生されていきます。 事故死なのか自殺なのかClaudeが殺したのか明確にならない鬱病的な状態のガールフレンドCatrineの睡眠中のガス中毒による死、 Catrine以外のClaudeと関係のある女性、そして、Claudeの自殺未遂。 過去と現在を往復しCatrineとの関係を思い出すうち、Claudeはやがてタイムマシンを抜け出し、研究所の中庭でピストル自殺を試みます。 Claude は倒れている所を発見され、再び病院へ向かうところで映画が終わります。

自分の女性の識別能力が低下したこともあるのか、Catrineなのか、Catrine以外の女性なのか観ていて混乱することも少なからず。 断片的なエピソードも時系列順では無いため、Catrineの死やClaudeの自殺未遂の経緯は把握できず。 むしろ、自殺未遂した男のそれに至る断片的で混乱した記憶を、安定しないタイムリープのという設定を使って一緒に辿るような映画でした。