りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 の劇場付きダンスカンパニー Noism Company Niigata [鑑賞メモ] の2025年夏の公演は、 2023年に黒部市の前沢ガーデン野外ステージで上演した『セレネ、あるいはマレビトの歌』を改訂した劇場版で、 スロヴェニア公演を経ての帰国公演です。
Arvo Pärt の音楽を使い『Fratres I』 [鑑賞メモ] を含むということで予想していましたが、全体として祈りの色合いを強く感じる作品でした。 といっても、『春の祭典』 [鑑賞メモ] などを思い出すような集団と個、2集団間の対立などを描く場面や、 井関と金森のデュエットのような見せ場もあり、そんなところもNoismらしいと。 しかし、そんな場面を使ってナラティヴに物語を描くというより、全体として祈りの儀式を観るような作品でした。
この公演が終わって1週間後、「【独自】「Noism」金森穣芸術総監督が退任の意向「ほかの自治体での活動含め考えたい」」 (新潟日報, 2025/12/28 22:00; 最終更新: 2025/12/28 23:42) という報道がありました。 2日後、自身のブログに「芸術監督の上限付き任期を否定する理由」 (2025-12-30) を投稿しています。 公共性という観点でオープンかつ公平であることを考慮すると、また、新陳代謝を促す観点からも、公共劇場の芸術監督 (Artistic Director) の任期に上限を設けることは基本的に良いことと考えています。 しかし、それは、欧州のような公共劇場付き劇団/舞踊団の制度とそれをとりまくエコシステムの存在が前提で、 日本で唯一の劇場付き舞踊団といわれるNoismですら劇場に運営体制が整っておらず芸術監督の金森の尽力と幾分かのカリスマ性でなんとか維持できているという状況では、 芸術監督の交替は無謀だというのも、よくわかります。 日本にも劇場付き劇団/舞踊団が増えて欲しいと思っていますが、現在の日本では状況は厳しいと突きつけられるようなニュースでした。