ゴールデンウィーク中の3日、4日は、例年通り一泊で静岡へ。 3日は午前中に静岡入りして、まずは駿府城公園へ。
去年の『SPAC天竺舟』 [鑑賞メモ] に続いて、
今年も開催された 駿府城公園の堀を一周する観光遊覧船 葵船 を使った朗読劇が開催されました。
去年がゆったり楽しめたので、今年もさっそく乗りました。
今年のお題は、徳川 家康 が今川家の人質として駿府にいた時に結婚した正妻にて、後に 織田 信長 の命で息子 信康 と共に夫に処刑された 築山殿。 今年は『SHIZUOKAせかい演劇祭2026』で上演される『女王メデイア』とは関係無いのかなと思いきや、 夫に裏切られその主君の命で処刑/追放される親子という共通点を重ねた脚本に、なるほど、と。 もちろん、安倍川覆水流の湧水など新たな気付きもありましたし、水面から気持ち良い晴空と新緑の眺めをのんびりと楽しみました。
この後、東静岡へ移動して、静岡芸術劇場で Baro d'evel: Qui som? を鑑賞。 静岡に戻ってホテルへチェックインして荷物を置いてストリートシアターフェス 『ストレンジシード静岡2026』に参戦も、雨が降り出してしまいました。
3日最後は、次第に本降りとなる駿府城公園で、 『SHIZUOKAせかい演劇祭2026』かつ 『ふじのくに野外芸術フェスタ2026』のプログラムの公演を観ました。
恒例になっているSPACの駿府城公園での野外公演は、 2025年6月 The Coronet Theatre, London 公演の凱旋公演となる、 14年ぶりの再演となる1990年代にク・ナウカで初演した作品です。 ムーバーとトーカーを分離するスタイルを確立したとされる作品として名は知るもの、観るのは初めて。
元はギリシャ悲劇ですが、この作品では舞台を日本の明治時代前期に移し、全て男性の文士たちが座敷での宴席で日本語訳の『メデイア』を朗読しながら女中たちに演技をさせる、という体で展開します。 演じられるメデイアもワンピースに着物を羽織るというジャポニズムを思わせるもので、夫や息子も19世紀的な軍服です。 やがて、文士の一人が女中を裏手に連れ出し手籠にする様子を、錦絵が描かれた背景の簾越しに見せます。 そして、メデイアの夫たちへの復讐の場面が、女中たちの文士への復讐に重なって終わりました。
脚本は1999年上演時と同じということですが、#MeTooにも通じる今でも古さを感じさせない翻案の妙を楽しみました。 しかし、舞台にはバルーンのアーチによる屋根があったものの客席には屋根がなく、土砂降りの雨に打たれながらの鑑賞で、舞台に集中できませんでした。 元となるギリシャ悲劇 Medea は他の解釈での上演を観たこともあり [鑑賞メモ] 物語から置いていかれることはありませんでしたが、 ディテールを味わう余裕が殆ど無かったのは残念でした。 野外劇場ならではの空間使いの演出も特に無かったので、通常の劇場で観たかったでしょうか。
2000年前後にユーロスペースかイメージフォーラムのダンス映画特集のような企画の中でク・ナウカのビデオを観てムーバーとトーカーの分離を事を知った記憶があり、 その時の演目が『女王メデイア』だったのではないかと思っていたのですが、 その朧げな記憶とは全く異なっていました。 では、あのときに観たのは何だったのだろう、と。