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越後妻有アート・トリエンナーレ 2003

Text Last Update: 2003/8/12 | 撮影 on 2003/8/9,10 by 嶋田 TFJ 丈裕

3年前の第一回に続いて今回も行ってきました、 越後妻有アート・トリエンナーレ。 今回は、事務局主催のバスツアーで。 ちなみに、3年前のときの写真集もあります。

2003年8月9日

大型の台風10号が日本縦断、新潟県を通過する、というあいにくの天候の中の観賞でした。 雨は強かったですが風が無かったのが救われました。

キム・クーハン (金 九漢)
かささぎたちの家
津南町
津南町上野集落の集会場は、この場で焼いた一体型の焼き物で出来てます。 淡い色彩でちょっぴりファンシーですね。釉薬ではなく土そのものの色だそう。
北東アジア音楽祭 @ マウンテンパーク津南
津南町
演奏の写真撮影は禁止、ということでありません。 演奏が終ったときには、台風で強い雨が降り出してました。
津南町
2000年にも観ているのですが写真に撮り損ねました。 草の生え具合を比較できると面白かったんですが。ま、予想より草生してませんでした。 福建省の伝統的な登り窯を移築したものです。
Pause
津南町
その登り窯の中に白い少女の像がぼんやり浮かび上がって、ちょっと不気味ですらあります。
Post Industrial Meditation
川西町
雨が強いので、ツアーの皆さん、屋根のあるところに退避中。
白い玉砂利のスペースは、パフォーミング・アーツのステージに使うとカッコ良さそう。 だけど、足場が悪いので、それ向きではないか。
Christian Boltanski & Jean Kalman
Voyage d'Ete
松之山町
廃校となった東川小学校の校舎。
中に入ると、かすかなピアノの響きが……。
教室、理科室、音楽室。 ちょっとした不気味さを増幅するようなインスタレーションです。
外に出てほっとひといき。これも、作品です。 中のインスタレーションとの落差も大きいですが……。
松之山町
町のミュージアムの展望タワー。コールテン鋼の錆の色がまだ鮮やかで目立ってます。
松之山プロジェクト
松之山町
そのタワーに上って下を見下ろすと、強い雨にずぶ濡れの屋台がぐるり。 人影もなく、ちょっとさみしいです。

2003年8月10日

前日の雨から天気は快復。日差しは暑いくらいでしたが。 ま、ポイント間移動や野外展示の多いこのイベントにとっては、観賞日和でした。

妻有広域のサイン
作品を観て回っていると、黄色い看板を目にします。これも、作品です。 作品だけでなく、不動滝のような観光スポットも案内してます。
Maria Thereza Alvez
Que Flui
松之山町
不動滝をバックに涼を取るテーブルが。流れに足を付ければ、もっと涼しそうでしたが。 しかし、この不動滝、治水工事バリバリで作り物っぽさ満点というのが難かと……。
Marina Abramovic
松之山町
2000年の作品ですが、3年前は観てませんでした。見た目は、普通の山里の民家でした。 周囲の環境を含めて小学生の頃まで夏休みをよく過ごしていた自分の祖父母の家と似ているところが多く、 僕にとって懐かしさを感じさせる空間でした。 開館少し前に着いたのですが、中を覗いたら村の人が掃除中でした。
Lauren Berkowitz
Harvest House
松之山町
Dream House の近くの民家が今年、もう一件、作品の家に。こちらは、その一階。
Robyn Backen
Rice Talk
松之山町
その2階に上がると、ちょっと「都会的」なインスタレーションという落差が。
Jean-Michel Alberola
Little Utopian House
松代町
松代町小屋丸集落の集会場の内部。 「凧の糸 天には見えず 指に見ゆ」などの句と、色彩感覚が、 かなりすれ違って (ま、脱構築して) ますね。
Heri Dono
Golden Buffalo Project
松代町, 2003年8月10日11:00〜
赤いプラスチックメガホン片手に踊る Heri Dono。
楽隊は、室野神楽太鼓 (松代町伝統音楽) vs ガムラン (インドネシア・バリ伝統音楽) vs 現代音楽・電子音 (録音したものをスピーカーで) という感じでした。
「金色の牛」役の黒牛 まめごろう 登場。おとなしくパフォーマンスをこなしました。
畔からパフォーマンスを見守る町の人たち。
まつだい住民博物館
松代町
ほくほく線松代駅と農舞台を繋ぐ通路には、カラフルな腰板が。 一枚一枚に住民の屋号か書かれてます。 ヴァーチャルに声をかけられるのは、ちょっと不気味ですが。
小沢 剛
カマボコ型倉庫プロジェクト
松代町
雪国の妻有郷には民家と並ぶような形でカマボコ型倉庫がたくさん見られるのですが。 同様に、農舞台の脇にもカマボコ型倉庫が。しかし、農舞台の大きさに比べて、ミニチュア。
花咲ける妻有 (Blooming at Tsumari)
松代町
巨大な野外彫刻作品です。
松代町
農舞台を遠方に望む。手前の丸石敷きは 井上 廣子 『記憶 ― 再生』で、 その向こう、人が数人立っているところが 歳森 勲 『旅人の迷路』 という感じで、ちょっとした公園になってます。 しかし、3年前は何も無い野原だったので、変わり様にびっくり。
Five Sculptures on the Mountain, Where the Rice Is Grown
松代町
3年前には木製の半ば仮設の足場しか無かったのですが (3年前の写真)、 今や、農舞台の一部に Kabakov 展望台が設けられてます。 もともとあった緑の中で軽い風に吹かれるような開放感は無くなってしまいましたね……。
牛島 達治
くむ・めぐる・いとなむ
松代町
農舞台のショップの奥にひっそりと置かれたインスタレーションだけが作品ではありません。 天井を見上げるとメカが。そこから手の高さに商品台が吊り下げられています。 メカの動作でショップの中を商品台が動き回ります。油断しているとぶつかって来るので、注意しましょう。
Didier Courbot
A Stone In The Pocket
観て歩いていると、あちこちのポイントに小石を持つ手の写真葉書が置かれています。 葉書には「7月20日から9月7日の間に,石を拾ってポケットに入れて持ち歩いてください.」というメッセージが。 実は、これも作品。他のフライヤ同様、持っていってかまわないものです。 ゲリラ的なオフ参加作品かと思いきや、実は225番目の作品でした。 遅くなってから参加が決まったため、ガイドブック等には情報は載っていません。
旧 莇平小学校の職員室跡がオフィスの明後日新聞社。 文化事業部だけで編集部が無い新聞社ですが、なぜか、日刊で新聞は出てます。
明後日新聞社NHK取材中。 この日は、『今日はとことん新潟県』が生放送中で、 トリエンナーレも取り上げられていたのでした。
TVの仕事を終えた 日比野克彦 が登場。 このイカはオルガンの演奏に合わせて動くんです、と、作品展示していた教室のオルガンを弾き出しました。 もちろん動くわけありませんが、その場のノリは動いたも同然。
見所は3年前に紹介した (3年前の写真集) で紹介したので、 今回は宿泊施設としての様子を、ということで厨房をチェック。 ほほう、それなりの料理ができるだけの道具が揃ってますね。 使った調理道具や食器はもとの場所へということで、 収納場所を示すテプラのシールが貼られているあたりに、生活臭を感じます。
入口から見て死角になる建物の左側では、 一階にタオルが干してあったり、二階縁側に卓袱台が除けてあったり。 ちょっとした生活臭が、いいかんじです。
母袋 俊也
絵画のための見晴らし小屋
川西町
頭上注意を呼びかける立て札が作品の隣に。 中に潜り込んで外を覗きます。 フレーミングの妙を楽しむ作品ではありますが。 野鳥観察小屋みたいです。
たほ りつこ
グリーン・ヴィラ
川西町
高さ1m程度の大きな盛土による起伏がつけられた芝の斜面。起伏は象形文字とのこと。 雪合戦のフィールドとして使うと面白そうだと思ったり。 しかし、盛土のところ芝刈ってどうやるんでしょう? やはり人手? とっても大変そうです。
新田 和成
ホワイトプロジェクト
川西町
白い布マッシヴなインスタレーション。8,000枚あるそうです。 手縫い (刺繍も可) ということで、集めるのが一番大変そうです。
しかし、実際は集めすぎてしまったそうで、4,000枚は近くの公園の盛土の上に展示されてました。
原 広司 + アトリエ φ
十日町市
中庭の池で水遊びする子供達。滞在時間が長ければ、ちょっと入ってみたかったんですが……。
こういう施設に来るとチェックしたくなるのが駐輪場。 外の駐車場の一角に、テントを立てて、無料貸出自転車などを置く駐輪場が設けてありました。 質量感があって威圧的ですらある感じる本体の建物の外観と、風吹けば飛ぶような駐輪場の対比が、アンバランスで可笑しかったです。