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南イタリア
ポンペイ、アマルフィー、ナポリ、カプリ島
アルベロベッロ、マテーラ、ローマ

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アルベロベッロ、マテーラ

アルベロベッロの トゥルッリ (とんがり屋根の家)

このページでは、住居として興味深い、共に世界遺産の「アルベロベッロのトゥルッリ(トンガリ屋根の家)」「マテーラのサッシ(洞窟住居)」をご紹介します。

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ポンペイ、アマルフィ Page1
ナポリ、カプリ島 Page2
アルベロベッロ、マテーラ Page3
ローマ Page4


アルベロベッロ(世界遺産)

イタリア地図(上記)のかかと部分にあたる所がアルベルベッロ

アルベロベッロのトゥルッリ

トゥルッリ(Trulli)とは、真っ白の壁と円錐形の屋根を持つこの地方独特の住居。
まるで、白雪姫と7人の小人が出てきそうなメルヘンの様な世界です。
構造は、接合材を使わず、石を重ね、壁は漆喰で白く塗っている。
壁は二重構造になっていて、雨水は壁の中を通り、地下の井戸
に溜められる仕組みになっている。 夏は涼しく、冬は暖かい。

トゥルッリは、16,7世紀、開拓農民により造られた家で、屋根
のある家が課税対象であった為、徴税人が来る際に住民が屋
根を取り壊せるよう、石を重ねただけの簡易構造となっている。

トゥルッリ断面図

中央が井戸への雨水導入口
屋根から雨水が壁の中を通り、家の下の井戸へ溜まる仕組みになっている。

ポポロ広場からのトゥルッリ群の眺め

市庁舎

ポポロ広場 市庁舎前で楽隊が演奏

トゥルッリの町で茶色の壺をよく見かける。
壺はオリーブオイル等の保管に使われる。

サンタルチア教会
女性の聖人「サンタルチア」が奉られている

楽隊のお兄さん達がポーズ!

屋根の先端の飾りと、屋根に描かれた絵
(絵はシンボル化した魚、鳥、心臓等、また
ギリシャ語で神を表す文字等が描かれている。)

左の屋根:キリストの心臓、
中央:木星(射手座)、
右:世界を象徴する門の中のキリストを表すIHS
IHSとは"Iesus Hominum Salvator"(人類の救い主イエス)
魔除け、呪術的意味があるとされる。

立体的で素敵な宣伝

5月の花々も白壁に映えて美しいですね。

トゥルッリの街並み

トゥルッリの土産物屋やレストランが並ぶ
トゥルッリの内部を拝見!(Yoko's Shop)
テレビでも紹介された「陽子さんのお店」にて
お店にはトゥルッリの形のパスタや小物など、可愛いお土産があります。
プライベートルーム
内部は意外と広く、素敵なお部屋です!



屋上より

屋上からの市街の眺め

煙突トップのデザインも面白い

牧草地を抜けて、次は「マテーラ」へ
マテーラ (世界遺産)

洞窟住居(サッシ)の町、マテーラを訪れて、 まずは、数えきれないほどのサッシ群に圧倒される。

マテーラのあるグラヴィナ渓谷は石灰岩の侵食により形成され、渓谷にはこのサッシが何層にも
重なって存在している。

★このサッシがいつ頃から作られたかは不明だが、8~13世紀に東方からイスラム勢力を逃れた
修道僧が住み着き、洞窟住居を構えたといわれる。
★15,6世紀にはオスマン帝国に追われたアルバニア人やセルビア人などが移住。
★その後、マテーラはバジリカータ州都となり繁栄期を迎えるが、1806年州都がポテンツァに移され
、衰退していく。
★その後、長らく小作農民の住居だったサッシは、19世紀までは比較的快適な住環境だったが、
20世紀初頭より人口が急激に増加し、住環境は劣悪化。幼児死亡率は50%を超えた。
★1952年に強制移住の法律が制定された。
マテーラのサッシは廃墟となったが、その後現在の生活に合わせて改装され、7割が再び使われて
いる。


戦後は南イタリアの貧しさの象徴、近代化イタリアの恥部とも云われたが、
その景色は幻想的であり、強く印象に残る。 ここは、イエス・キリストが処刑
されるまでを描いた映画「パッション」他、「マリア」、「オーメン」、「ベン・ハー
(2016)」等、キリストに関する映画のロケ地として多く使われ、また宮崎駿監督
が「天空の城ラピュタ」を思いついたとも言われ、景観としてとても興味深い。
マテーラのサッシ(洞窟住居)

左奥に見えるのがドゥオーモと鐘楼

丘斜面の洞窟住居サッシ群
丘の上にはドゥオーモ(大聖堂)や教会、美術館、レストランなどのお店がある。
裕福な人々は高台に住み、貧しい人々は洞窟住居に取り残された。

銅細工師

セディーレ広場
16世紀に建てられた旧市庁舎、現在音楽学校

パン屋さん(Panificio)の前の巨大なパン
マテーラのサッシの形にも似ているような?
「マテーラのパン」はこの町の自慢のパンです。
特産のリコッタチーズ、蜂蜜と一緒に食べる。

「ランフランキ宮殿」
この中に「バジリカータ州中世・近代美術館」がある。
宮殿左側に展望広場があり、そこから
マテーラの洞窟住居群が見渡せる。

奇妙な形の岩。よく見ると上に十字架が。 →

洞窟教会「サンタ・マリア・デ・イドリス教会」でした。
丘を下りて行きます。

洞窟住居(サッシ)の中に入ってみましょう。

1956年まで住居として使われていました。
当時の農民の生活の知恵と厳しさがわかります。
サッシの特徴は上下水道がなく、家内部に家畜スペースがあること。

狭い入口を入ると、

高さのあるベッドと整理ダンス。

機能的にまとめられた台所


この部屋の右側が家畜スペース ➝

家畜スペース。人畜同居だった。

雨水を内部に入れる工夫がされている。

当時の人間とロバが家屋内に住む様子
戦後、農地解放前の小作農民が住んでいたが、当時は電気も水道もなく、
貧しい、現代文明から取り残された人々の住居だった。
また、丘の上へ。

「サン・フランチェスコ・ダッシジ教会」
「チヴィタの丘」に建つ。
バロック様式。12世紀に創建。その後改築、18世紀に完成。
ファザード上部に天使に囲まれた聖母の彫像がある。

「サン・フランチェスコ・ダッシジ教会」
「フランチェスコ広場」
13世紀、ドイツの王フリードリッヒ2世がこの地方を
愛したために、短期間だけ文化や芸術が発展した。
チヴィタの丘は、かつて町の中心で、貴族たちの邸宅があった。

「ヴィットリオ・ベネト広場」

可愛いジェラートが店の看板

町の裏側に広がるグラヴィーナ渓谷
渓谷の岩肌にも無数の洞窟住居の跡が見られる。
トルコ カッパドキア地方のカイマクル地下都市に似た光景だった。
おとぎの国の様な可愛らしい住居の町「アルベルベッロ」と、時が止まった様な巨大な洞窟住居の町「マテーラ」
南イタリアの対照的な2つの町を訪れ、それぞれに地域の歴史や文化を知る再発見の一日でした。
次ページ(Page 4)は ローマ です。

     

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