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サーカス、大道芸、キャバレーについて

サーカス、大道芸、キャバレーなどのエンタテインメント文化に関する 嶋田 TFJ 丈裕 の発言の抜粋です。 特にその筋に通じているわけでもないですが、 情報が少ないので、自分に対する備忘録とブックマークを兼ねて、 ここに過去の発言を集積しておきます。 いろいろ面白いショーやパフォーマンスを見逃しているようにように思います。 お薦めのパフォーマー、芸人やイヴェント、ショーがありましたら、 必ずしも観にいかれるとは限りませんが、 談話室で教えて下さい。 よろしくお願いします。

順番は新しいものほど上になっています。 リンク先のURLの維持更新は行っていませんので、 古い発言ではリンク先が失われている場合もありますが、ご了承ください。 コメントは談話室へお願いします。

[1726] 嶋田 丈裕 <tfj(at)kt.rim.or.jp>
- 若林, 東京, Wed Aug 9 0:00:43 2006

月曜の晩は、青山のカナダ大使館へ。 カナダはオンタリオ州トロント (Tronto, Ontario, CA) のカンパニー Corpusパフォーマンスとプレゼンテーション (というかアフターパフォーマンストーク) を観てきました

上演したのは A Flock Of Flyers。 軍事教練をネタにした、コミカルなフィジカルシアターといったところ。 コメディのネタとしては軍事教練というのはスタンダードな感もあるけれども、 ビチッとした黒い服装と帽子という服装、 それになにより、戦闘機が無い航空隊という不条理な (馬鹿げた) 設定が 冴えていたように思います。

軍事教練ネタのコメディでは、道化役的な登場人物の変で不規則な動きが、 シリアスで整然とした軍事教練の動きを互いに異化させ 笑いを誘うというパターンが多いように思います。 しかし、この作品では、もともと設定自体が馬鹿げているだけに、 既に教練の動き自体がかなり変なものになっています。 そして、それをさらに異化させるために、観客をそこに加えます。 パフォーマーの動きは変とはいえトレーニングされたシャープな動き。 普通の観客の動きによって互いに異化し合い、さらに笑いを誘っていたように思います。 アフターパフォーマンストークで、カンパニー創設メンバーの David Danzon が Charlie Chaplin や Marx Brothers からの影響を挙げていましたが、 こういう軍事教練ネタは Buster Keaton っぽいという印象も受けました。

A Flock Of Flyers は、コミカルだし客弄りもするし、 軍事教錬的な大きなかけ声や変な衣装なども目を惹くし、大掛かりな装置は不要だし、 とても大道芸向けな演目のようにも思いました。 いかにもダンス・演劇関係者中心の観客を相手とした 大使館のロビーのようなスペースでのパフォーマンスではなく、 例えば六本木ヒルズでの大道芸として観たかったようにも思いました。

ブレゼンテーションは、まず A Flock Of Flyers の前に 短編映像作品 Peep Show の上映。 黒い織製の面ファスナー (ベルクロ (Velcro) は登録商標) で全身を被うような コスチュームの男女2人が、 お互いに貼り付いたり剥したりしするような動きをするというパフォーマンス。 ダンスというよりも組手のような動き、 面ファスナーが剥がれるたびにチャッチャッとする音、 そして、それを老年カップルが覗き部屋から観ているというシュールな設定も 面白い作品でした。

アフターパフォーマンストークでビデオで紹介された作品は、まず、 Les Moutons。 これは、野外で観客と交じりあった状況で行うハプニング・パフォーマンスのようでした。 続いて紹介された Nuit Blanche は舞台作品。 というわけで、演劇 - ダンス という幅だけではなく上演形態もいろいろで、 かなり引出しの多そうなカンパニーという印象を受けました。 他の作品 (特に Nuit Blanche) もちゃんと観てみたいように思いました。

[1714] 嶋田 丈裕 <tfj(at)kt.rim.or.jp>
- 若林, 東京, Mon Jul 31 0:32:13 2006

日曜は自転車散策日和、ということで、昼過ぎに家を出て自転車で六本木ヒルズへ。 六本木ヒルズ・アリーナで、 Kabaret Cafe を観てきました (写真集)。 Jinta-la-Mvta の生演奏に、 沢入サーカス学校 出身者によるパフォーマンス。 派手な決め技のようなものが無かったせいか、去年の Kabaret Arena に比べてこぢんまりとしたステージでしたが、普通にリラックスして楽しめました。 日中とはいえ日陰は通る風も爽やかで暑さを感じませんでしたし。

アリーナでは、アフタークラウディカンパニーの、 というか、『クマのデラシネ日記』の 大島さんに久々に会いました。 で、『アートタイムズ2006』 創刊号を頂いてしまいました。 どうもありがとうございます。 神 彰 と アートフレンドアソシエーション が発行していた 雑誌『アートタイムズ』の復刊というより、 本 『虚業成れり』と展覧会『神彰とアートフレンド』の 補遺といった感じの内容でしょうか。ふむふむ。

[1705] 嶋田 丈裕 <tfj(at)kt.rim.or.jp>
- 若林, 東京, Fri Jul 21 0:53:29 2006

既にあちこちで話題になっているように思いますが、 11月25〜30日に天王洲 銀河劇場 で、フランスの振付家/ダンサー Philippe Decoufléの ソロ・ダンス Solo日本公演があります (チケット発売は9月2日)。

Decouflé のソロは 『フィリップ・ドゥクフレ研究ワークショップ習作公開』 (赤レンガ倉庫, 2002/10) で習作的なものを観たことがありますが、 ダンサーとしても十分身体が動く人だったように思います。 そのときは、単純なアイデアながら、自分自身を捉えた映像をライブで加工しつつ それに身体を絡めていくというとても面白いものでした。 今度はどんなのを作ってくるのかしらん。楽しみです。 しかし、ソロではなく Compagnie D.C.A. としての公演もまた観たいなぁ……。

ところで、Decouflé といえば、 1992 Albertville Olympic Winter Games の開会式の演出で有名になる前の1980年代末、 ミュージック・ビデオの監督の仕事で知られていました。 実は、僕はそれで Decouflé を知ったくちです (関連する レビュー)。 今なら YouTube に載っているに違いない、と検索したところ、 僕が知る2本はいずれも見付かりました。というわけで、 Philippe Decouflé の YouTube Playlist を作ってみました。それぞれについても、下にコメント付きでリンクしておきます。 どちらも、ミュージック・ビデオとしての出来はさておき、 Decouflé らしい作品に仕上ってるのではないでしょうか。

New Order, "True Faith" (1987) (⇒YouTube)
1987年の BPI (British Phonographic Industry) Award (現 Brit Award) の Best Promotional Video (最優秀プロモーション・ビデオ) を受賞した、 Decouflé の監督したミュージック・ビデオの代表作です。 音楽の歌詞と関係やバンドの演奏シーンとはほとんど関係ない シュールなダンスが繰り広げられています。 個人的には手話ダンスがツボ。 格闘ダンスとかシンクロナイズド・トランポリンとか見どころ多いです。 New Order のミュージック・ビデオは名作が多いのですが、 彼らのビデオの中でも5指に入る良い出来だと思います (関連するレビュー)。 ちなみに、Decoulfé は実はこの音楽が好きではなかったという逸話も。
Fine Young Cannibals, "She Drive Me Crazy" (1989) (⇒YouTube)
New Order, "True Faith" に比べて知られていないですが、 これも Decouflé 監督作品です。 これを観るのも17年ぶりでしょうか (遠い目)。 当時これを初めて観たとき「"True Faith" と同じ監督だ」とすぐに思ったのですが、 その後観る機会が無く、勘違いだったかもしれないと少し自信が無くなっていました。 YouTube で見直して、 こんな振付けでミュージック・ビデオ監督するの Decouflé しかいないだろー、 と確信 (笑)。 "True Faith" 同様、音楽の歌詞と関係やバンドの演奏シーンとはほとんど関係ない シュールなダンスが繰り広げられています。

他にも Decouflé が監督したミュージック・ビデオ作品があるかもしれませんが、 残念ながら僕は知りません。 もし御存じの方がいたら、是非教えてください。 ミュージック・ビデオでなくても Decouflé からみの映像を YouTube で見付けたら、 教えて頂けるとうれしいです。参考にして Philippe Decouflé の YouTube Playlist を充実できたらと思います。

[1679] 嶋田 丈裕 <tfj(at)kt.rim.or.jp>
- 若林, 東京, Thu Jun 29 23:32:47 2006

巨大マリオネットを使うパフォーマンスで知られるフランスのカンパニー Royal de Luxeを 6月の上旬にしたわけですが、そのときに言及した2冊の本が届きました。 どちらも見せびらかしたいほど楽しい本 (フォトログ) だったので、紹介。

Royal de Luxe 1993-2001 (Actes Sud, ISBN2-7427-3429-5, 2001) は、このカンパニーの Le Géant Tombé du Ciel (1993) に始まる Géant シリーズを捉えた本です。 ほぼレターサイズのハードカバーで、209頁 (厚さ約2cm)。 パフォーマンスの様子を捉えた写真や イメージ・スケッチ/コラージュなどカラーの図版がふんだんに使われています。 テキストはフランス語のみです。

メインで取りあげられているのは、 Le Géant Tombé du Ciel (1993)、 Le Géant Tombé du Ciel: dernier voyage (1994)、 Retour d'Afrique (1998)、 Petits Contes Nègres (1999; Géant な作品ではないが関連作品)、 Les Chasseurs de Girafes (2000) の5作品。 また、1998年の Retour d'Afrique 制作のためのカメルーン (Cameroon) でのレジデンスと 2001年の中国 (China) でのレジデンスの際の ワークショップ等の様子についてそれぞれ1章が割かれています。 さらに、結局実現しなかったプロジェクト3つと、 具体的なプロジェクトとは関係ないコンテ1つについても、 それぞれ1章が割かれています。

図版ということで動きが無いですし、テキストがフランス語のみなのは残念ですが、 写真をはじめとする図版が綺麗ですし、 パフォーマンスやワークショップの様子もとても楽しそう。 特に、カメルーンでのワークショップの様子や、 Géant ではない Petits Contes Nègres の様子など、 Royal de Luxe は巨大なマリオネットのインパクトに頼っただけのカンパニーではないのではないか、 と思わせるだけのものがあります。 巨大なテーブルナイフで刻まれたバスのようなパフォーマンスの舞台装置も、 巨大マリオネット抜きで、 下手な現代美術のインスタレーションよりインパクトありそうです。

Le Grand Répertoire: Machines de Spectacle (Actes Sud, ISBN2-7427-4493-2, 2003) は、フランスの (大掛かりな) 機械仕掛けを使うパフォーマンスを、 その機械仕掛けの方に着目して取りあげた本です。 サイズ、頁数は Royal de Luxe 1993-2001 とほぼ同じですが、 ペーパーバックでほとんどが赤黒2色刷です。 こちらも、テキストはフランス語のみです。

紹介されている機械は全部で106。 それぞれに1頁ずつ、図版に基本的なメタデータと簡潔な説明が書かれています。 Royal de Luxe の機械が過半を占めていますが、 他にもいろいろなカンパニーの機械が紹介されています。 あと、総論的なテキストと、 この手の機械を使うパフォーマンスを演っているカンパニーの紹介の頁もあります。

頁を繰っていると、 表紙を飾る250kgのアップライト・ピアノを飛ばすカタパルトのような 106ものお馬鹿で大掛かりな機械が次々と繰り出されてくるので、 図版だけ見ていても厭きません。 図版に入っている朱筆のコメントも可笑しいし。くくく。 テキストがフランス語のみというのもほとんど気になりません。 Royal de Luxe 1993-2001 よりずっと面白いです。 それに、Royal de Luxe 以外にも、機械仕掛けのパフォーマンスをする カンパニーがフランスにはたくさんいるんだなぁ、と感慨深いです。 2001年の大道芸ワールドカップ in 静岡 に出た Transe Express (写真, レビュー) も載っています。

[1673] 嶋田 丈裕 <tfj(at)kt.rim.or.jp>
- 若林, 東京, Wed Jun 21 0:18:22 2006

大道芸・サーカス情報で御世話になっている 『クマのデラシネ日記』 で知ったのですが、 雑誌 『論座』 (朝日新聞社) 2006年7月号平岡 正明 「横浜・野毛の祭りは終わらない ―― 大道芸の20年」 (pp.165--173) というエッセーが載っています。 今年のヨコハマ大道芸/みなとみらい21大道芸/野毛大道芸の分裂開催 (関連発言) の「真相」を語りつつ野毛大道芸の20年を振り返る興味深い記事になっています。 分裂開催の経緯については 平岡 らしい語り口で、こう言い切っています。

野毛大道芸の分裂とは、野出だけで出作りでやるという原点回帰派と、吉田町・伊勢佐木モール・馬車道・MM21(みなとみらい)地区への拡大をおしすすめる派の方針ちがいというきれいごとなんかじゃなく、画策する2、3のクソッタレに同調する野毛のわからずやのとっつあんたちが町内ミニ・クーデターによって市井の天才・福田豊とその一味を追い出したということだ。

うーん、そういう感じのゴタゴタがあったのですか……。 ま、「拡大をおしすすめる派」側から一方的といえばそうなので、 「原点回帰派」の主張も併せて掲載して欲しかったようにも思いましたが……。 ま、分裂の経緯は別にして、野毛大道芸の20年の話だけでも読み応えあるので、いいか……。

[1657] 嶋田 丈裕 <tfj(at)kt.rim.or.jp>
- 若林, 東京, Tue Jun 6 23:27:55 2006

パフォーミング・アーツ関連の情報を拾うためによく覗かせてもらっている ?D 『ひらづみ』で気付いたのですが、 巨大マリオネットを使った数日間がかりの野外劇というかパフォーマンスで知られる フランスのカンパニー Royal de Luxe が 今年の5月にイギリスのロンドン (London, England, UK) で The Sultan's Elephant (La visite du sultan des Indes sur son éléphant à voyager dans le temps) を上演したようです。を〜。さすがに、ロンドンでやると注目を浴び易いようで、 YouTube に画像が登録されまくっているようです。 というか、BBC London が気合いの入った特集ページ "The Sultan's Elephant" を作成しています。4日間がかりのパフォーマンスの全容を知るのには、ここがお薦め。

このカンパニーは去年の9月の『ヌーヴォー・シルク・カフェ』で知ったわけですが (関連発言)、 そのときに見たフランスのナント (Nantes, Pay-de-la-Loire, France) でのパフォーマンス (2005/6/16-19) が この少女と象の作品の初演だったようです。 初演の際の写真と動画がナント市公式サイトの "Royal de Luxe" で見られます。 ナントの次は、アミアン (Amiens, Picardie, France) で2005/6/16-19に公演している のですが、 その時の写真と動画 が François Hanat という人の個人サイトの "Un Sultan à Amiens" で観られます。 こうしてナント、アミアン、ロンドンと見比べると、 街の雰囲気によって趣が違って面白いです。

ナント市のサイトによると、 ナント、アミアン、ロンドンの後は、7月頭にアントワープ (Antwerpen/Anvers, Belgium)、 9月末にカレー (Calais, Nord-Pas-de-Calais, France)、 10月末にルアーヴル (Le Havre, Houte-Normandie, France) と巡回予定のようです。をー!! これに合わせて欧州旅行へ行きたいところだけど、 仕事のスケジュールからすると無理だ……。 ううう、日本にまで巡回してこないかなぁ……、やっぱり無理かなぁ……、 って、この作品が似合いそうな街並みって日本にあるか!? そもそも、許可とか費用という以前に、 日本の街中は電柱電線でアウトという気がする……。

で、フランス語版 Wikipédia には Royal de Luxe のエントリ があることに今さらながら気付きました。作品リストも載っていて、記述も充実してます。これによると、 Royal de Luxe は1979年にエクサン・プロヴァンス (Aix-en-Provence, PACA, France) で Jean-Luc Courcoult によって結成、 1989年以降ナントを拠点としています。 1991年には Roman Photo: Tournage (1987) という作品で来日もしていたようです (Géant シリーズではないので、 巨大なマリオネットを使った作品ではないようにも思われますが)。

The Sultan's Elephant は、 Le Géant Tombé du Ciel (1993)、 Le Géant Tombé du Ciel: dernier voyage (1994)、 Retour d'Afrique (1998)、 Les Chasseurs de Girafes (2000) と続く Géant (Giant) シリーズの5作目となるようです。 世界ツアーもしているようですが、 さすがに Géant シリーズは The Sultan's Elephant のロンドン公演で初めてフランス国外に出た という感じなのでしょうか。 ちなみに、Géant シリーズの前作 Les Chasseurs de Girafes については、 フランスの大道芸情報サイト Le Foumeau2000/9/14-17 のナントでのパフォーマンスの様子の写真が 観られます。をー、船まで使って凄いことになってます。

Géant シリーズではないですが、 1990年の Festival d'Avignon (アヴィニヨン演劇祭) で初演したという La Véritable Histoire de France (1990) も、 とても気になります。というか、1992年にその演目で Mano Negra (カンパニー (劇団) ではなくて rock バンド) と Philippe DecoufléPhilippe Genty という組合せで Cargo 92 という南米ツアーやってるんですね。 とってもとっても面白そうな組合せじゃないですか。 是非とも観たかったなぁ……。うううう(悶)。

Royal de Luxe に関する本も何冊か出ているようですが、 Royal de Luxe, 1993-2001 (Actes Sud, ISBN2742734295, 2001) と François Delarozière Le Grand Répertoire: Machines de Spectacle (Actes Sud, ISBN2742744932, 2003) はまだ普通に買えるようです。 併せて €55,11 かー、1万円しないなぁ。 安いなぁ。買ってしまおうかなぁ……。

[1630] 嶋田 丈裕 <tfj(at)kt.rim.or.jp>
- 若林, 東京, Fri May 5 22:36:02 2006

4日は大道芸日和。1日の傷も乾いたし、昼過ぎには家を出て、 自転車散策がてら六本木ヒルズまで。 World Street Performance Festival を観てきました。 というか、実質、Julot と Circo Nacional de Cuba (aka CirCuba) を2回ずつ観ただけ。 遅れ馳せながら写真集を 作っておきました。 Julot や CirCuba のレベルの芸は日本ではなかなか観られないので、お薦めです。 5月7日までやっていますので、 昼に六本木界隈にいて天気が良ければ観ておくのもよろしいかと。

フランスのサーカス・トリオ Les CousinsJulot の パフォーマンスは、9mのフレキシブル・ポールの上でのバランス芸。 派手で判り易い音楽や衣装、MCで盛りあげるようなベタな演出が無かったのも、 自分の好みでした。 快晴の青空という最高の背景を得て、 9mの高さの静かな迫力で客を引きつけるパフォーマンスでした。 というわけで、レビューを書いておきました。

Circo Nacional de Cuba (aka CirCuba; キューバ国立サーカス) の方は、ベタな演出のサーカスでしたが、 Afro Cuban を中心とした音楽使いが新鮮でした。陽気なサーカスというか。 失敗もそれなりにありましたが、陽射しのせいもあるでしょうか。 ロシアンバーやシーソーを使った芸は高さもあって迫力満点。 これで生演奏だったらもっと楽しめたような気もします。 大道芸ではなく、生演奏や照明で演出されたステージを、 酒でも呑みながら観てみたいものです。昼の野外ステージですが、生演奏付きの リトルワールドでの公演 も気になります。名古屋まで遠征するという話も……。というか、 キューバサーカス裏話 というブログが面白いです。

4日の大道芸は、国内屈指のキューバ音楽通である某夫妻をはじめとする いきつけのレコード店関連の友人に声をかけて観たのですが、 自分が案内するどころか、キューバ関連の面白い話を聞きながら CirCuba をとても楽しく観ることができました。 4月のみなとみらい21に続いて友人と大道芸を観たわけですが、 大道芸スレしていない友人と観ると、 見慣れてしまった大道芸も新鮮な見方が出来て、面白いです。ふむふむ。

観終った後、六本木ヒルズの人混みを避けて、 近くのホテルの一階にあるカフェでお茶していたら、 4日のパフォーマンスを終えた CirCuba の面々がやってきたり。 こんな所に宿泊していたのかー、というか。

[1616] 嶋田 丈裕 <tfj(at)kt.rim.or.jp>
- 若林, 東京, Mon Apr 24 0:51:04 2006

日曜は10時過ぎには家を出て横浜はみなとみらいまで。 野毛大道芸 + みなとみらい21大道芸 + ヨコハマ大道芸 を観てきました。 といっても、天候のこともあり、結局、観たのはみなとみらい21の屋内ステージだけ。 野毛やイセザキモール、馬車道までは足をのばしませんでした。 今回日曜に行くことにした理由に友人を案内するというのがあったので、 冒険をせずに安定感のある(?)パフォーマを観て回りました。 屋内ばかりであまり綺麗な写真は撮れなかったのですが、一応、いつものように 写真集 を作っておきました。レビューは無し。

しかし、雨という天気予報のせいもあると思いますが、 ここまで客が少い「野毛大道芸」は初めてでした。 たいてい、芸が始まる前に人垣で芸人がほとんど見えなくなってしまうのですが、 今回は芸が始まる頃は人垣も疎な感じという……。 雨の日に行って屋内ステージだけ、というと、 1999年のとき (レビュー) を思い出しますが、 それでもここまで空いていなかったような気もします。 ま、そのおかげで、とても楽に大道芸を観ることができました。 例年は人混みの中にいるだけでかなり疲れ果ててしまう感もあったのですが、 ほとんど疲れを感じませんでしたし。

ところで、アクセスログを見ていると、 「野毛大道芸+分裂」とか「野毛大道芸+不満」というキーワードで検索して この談話室を読みに来る人がけっこういますね。 残念ながら僕は分裂開催の事情は報道されている程度しか知りません。 「野毛大道芸が5会場に拡大/横浜」 (『カナロコ』, 神奈川新聞社, 2006/4/11) の後、全国紙のローカル版でも 「大道芸三つ 街をぐるり」 (『asahi.com』, 朝日新聞社, 2006/4/19)、 「野毛大道芸 運営めぐり3分裂「どうなってるの?」 横浜」 (『Yahoo!ニュース』/ 毎日新聞, 2006/4/21)、 「岐路に立つ「野毛大道芸」 3分裂開催に賛否」 (『Sankei Web』, 産経新聞社, 2006/4/19) といった感じで報道されているようです。 「今年の野毛」 (『クマのデラシネ日誌』, 2006/4/19) を読むと、求心力のあるプロデューサがいなくなったのが大きいのかな、と思ったり。 確かに、実際に行ってみて、テーマやそれに沿った企画の出し物が無く、 いつもの芸人がいつものように演じているだけの いまいち掴みに欠ける大道芸フェスティバル、という印象は受けました。 しかし、それは運営主体が分裂したからというより、 運営主体がどうあるべきかで手一杯で、企画まで手が回らなかったのかな、と。

かれこれ10年余りほぼ毎年野毛大道芸を観てきたわけですが、 ま、確かに、昔の野毛商店街だけでやっていた頃の、 良くも悪くも手作り感覚で路地感覚の大道芸も好きでした。 しかし、これだけポピュラリティを得て周辺地域へ影響も拡散してしまった以上、 昔のように戻すことはできないでしょう。 統一的な開催をするにも、いくつかの主体が緩やかに連携して開催するにも、 いずれにせよ、そのポピュラリティや影響力を受け止められるだけの体制を作らないと、 うまくいかないのではないかと思います。 なんか、1990年前後のUS/UKインディーズの混乱 (関連発言) を思い出させられます。 オルナタティヴだった頃に内包していたDIY主義的な志向性と、 メインストリームになってしまいDIYでは支え切れない規模になってしまった という現実との間の矛盾、というか。

[1608] 嶋田 丈裕 <tfj(at)kt.rim.or.jp>
- 若林, 東京, Sat Apr 15 0:52:36 2006

今年もそろそろ野毛大道芸。と思って、ちょっと調べてみました。

今年は4/22 (土)、4/23 (日) の開催です。 年々規模が拡大している野毛大道芸ですが、今年は 野毛地区の野毛大道芸と、 みなとみらい21地区の みなとみらい21大道芸、 吉田町、イセザキモール、関内馬車道の ヨコハマ大道芸 の同時開催という形となります。 3つ併せると、去年の野毛大道芸と比べ、 さらに関内馬車道が会場に加わったという所でしょうか。 ちなみに、みなとみらい21大道芸 の会場案内・出演者紹介は ヨコハマ大道芸の公式サイト内にありますが、 野毛大道芸は別に公式サイトを立てています。

実行委員会が3つに分裂した理由としては、 本家「野毛大道芸実行委」の「原点に返って地域の活性化を図る」という意向があるようです (「野毛大道芸が5会場に拡大/横浜」, 『カナロコ』, 神奈川新聞社, 2006/4/11)。 ま、野毛の独自性への拘りも感じられて 野毛らしいといえばそうかもしれないですが……(多くは語らない)。

今年の出演者のラインナップは、特に目立った海外招聘は無く、 国内パフォーマー中心の地味な印象を受けました。 最近は、海外のパフォーマーが観られる東京の大道芸イベント (六本木、上野・三軒茶屋など) もありますし、 大道芸ワールドカップ in 静岡 だと海外組を観るだけで力尽きてしまいますし、 国内パフォーマー中心のフェスティバルも悪くないかな、と思ったり。

というか、今年はゴールデンウィーク中 (5/2〜7) に 六本木ヒルズWorld Street Performance Festival があるので、海外パフォーマーについてはそちらで補完、という感じかしらん。 特に、Julot (Les Cousinsレビュー) の 9m のポールを使ったバランス芸がとても楽しみです。 あと、Circo Nacional de Cuba (aka Circuba。キューバ国立サーカス) も。 Circuba は犬山リトルワールドで公演中のようですが、 ACC によるこの紹介 に惹かれます。

キューバ国立サーカス(CIRCUBA)からの選りすぐりのメンバーが、サルサ、メレンゲ、マンボ、チャチャなどキューバならではの様々なダンスのリズムに合わせながら、次から次へと驚きのサーカスアクトを繰り広げます。コンガ、ドラム、ギター、トレスの生演奏と共に、エネルギーに満ち溢れたキューバサーカスをお楽しみ下さい。

六本木でも生演奏付きでやってくれたらいいなぁ……。 けど、会場はアリーナではなくて66プラザですし、30分のパフォーマンスなので、 大掛かりなのはやらないんだろうなぁ……。

[1439] 嶋田 丈裕 <tfj(at)kt.rim.or.jp>
- 若林, 東京, Tue Nov 8 1:27:58 2005

遅れ馳せながら、11月3〜5日に観てきた 大道芸ワールドカップ in 静岡 2005レビューを書きました。 写真集のページの テキストというか写真キャプションも一通り書き終えました。

ちなみに、最も楽しめたのは、イギリス (UK) のカンパニー Avanti Display による Mr. Lucky's Party (写真)。 レビューを書くために調べていて知ったのですが、この作品ってイギリスの Royal National Theatre 委嘱作品 だったんですね。へ〜。 ちなみに、Mr. Lucky's Party に出演している Trevor Stuart と Helen Statman は、 Cocoloco というパフォーマンス・カンパニーもやっているようです。 こちらもかなりおばかな感じで楽しげです。観てみたいなぁ。 あ、Helen Statman って Emir Kusturica 監督による映画 Underground (1995) の シナリオライター (screenwriter) だったのかー。 なんか、妙に納得してしまいます。

この静岡で秋の大道芸シーズンも一段落という感じですが、このシーズンは、 三茶 de 大道芸 2005 での Chipolatas といい、大道芸ワールドカップ in 静岡 での Avanti Display といい、イギリス (UK) のカンパニーが印象に残りました。 ヌーヴォー・シルク (nouveau cirque) ということで フランス (France) やカナダ (Canada) が注目されがちですが、 それとは違う文脈で、イギリスにも面白い表現が多いというか。 Edinburgh Festival (含む Fringe) や London International Mime Festival とか開催している国ですし、 まだまだ面白いカンパニーがいそうです。

あと、六本木ヒルズでの Acrotramp や Bikers (写真集) や 静岡でサーカステント公演した Bingo など、 ウクライナ (Ukraine) のカンパニーも印象に残ったといえばそうなのですが、演出が……。 というか、Acrotramp や Bikers でなんとなく感じた物足りなさが何だったのか、 静岡で他の大道芸の比べつつ Bingo を観て判ったような気がしました。 基本的に、高度なテクニックをベースにしたベタな美しさ力強さ一本槍の演出なんですよね。 そういう演出はもちろん、音楽の使い方や衣裳のセンスにしても、 スポーツ競技のフィギュアスケートだなーと。 もしくは、シンクロナイズド・スイミング。 ちょうど、2005/2006 ISU Grand Prix of Figure Skating のテレビ放送がNHK BSで始まったこともあり、 5日の晩にテレビでそれを観ながら、そう思ったりしてしまいました。 ま、フィギュアスケートとかテレビでよく観ているくらいで、 高度なテクニックをベースにしたベタな美しさ力強さ一本槍の演出が 全くダメだというつもりはありません。 だた、静岡でいろいろ観たものと比べてしまうと、 Avanti Display や Les Bleus De Travail のような表現の方が面白いなぁ、 と思ってしまうのでした。ふむ。

[1438] 嶋田 丈裕 <tfj(at)kt.rim.or.jp>
- 若林, 東京, Sun Nov 6 1:53:04 2005

11月3日から5日まで2泊3日で 大道芸ワールドカップ in 静岡 2005 を観てきました。 撮った写真を整理しつつ、 写真集を更新しました。 とりあえず、写真と公式サイトやエージェントのサイト等へのリンクのみです。 テキストは追って追加します。

2003年は仕事が入って行かれず、2004年も仕事が立て込んでいて日帰り。 2泊3日で行ったのは2002年以来3年ぶりです。 久しぶりに大道芸を堪能したという感じでした。 1日くらい雨に降られても大丈夫なように2泊3日にしたのですが、 3日とも天候に恵まれてしまいました。 人出が多くて大変でしたが、余裕を持って観られて良かったかしらん。

[1437] 嶋田 丈裕 <tfj(at)kt.rim.or.jp>
- 新静岡駅の近く, Fri Nov 4 0:25:23 2005

というわけで、大道芸ワールドカップ in 静岡 を観に来ています。 速報版ですが、さっそく 写真集 を作りました。少しずつ更新しています。

[1428] 嶋田 丈裕 <tfj(at)kt.rim.or.jp>
- 若林, 東京, Mon Oct 24 23:18:45 2005

三茶 de 大道芸 2005 (写真集) の話の続き。

Chipolatas の公式サイトに載っている レビュー記事 は、 London International Mime FestivalEdinburgh Festival Fringe に参加したときものですが、この2つのイギリス (UK) のフェスティバルは、 コンテンポラリーなサーカス、マイムのようなフィジカル・シアターに興味ある人なら 要チェックなフェスティバルです。 フランスのヌーヴォー・シルク (nouveau cirque) だけがコンテンポラリーなサーカス表現じゃない、というか。 って、観に行ったこと無いですが……。 ウェブサイトで出演カンパニーのチェックとかしています。 いつか行きたいものです……。

やはり 三茶 de 大道芸 2005 に出ていた日本のコミック・マイム2人組 が〜まるちょば (Gamarjobat) も、 2004、2005年と Edinburgh Festival Fringe に参加しています。 いずれも賞を取っていて、イギリスでの評価は高いようです。来年1月の London International Mime Festival 2006 への参加も決定しています。をー、素晴しい。 もはや、日本でよりもイギリスでの方が人気があったりして……。 来年2006年2月21〜26日には シアター・グリーン メインホール で久しぶりの劇場公演 『サイレントコメディー6』 が予定されています。これは、ロンドン公演凱旋公演的な内容になるのでしょうか。 是非観に行きたいところですが、年度末とは時期が悪過ぎ……。

三茶 de 大道芸 2005 ではコミカルなジャグリングを見せていた Josselin Disdier ですが、 ベルギー (Belgium) の nouveau cirque のフェスティバル Postes de Lancement 2004 に出演したときの 紹介 を見付けました。fildéferiste と紹介されているものもありますし、 実は、得意技はワイヤー渡り (tight-wire) のようです。 Cirque Baroque, Ningen にも出ているようですね。ふむふむ。 コミカルな大道芸もいい味を出していて良かったと思いますが、 一方で、Lancement で演ったと思われる ワイアー渡りを使ったステージも観てみたかったように思います。

ところで、Josselin Disdier って、三茶 de 大道芸 2005 の公式パンフレットでは 「ジョスラン / Josrin」というパフォーマー名になっています。 相変わらずというか、 しつこく言い続けていることですが、 どうしてこういういいかげんなパフォーマー表記になってしまうのでしょうか……。 世田谷パブリックシアター の公演だったら、許されないでしょうに……。 ちなみに、入手したフライヤやタイムテーブルの情報で事前の下調べした時、 常識的に考えて「ジョスラン」なら綴りは Josselin か Jocelyn だろう (いくらなんでも Josrin はあり得ないだろう) と当たりを付けて、 ジャグラー (jongleur か juggler) と合わせてウェブを検索したところ、 Josselin Disdier が出てきたのでした。 で、観たときに直接訊いてみようかとも思っていたのですが、 道具箱にその名前のシールが貼ってあるのが見えたので、 それで確認できてしまいました。 ま、投げ銭の時に、名前確認ついでに「今度はタイトワイヤーを見せて下さい」とか 言うのも良かったかもしれないですが……。

[1427] 嶋田 丈裕 <tfj(at)kt.rim.or.jp>
- 若林, 東京, Sun Oct 23 23:17:21 2005

この週末は、 三茶 de 大道芸 2005。 土曜は昼になっても小雨が降り続けているというあいにくの天気でしたが、 歩いて5分程度という近所ということもあってとりあえず行ってしまいました。 結局、タイムテーブル通りに行われましたし、客も少なめで観やすかったですし、 行って良かったです。 日曜は観るつもりは無かったのですが、 結局、快晴ということもあり、三軒茶屋への散策+買物ついでに観てしまいました。 というわけで、写真集を作っておきました。

今回の一番のお目当ては、 先週末にちょっと言いました、 イギリス (UK) のカンパニー Chipolatas。 期待以上に楽しいパフォーマンスだったので、 レビューを書いておきました。 コミカルなジャグリングも良いのですが、 accordion / drum kit / cow bell + hand megaphone で繰り出される ノリの良い punky な folky beat が最高。ジャグリングの伴奏の域を越えてます。 今年観た中で best world music act、と言ったらさすがに言い過ぎでしょうか……。

しかし、実際、Chipolatas は1990年代から、 English / Celtic folk のミュージシャンたちと共演し続けてきています。特に、 Waterson:Carthy の (というか、Martin Carthy と Norma Waterson の娘の) Eliza Carthy とは付き合いが深く、 彼女と King Ligger and the Bathing Boys 名義で活動をしていたこともあるとか。 公式サイトに London International Mime FestivalEdinburgh Festival Fringe に出たときの レビュー記事 が載ってますが、Edinburgh Fringe に出たときは Eliza Carthy も出演していたようです。 BBC Radio 2Sidmouth International Festival 2004 のページで Taffy Thomas と Chipolatas が共演した際の 写真 が観られます。このときも Eliza Carthy も参加していたようですね。 Chipolata 5, Skinless (Hoodlum Prod., HOODCD001, 1997, CD) という Eliza Carthy も参加したCDリリースもあるようです。

一昨年まで、三茶 de 大道芸に合わせて「おもしろ座」という サーカス/フィジカル・シアターの公演があったわけですが、 その代わりというわけでもないのでしょうが、今年から 「Setagaya Jumbled up Music Party 2005」 というのが始まったようです。しかし、大道芸との絡ませ方がいまいち下手というか、 Chipolatas を呼んだのであれば、もう少し絡ませようがあったろうに、と思います……。

というか、1995年からやっているという English folk のミュージシャンと Chipolatas による公演 Chipolatas Cabaret を是非観てみたいです。それも、Eliza Carthy もフィーチャーして。 とても楽しそうです。 って、こういうのを楽しそうと思うのは自分くらいでしょうか……。 六本木ヒルズアリーナあたりでやるのに良いさげだと思うのですが……。 しかし、ジャグリングとか要らないから音楽だけ聴かせろ、 とか言い出しそうな world music ファンって少なくなさそうだしなぁ……。うーむ。

[1423] 嶋田 丈裕 <tfj(at)kt.rim.or.jp>
- 若林, 東京, Sun Oct 16 23:50:25 2005

日曜は昼になっても雨が降ったり止んだりということで躊躇していたのですが、 小雨が時折ぱらつく中、昼過ぎちょっと遅めに自転車散索で六本木ヶ丘へ。 六本木ヒルズアリーナの 大道芸シリーズ World Street Performance in Autumn 2005 ということで、 ウクライナ (Ukraine) のクラウンの Borys Borysenko と 同じくウクライナのトランポリン・チーム Acrotramp を観てきました。 小雨が時折ばらつく天気ということで、会場が屋内ウェストウォークでした。 ダイナミックなトランポリンはアリーナのような広い場所で観たかったですが、 他のイベントで塞がってました。残念。 雨天にもかかわらず中止にならなくて良かったです。 ま、六本木ヒルズなら、雨でもどこかでやるだろうとは思っていましたが。 そういうわけで、写真集を更新しておきました。

今週末は上野恩賜公園でも大道芸フェスティバル ヘブンアーティスト TOKYO 2005 をやっていたんですよね。 天気の良かった土曜は Sri Lanka Festival 2005 @ 代々木公園 にしてしまったわけですが、 日曜の天気次第では、上野まで足を伸ばしても良いかな、と思っていたのですが、 小雨がぱらつくような天気だったので行くのは止めてしまいました。

で、来週末は、 三茶 de 大道芸 2005。 ヘブンアーティスト TOKYO と出演パフォーマーの重なりが大きいので、 来週はこちらでちゃんと観ておきたいものです。 UK のカンパニー The Chipolatas とか。 天気が良ければいいのですが……。

[1418] 嶋田 丈裕 <tfj(at)kt.rim.or.jp>
- 若林, 東京, Mon Oct 10 1:48:48 2005

土曜の晩は清澄白河から歩いて 森下スタジオへ。 コンテンポラリー・ダンスの公演 Jean-Baptiste André / Takamasa Aoki / Noriko Matsumoto, HiDDEN FACES / FACES CACHeES / KAKUSaRETA MEN を観てきました。 YCAM 委嘱ということで live sound processing や live video processing / projecting の使い方 あたりを期待していた所もあったのですが、 その点については面白いアイデアを感じることはほとんど無かったです。 しかし、サーカス学校 CNAC 出身の André ならではの、 跳躍わざを封じた体操競技のゆか種目演技のようなパフォーマンスは楽しめました。 というか、観ていて、四角いゆかの対角線に跳躍わざが出るのではないかと、期待してしまったんですが。 もうすこし、静動のメリハリを付けても面白かったのではないかとは思いましたが、 落ち着いた雰囲気の舞台という意味では悪くは無かったです。 シンプルな素描のような印象。 というわけで、レビューを書いておきました。

[1414] 嶋田 丈裕 <tfj(at)kt.rim.or.jp>
- 若林, 東京, Mon Oct 3 0:47:58 2005

「こんどうさんちのたいそう」に後ろ髪ひかれつつも向かったのは 横浜は山下埠頭。 横浜トリエンナーレ2005 の企画として開催されたサーカス公演 Cie Etokan, Buren Cirque 36 Masts in Palc / Yokohama を観に行ったのでした (フォトログ)。 舞台美術はなるほど Daniel Buren らしいとは思いましたが、 サーカス公演としてはいささか半端な印象を受けました。 と、レビューを書いておきました。

会場へは16時からの整理券配布に間に合うように行ったのですが、 整理券が余り気味だったのか、16時前だというのに普通に整理券を配布していました。 こんなことなら、「こんどうさんちのたいそう」に最後までいれば良かったです。 事前に電話で問い合わせたときに平日は開演まで整理券が残ったという話を聞いたので、 16時過ぎでも大丈夫かなとは思っていたのですが。 しかし、さすがに土曜の晩は最終的には整理券は捌けていたようだったので、 16時前に会場入りして無難だったのかもしれないです。 整理券の捌け具合は読めないので仕方ないか……。

しかし、ウェブサイトのイベント情報や 会場で配られているブログラムで使われているイベントのタイトル 『ビュラン・サーカス・エトカン』 もしくは、英語のインフォメーション (例えば アーティスト・リスト) にあるクレジット、BUREN CIRQUE cie ETOKAN (もしくは cie ETOKAN Buren Cirque) って、 どうしてそうなってしまうのだろう、と思います。 ヨーロッパでの公演の情報を いろ いろ 見ても明らかなように、実際は、Cie Etokan (Cie は Companie の略。省略して Etokan でも良いでしょう) がカンパニー名、 作品=演目 (スペクタクル) のタイトルが Buren Cirque でしょう。 で、36 Masts in Palc / Yokohama が今回の公演にあたってのサブタイトルでしょう。 多くの大道芸フェスティバルのプログラムにしてもそうなのですが、 そのフェスティバルの会期中のみでしか通用しないような愛称のような名前ではなく、 ヨーロッパの公演情報等で普通に使われているアーティスト (=カンパニー) 名と演目のタイトルを使って欲しいと、 以前からしつこく言ってきているわけですが……。 大道芸の文脈より「作家」や「作品」といった概念を重視しているはずの アートのフェスティバルですらそれが出来ないというのは……。 いったいそうすることの何が難しいことなのでしょうか?

ところで、2002年のパリ (Paris) の公演情報を 見ていて気付いたのですが、この公演では Benoît Taguet が出演していたのですね。 彼は Cirque Baroque の Christian Taguet の息子で、 Christian と一緒によく日本にも大道芸フェスティバルなどに来ています (写真)。 へ〜。

[1411] 嶋田 丈裕 <tfj(at)kt.rim.or.jp>
- 若林, 東京, Mon Sep 26 23:54:29 2005

『ヌーヴォー・シルク・カフェ』へ行って勢いがついた所で、 海外パフォーマが出演する東京近辺でサーカス・大道芸関連の公演・イベントで、 自分のアンテナにかかっているものをいくつか紹介。 ヨーロッパのフェスティバルが楽しいし条件も質も良いのは 確かとはいえ、まずは気楽に観られるものから、と。 見落しも多いと思うので、他にもお薦めの公演があったら、是非、教えてください。

まずは、もうすぐ始まる 横浜トリエンナーレ 2005のイベントとして、 9月28日(水)〜10月1日(土) の18:30〜 に Cie Etokan, Dan Demuynck (dir.), Daniel Buren (decors), Buren Cirque があります (イベント情報)。 しかし、前売、予約ではなく整理券ですか……。 行っても整理券が取れずに観れない可能性があるだけに、 どうするか悩ましいところです。

続いて、その次の週末。 2年前に Philippe Decouflé が日本のパフォーマを集めてワークショップし、 Iris という作品を作りました (レビュー)。 その時にフランス側から参加したパフォーマ Jean-Baptiste AndréIris と同じく YCAMFACES CACHéES という作品を制作しているようです。 Iris は正直残念な仕上りだったわけですが、今回はどうなるでしょうか。 日本側は音楽と映像でパフォーマの参加は無いようなので、 身体能力的な問題はあまりないのかしらん。 東京公演は森下スタジオで、 10月8日(土)19:00〜と9日(日)14:00〜。

対応できる劇場やテントが立てられる場所の限られている日本では、 演出上の制約が大きいなどの条件が悪いとはいえ、 nouveau cirque や arts dans la rue のパフォーマンスを観る機会として 大道芸フェスティバルは無視できません。 例年のことですが、この秋もこれから11月頭くらいまで毎週末のようにあります。 天気が良い週末にちょっと行ってみるのも良いのではないでしょうか。

六本木ヒルズアリーナWorld Street Performance シリーズ。 10月から11月の頭まで約1ヶ月、海外から招聘したパフォーマによるパフォーマンスが観られます。 そんな中、今年もまた、L'Éléphant Vert が来日します。 演目は前回と同じく Faunèmes (2003年のときの写真集)。 Faunèmes は何回も観ているので、違う演目で来て欲しかったです。 しかし、それは別にして、Faunèmes は大変にお薦めです。 9日、10日にはフルヴァーションでもやるそうですし、未見の方はこの機会に是非。 期間は10月6日(木)〜10日(月祝)。 時間等の詳細、他のパフォーマの情報については、 六本木ヒルズアリーナのサイトを参照してください。

L'Éléphant Vert @ 六本木ヒルズの次の週末 10月14日(金)〜16日(日) には上野恩賜公園で ヘブンアーティスト TOKYO、 さらに翌週末10月22日(土)、23日(日)は三軒茶屋界隈で 三茶 de 大道芸 です。 まだ出演パフォーマ等の詳細は発表されていませんが、 例年通りであれば、海外招聘パフォーマは上野、三軒茶屋で共通です。 そういえば、去年は秋の 野毛大道芸 が久々に復活したのですが、今年はどうなっているのでしょうか。 今年はやる気配は今のところ全くありませんが。

横浜野毛といえば、横浜にぎわい座シャーレ (B2) で11月1日(火)〜3日(木祝)に、 ノルマンディの空中芸のペア Duo Solaris (Maryse Mugica & Bruno Cerati)公演があります。 彼等は比較的よく日本に来ていて、 1999年の野毛大道芸で観ていますが (レビュー)、 ダイナミックにスウィングさせての演技は迫力があって、お薦めです。

そして、11月3日(木祝)〜6日(日)は、東京から少々離れますが、 大道芸ワールドカップ in 静岡。 既に、海外招聘パフォーマも発表になっています。 今年も空中芸で別枠で4組が呼ばれているようですし、 今年も、是非観に行きたいものです。 また、大道芸とは別にテントでウクライナのカンパニー Circus Theatre Bingo公演も 組まれているようです。

こんな感じで、これから11月頭くらいまで、ほぼ毎週観られます。 しかし、全部観るのか!?観られるのか!?>自分

ちなみに、ここで挙げた六本木ヒルズの大道芸シリーズや、 上野、三軒茶屋、静岡での大道芸フェスティバルについては、 過去5年くらい観たものについて 写真集を作ってあります。 あと、サーカス・大道芸関連の過去の発言集も 作ってありますが、長大なので順に読むというより文書内検索するのがお薦め。 関連情報として、参考までに、どうぞ。

[1410] 嶋田 丈裕 <tfj(at)kt.rim.or.jp>
- 若林, 東京, Sun Sep 25 20:35:53 2005

土曜は午後に小雨の中、銀座〜愛宕を散索 (フォトログ) していたわけですが、夕方には渋谷は アップリンク・ファクトリーへ。 消防署裏あたりから東急本店の方に移転してから初めて行きましたよ。 Le Couple Noir のイベント 『ヌーヴォー・シルク・カフェ』 を覗いてきました。7月に 『アートサーカスの現在』 があったわけですが、その時は都合が付かず行かれませんでした。 日本ではまだまだ情報が少ないジャンルですし、映像を見られる機会すら少ないので、 この第2回をちょっと覗いてみたのでした。

今回のお題は『「旅」─ フランスのアートサーカス特集/フェスティバルを訪ねて』でした。 使った映像は、彼らがフェスティバルで観たカンパニーのプロモーション用映像が2/3、 彼等が現地で撮ってきた映像が1/3といったところでしょうか。 自分は手ぶれの映像に非常に酔いやすいので、 手撮りは全体の1/3程度とはいえ終わった頃には気分が悪くなってしまいました。 プロモーション用映像の方が多くて良かった……。 今回、紹介されたフェスティバルは、彼等が実際に行ったフェスティバルということで、 サーカスや大道芸で有名なフェスティバルでも抜けている所もありました。 紹介されたフェスティバルやカンパニーを、自分のためのリンク集代わりに、 以下にリストアップしておきます。

毎年 (もしくは隔年等) で開催されているフェスティバル
博覧会のような定期的ではないフェスティバル
カンパニー (, 演目)

で、ビデオで観ていて生で観てみたいと思ったものについてコメント。

Le Couple Noir のお薦めでもありましたが、この秋に Parc de la Villette で2ヶ月のロングラン公演をしている Cirque Plume, Plic Ploc。 このカンパニーについては以前にも ここで 触れたことありますが、Mauricio Kagel の Variété とか演じているし。以前から、一度、生で観てみたいと思っているカンパニーです。

あと、Jules Verne 2005 で巨大なマリオネットを使った3日間にわたるパフォーマンスを繰り広げた Royal de Luxe。 生で観るとスケール感もあって、圧倒的な迫力がありそうでした。 ちなみに、Nantes 市の公式サイトで、 Royal de Luxe のパフォーマンスの写真と動画 が公開されてます。『ヌーヴォー・シルク・カフェ』での映像よりこっちの方が、 イベントの全容が判りやすくてとてもお薦めです。これ必見。 しかし、このパフォーマンス、やっぱり、凄い……。

以前2001年に、 Festival d'Avignon というか Avignon Public OffLa Biennale di Venezia へ行ってヌーヴォー・シルクなパフォーマンスをいろいろ観てきたことがある (関連発言) だけに、 映像や話からあの時の楽しさを思い出して、 またヨーロッパのフェスティバルに行きたくなってしまいましたよ。く〜。

ちなみに、『ヌーヴォー・シルク・カフェ』の客は20名もいなかったでしょうか。 連休中日、雨の日という悪条件が重なったせいもあると思いますが、 まだまだこの手のパフォーミングアーツって認知度低いのかしらん、と。 しかし、話を聞いていて、想定している客層がいまいち読めなかったですね。 これから興味を持ってもらおうという一般の客層に対して話をしているのなら、 いきなり海外のフェスティバルへ行けというのは、 少々無理があるように感じましたし。 ま、僕のような一般の観客を増やそうとしているというより、 むしろ業界 (アーティスト、パフォーマやプロデューサ) の ネットワークを作ろうということを意識した会なのかしらん、 と話を聞きながら疎外感も少し感じたりして……。

[1407] 嶋田 丈裕 <tfj(at)kt.rim.or.jp>
- 若林, 東京, Tue Sep 20 2:36:06 2005

月曜は祝日、敬老の日。残暑が厳しかったですが、 日が暮れるとぐっと過ごしやすくなります。 そんなわけで、日暮れに自転車散索気分で神田川を井の頭公園まで。

で、吉祥寺 Star Pine's Cafe で バチカンブラザース『バチ天(10) 敬老の日スペシャルナイト』 を観てきました。 なかなか説明しづらいライブというかイベントですが、 ex-オンシアター自由劇場の 小西 康久、内田 紳一郎、片岡 正二郎 らがやっている コミック音楽バラエティーショー (強いて言えば) でしょうか。 半年〜1年に一回くらいのペースでの公演ですが、いつのまにか10回にもなるんですね。 今回のゲストは 清水 宏 (ex-劇団山の手事情社)。うーん、いまいちゲストを巧く使えていなかったかしらん。 前に観たのが2003年5月の第7回だったので、観るのは2年ぶりです。 2000年の三茶 de 大道芸 (写真) で初めて観て以来ハコで観るのは4回目ですが、相変わらずです。 使いまわしのネタも少なくないのですが、 新奇さを狙ったイベントでもなし、それはそれで良いかなぁ、と。 最終回、解散をにおわせる発言を舞台で何回かしていましたが、 演る方は少々マンネリを感じつつあったりするのでしょうか。 しかし、まいど「ナースコール」が再演されることになるとは思わなかった、というか。 今回は 内田 紳一郎 ― 片岡 正二郎 ラインがいい感じだったように思います。 いつも前の方の席で観て客弄りに巻き込まれてしまったりするわけですが、 今回は二階席でゆったりと観させて頂きました。 というか、今回は客弄りが少なかったような印象を受けました。 あと、内田 紳一郎 が直前に入院していたせいもあるのが、 映像の仕込みも少なめという印象を受けました。ふむ。 しかし、こういう楽しい音楽バラエティショーを生で観るというのはいいものです。

ところで、アンケート用紙に書かれた過去の公演リストで知ったのですが、 バチカンブラザースの前回の公演のゲストは、 佐藤 芳明 (accordion) だったんですね。 をを、実は『奇天烈喜歌劇 ミステリヤ・ブッフ』 (レビュー) 繋がり。 当時の活動報告 を読むと「この日も最高に楽しいライブを経験してしまいました」と書いてあるし。 当時は仕事も忙しく平日月曜の晩ということでパスしてしまいましたが、 そういうことなら万難排して是非観ておきたかったです……。 というか、ガレージシャンソンショーも一度生で観ておきたいのですが……。うーむ。

[1389] 嶋田 丈裕 <tfj(at)kt.rim.or.jp>
- 若林, 東京, Sun Aug 28 23:05:03 2005

土曜は昼過ぎに家を出て新橋、 というか汐留シオサイトへ。 会期末になってしまいましたが、 『アート・ダイドウゲイ』 のサマー・スペシャルを観てきました。 いつものように、写真集を作ってあります。御覧下さい。

汐留の大道芸はなんとなくスルーしがちなのですが、今年の夏は 「いたちごっご」 (『クマのデラシネ日記』, 2005年08月09日) や 「Le Tennisと金井圭介」 (『Le Couple Noir 珍道中』, 2005/8/16) を読んで、やはりチェックしておこうと思ったのでした。 「ワレンチンが演出したウクライナの二人ジャグラー」こと Duo BondarenkoLatitude Cie, Le Tennis を観ることができましたが、 OKidOK 2Le Tennis と時間帯が被ってしまい、観られませんでした。残念。 しかし、Latitude Cie, Le Tennis は とても面白かったです。 レビューを書いておきました。 これはお薦めです、って、今さら言っても遅いですね……。 Duo Bondarenko の jaggling & acrobat の duo も雰囲気あったし、 Duo Cerka の aerial ring も元気な感じの演技が良かったし、 観たものはどれも楽しめました。

[1376] 嶋田 丈裕 <tfj(at)kt.rim.or.jp>
- 若林, 東京, Tue Aug 16 0:05:32 2005

月曜の晩は六本木ヒルズへ。 『カバレット・アリーナ』 を観てきました。ライヴの音楽とパフォーマンスのショーですね。 会場は屋外のアリーナで、それも無料ということでオープンな感じです。 写真撮影可ということだったので、大道芸のときのように 写真集 を作りました。暗い中で撮影するとどうしてもブレてしまう上、 パフォーマより後のミュージシャンに焦点が合いがちだったりして、 あまり綺麗に撮れていませんが、雰囲気を感じてもらえればと思います。

オープニングはパフォーマ抜きで Cicala-Mvta の演奏。 吉田 達也 の曲などに交えて、60周年の終戦の日ということで選んだ曲は Quilapayun の "The People United Will Never Be Defeated"。をを!! メメント・モリビルな場所でこのような曲を演るというのも 皮肉が効いているというか、 そのままアジール・チンドンな選曲でいくと面白かったかも。

パフォーマンスは大道芸などで一度は観たことがあるものがほとんどとはいえ、 ライヴなものですし、生演奏が付くとずっと良く見えます。ふむふむ。 山本 光洋 のマイムから ふくろ こうじ のオブジェクト・パフォーマンスにかけては、 客がまだ暖まっていない感じでしたが、 バーバラ村田 のマジックとパペットダンスの頃には盛り上がり始めました。

で、トリの 王 輝 のジャンピングロープ。 何回も観たことがありますが、ロープの上を高く舞う様子はやはり圧巻です。 ところで、ロープに上がるところで、 Cicala-Mvta が Albert Ayler, "Ghosts" を演りはじめたので、 そのまま Ayler な演奏に合わせて演技するのかとちょっと期待したのですが、 さすがに頭だけでした。ふむ。 というか、ジャンピング・ロープのダイナミックな演技の間は、 バックでなにを演奏していたのか全く記憶に残ってません……。

19時開演というのに、20時には終演。 周辺住民への迷惑もあり20時以降は音出しできないということで 仕方が無いとは思いますが、1時間はあっというまで物足りません。 フルのカバレットもまた観に行きたいものです。 しかし、屋外のオープンなスペースでのショーというのも、 やはり、半ば大道芸的な雰囲気もあって良いですね。また観たいものです。

[1297] 嶋田 丈裕 <tfj(at)kt.rim.or.jp>
- 若林, 東京, Sat Jun 4 22:35:17 2005

先週末の Slack Taxi に続いて、 六本木ヒルズ World Street Performance今年の春のシリーズで、 フランスのカンパニー Couleurs Mecaniques の エアスプリングを仕込んだスティルト (Stilt, 高足) パフォーマンスを観てきました。 2001年の静岡でも観ていますが、跳ね舞い上がる様子は何度観ても凄い迫力です。 静岡で観たときは男性4人だけだったのですが、女性が1人加わるだけで華やかさが違いますね。 そんなわけで、レビューを書いておきました。 もちろん写真も撮ったので、 写真集の更新もしました。 御覧下さい。

しかし、こういうカンパニーは動きが早くて写真を撮るのが難しいです。 特に、デジタルカメラは、シャッターを押してから切れるまでに遅れがあるのが辛いです。 それでも何枚か宙を舞っている所を2枚収めることができましたが、 縄跳のところでうまく撮れてなかったのが残念……。 あと、最前列にいたこともあり、ステージを広く使った動きは ほとんど撮れませんでした。 一方で、遠くからホイール転がして登場している所を撮った写真は、 小さくて何やってるのかよくわからないものになってしまいましたし。 こういうのを撮っていると、 広角とか望遠とかちゃんとしたレンズ使って撮りたくなりますね。 デジタル一眼レフも10万円くらいで手に入るようになっていますし……。物欲が……。 ま、大道芸はそれ自体を楽しみに行ってるのであって、 写真を撮るために行ってるわけでもないんですけどね。 写真を撮っていると、芸を楽しめなくなってしまうところもあるし。

[1289] 嶋田 丈裕 <tfj(at)kt.rim.or.jp>
- 若林, 東京, Sat May 28 22:39:56 2005

六本木ヒルズ World Street Performance今年の春のシリーズ が、既に4月末から始まっています。 4月頭にはフライヤも入手していたにもかかわらず、都合が付か今まで行けませんでした。 やっと、今日、 Slack Taxi を観ることができました。もちろん写真も撮ったので、 写真集の頁を作りました。 御覧下さい。

ちなみに、来週はフランスのカンパニー Couleurs Mecaniques。 2001年の大道芸ワールドカップ in 静岡に 出演した彼らを観たことがあります (写真集)。 そのときは、スプリングを仕込んだスティルトで跳ね上がる かなりダイナミックなパフォーマンスを見せてくれました。 ゴムシートを敷いたりと足場を整えてやっていましたが、 今回はどうするのでしょうか。 ま、派手にダイナミックなパフォーマンスもいいですが、 もっと演劇的なパフォーマンスも観てみたいように思います。 どういう展開でくるのか楽しみです。

ところで、六本木ヒルズで配布されている World Street Performance のパンフレットと 六本木ヒルズアリーナ イベント・スケジュールの Couleurs Mecaniques のインフォメーションのベージで、 僕が2001年に静岡で撮った彼らの 写真 が使われています。 もちろん、ウェブからの無断使用ではなく、制作をしている アフタークラウディカンパニー を通して使用したいという話が来たのでした。 パンフレットでは撮影者の名前もクレジットされています。 特に使用料が出たりということはないのですが、 サーカスや大道芸のようなパフォーミングアーツが日本に定着して欲しいと思ってるだけに、 こういう形でささやかながら貢献ができるのは嬉しいです。

[1234] 嶋田 丈裕 <tfj(at)kt.rim.or.jp>
- 若林, 東京, Sun Apr 24 2:14:53 2005

前夜の夜更しで起きるのが遅れたのですが、土曜は10時過ぎには家を出て横浜へ。 野毛大道芸 へ行ってきました。さっそく、 写真集 を作ってあります。

今年は、天気がとても良かったこともあるのか、 ここ数年の中で最も人が多かったような印象を受けました。 特に、野毛坂と野毛本通りは人が多過ぎです。 川を渡って福冨西公園へ行くと人が減るので、人混みを避けて、 福冨西公園と馬車道駅で、のんびりとサーカスを楽むことにしました。 みなとみらいもイセザキモールも人が多かったのですが、 野毛大道芸目当てで混雑していたというより、 普通の買物客だけでも十分に混雑していたように思います。 日曜は土曜よりも混雑するんでしょうか……。

そういえば、「みなとみらい反対」のポスターを野毛のあちこちでみかけたのに、 写真に撮るのを忘れてしまいました。痛恨。

ここを日曜に野毛大道芸へ行く参考にする人がどれだけいるか判りませんが、 以上、速報ということで。

[1223] 嶋田 丈裕 <tfj(at)kt.rim.or.jp>
- 若林, 東京, Thu Apr 14 0:52:09 2005

仕事帰りに劇場へ行こう、というわけで火曜の晩は万難排して仕事を切り上げて川崎へ。 Club Citta' で スウェーデン (Sweden) のコンテンポラリー・サーカス Cirkus Cirkör, 99% Unknown (日本公演サイト) を観てきました。期待通り楽しめたので、 レビューを書いておきました。

急に決まった公演で客の入りが心配されていましたが、大入りでした。 この手のパフォーミングアーツも、それなりに定着してきているのでしょうか。 しかし、一晩だけの公演はもったいですね。 演劇やダンスの公演同様、3日〜1週間ぐらいやってもいい完成度でした。 昔であれば世田谷パブリックシアター>の「おもしろ座」の枠で招聘するのに ちょうどいいカンパニーと演目だと思うのですが。 一昨年で「おもしろ座」は終わってしまったのが残念でなりません。 フランスのヌーヴォー・シルクや今回観た Cirkus Cirkör 以外にも、 このレベルのカンパニーがヨーロッパ各国にまだまだいそうに思いますし、 定期的にこういうカンパニーを呼ぶ公演シリーズって貴重だったと思うのですが……。

Cirkus Cirkör を観ていて、 Zingaro, Loungta, Les Chevaux De Vent を観ていて物足りなく感じた点を 一つ思いだしました。 狂言回し的なクラウンがいなかったんですよね、Loungta には。 いなくちゃいけないものでもないし、 狂言回しの不在が Loungta をダメにしていたわけでは全くないのですが、 そういうのがいるとやっぱり楽しいなぁ、と思ったり。 しかし、Zingaro とか Cirkus Cirkör を観ると、 水と油 の作品って、まだまだ寸劇の寄せ集め感が強いなぁ、と思ってしまいます。うむ。

ところで、Cirkus Cirkör の小柄な女性パフォーマー、 Björk なキャラクターだったように思います。 今回に限らず以前から (ってよく観始めた1990年代半ば頃から) 思っていることなのですが、 ヨーロッパのクラウン的な小柄な女性パフォーマーって Björk なキャラクラーなことが多いような気がします。 Björk の影響でそういうキャラクターが採り入れられたのか、 以前からあるストック・キャラクターに Björk が影響を受けたのか、 それとも、単に僕がその手のキャラクターに目が行きやすいだけなのか……。

[1222] 嶋田 丈裕 <tfj(at)kt.rim.or.jp>
- 若林, 東京, Thu Apr 14 0:46:11 2005

軽乗 (ボルティング, Equestrian Vaulting)FEI (International Federation for Equiestrian Sports, 国際馬術連盟) 公認の馬術競技の一種目ですね。そうか、馬事公苑でやっていたんですね。 国際団体 IVC (International Vaulting Club) のサイトに競技ルールや大会の写真とか載ってます。このサイトの Vaulting Information System に軽乗についての一般的な説明がいろいろ載ってるのですが、それを読んでいると、 国際競技会の団体のレギュレーションは18歳以下ですが、 個人は年齢制限はないようで、必ずしも子供向けのスポーツというわけではないかと。 Antwerpen 1920 Olympic Games では公式競技だったようです。ほほう。 英国の団体 BEV (British Equestrian Vaulting) のサイトも写真などが充実しているような気がします。

で、馬の曲乗り (曲馬) を近代スポーツ化したものが馬術競技としての軽乗で、 一方、近代的な芸術表現としてやっているのが Zingaro、 と言っていいかと思います。

ところで、先日の発言では 「騎馬オペラ→(日本のオペラ=歌舞伎)→馬芝居」という連想をしたのですが、 実際に観た印象では、 Loungta, Les Chevaux De Vent はあまりストーリーが無くて 芝居っぽさは薄かったですね。 しかし、日本に生まれ育った者としては、やはり、「Loungta藤森神社の駈馬 みたい」と言いたいものです。 (ちなみに、ここの写真がかっこいい。) チベット僧の祈梼に合せて駈馬を奉納していたんですよ、あれは。 で、会場はやはり木場公園じゃなくて靖国神社境内にして欲しかったですね、 「奉納駈馬 ジンガロ曲馬団」って感じで (違)。 って、やっぱり、「奉納駈馬」じゃなくて 「騎馬オペラ」じゃないとダメですか。そうですか……。

[1218] 嶋田 丈裕 <tfj(at)kt.rim.or.jp>
- 若林, 東京, Mon Apr 11 1:32:18 2005

土曜は起きるのが昼過ぎになってしまったわけですが、夕方早くには木場公園へ。 Zingaro, Loungta, Les Chevaux De Vent を観てきました (フォトログ)。 予想以上にサーカス的で楽しかったです。 というわけで、レビューを。 やっぱり「騎馬オペラ」なんて言わずに普通に「曲馬」でいいじゃないかという意を強くしました。 「騎馬オペラ」って、ひょっとしてチケット価格が「オペラ」相当のことだったりして。

[1212] 嶋田 丈裕 <tfj(at)kt.rim.or.jp>
- 若林, 東京, Tue Apr 5 0:18:00 2005

□□□さんも、Zingaro, Loungta を観てきましたか。 フライヤの煽り文句とか解説ほほとんどちゃんと読んでなかったのですが、 確かに「騎馬オペラ ジンガロ」ってありますね。 これは théâtre équestre Zingaro に対応する日本語のようです。 その方がイメージ良かろうと、 単純に1991年の Festival d'Avignon で上演した Zingaro の出世作 Opera Equestre (1991-93) から採ったのでしょうね。 しかし、それは今回上演する作品はそれじゃないですしねー。 それがありなら、むしろ初期の1980年代の作品 Cabaret Equestre (1984-90) から「騎馬カバレット」にして欲しかったような気もします。 「人馬一体となったコンテンポラリーダンス」って 確かに Zingaro ってそういう感じだろうとは思うのですが、 コンテンポラリーダンスの客層の薄さからして これからイメージできる人は限られてるような気もします。 ま、素直に「曲馬団」でいいじゃないかと思いますが。もしくは「馬芝居」。 Zingaro から話が逸れますが、 江戸時代に上演されていたという歌舞伎や狂言を取り入れた馬芝居 (ここ参考)、 一度観てみたいものです。『義経千本桜』とか。誰か再現してくれないものでしょうか。 Bartabas に吹き込んで歌舞伎ネタやらせるとか (違)。

って、それだけではなんなので、他の関連する話題のフォローアップ。 Cirkus Cirkör を招聘した After Cloudy Company2005年春の最新ニュースが 更新されました。そんな中から東京近辺の大道芸関連の話題をピックアップ。

Cirkus Cirkör, 99% Unknown日本公演のウェブサイトを 紹介しわすれていました。 ちなみに、2005/4/12(Tue), 20:00〜 に川崎 Club Citta' です。

今年の野毛大道芸は4/23, 24です。 もちろん、例年通り、今年も行くつもりです。 ACCが招聘する海外ゲストは、Balazs Foldvary という German wheel と BMX を得意技とするハンガリー (Hungary) のパフォーマー だそうです。観たことないので、とても楽しみです。 公式サイトで既に出演パフォーマーやステージ割り当てが発表されています。 それを見ていて、 ダメじゃん小出の 「牛飼い小出とヤコブ君」というのに目が止まりました。 10年前にやってた「牛飼い小出と牛君」を思わせる演目ですが、 ヤコブ君は誰がやるんでしょうか? それとも1人でやるのでしょうか。 とても気になります。 ちなみに、野毛大道芸の写真集、 2002年2003年2004年とあります。

六本木ヶ丘こと六本木ヒルズも 大道芸に力を入れています。六本木ヶ丘の公式サイトにはまだ載っていませんが、 今年の春のスケジュール、出演パフォーマが決まってきているようです。 4/20-24が Zimbabwe Brothers、 5/25-29が Slack Taxi, Bouncers、 6/1-5が Couleurs Mecaniques。 Zimbabwe Brothers が野毛大道芸と被ってしまいますが、残りの2つは観たいものです。 ちなみに、Couleurs Mecaniques は2001年の静岡で観ています (写真)。 今回もスプリングを仕込んだ高足 (stilt) でダイナミックなパフォーマンスを 観せてくれるのでしょうか。 ちなみに、六本木ヶ丘大道芸の写真集は、 2003年の l'Éléphant Vert2003年秋2004年とあります。

来週末9日が Zingaro, Loungta @ 木場公園、 10日が Rosas, Bitches Brew @ 彩の国、 12日が Cirkus Cirkör, 99% Unknown @ 川崎 Club Citta'、 そして、23,24日は 野毛大道芸。 いつのまにか、4月はパフォーミングアーツ月間になってしまっています。うーむ。

[1198] 嶋田 丈裕 <tfj(at)kt.rim.or.jp>
- 若林, 東京, Wed Mar 30 23:21:36 2005

パフォーミングアーツ関連で、ついでにちょっとプロモーション 。 スウェーデン (Sweden) のコンテンポラリーサーカス (フランスでいうところの nouveau cirque) のカンパニー Cirkus Cirkör が来日します。 99% Unknown @ 川崎 Club Citta', 2005/4/12(Tue), 20:00〜 です。 って、僕もまだチケットを買ってないのですが。 実は、今回の公演は日本、スウェーデン両国の助成金が断られる中、 ノーギャラでも公演したいという熱意の中で実現したものです。 詳しい経緯はここをお読み下さい。 そんなわけで、僕はサポート券を買って行くつもりです。 Zingaro のようなサーカスアートに興味ある人はもちろん、 コンテンポラリーダンス (特に Philippe Decouflé) や フィジカルシアター (水と油 とか) のような パフォーミングアーツが好きな人にお薦めの舞台です。

[1131] 嶋田 丈裕 <tfj(at)kt.rim.or.jp>
- 若林, 東京, Sat Feb 19 22:38:42 2005

仕事帰りに劇場へ行こう。って、年度末の平日の晩はさすがに無理です。 というわけで、金曜の晩にあった 『カバレット・キネマ』 はパス。しくしく。土曜も職場に行っていたわけですが、早めに切り上げて、 仕事帰りに初台へ。

というわけで、新国立劇場 小劇場 へ行って、 今僕が一推しの日本のフィジカルシアター・カンパニー 水と油 の新作 『移動の法則』 (The Rule Of Transfer) を 観てきました。 彼等らしい舞台が楽しめたのでレビューを書いてあります。 けど、前半ちょっと退屈したし、彼らにしては凄く良かったというほどじゃなかったでしょうか。 どうしても、彼等ならもっとできるはず、って思ってしまいます。うーむ。

そんな彼らの次の公演は、5/25-29の 『不時着』 @ 東京グローブ座 です。 2001年に同じハコで初演した作品の再演です。 観たことがない作品ですし、楽しみです。 しかし、『見えない男』 も是非観たいので、東京で再演して欲しいです。 それから、『机上の空論』 (レビュー) を もう一度見直したいです。 ちなみに、今まで観た公演のレビュー 1, 2, 3, 4, 5

あまりノベルティグッズは買わないのですが、Tシャツを買ってしまいました (フォトログ)。 ちょっと和っぽいのが面白かったので。 きっと、海外公演だとこういうのがウケるんでしょうね。

- 若林, 東京, Mon Nov 22 1:24:01 2004

というわけで、日曜晩の最後の回を観てきました、 Strange Fruit, The Spheres @ 六本木ヶ丘。 大道芸というか野外パフォーマンスです。去年の 大道芸ワールドカップ in 静岡 で上演したものですが、仕事で観に行けなかっただけに是非観たいと思っていたのでした。 期待とおり楽しめたので、さっそく、 写真集レビューを書いてあります。

いつものようにデジタルカメラを持っていったわけですが、 画像データをパソコンに移す作業中にシステムクラッシュしてしまいました。 最近、PCIカード・スロットの調子が悪くてヤバいと思っていたのですが……。 30枚以上は撮ったうちなんとか約10枚分のデータを救うことができ、 なんとか写真集も更新することができました。 ま、写真を撮るために観に行っているわけでないですし、 少々失われたくらいで、あまり気にしないといことで。 と言いつつ、全部失われていたら、 失意のあまりレビューを書くどころではなかったかもしれません。

会場には予定より早く17時前に着いてしまったのですが、 混雑したショッピングモールを歩き回る気にもなれなかったので、 会場に設置された席について読書していました。 で、17時半頃にふと顔を上げて周囲を見ると既に席はいっぱい。 早めに着席してしまっていて良かったです。 TV番組か何かで紹介されたりしたのでしょうか、予想以上の人気にびっくりしました。

- 若林, 東京, Mon Nov 8 23:40:24 2004

昨晩書き切れなかった 大道芸ワールドカップ in 静岡 2004 の話です。

今年の静岡には、レビュー写真集にも書きましたが、 に、フランス (France) の三人組 Les Acrostiches が参加していました。 2001年の Avignon Public Off で 劇場公演を観た (レビュー ときに、 「これなら、日本で大道芸でやっても、十分に盛り上がるのではないかと思う」 と書きましたし、どうなっているかという興味もあって観てきました。 高度なジャクリングやアクロバットはもちろん、 表情やさりげない仕草ややりとりの可笑しさもあいかわらずで、 他のパフォーマーと比べても楽しめた方でした。 周囲の客にもおおいにウケていたように思います。 しかし、劇場公演を知っているだけに大道芸は断片的な技見せ程度という感もあって、 物足りません。小劇場クラスのハコで公演して欲しいとも思ってしまいました。 世田谷パブリックシアターの 公演シリーズ「おもしろ座」 (海外のサーカス、フィジカルシアター的なカンパニーを招聘するシリーズ) が今でもあれば、そこで呼ぶのにうってつけのカンパニーだったと思うのですが……。 「おもしろ座」が今年から無くなってしまったのが惜しまれます。 Les Cousins (レビュー) とか La Famille Moralles (レビュー) とか 面白かったのになぁ……。

僕が大道芸を観る際の楽しみの一つに、 どういう音楽が使われているかチェックすることがあったりします。 それなりに流行とかありますし。 Luka Luka のハイライトに Fanfare Ciocarlia が使われていて、 Gypsy brass band を使うのも定着したものだなぁと感慨深かったり。

- 若林, 東京, Mon Nov 8 1:28:52 2004

大道芸ワールドカップ in 静岡 2004 に限らないのですが、 写真集を作るとき、 カンパニー/パフォーマー (もしくはそのマネージメント) の ウエブサイトやページがあれば、そこにリンクするようにしています。 公式サイトを持つカンパニー/パフォーマーも増えていることだし、 サイトを持っている場合は公式パンフレットに URL を載せてあげればいいのに、 とも思っていますが、そうなる気配はありません。

そんなわけで、ウェブサイトを探すために検索していると、 公式パンフレットのパフォーマー名に誤りがあるとすぐに気付いてしまいます。 今回自分が観たパフォーマーだけでも、 The Flying Lotahs が 公式パンフレットでは Flying Lotas となっていました。うーむ。 しかし、今までのデタラメさ加減からすると、 hが落ちた程度はたいしたこと無い間違いに思えてしまいます。 他にも、The Wrong Size の 公式パンフレットでのカタカナ表記が「ザ・ウロング・サイズ」というのは いかがなものかと。 公式パンプレットでの過去のパフォーマー紹介でも Hors Strate は「ホース・ストラート (Horse Strauta)」のままだし。 相変わらずというえば相変わらず、大道芸ワールドカップ in 静岡には パフォーマー/カンパニーの名称をちゃんと扱おうという気はさらさら無いようです。

しかし、今回一番気になったは、パフォーマー名ではありません。 特別企画として5組の海外空中芸 (aerial acts) のパフォーマーを招聘しているのですが、 そのタイトルが、スペシャルパフォーマンス「トロピーズ」 だということ。 「トロピーズ」というのは trapeze のカタカナ表記のつもりのようなのですが、 普通「トラペーズ」 (仏語風) か「トラピーズ」 (英語風) と表記されていると思います。 例えば、ファッション用語で、スカートの台形ラインを 「トラペーズ・ライン」と言うように。これも仏英が混じっていますが。 わざわざ「トロピーズ」という表記をどうして採用したのか……。

しかし、問題は、カタカナ表記だけではありません。 今回の特集「トロピーズ」の5組のうち トラペーズ (ブランコ) を使っているのは Sofia Tsola だけなのです。 Akita はヴァーティカル・ロープ (vertical rope) ですし、 残り3組はティッシュ (tissue) です。 つまり「トロピーズ」を「空中芸」という意味で使っているのです。 今回、特集のタイトルに「トロピーズ」という言葉が使われていて気付いたのですが、 以前から公式パンフレットで参加ミュージシャンを特徴付けるために使われている 「大道芸のジャンル」で「トロピーズ」が使われていたようです。 公式パンフレットにはこう書かれています (p.8)。

Trapeze (トロピーズ)
垂直に垂らしたロープやブランコを使ってアクロバティックな動きを見せます。 ハラハラ、ドキドキ、体の動きの美しさにため息が出るパフォーマンスです。

ちなみに、トラペーズやティッシュ、ヴァーティカル・ロープ等の パフォーマンスの総称としては aerial acts (もしくは aerial performance、空中芸) がありますし、 演技内容によっては aerial acrobatics (空中アクロバット) とか aerial dance (空中ダンス) なんて言葉も使われています。 公式パンフレットに用いるジャンルの名称や今回の特集のタイトルは、 せめて「Aerial (エアリアル)」にして欲しかったと思っています。 確かに、大道芸ワールドカップ in 静岡 しか観ていない観客に対してなら、 空中芸=「トロピーズ」ということにしておいても混乱は無いのかもしれません。 そんな細かい言葉遣いを気にするサーカスについてある程度の知識のある客は 大道芸ワールドカップ in 静岡 ほとんどいないのかもしれません。 しかし、それだからこそいいかげんな用語を使うのは止めるべきだとも思います。 いいかげんな用語は、大道芸ワールドカップ in 静岡 をきっかけに もっと深く大道芸やサーカスについて知りたいという人にとって、 その妨げにしかなりません。

しかし、一観客である僕ですら馬鹿にされているような気分になるのに、 サーカスや大道芸の関係者は 大道芸ワールドカップ in 静岡 のこういういいかげんさを 誰も問題にしてないんでしょうか。 一応、何十万人もの観客を動員する大規模なフェスティバルですし、 そこに来る客のほとんどが空中芸のことを「トロピーズ」と呼ぶものだと思っているのだとしたら、 日本におけるサーカス文化、大道芸文化にとって良いことだとはとても思えないのですが……。

- 若林, 東京, Sun Nov 7 23:06:54 2004

昨晩にも書いたように、土曜日は 大道芸ワールドカップ in 静岡 2004 を観てきました。 レビューを書いておきました。 昨晩暫定速報版だった 写真集 も、とりあえずこれでフィックスです。 ちなみに、このフェスティバルは、1992年に始まって今年で13回目 (12年目)。 僕が静岡を観に行くのはこれで6回目ですが、日帰りは初めてでした。

特集が組まれた空中芸 (aerial acts) をメインに観ていたわけですが、 今回観た中でベストはその中の一組 Bencha Theater。かっこいー。 次点の Christina Wintz にしても、 あまり女性的なものを強調しないパフォーマンスが自分の好みのようです。ふむ。 と、空中芸を堪能したわけですが、こうしてまとめて観ると、1999年に観た Fura (写真集) って、 高さといいミニマルな演出といいシャープでカッコよかったなぁとつくづく思います。 東京近辺でも空中芸がもっと観られたらなぁ、と思います。 六本木ヒルズのアリーナの天井はトラペーズやティッシュは吊せないのかしらん。 あそこで Bencha Theater とかやるのも、迫力あってカッコ良さそうな気もしますが。

しかし、今回のベストの Bencha Theater にしても、小粒というか、 ティッシュでの空中アクロバットとして巧いけど予想の範囲内というか、 凄いものを観てしまったという感じではありませんでした。 今までの静岡というと、1995年に観た Stalker や Hors Strate、 1999年に観た Strange Fruit や Fura (レビュー)、 2000年に観た The Primitives や Hector Protector (写真集)、 2001年に観た L'Elephant Vert (写真集)、 2002年に観た Les Vernisseurs (写真集) など、 会期中に繰返し観たくなるようなインパクトのあるパフォーマンスが あったものです。しかし、今回はそういうものに出合えませんでした……。 特に、今回のプログラムは 普通にサーカス・ショーでやりそうなパフォーマンスが中心で、 僕がチェックした限りでは Hector ProtectorL'Elephant Vert、 Les Vernisseurs あたりの演劇的というか "Arts dans la rue" 的なパフォーマンスが ありませんでした。そして、それがとても残念でした。 日本ではなかなか観られないこの手のパフォーマンスが観られるということが、 わざわざ休暇を取って静岡まで行こうと思う動機の一つだったのですが……。

ちなみに、日帰りなら静岡に行ってもいいかなと思う人への参考に 今回の日帰り行程の話を。 家を出たのは朝9時頃、もっと早く家を出るつもりだったのですが起きられませんでした。 それでも、品川で10時前くらい発の新幹線 (ひかり) に乗って静岡に11時過ぎに到着しました。 休日のプログラムは11時開始なので、それでもほぼ頭から観ることができました。 夜はナイトステージ終了が20時半ですが、東京行きの新幹線は21時過ぎまであります。 といっても、帰りは疲れもあってナイトステージを途中で切り上げて、 静岡20時過ぎ発の新幹線 (ひかり) に乗って22時過ぎくらいに家に帰着しました。 こんな行程でも、写真を撮ったものだけでも11組ありますから、 15組前後のパフォーマーを観ることができたのではないでしょうか。 期待の空中芸も全て観ることができましたし、 日帰りでもそれなりに観られるなぁ、とは思いました。

しかし、休暇を取って1〜2泊して観ていたときは、 平日の比較的空いているときにちゃんと観たいパフォーマーを余裕のある状態で観ておいて、 休日はパフォーマンスを観るというより盛り上がりを楽しむ感じでした。 日帰りではそんな余裕はありません。 特に今回実感したのですが、休日は混雑が酷過ぎてあまり良い状態で観られません。 せっかく行くのであれば、休暇を取って1〜2泊して観ることをお薦めします。 あと、首都圏に住んでいるのであれば、日本のパフォーマーを観るなら、静岡でではく 東京のヘブンアーティスト野毛大道芸で観ることをお薦めします。

- 若林, 東京, Wed Nov 3 22:08:32 2004

いろいろやらなくてはいけないことが山積ではあるのですが、 久し振りに良い天気の休日だったので、昼過に軽く自転車散策。 六本木ヶ丘で大道芸、 ウクライナ (Ukraine) のファミリー・サーカス Voevoda Family を観てきました。 期待はロシアン・バー (Russian Bar)、平均台とトランポリンを併せたような技です。 華麗でダイナミックな演技は、是非、 写真集 をご覧下さい。すばらし〜。 11/7(日)までやってますので、六本木方面へ行く機会があったら、 ちょっと観てみるのもよろしいかと。

六本木ヶ丘こと 六本木ヒルズ は 去年から春と秋に World Street Performance と題した 海外の大道芸人・サーカス芸人を招聘しての一連のパフォーマンスを企画しています。 全てを観ているわけではないですが、今年観たものについての写真集を 六本木ヒルズ World Street Performance 2004 写真集 として、一つにまとめておきました。去年観たものの写真は、 l'Éléphant Vert in 東京, 2003 写真集大道芸 2003年秋 写真集 で見られます。 しかし、東京近辺で最大の大道芸フェスティバルである 野毛大道芸の場合、 この手のパフォーマの招聘数も少なく、その手のパフォーマンスをまとめて観るために 大道芸ワールドカップ in 静岡 まで行っていた、という面もありました。 六本木ヒルズがこの企画に力を入れてくれていることで、 身近に観られるようになったのはとても嬉しいですね。

ちなみに、六本木ヒルズ World Street Performance in Autumn 2004 のシリーズとしては 11/7(日)までの Voevoda Family で終りですが、その後、11/19(金)〜21(日)に オーストラリア (Australia) のカンパニー Strange Fruit が登場します。 それも、晩18:00〜18:45に The Spheres をやります。やったー。嬉しい〜。 これは、去年、 大道芸ワールドカップ in 静岡 でやった演目ですが、仕事で観に行かれなかったので、万難を排して観に行くつもりです。 昼には Swoon! もやるそうです。 この演目は以前に観たことがあります (写真) が、 コミカルでお薦めですので、未見の方はこれを機会にこちらも是非。

観に行かれなかったといえば、先週末の 第29回 野毛大道芸。 10年ぶりの秋開催ということで行きたかったのですが、 土曜は雨、日曜も所用があって行くことができなかったのでした。 去年行かれなかった 大道芸ワールドカップ in 静岡 も、今年は行きたいところなのですが、 仕事が休暇を取って行かれるような状況ではないという……。 週末に日帰りで観に行きたいと思っているのですが、どうなることやら……。

- 若林, 東京, Sun Oct 31 1:56:16 2004

さて、行く余裕が無さそうと思って前売りを買っていなかったのですが、 朝起きてウェブを見ていたら当日券が10枚ほど出ることに気付いてしまい、 結局、万難を排して観に行ってしまいました、 篠崎 史紀 with 水と油 『MARO World Vol.2 "MOZART"』 @ 王子ホール。 先週末に 『三茶 de 大道芸』 を観て (写真集) を観て、水と油 を観たい気分が盛りあがっていたこともありますし。 演目の "Pantalone and Colombine" というコメディア・デラルテなタイトルに 心を掴まれてしまったというのもあります。 ま、実際のところは作品というよりちょっとした習作という感じでしたが、 いろいろ思うところもあったので、 レビューを書いておきました。 過去の 水と油 の公演レビューは 歴史の塵捨場からどうぞ。 ちなみに、客層はほとんどクラッシック音楽ファンだったのではないでしょうか。 僕のように 水と油 を目当てに来ていた客は1割も満たなかったかもしれません。 そういえば、どこかで見たことがある客がいたのだけど、 先日の 『三茶 de 大道芸』 で見かけた (というか、プラザで観ていたときに隣にいて、 投げ銭のときに足を痺らせたか倒れかかってきた) 女性だったような気がする……。

- 若林, 東京, Sun Oct 24 22:31:50 2004

この週末土曜の昼は、 『三茶 de 大道芸』 を観てきました。即日更新できませんでしたが、 さっそく 写真集 を作ってあります。 あと、さすが 25eme Festival Mondial du Cirque de Demain (Paris, 2004) で Medaille d'Argent (銀メダル) という演技を見せた Duo Tr'espace についてはレビューを書いてあります。

レビューを書かなかった他がダメだったというわけではなくて、例えば、 大道芸フェスティバルでは必ずのようにチェックしている大好きな芸人 が〜まるちょば など、相変わらずのネタとはいえ、とても楽しかったですよ。 彼は、以前のレビューでも紹介してきているので、 今回わざわざ取り上げないだけです。 ちなみに、彼等は今年の Edinburgh Festival FringeDubble Act Award を受賞しました。 ま、賞を取ればいいというものでもないのですが、 こういう表現が海外でも通用していることが判って嬉しいっていうのはあります。 かなり好きなパフォーマですし。 で、この外旋公演を11/5〜7に新宿シアタートップスでやるそうです (が〜まるちょば / ニュース)。 以前から劇場でも観たいと思っていたので行きたいところですが、 『大道芸ワールドカップ in 静岡』 と日程が重なっていたりと、かなり厳しめの日程ですね。うーむ。

以前の発言でちょっと触れましたが、 『ヘブンアーティスト in 三茶』 というのは、『三茶 de 大道芸』の一部 (日曜の3ステージ) として行なわれていました。 しかし、そこに含まれない海外招聘組も ヘブンアーティスト TOKYO @ 上野恩賜公演 と共通ですし、 ヘブンアーティストと一体化が進んでいるように感じられます。 この理由には、ある程度まとまった方が海外パフォーマを招聘に有利ということがあると思います。 しかし、それだけでなく、大道芸が劇場でのパフォーミングアーツから切り離されて ヘブンアーティストの中で制度化されていってしまっているようにも感じられます。 というのも、『三茶 de 大道芸』と一緒に 世田谷パブリックシアターで開催されていた『おもしろ座』が 無くなってしまったからだと思いますが。 『おもしろ座』に加え、材木屋の庭先を使った『もざいく劇場』のような仮設小屋もあって 劇場と大道を繋なぐような所が『三茶 de 大道芸』の 他の大道芸フェスティバルと違う面白さだと思っていただけに、ちょっと残念です。

- 若林, 東京, Mon Oct 11 23:39:10 2004

日曜一日休んだおかげで、今日はなんとか復活。 天気は相変わらずうすら寒く、いつ降り出してもおかしくない曇天。 しかし、体育の日だからということでもないですが、軽く運動しておきたかったので、 昼過ぎにふらりと自転車散策で六本木まで行ってきました。

お目当ては 六本木ヶ丘World Street Performance in Autumn 2004。 この大道芸のシリーズもすっかり定着しましたね。 今年の春は残念な事故で一つを除いて全て中止になってしまいましたが。 そんなこともあって半ば忘れかけて、9月から始まってるのに気付いていませんでした。 これからは、他に予定が無い限り行こうかと思っています。

さて、今週末はリビングスタチュー/ハプニングの Unity Production。 派手な技を決めたり、大騒ぎしたりするわけではないですが、 客の反応も良くて楽しめました。 というか、久しぶりに観たので、大道芸を観ているというだけで楽しかったです。

もちろん、デジタルカメラを持って行きましたので、例年どおり 写真集を 作ってあります。もちろん、コメントも付けてあります。 ちなみに、去年までの写真も 写真集のインデックスから たどれるようになっていますので、興味のある方はご覧下さい。

- 若林, 東京, Mon Apr 19 23:52:01 2004

昨晩に書いたように、土曜日は 野毛大道芸を観てきました。 写真集に続いて レビューも書いてあります。 初めて観に行ったのは1994年の春ですから、 今のように大道芸を観るようになってから今年でちょうど十年目になるんですね。 我ながら飽きずに続いているものだ、と思ってしまいました。 年2回から年1回になったときは無くなってしまわないか心配しましたが、 最近は、エリアも広がってますし、再び盛りあがってきているのかしらん。 単に、天気が良くて凄い人混みだったので、そんな印象を受けただけかもしれないですが。

で、17時に野毛大通りでの大道芸が終了した後、馬車道を抜けて BankART 1929 を覗いてきました。二週間前に行ったばかりではあるんですが。 しかし、特に何をやってるわけでもなし、という雰囲気で、ちょっと残念。 イセザキ・モールと赤レンガ倉庫を結ぶ線上、馬車道駅の真上という絶好の場所にあるわけだし。 「大道芸とは一味違ったパフォーマンスが楽しめます」って感じで、 パフォーミング・アーツのパフォーマンスをぶつけたり、とか。 野毛大道芸の馬車道駅前スポットみたいな位置付けで、 普通の大道芸も交ぜても面白いかもしれないし。 野毛大道芸に併せてイベントでもすれば面白かったんじゃないかと思いました。 ま、なんでも関連付ければいいという問題ではないとは思いますが。 しかし、Real Tokyo小崎 哲哉 のコラム を読んいると、ポリシーを持って独自路線で行っているというより、 そもそも準備期間も金も人手も無くて他のイベントとの連動など考える余裕が無い、 って感じなのかしらん、と思うところもあって、いろいろ大変そうだなぁ、と。 BankART に寄ったのは スクールの講師で来ている 磯崎さんに挨拶して、時間が空いていたらその後のイベントに誘おうかと思ってたのですが。 どうやらすれ違いで会うことができませんでした。

- 若林, 東京, Sun Mar 21 20:58:47 2004

六本木ヶ丘では、 去年の秋 (写真集) に続いて 今年の春も World Street Performance in Spring と題したイベントが行なわれています。 世界からパフォーマーを招聘して広場や通路を使ってのパフォーマンスをやっています。 大道芸というより Arts dans la Rue と呼んだ方が良さそうな作品性の高いものを招聘しています。 観られる機会が少ないものなので、今回も楽しみにしています。 で、今日は、この春の第一弾、Cie Baladeu'xBalaballes ...Musette を観てきました。 先週末に『第3回東京国際フール祭』 (レビュー) で観たデュオですが。 舞台ではなく大道なのでまた違う雰囲気になるかしらん、と期待したところもありましたが。 完成度が高いこともあって、あまり変わりませんでした。うむ。 去年に引続きテジタルカメラで撮影してきましたので、 写真集を作りました。 これから暫く World Street Performance in Spring に通って写真集を更新していけたら、と思っています。

- 若林, 東京, Sun Mar 14 1:01:24 2004

こんなしている余裕はあまり無いはずなんですが……。 先週末に水と油を観に行って (レビュー)、 やっぱり観たくなってしまったので、万難を排して行くことにしてしまいました。

というわけで、 三百人劇場『第3回東京国際フール祭』 を観てきました。レビューも書きました。 Cie Baladeu'xBP Zoom は期待違わず楽しめましたが、 Lu2 は客を掴みそこねてしまったような……。うーむ。 サンキュー手塚を 大道芸ではなく劇場で観るのは初めてでしたが、けっこう良いじゃないですか〜。 そんなに混雑しないだろうと予想していたので、マチネが大入りでちょっとびっくり。 夜も混むかもしれないと早めに行ったら、こんどはガラガラでした。うーむ。 しかし、マチネとソワレを一度に観ると疲れます……。 3時間も間が空くので神田神保町まで出て時間を潰していたのですが、 それも疲れてしまった理由かもしれないです……。

それから、劇場で 六本木ヶ丘World Street Performance in Spring のフライヤを入手しました (スケジュール、パフォーマーの情報は 公式サイト をご覧下さい)。 去年の秋 (写真集) に続いて 今年の春もあります。あー、来週から始まってしまうー。 また、ゴールデンウィークまでカメラ持って通うことになるのでしょうか……。うむー。 ちなみに、今日観た Cie Baladeu'x が第一弾です。

- 若林, 東京, Sun Mar 7 0:56:07 2004

というわけで、土曜日は万難を排して三鷹まで。 三鷹市芸術文化センター なんて行くのは久し振りです。やっぱり駅から遠いなぁ、と思いつつ。 というわけで、今僕が一押しの日本のカンパニー 水と油 の公演 『Patchworks』 を観てきました。 レビューも書きました。 『机上の空論』 (レビュー) ほどじゃないけど、 去年夏の『急降下』 (レビュー) より楽しめました。 この時期は自分が行かれるかも判らないので人を誘い辛いのですが、 やっぱり誰か誘えばよかったかなぁ、と思ったり。 次の東京近辺での公演は3月25,26日の 『見えない男』 @ 港区赤坂区民センター。 ただ、平日だし子供向けの公演らしいので、これはパスかしらん。 その次が、6月17-27日の『スケジュール』 @ シアタートラム。これは行くぞー。 その前の5月29日と6月5日の たかぎまゆ×おのでらん の 水上アートバス・ダンスパフォーマンスっていうのも、 シチュエーション的にとっても気になりますが……。

- 若林, 東京, Wed Feb 11 23:35:31 2004

今日も職場で仕事してたわけですが……。大道芸関連の軽いネタを2つ。

先日、NHK BS2 で、大道芸・サーカス映画の (って前振りは要らないか) 名作 『道』 (Federico Fellini (dir.), La Strada, 1954) がかかりましたね。HDD録画しておいたのをやっと観ることができましたよ。 Giulietta Masina (Fellini 夫人) 演じる Gelsomina が可愛いだけに、なかなかやるせない映画ではあります。 女道化師 (というか助手) Gelsomina が怪力芸人 Zampano に捨てられる前までは、 Gelsomina を中心に内面描写が進み Zampano はまるで内面が無いが如くなので、 エンディングの Zampano が泣き崩れるシーンいきなり内面が生じるような効果が大きかったりします。 しかし、Gelsomina についていえば、狂った後は内面が無いということで描かなくて良いってことで、 別れを最後に描かれないその潔さは映画としては良いのですが。 Zampano に比べ Gelsomina が救われないなー、と思ったり。 この映画のテーマソング Nino Lota, "Gelsomina" は、 この映画を観たことがなくても大道芸を観てきている人なら一度は聴いたことがあるのではないかと。

大道芸を観てきている人なら一度は聴いたことがあるのではないかという曲といえば、「美しき天然」。 大道芸というよりチンドンか。この歌に関するドキュメンタリーTV番組、 『流転 〜 追放の高麗人と日本のメロディー』 が放送されましたね。 「美しき天然」はあくまで控えめに、むしろ、ロシアにおける少数民族のドキュメンタリーという感じだったでしょうか。 ま、韓国・朝鮮語で「美しき天然」が歌われる様子も興味深かったですが。 ドキュメンタリーの作りとしては 普段からよく観ている NHK の『地球に好奇心』や『にんげんドキュメント』と 同じようなオーソドックスな作りでしたが。普段ほとんど民放を観てないせいか、広告がウザくて……。若干薄めな印象も。 旧共産圏の民族問題やロシアのマフィアとか、 Transition Online とか読んできているので、話として読んだことのあるものも多かったですが。 こういうドキュメンタリーで接するとまた違う印象を受けるものだなぁ、と。

- 若林, 東京, Wed Jan 21 22:47:47 2004

1月30日(金)終電をもって東横線横浜〜桜木町間の営業を終了します。 そんな桜木町駅の東横線側にある野毛界隈で、「さらば、東横桜木町!」ってわけで、 呑兵衛ラリー というオールナイト・イベントが行なわれます。 野毛といえば 大道芸ってわけで、 通りではなく横浜にぎわい座でですが、 カバレット・シャーレが開催されます。 ダメじゃん小出 も出演するし、気持ちは行きたいところですが。 年度末の多忙期に平日19時半に野毛というのはほとんど不可能に近いです……。うーむ。 桜木町駅最終電車お見送りイベントっていうのも気になります。 まだ、サイトには載ってませんが、野毛というより関内に近くなりますが、 ジャズ系のハコとして知られる ドルフィー でオールナイト・ライヴをやるという噂も聞いています。 しかし、オールナイトはきついよなー。 翌31日は昼に観劇の予定が入ってるし、夜はオフライン・パーティだもんなぁ……。 どうしようかしらん……。

- 若林, 東京, Sun Jan 11 22:06:32 2004

今日は風が強くて自転車散策って感じではなかったので、 ちょっと午後に世田谷線と京王線を乗り継いで初台へ。

東京オペラシティへ行ったら、屋外の通路のところで、 リコーダーで J. S. Bach の無伴奏チェロを吹いている黒っぽい服装の大道芸人がいました。 ここは、けっこう音楽系の芸人が多いところですし、 客もいないし、ふーん、とか思って通りすぎようとしたのですが。 よくよく見たら『人間美術館』で有名な大道芸人 雪竹 太郎 じゃないですか。をを。 というわけで、暫く聴いてしまいました。 ビル陰で寒い所ってこともあってか、結局最後まで客は2人だけ。ひー。 投銭の際に、「五、六年くらい前に野毛でゲルニカに出たことありますよ。 二年前にはアヴィニョンでも 観てます。」と声をかけて、少し話をしました。 このような楽器演奏スタイルの大道芸は、二、三年前からやっているそうです。 地下街とかでは取締りが厳しくて、かといって、冬の野外は寒いため、人間美術館はやっていないそうです。 バイオリンのケースが足下にあったので弾かないのか尋ねたのですが、練習不足なので弾かない、と言っていました。ふーむ。 単に楽器演奏するだけでなく、客弄りを含む展開に広がれば面白いと思うのですが。 こういう楽器演奏が、『人間美術館』『アニトニオの夜会劇』に続く演目に取り入れられるのかしらん、とか、今後の展開に期待したいものです。 しかし、フォトログにうってつけのネタだー、 とカメラ付き携帯で写真を撮ったはずなんですが、操作をミスったかセーブされてませんでした。残念……。

- 若林, 東京, Sun Nov 23 1:59:43 2003

というわけで、 Bedlam Oz, Familie を観てきました。 銀色の伸縮する筒を使ったパフォーマンスは、 Theater Rue Pietonne で観てますし。むしろどういう違いが出ているのかが一番の興味だったり。 Theater Rue Pietonne がストーリー性の強い作品を演っているのに対し、 Bedlam Oz の今回の Familie はストーリー性は弱く、 動き自体の面白さを見せるという感じのものでした。 Theater Rue Pietonne を観たことが無かったら楽しめたかもしれませんが。 今や、それだけで観せられても、何か超絶な技でも無い限りキツイかしらん。 一応、黒い布を被ってのものはあったけど、そんなに強くなかったし。 銀の筒を被る前の登場の際の衣装もそれなりに凝ってたし、 筒無とか無しでのダンス・マイムとのからみとか期待したのですが。 それから、客弄りが全く無かったのも、ちょっと物足りなかったです。 って感じで、レビューはしませんが、写真集をどうぞ。

- 若林, 東京, Fri Nov 14 0:12:31 2003

さて、遅れ馳せながら、7日の晩、Jazz Standard でのライヴの後に観に行った Blue Man Group, Tubes (フォトログ) のレビューを書きました。 予想以上にヴォードヴィル/キャバレー的で、かなりツボにはまりました。 しかし、米国出張最後の夜ということで疲れも溜っていたこともあり、 ちょっとウトウトしてしまう瞬間もあったり……。 ところで、off broadway だし、数年前から長い間上演を続けているし、 開演前にふらっと行けば入れるものだとばかり思っていました。 しかし、実際は、満員盛況で、当日朝に予約を入れたら既に2階席しか席がありませんでした。 というか、川仁さんが気を利かせて午前中に予約を入れてくれなかったら、 観られないところでしたね。どうもありがとうございました。

- 若林, 東京, Tue Oct 28 0:43:34 2003

先週末は 六本木ヒルズStrange Fruit を観てきたわけですが (レビュー)。 今回の来日では、六本木だけではなく、 大道芸ワールドカップ in 静岡 への出演も予定されています。 仕事の都合でたぶん行かれないとはいえ 静岡の方で Strange Fruit が何を上演するのか気になっていたので、 実は、半月ほど前、事務局に電話で問い合わせてみたのでした。

最初に、「演目のタイトルは何ですか?」と尋ねたのですが、 「スペクタクルショーです」と答えられてしまいました。 「そうじゃなくて、上演作品のタイトルを知りたいのですが……」と質問し直したのですが、 質問を全く理解してもらえませんでした……。 「1999年と2000年に上演したのは Swoon! という作品でしたよね。 そういう、Strange Fruit のサイトに紹介されているような、 The Field とか Sphere とかいう上演作品のタイトルを教えて欲しいんですが」と言っても、 全く要を得ない返事しか返ってきませんでした。 結局、「内容を教えて下さい」と質問して、 「ボールのようなものの上に乗ってやるもので、映像も使います」という感じの回答をもらいました。 これで、おそらく Sphere だろうと想像できましたが、 結局、タイトルで確認できたのは、デラシネ通信での告知ででした。 その後、大道芸ワールドカップ in 静岡の公式パンフレットを入手しましたが、 予想通り、Sphere という上演作品のタイトルはどこにも見つけられませんでした。

こういったやりとりで推測されることは、 この大道芸フェスティバルでパフォーマー名や作品タイトルがいいい加減に扱われていることが多いのは、 主催者側がカンパニー名や作品名を把握した上で「判りやすいように」名前を振り直したりしている結果なのではなく、 そもそもパフォーマーがタイトルがあるような作品を上演しているという発想自体が無いためらしい、ということです。 確かに、全てのパフォーマー/カンパニーが作品性の高いものを上演しているわけでないのも確かなのですが。 しかし、以前にも書きましたが、海外のフェスティバルでは、 カンパニー名と上演作品名をプログラムで挙げている場合が多いのです。 スタッフの海外視察とかもやっている 大道芸ワールドカップ in 静岡 が、 そのことに気付かないでいることが、不思議でなりません。

静岡について否定的なことを書きましたが、静岡だけがダメなわけではなくて、 東京近辺で最大の野毛大道芸も同じようなものです。 野毛や静岡に比べて後発組の、三茶 de 大道芸 や ヘブン・アーティスト TOKYO も同様です。 例えば、今年の ヘブン・アーティスト TOKYO や 三茶 de 大道芸 では、 Cie Colbok の上演作品名が Niki だということは、 僕が知る限りどこにもインフォメーションされていませんでした。 ま、パフォーマー名が Niki になるよりはマシかもしれませんが……。 「3人のデブッチョねえさんの爆笑アクロバットショー。技術、テクニックはたいしたものです。」 というパンフレットの紹介文を読むに、 これを書いている人は Niki というタイトルが付いていることを知らないのではないかという気もします。 「デブッチョねえさん」だもんなぁ……。 ひょっとして、タイトルは知っていたけど、Niki de Saint Phalle を知らなかった可能性もありますが……。

むしろ、野毛や静岡の大道芸のフェスティバルのパンフレットでの パフォーマー名や作品タイトルの扱いが、この日本の大道芸界隈における 「大道芸で演じられているものなんて作品とはいえずタイトルなんてあるはずない」 みたいな雰囲気を再生産しているような気がしてなりません……。 国内の有力なフェスティバルがプログラムでの表記に 「パフォーマー/カンパニー名」「上演作品名」 というスタイルを取るようになれば、この再生産に歯止めがかかるような気もするのですが。

この点については、最近大道芸を扱いだした 六本木ヒルズ はちゃんとしていて、良いと思っています。 夏の L'Elephant Vert のときも、この秋の Stalker や Strange Fruit のときも、 上演作品名をちゃんとインフォメーションしていました。 野毛、静岡、三茶などの大道芸フェスでの惨状と比較しても、 日本での大道芸の扱いとしては画期的と言ってよいと思います。 野毛や静岡のように過去のやり方を引きずるようなことが無いからかもしれないですが、 こういう所から、大道芸の扱いが変わっていったらいいなぁ、とも思います。

- 若林, 東京, Sun Oct 26 22:59:18 2003

先週末に続いて行ってきました、 六本木ヶ丘へ。 今日は、 Strange Fruit, The Field を観てきました。というわけでレビュー。 初演とはいえ、今まで静岡で観てきた Swoon! の完全版という感じで、大きな違いはなし。 良く出来た面白いパフォーマンスだと思うんですが、新鮮さはさすがにもう感じられなかったです。 むしろ、静岡駿府公園の空の広さと比べての、六本木の空の狭さがうらめしく感じられました。 まあ、観ているときはたいして気にならないんですが。 写真を撮ろうとすると、だめだめですね……。 周囲の醜い雑居ビルや、派手な六本木ヶ丘の構造物が背景に飛びこんでくるし。 ビル陰に明るい空で逆光になるため、パフォーマーも暗く写ってしまうし。 広い空が取れる明るい場所でやって欲しかったです。

その後は、三軒茶屋に流れて 三茶 de 大道芸 2003 を観てきました。例年のことですが、海外からの招聘パフォーマーが先週末観た ヘブンアーティスト TOKYO @ 上野恩賜公園 と被るので、その落穂拾いが主でした。 それなりに楽しんだけど、特筆するほど凄いパフォーマンスが見られたわけでもないので、 特にレビューはしません。

今日、六本木ヶ丘と三軒茶屋で撮った写真は、 大道芸 2003年秋 写真集 に、先週末の分と併せて載せてあります。

- 若林, 東京, Wed Oct 22 0:39:57 2003

六本木ヒルズでの大道芸について、 このサイトの読者から面白いコメントをメールで頂きました。 私信で返事するだけではもったいないので、談話室で取りあげようと思います。 このコメントを下さった方は、 ここまでくどい回答をしなくても話は判るとは思うのですが。 特に、写真やテレビなどの映像を通してくらいしかこの手の表現に馴染の無い人 (という人が、実際のところは多いのではないかと思います) だと、 ひょっとしてこの手の表現の何が面白いのか判らないのではないか、という気がしてきたので。 大道芸 (特にジャグリングなどを中心とするコミカルなショーというより "arts de la rue" と呼ばれるような、野外劇、パフォーマンスやハプニングに近いもの) や 舞台装置をミニマルに抑えたパフォーミング・アーツを観るときに 自分が楽しんでいるポイントの一つをここ談話室に書くことによって、 この手の表現に興味を持ってもらえたら、そして実際に生で観ようという気になってもらえたら、 と思っていたりもします。

で、読者からもらったコメントというのは、こういうものです。

ただ六本木ヒルズという場所が楽しさを 半減させてしまうということはないのでしょうか。 どうにも苦手で。

ある意味でもっともなコメントなのですが。 このコメントへの回答の結論を先に言ってしまえば、そんなことはありません、です。 パフォーマンスの種類、内容にも依る所もあると思いますが、今まで観た2つ、 L'Elephant Vert, Faunemes (写真集) と Stalker, Fast Ground (写真集) に関して言えば、 六本木ヒルズの空間それ自体のデザインや雰囲気の良し悪し*1は パフォーマンスの面白さと直接的にはほとんど関係ない、と、僕は考えています。 というのは、これらの面白さのポイントの一つは、 パフォーマンスを通して、今ここに無い時空をあたかも今ここにあるかのように浮かびあがらせる所だと思うからです。

L'Elephant Vert を例に、ちょっと説明してみます。 六本木での写真集の4つめの写真が特徴的ですが、 これは、実は、王への謁見式を思わせるようなこと (セリフが全く無いので、そのくらいの漠然としたことしか判らない) をしているような場面です。 ここでは、使用してなかった大型電光スクリーンとその前のちょっとしたステージ状の空間を王宮の広間に見立て、観客を列席者に見立てているわけです。 写真で見る限り「単にそういう約束事で観ているに過ぎないじゃないか」と感じるでしょうが、 実際に観ている間は写真で観るよりずっと「リアル」にそう観ているのです。 このようなパフォーマンスの面白さのポイントは、 見立ての妙、見立てと実際のものの落差が生む面白さ、 そして何より、観客を乗せて観客にもその見立てを「リアル」に共有させられるだけの 動きとその構成の巧さ、ノリの良さや存在感だと思っています。 舞台として用いられている空間が雰囲気良い空間であるか、よくデザインされた空間であるかは、面白さにおいてたいして重要でないと思います。 むしろ、パフォーマーの動きの巧さ・ノリの良さ・存在感と最小限の小道具だけを使って、 パフォーマンスが演じられているその間だけ、 普段の文脈では見窄らしい空間であろうと悪趣味な空間であろうと 作品ならではの空間に変えてしまうところが、 この手のパフォーマンスの面白さだとも、僕は思っています。

L'Elephant Vert のパフォーマンスは提示する空間はどこにもないSF的な空間という感じなので、 違う例として、六本木ヒルズでのパフォーマンスではないですが、 Banc Public, Banc Public を見てみましょう。 確かに、写真写りだけ見れば、 三軒茶屋よりも 上野恩賜公園の方が 上でしょう。上野恩賜公園でのパフォーマンスは、観ていて、とても奇麗に感じました。 しかし、パフォーマンスで空間を変容させる面白さという点では、三軒茶屋の方が上だったと思っています。 三軒茶屋で舞台となっているのは、世田谷線の改札前という、普段は人通りが多くて落ち着きも雰囲気も全くといって無い所です。 しかし、彼等のパフォーマンスが行なわれている間、彼等の周囲数メートル四方だけが、 まるでロマンチックな男女のやりとりにうってつけのベンチが置かれた落ち着いた公園や街角かのようになってしまったと感じられたところが、 とても面白かったと僕は思っています。 (写真で見ただけでは、雑踏の前で何やってるんだか、という感も無いわけじゃないですが……。)

だた、Stalker のパフォーマンス (写真集) になると、ちょっと微妙です。 パフォーマンスを通して作品空間を作りだすというよりもっと形式的で、 動きそのものの面白さを楽しむ部分が大きいからです。 正直に言えば、六本木ヒルズの高層ビルのすぐ下のそれも日のあまり当たらないビル陰よりも、 周囲に高い建物の無い明るく開けた空間の方が、 彼らの高さ、動きのダイナミックさをよりいっそう堪能できたかもしれない、とは思っています。 このように、天候などと同様、物理的な条件にはある程度左右されると思います。 ただ、パフォーマンス自体の意味性が比較的低いので、 六本木ヒルズの雰囲気の良さ悪さのような場の持っている社会的文脈にに左右される部分は小さいと思っています。

もちろん、どんなパフォーマンスでも空間を変えられるとは思っていません。 動きの巧さ (無い物・力をあるように見せるマイム的な技術、雰囲気を出す身のこなしや表情)、 観客を引きこむような技や構成、パフォーマー自信が醸しだすノリとか雰囲気、キャラ立ちの良さとか、 そういうことを積み重さねて、観客を乗せていってこそ、 約束事として記号的にそう観るという以上の「リアル」さを観客に感じさせることが 可能になるのだと思っています *2。 そして、パフォーマンスの出来の良し悪し (の少なくとも一面) は、 どれだけ「リアル」さを感じさせられるかにかかっているとも思っています。 逆に言えば、周囲の街の雰囲気の良し悪しに大きく左右されてしまうようなパフォーマンスは、 実際のところはたいしたことないことが多い、とも思っています。

ただし、大道芸を観に行くときは、パフォーマンスそれ自体を観にいくだけでなく、 それが行なわれている街の雰囲気全体を楽しみに行く、という面もあると思います。 例えば、野毛大道芸を観に行くのなら、 みなとみらい21地区よりも野毛商店街の方で観たい、という人がいるのも、 よくわかります。 僕も、六本木ヒルズに行くのもちょっと鬱陶しい、と思わないわけじゃないです。 選択肢がいろいろあるのであれば、 パフォーマンスの前後の散策なども楽しめるように観に行く場所を選ぶと思います。 ただ、常に街の雰囲気全体を楽しむようにしなくちゃいけないわけでもないですし、 選択肢もたいして無いので、 焦点を絞って「パフォーマンスを観に行く」のだと割り切って考えるようにしています。

*1 ちなみに、 「都心に居ながらにして、その土地の文脈を思いきりぶっとばしてできた湾岸とか郊外とかの大規模商業娯楽施設ノリを、満喫できるでしょう。 「六本木ヒルズ」と書いて「ろっぽんが丘」と読むとかそういう感じですか。」 と以前 (Fri Jun 13 0:18:33 2003) にこの談話室に書いたように、 六本木ヒルズという場所自体の雰囲気は、正直言って僕はあまり好きではありません。

*2 実際は、これは、大道芸 (arts de la rue) だけでなく 舞台作品を含むパフォーミング・アーツ一般に言えることだと思います。 特に、ミニマルな舞台装置、小道具だけで行なうことが多い コンテンポラリーなダンスやフィジカル・シアターでは、この要素が大きいと僕は思っています。 これは、写真やビデオで撮ったものではほとんど伝わってこない、実際に行かないとなかなか伝わってこないことだけに、 僕がパフォーミング・アーツを観に行く際の楽しみの一つになっています。

- 若林, 東京, Mon Oct 20 0:21:04 2003

というわけで、リベンジしてきました Stalker, Fast Ground @ 六本木ケ丘。 く〜、やっぱりカッコイ〜。1995年の静岡での感動を再び、でしたね。 スティルトや長いバトンを持っていることによる大きさ高さと、 スティルトや長いバトンを持っているとは思えないアクロバティックな動きが相俟って、 とても迫力のあるパフォーマンスになっていると、あらためて実感。 それを可能にしている高い身体能力も素晴しいけど、 グリーティングや演技中の客いじり (客と踊ったり) もできるくらい 演技する力も充分にあるし。 そして、その迫力ある演技を支える、力強い生演奏。 ペラペラな録音テープじゃだめでしょう、これは。

Stalker のショーは、 観る前は衣装からして1995年の静岡と同じ演目だと思っていたのですが、 実際の内容は少々違いましたね。 一応違う演目なのか、同じ演目だけれど年を経てちょっと変わっただけなのか、 微妙ですが。 前に観たのが8年前なので記憶もおぼろげですが、気付いた違いを。 まず、生演奏にサックスがいた記憶があるんですが、今回はいませんでした。 それから、「脱皮」の後はフラッグトワリングだったのですが、 今回は、バトンというか長い木の棒になっていて、殺陣のようなこともやりました。 フラッグが印象に残っているのは、 緑の布を被っている状態が幼虫で、「脱皮」して成虫の蝶になる、 というコンセプトだったように記憶しているからです。 今回の殺陣のような動きも迫力があって良かったのですが、 スティルト上のフラッグトワリングがとっても綺麗だった記憶があるので、 それももう一度観たかったように思います。

その後、日比谷線で上野に流れて、 ヘブン・アーティスト TOKYO へ。 有名な野毛や静岡に比べたら人垣も薄めで観やすいのですが。 タイムテーブルがちゃんと守られていなかったので、 チェックしようと思っていたのに見逃したパフォーマーもあったり……。 30分のステージで平気で20分とか押してしまうのは、いかがなものかと思います……。

招聘組に初見のパフォーマーがさほど無かったので、 それほど人垣が厚くなかったので、気合を入れずに流して観てた感じなのですが。 収穫は、去年の三軒茶屋で気に入った フィジカル・シアター Banc Public に会えたこと。 ちなみに、去年は「ブラン・パブリック」でエントリーしていたわけですが、今年は「バン・パブリック」。 そもそも、このカンパニーについては、去年、事務局に正確な名称を問い合わせても答えてもらえなかったという経緯もあったわけですが。 ああ、やっぱり、パフォーマーの名前はいいかげんに扱われているんだなぁ……。 これじゃ、「ブラン・パブリック」と発音しそうなスペルをいろいろ試して検索しても、 情報が全く見つからないはずだよ……。 大道芸フェスの事務局は全くアテにならないということは身に染みているので、 ショーが終ったあとにパフォーマーたちを捕まえて、 簡単なインタビューを敢行しました (フランス語は出来ないので、英語で)。 といっても、カンパニー名や演目題目名、その由来とかを聞いたくらいですが。 ちなみに、カンパニー名と演目題名は同じだそうです。 "Banc Public" とは英語で "Public Bench"、つまり、 街中にある公共のベンチが舞台であることを意味しているそうです。 特に客弄りもしないし、劇場向けの作品としても充分イケるものだと思いますが、 公空間中のベンチでやることにコダワリはあるようでした。 それから、写真と連絡先が載ったカードを貰ってしまいました。うれしー。

Stalker についてはレビューを書くつもりはありますが、また後日。 今日は写真集 の更新で精一杯だったのでした。 Stalker @ 六本木ヒルズと、 ヘブン・アーティスト TOKYO @ 上野恩賜公園 の写真を載せてあります。 あまり奇麗な写真じゃありませんが、 そちらで、少しでも楽しい雰囲気が伝われば、と思います。

- 若林, 東京, Sat Oct 18 22:22:11 2003

この週末は大道芸な週末、ということで、昼には家を出て、まずは 六本木ヶ丘へ Australia のスティルト・ダンス・カンパニー Stalker を観に。 家を出るときは陽射しすらあったのですが、13時前に着いたときには、 雨が降り出したところ。 スティルトは路面の状態に弱いので、これは中止かー、とがっくり。 しかし、屋内のショッピング・モールの方で演るとスタッフに話を聞いてそちらへ。 結局、とくに音楽に合わせて踊るようなことはなく、グリーティングだけでした。 とりあえずその様子を撮影したので、 写真集 のページも作りました。 ま、明日は天気が良さそうなので、観に行こうと思います。

その後、上野に流れて、 ヘブン・アーティスト TOKYO を観るつもりだったんですが。 この程度の雨ならやっているだろうけど、観るのが辛そうだったので止めました。 こちらも、明日ですかね。

写真集 のページは、今後、明日や 来週末の Strange Fruit @ 六本木ヶ丘 と三茶 de 大道芸 の分も付け加えていく予定です。

- 若林, 東京, Mon Oct 13 4:09:09 2003

で、Philippe Decoufle, Iris @ 神奈川県民ホール を観てきました。というわけで、レビュー。 1年前に観た『フィリップ・ドゥクフレ研究ワークショップ習作公開』 (関連発言) は、なるほどこういう感じで作品になったのかー、と興味深かったです。 ビデオとダンスの絡みとかとても楽しんだんですけど。 予想してはいたものの、サーカス的な要素はほとんど無かったし。 Decoufle ならもっと面白くできるだろー、という感じで、ちょっと不完全燃焼気味かしらん。 期待の Dit Terzi については、 生 "Voix Claire" が聴けただけで満足です (それでいいのかー)。

- 若林, 東京, Sat Oct 11 1:04:00 2003

7月に、L'Elephant Vert の 素晴しいパフォーマンス Faunemes (写真集) の場を提供してくれた 六本木ヶ丘ですが。今、 World Street Performance in Autumn という大道芸のシリーズをやっていることに、いまさら気付きました。 六本木ヶ丘の頁は IE か NN 以外のブラウザ だとハネるというだめだめな仕様になっているようで、 自分の Mozilla / Linux な環境からは見られないので、この企画をしている アフター・クラウディー・カンパニーのインフォメーションにもリンク。 もう終ってしまっているものもありますが、けっこう面白そうです。 というわけで、特に面白そうなものをピックアップ。

まず注目は、10/15-19の Stalker, Fast Ground。 Stalker は Australia のスティルト・ダンスシアターです。 今回の演目 Fast Ground は、 1995年の大道芸ワールドカップ in 静岡で観たことがありますが、 この年の中で最も印象に残っている最高の演目だったと思います。とてもお薦めです。 sax と percussion の即興的な生演奏にのって、 鮮やかな単色で飾りの無い布を被ったスティルト (高足) のダンサーが バトン/フラッグを手に舞い踊る、というものです。 スティルトとフラッグで手足が拡張されて、とてもダイナミックです。 途中で被った布を脱ぎ捨てるのですが、その変化も良いです。 とてもかっこいいので、これ、もう一度観たいですねー。

続いての注目は、 10/24-26の Strange Fruit, The Field。 Strange Fruits も、Australia の空中シアター・カンパニーで、 大道芸ワールドカップ in 静岡 で何回か観ています (写真集)。 今までの日本での公演は4人編成の Swoon! という演目をやってきたわけですが、 今回は8人編成の The Field。たぶん、この演目では日本で初めてですね。 高さ4mのフレキブルなポールの上に乗って揺らしながらの演技です。 ポールを大きくしならせて踊るので、こちらもとてもダイナミックで、とてもお薦めです。 僕としても、いままで観たことの無いそれも人数の増えた演目ってことで、とっても楽しみです。 最新作 The Spheres じゃないのが、ちょっと残念ですけど。 今年の 大道芸ワールドカップ in 静岡 にもまた出演するようですが、 やはり演目は六本木と同じ The Field なのかしらん? それとも、Spheres に変えてきたりするのかしらん?

あと、観たことはないですが、11/14-24の Bedlam OZ も気になります。 Australia から UK へ拠点を移して活動しているオブジェクト・パフォーマンスのようです。 演目は未定のようですが、 Biq MobFamilieSlinkie Loveといった演目での、 伸縮屈曲が自在な大きなメタリックな筒に入ってのパフォーマンス、というと、 たびたび来日している Rue Pietonne を連想します。 同じ道具立てでどのくらいテイストが変わってくるのか、興味深いです。

今年は仕事の都合で大道芸ワールドカップ in 静岡に行かれないため、 今年はこの手の大道芸の中でも大掛かりな屋外パフォーマンスは観られず仕舞かなぁ、と少し凹んでたのですが。 この、六本木ヶ丘で少しは補完できそうです。

- 若林, 東京, Sun Sep 14 2:36:34 2003

というわけで、土曜の晩は、川崎へ。 クラブチッタ『カバレット・チッタ vol.3』 を観てきました。というわけで、レビュー。 しかし、ダンス公演でも生演奏ってまれですしねー。 まともな生演奏付きでパフォーミング・アーツが観られるというのは、 実はちょっと贅沢なことなのかもしれない、とか思ったり。うむ。

- 若林, 東京, Fri Aug 22 0:46:23 2003

ホソダさん、先ほどはどうも。楽しんで頂けたようでなによりです。 水と油 がやっているような パントマイムというかフィジカル・シアターは、日本では一般的な認知度がかなり低い舞台表現ですし。 こうして面白さを知ってもらえ、余ったチケットが生きて良かったと思います。 というわけで、観てきました、 『急降下』。 これで、『机上の空論』 (レビュー) のときのように 高さ方向の動きをもっと活用していたら (題名からして今回も期待していたんですよ〜) 文句無しの面白さなのに、 とか思うのは要求レベルを高く設定しすぎでしょうか。 日本のカンパニーの公演の中ではかなりのお薦めです。公演は24日(日)までです。 ホソダさんも、是非、お友達にもこの面白さを教えて下さい。 って、まだチケットは残っているのでしょうか……?? 今日は空席はそれなりにありましたが、平日の晩のわりにはけっこう埋まってましたしね。

会場で配られていたぶ厚いフライヤの束をチェックしていて、次は、9月13日の 『カバレット・チッタ Vol.3』 @ 川崎クラブ・チッタ だ〜、と思ったりしたんですが。 その前に、Nederlands Dans Theater III @ 彩の国さいたま芸術劇場 がありますね。 僕は9月6日(土)に行きます。 去年の NDT の公演では舞台に上げられて一緒に踊らされてしまった (レビュー) ほどで、 去年いろいろ観た中でも一番の面白さでしたし。 今年演るのは Jiri Kylian の新作なんですが、 どうやら Kylian の作風は僕のツボにハマりやすい気がする (レビュー) ので、その点もとても楽しみです。わくわく。

- 若林, 東京, Wed Aug 20 20:44:51 2003

昨日、発言しようと思っていて忘れてしまいましたが。 Metropolis のカバーストーリーは、 大道芸。 といっても、芸人やパフォーマンスが観られる場所の紹介ではなく、 東京都のヘブン・アーティスト制度について、パフォーマーへのインタビューを交えながら分析していて、とても興味深いです。 公的なライセンスを持つことによってアーティストの信用が上がった、なんてこともあるんですね。まあ、

"[The Heaven Artist system] is good for the image of street performers, but it is not the street performer atmosphere because the place and time are decided. It is more like an event,"

っていうのは、確かにそうだろうなぁ。 ただ、それ以前の大道芸フェスティバルくらいでしかまともに観られないという状況と比較すれば、 時間場所の指定があるとはいえ、格段に大道芸的な雰囲気になったのではないかと思うんですが。 大道芸フェスティバルだとそれ目的の客ばかりなので、酷い予定調和になるときもあるもんなぁ。

しかし、明日になってしまいましたが、 水と油 『急降下』 に一緒に行こうっていう方は、やっぱり、いないですかね……。しくしく。

- 若林, 東京, Wed Aug 20 3:24:42 2003

日本テレビの汐留新社屋オープンってことで、 日テレ祭というのをやってるのですが。 その中のアート・ダイドウゲイというプログラムが気になったので、 観てきました。もちろん、写真集もあります。 ま、気になったのは Cirque Baroque がエントリしていたからなのですが。 Triple Trap (レビュー) のような本格的な演目を持って来ていたわけではありませんでした。残念。 ま、Cie A & O が面白かったので、観に行った甲斐はあったかしらん。 しかし、France からの芸人さんたちは、みんな Cirque Baroque 人脈ですね。 やはり、Christian Taguet がコーディネートに絡んでたりするのかしらん。

- 若林, 東京, Sun Jul 20 0:30:56 2003

映画が終って外に出たら、ちょうど、Louise Bourgeois な蜘蛛の下で L'Elephant Vert が。 昨晩観ているので今日は特に観るつもりもなく、デジタルカメラは持ってなかったのですが。 いいネタかな、と、カメラ付き携帯電話で撮影してみました。 昨晩作った写真集に追加してあります。 昨晩は余裕がなかったんですが、レヴューも書きました。 そう、彼らはフランスのカンパニーなわけですが、今回のストで来日中止になってしまうのではないか、とちょっと心配したりしていたのでした。 ま、中止にならなくて、よかった〜。 今回のストについて話を聞いてみたい気もしたんですが、投げ銭を集めたりしなかったので、話しかける隙はありませんでした。

- 若林, 東京, Sat Jul 19 1:48:01 2003

今日は都心に出張していたので、仕事帰りに ろっぽんが丘へ。 L'Elephant Vert を観てきました。 静岡で何回も観ているんですが、やっぱり、楽しかったです。 場の雰囲気も、客層も、全然違いますしね。 デジタルカメラを持っていったので、速攻で、写真集のページを作ってしまいました。 ちなみに、日曜日20日までやってます。 上演場所や上演時間は様々のようですので、その予定については、 イベント情報のページ をチェックしてください。僕のこの週末のお薦めです。

- 若林, 東京, Sat Jun 7 2:04:14 2003

月刊デラシネ通信クマのお仕事日誌で気付いたのですが。 2001年、2002年の 大道芸ワールドカップ in 静岡 で素晴しいショーを見せてくれた L'Elephant Vert が、この7月に六本木ヒルズに来るそうです。 2001年に静岡で観た中では最も良かった、というか、 2001年に観た中でも最良のものだったと思っています。 無言ストリート・シアターとでもいうものなのですが、 身ぶりとシンクロさせた映像的な音使いがとても面白いカンパニーです。 静岡でやってた、 Faunemes をやるのか、日本ではまだやってないと思われる Bi をやるのか。ちょっと気になりますね。 いずれにせよ、東京近辺の人はこれを機会に是非。お薦めです。 静岡で撮った写真 (2001年2002年) もありますので、参考までに。

- 若林, 東京, Sun May 4 2:40:53 2003

とりあえず仕事が始まっても支障ない程度に荷解きができたし、 本とか台所周りとか家具を組み直す必要が出て、今すぐは身動きできないし。 なにより荷解きするのも飽きてきてしまいました。

そんなわけで、気分転換に夕方に自転車でふらりと散策気分で笹塚へ。 シアターリパブリックの笹塚劇場 (仮称) で、 バチカンブラザーズ 『バチカン・セブン・デラックス』 を観てきました。先日観た 『奇天烈喜歌劇 ミステリヤ・ブッフ』で、 小西 康久 & 内田 紳一郎 の掛け合いを見て 久々に観たいなぁと思っていたところに、 公演が緊急決定したという案内が届いていたのでした。

映像作品あり、ジャグリングあり、マジックあり (そういえば今回はあまりやらなかったなぁ)、 コミカルな音楽生演奏を基調としたヴァラエティー・ショーですね。 三茶大道芸で初めて て以来、 ハコで観るのはこれで3回目 (関係する)。 いつも通り楽しめました。 そういえば、今回はスペシャルゲストがいなかったなぁ。 新ネタでケーキ作りっていうのがあったのですが、 The Primitives の Cook It くらいに馬鹿馬鹿しくやってもよかったかも。

ところで、今回は、弄られないように、最前列を避けて前から4列目くらいで観ていたのですが、 それでも4人空気椅子に引出されてしまいました…。 『ミステリヤ・ブッフ』を含め、どうも、観に行くたびに弄られてるよーな気がします…。 顔を覚えられているかも…。 ま、こういうのは弄られてこそ楽しめる、ってところもあるので、いいんですが。

家でテレビを見て過ごすのが全くダメとはいわないけど、 たまにはこういうヴァラエティー・ショーを生で観て過ごすっていいなぁって、 つくづく思います。

- 弦巻, 東京, Sun Apr 20 4:22:47 2003

というわけで、今年も観に行ってきました、 野毛大道芸 (過去のレヴュー2002, 2001, 1999, 1998, 1997, 1996)。 今年は、スペシャルゲストは1組だけ。 そんなこともあって、今回は軽く流すような感じで観るつもりだったのですが、 写真を撮ったりしていたこともあって、 結局、ステージに腰を据えて観ることが多くなってしまったような。 というわけで、写真集のページも作りました。 インラインの画像が多いので、ご注意下さい。

土曜は風がとても強く、ジャグリングやバランス芸の際に風にあおられて失敗する芸人さんが多かったです。 さらに、夕方には雲行きが怪しくなって、ときおり雨もパラつくし。 というわけで、大道芸日和という感じはなかったです。 それでも、野毛商店街は人で埋まっていました。 一方、みなとみらいの方のステージは、空いていました。 というか、野毛商店街のように大道芸目当ての客は少なく、 むしろ普通にショッピングとかで来て足を止めた客が中心でした。 野毛商店街のような熱気や盛り上がりには欠けますが、 のんびりじっくり芸を観たいのであれば、みなとみらいの方が楽しめるかもしれないなぁ、 と思いました。 しかし、予報によると、日曜は雨のようですね…。うーむ。

- 弦巻, 東京, Fri Apr 18 0:48:45 2003

今度の週末は、野毛大道芸。 もちろん、観に行くつもりですが。 その協賛企画の皮切りとなる ダメじゃん小出とその仲間たち 『黒く塗った!in 野毛』観に行ってきました。 映像を使ったものも、試しているという感じではなく、こなれてましたね。 いやー、緊迫する国際情勢のおかげで、ネタには事欠かないですね。 もっとツッコんで欲しい所もあったりしましたが。 ダメじゃん小出の最近のハコでのコメディ芸って、 「毒舌」「時事ネタ」という部分で話題にされているように感じるのだけど。 その2点も欠かせないけど、やはり、それをちょっととぼけた感じにズラして 演じる彼のキャラクターという部分が一番のポイントなんじゃないかなぁ、 と改めて思ったり。 Kaja の芸がちょっと浮いてしまったかなと感じたりしたし、 1時間半ずっと盛り上がって観られたわけじゃないですが、 桜木町まで観に行っただけはあったでしょうか。 また、単独公演を観に行きたくなってしまいました。 参考までに、前に単独公演を観に行ったときのレヴュー

会場でフライヤ (といってもコピー程度のものですが) を貰ったのですが、次回の 『キャバレット・チッタ』 は、9月13日。次回の音楽は 大熊 ワタル の予定なんですね、ほほう。 をを、次回は、が〜まるちょば が出演する予定になってますね。 参考までに、Vol.1 と Vol.2 のレヴュー

- 弦巻, 東京, Sun Mar 9 3:15:59 2003

続いて、横浜というか関内に流れて 神奈川県民ホールギャラリーへ。 『奇天烈喜歌劇 ミステリヤ・ブッフ』観てきました (これについて紹介した発言)。 しかし、今回も、また、弄られてしまった…。 ま、こういうのは弄られてなんぼ、という話もありますが。 あ、客層、意外と若かったですよ。 20歳代くらいの若い女性客がけっこういて、ちょっと驚き、というか。へ〜。 けど、客は少なかったですね。200人くらいしか入ってなかったんじゃないかしらん。 ちょっともったいないなぁ、と思いました。 それから、客の中で、石橋 蓮司 が目立ってました。

- 弦巻, 東京, Mon Feb 10 23:22:06 2003

次は野毛大道芸だ〜、 と言ったばかりですが。 『カバレット・チッタ Vol.2』 の際にもらったフライヤを整理していて、その前の3月7〜9日に 『奇天烈喜歌劇 ミステリヤ・ブッフ』 @ 神奈川県民ホールギャラリー があることを思い出しましたよ。 あの、Russian Avant-Garde 演劇の名作といわれる Vsevolod Meierhold / Vladimir Mayakovsky, Misteriya Voff (a.k.a. Mystery Bouffe) (1921) を演るわけですが。

構成・演出が 加藤 直 (ex-黒テント) というのは、去年の5月に話は聞いていたわけですが。 美術が 串田 和美 (ex-自由劇場) とわ…。 出演者の核になっているのは、音楽の 林 光 と 萩 京子 がやっている こんにゃく座 なのかしらん。ふむふむ。 不勉強ながら知らなかったのですが、 日本語オペラ (主に自作) をレパートリーとしているオペラ劇団なのですね。 『「オペラシアターこんにゃく座」ポスター展』 のクレジットを見てると、加藤 直 演出っていうのがけっこう多いんですね。 あと、山元 清多 (黒テント) の演出というのも目立ちますね。なるほどね〜。 あ、朝比奈 尚行 (時々自動, ex-自由劇場) 台本の 『ガリバー』 (1997) っていうのも。

ま、出演の顔ぶれを見ると、ex-自由劇場 というか バチカンブラザーズ (関連発言1, 2, 3) の 小西 康久内田 紳一郎 も出演するし。 『カバレット・チッタ Vol.2』 出演組からも、素晴らしいマジックをみせてくれた Tatu Tyni や モンゴリアン・クラウンの ハドガー とかも出演するし。 他にも、パントマイムの 山本 光洋 も出演するし。とっても気になるんですけど…。 やっぱり観てみたいような…。

問題なのは、3月前半というのは一年中で最も仕事が修羅場な時期だということ…。 現状ではとうてい予定が立てられないです…。

しかし、黒テント / 自由劇場 とかその界隈の人々が中心になっているあたり、 なんか1970年代ぽさそう、というか、客の年齢層が高そう…。 ま、以前にこんなことを僕も言っていたわけで、 その界隈が人脈が集まるのも判るような気がします。 そういう点で、キャストは良さそうだと僕も思うんですが。 もっと若い世代はどうなってるんだろう、って思ってしまうところもあります…。

- 弦巻, 東京, Sun Feb 9 1:53:28 2003

金曜の晩は、万難を排して仕事を切り上げて川崎へ。 クラブ・チッタ『カバレット・チッタ Vol.2』観てきましたTatu Tyni の "Bare Naked Magic" がかっこよかった〜。 サブリミット のアクロバットとトラペーズが要所に入って、ステージが締まってましたし。 前回の倍近い3時間半の長丁場でしたけど、 ほとんどダレずに楽しめました。

次回は6月にやるようなことを会場でアナウンスしていたように思うのですが。 その前に、野毛大道芸がありますね。 今年は4月19、20日ですね。わくわく。 ハコでやる芸と野外・大道でやる芸では、いろいろ違う面もありますが。 サーカス的な表現を楽しむきっかけとして、 とてもお薦めです。

しかし、終演が23時というのは、あまりに後ろに余裕無さ過ぎ…。 仕事の後、夕食も食べずにクラブ・チッタに着いても、 チッタでは、ほとんどまともな食事は出していないし、食べれる状態でもないし。 終演23時じゃ、ハコを出ても食事の選択肢はほとんど無いし。 カフェで軽食食べてたら、もう終電に間に合うか間に合わないか、だし…。

- 弦巻, 東京, Thu Feb 6 1:04:58 2003

今晩の NHK BS2 『新・真夜中の王国』で、 不破 央 という「水中道化師」を紹介していました。 水中パフォーマンスグループ トゥリトネス を率いているのですが。 TVで観るパフォーマンスがとっても面白そうで、一度、 ショー を生で観て見たい〜、と思ったり。しかし、 スケジュール を見ても、東京近辺での公演の予定は今のところなさそうで、残念…。 うーん、だれか企画してくれないかしらん。 公演条件 を見ると、演技できるプールさえあれば、交通費だけでショーをやってくれるのかー。 どっかのプールを借り切れれば…。 しかし、不勉強ながら知らなかったんですが、不破 央 って、 映画 『ウォーターボーイズ』 (矢口 史靖 (dir.), 2001) で、水泳指導をしていた人なんですね。へ〜。 実はけっこう有名な人だったりするのでしょうか。 『ウォーターボーイズ』は、以前からちょっとひっかかっていた映画だったんですが、 やはり観ておかなくちゃいけないかしらん。

- 弦巻, 東京, Sun Feb 2 23:46:33 2003

結局、土曜も行ってしまいましたよ、 『ベルトルト・ブレヒトの工房から』 (Werkstatt Bertolt Brecht) の 第二部を観に。 しかし、遺品から見つかったというプライヴェート・フィルムまで、 こうして公開されてしまうなんて…。ま、これについてはあえてコメントしません。 で、Brecht の代表作を G. W. Pabst が映画化した 『三文オペラ』 (Die Dreigroschenoper, 1931) ですが。 へー、こうストーリーが変えられたんですかー、というのが一番興味深かったり。 これでも、1933年には上映禁止になりますか。 Pabst といえば『パンドラの箱』(Die Buechse Der Pandora, 1929) なわけで、 Lulu っぽい女性が出てこないかしらん、とか、変な期待をしてしまいましたが。 物語の時代設定からして、やはり、それはないですよね…。 ま、今回観た中では、『クーレ・ヴァンペ、あるいは世界は誰のものか?』 (Slatan Dudow (dir.), Kuhle Wampe Oder Wem Gehoert Die Welt?, 1932) が一番楽しめました。ま、ここに書き捨てなのもあれなので、昨日観た分と合わせて レヴューにまとめておきました。 もちろん、20世紀初頭前衛芸術なページからもリンク。

ところで、第一部のとき、客が大入りだったのが大変意外だったのですが。 ほとんどの客は、やはり、Brecht が目当てだったんでしょうね。 Valentin が一番の目当てだなんていうのは、ほとんどいなかったんだろうなぁ。 第二部は、土曜にもかかわらず第一部より客が少なかったように感じました。 さすがに『三文オペラ』はレアじゃないので、 観たこともある人が多いのかなぁ、と思ったりもしました。 あ、『三文オペラ』は英語字幕だったせいか、 途中退出する人がけっこういて、アレでした。 もしかしたら、英語字幕ってことで、敬遠されて客が少なかったのかしらん。

- 弦巻, 東京, Sat Feb 1 2:56:50 2003

平日の仕事の帰りに映画を観よう、なんて言っている余裕は無いはずなんですが、 いろいろ現実逃避したいことが積もり重なっていたので、 東京ドイツ文化センター というか Goethe Institute, Tokyo に行って、 『ベルトルト・ブレヒトの工房から』 (Werkstatt Bertolt Brecht) の第一部を観てきました。 目当ては、もちろん、以前から観たいと思っていた、 『ある床屋のミステリー』 (Die Mysterien Eines Frisiersalons, 1923)。 Brecht、Erich Engel、そして、 Karl Valentin が共同で監督し、 Valentin はもちろん、Liesl Karlstadt も出演している作品です。 ま、期待が大きかったせいか、大笑いしたというほどではないですが。 ドタバタ的な動きもあるけれど、それが面白い、というほどでもなく、 床屋が客の首を切り落としてしまったり、その首を挿げ直したり、 最後にまた吊り上げられて外れたり、という、シュールさが可笑しかったです。 ああ、しかし、Bertolt Brecht 特集もいいんだけど、関西だけでなく東京でも、 Karl Valentin の特集上映、やってくれないかなぁ…。

『男は男だ』 (Bertolt Brecht (dir.), Mann Ist Mann, 1931) は、連続写真をパラパラで観ている感じの上、画質が悪いし、サイレントだし。 Brecht の当時の舞台演出についての、ドキュメンタリー的な興味深さはあるけど、 正直に言えばちょっとキツかったかしらん。

『クーレ・ヴァンペ、あるいは世界は誰のものか?』 (Slatan Dudow (dir.), Kuhle Wampe Oder Wem Gehoert Die Welt?, 1932) は、不況で若者が職にあぶれているろいう1930年代初頭の状況が、 現在の日本の社会状況に重なって見えて、なかなか重かったです。 労働者の連帯・組織化を訴えるシーンとかが多い、など、内容の共通性もありますが、 遠近短縮法を思わせるアングルの映像や、 工場の大型機械が動く様子を抽象度高めに捉えた映像など、 Russian Avant-Garde の映画と共通するものをかなり大きく感じられました。 おそらくかなり影響を受けたんじゃないかなぁ。 深く登場人物の心理を描き込むというより、もっと形式的。 監督の Dudow は Bulgaria 出身、Brecht と一緒に演劇の演出もしていた人のようです。 Brecht は脚本のみにクレジットされていますが、朝から晩まで撮影現場に来て、 ダイアローグをチェックしたり演技指導したりしていたそうです。 音楽は Hanns Eisler。ラヴ・バラードとかもあったけど、 労働者の連帯を訴える労働歌みたいな歌がカッコ良かったです。 あまりストーリーと関係なく、Brecht / Eisler な歌に比較的抽象的な映像 (ざわめく林、動く工場のクレーンや機械、スポーツする労働者たち、など) を合わせたミュージック・ビデオみたいな感じになるときもあって、 それがカッコ良かったです。く〜。 Avant-Garde 映画ファンなら、 きっと楽しめるでしょう。

ところで、先日紹介した Karl Valentin の芸の録音を集めた Gesamtausgabe Ton 1928-1947 (Trikont, US-0300, 2002, 8CD box set)、 入手してしまいました。CDごとに収録された音源の解説パンフレットが付くだけでなく、 それとは別にCDケース大の140ページの本が付いてきました。 図版も豊富で嬉しい限りなんですが、やはりテキストはドイツ語のみ…。 まだ1枚目しか聴いてないですが、ドイツ語の話芸・歌じゃ、雰囲気以上のものは…。 うーむ。そもそも、今、これをちゃんと聴くいて 付属するテキストを解読する余裕なんて、全くないんですけど…。 Valentin 自身によるエッセーもけっこう載っているんです。 あ、Hanna Schygulla によるエッセーも載ってる〜。 あ、Karl Valentin & Liesl Karlstadt短編映画集DVD 3枚組 の広告も載ってる。うー、けど、これ、PAL方式なんだろーなぁ…。 Valentin & Karlstadt のサイト の広告も載っていたので、アクセスしてみたんですが。 日本語ヴァージョンの予定があるのかしらん。をを。

- 弦巻, 東京, Mon Jan 6 23:39:31 2003

去年末ロバート・エーベン・サケット 『ミュンヘン・キャバレー・政治 ―― 1900-1923』 (晶文社, ISBN4-7949-5775-0, 1988; Robert Eben Sackett, Popular Entertainment, Class, And Politics In Munich, 1900--1923, Harvard Univ. Pr., 1982) という本を紹介したわけですが。 Muenchen の独立系レーベル Trikont が、 Rare Schellack Series の中で、 Muenchen の Volkssaenger の当時の音源をいろいろCD化していることに気付きました。 Weiss Ferdl, I Woass Net Wia Is 1918-1946 (Trikont, US-0284, 2001, 2CD) と Liesl Karlstadt, Verrueckte Maerchenn Und Komische Lieder 1919-1995 (Trikont, US-0285, 2001, CD) を、正月休み中に渋谷の輸入音盤店で偶然みかけたんですが。 優れた芸人としてウケるネタを巧く取り上げたということだと思いますが、それでも、 愛国心やユダヤ人憎悪がテーマになったような歌を CD 2枚にわたって聴く気にはあまりなれないので Ferdl はパス。 Karl Valentin とパートナーを組んでいた女芸人 Liesl Karlstadt の方だけ買いました。 もちろん、ほとんどの歌詞は Valentin によるものでした。をー。 しかし、ブックレットもドイツ語のみで、ちょっと辛いかも。 もちろん、セリフも全く判らないし。 しかし、20世紀前半の録音ということで、 最近の録音にない不思議な雰囲気があって、いいかんじです。 店頭で「Valentin のものは無いのかなあ〜」と思ったんですが、検索してみたら、 Karl Valentin, Gesamtausgabe Ton 1928-1947 (Trikont, US-0300, 2002, 8CD box set) なんてものが出ていたんですね、ひえ〜。CD 8枚組ですよ。どうしよう…。

ドイツものは言葉の壁が厳しいわけですが、 この手の音源で日本のものというと、もっと音楽的ですが、 あきれたぼういず 『ぼういず伝説』 (ビクター, VICL-430, 1993, CD) がお薦めです。 戦前にコメディー芸+音楽で活躍したヴォードビリアン・グループの 1938〜40年の録音を集めたものです。 「四人の突撃兵」 (1938) は、この時代にこの風刺というのは、ヤバそうです。く〜。 「四文オペラ」 (1939) って歌もやってるけど、 タイトルは Brecht からだけど、内容は特にそうじゃありません (というか、当時、Brecht ネタはOKだったのか!?)。 北中 正和 『ギターは日本の歌をどう変えたか』 (平凡社新書 144, ISBN4-582-85144-4, 2002) でも「40 あきれたぼういずの功績」と一節が割かれていて、 音楽的にも当時は画期的だったんだなぁ、と思ったり。

- 弦巻, 東京, Sat Dec 28 1:36:00 2002

半年ほど前、ここで Karl Valentin という 20世紀初頭に Muenchen で活躍したキャバレー芸人を 話題にしたわけですが。 それに関連する本 ロバート・エーベン・サケット 『ミュンヘン・キャバレー・政治 ―― 1900-1923』 (晶文社, ISBN4-7949-5775-0, 1988; Robert Eben Sackett, Popular Entertainment, Class, And Politics In Munich, 1900--1923, Harvard Univ. Pr., 1982) を読んでみました。Valentin が登場した背景となる、 20世紀初頭の Muenchen の、ポピュラー・エンターテインメントを巡る状況と、 政治的状況について分析した本で、とても興味深く読めました。 というわけで、読書メモ。

この本でポピュラー・エンターテインメントとして取り上げているのが、 演歌師 (folkssaenger) によるショーです。 演歌師といっても、いわゆる演歌歌手ではなくて、 キャバレーやミュージックホールで歌や芝居からなるショーを演じる芸人のことです。 この本では、キャバレーやミュージックホールの主要な客層が 近代化・工業化によって没落しはじめた中産階級であったこと、 演歌師による演目の内容が 中産階級の労働者階級への没落への不安を反映したものであったこと、 そして、このような中産階級の没落が ワイマール共和国への抵抗とナチスへの支持の背景にもなっていたこと、を、 芸人の日記や公演記録、演目の内容の分析を通して、示しています。

そして、この本が分析の対象として具体的に挙げている演歌師の一人が、 Karl Valentin です。 そして、もう一人 Weiss Ferdl という演歌師を挙げています。 この2人の演歌師が両極端。 一方は、反軍国主義、反権威主義の立場を貫き、左翼知識人の支持を集め、 Bertolt Brecht をはじめ前衛的な芸術家界隈とも交流があった Valentin。 もう一方は、愛国心や「古きバイエルン」共同体への憧憬、ユダヤ人憎悪を歌い 没落する中産階級へ安心感を提供することによって支持を集めた Ferdl。 キャバレーソングといえば、頽廃芸術としてナチスに禁じられた歌、 という印象が強かったのですが、 実際はもっと幅があったということが判って、とても興味深かったです。 それも、登場の社会的背景はかけ離れていたどころか、とても近かったわけですし。

彼らの演目の内容が、いかに、中産階級の没落への不安と関係したものだったか、 についての記述は、いささか強引かなと思うところもありましたが。 舞台の内容 (テーマや演出、セリフや歌詞) に関する 具体的な記述があるのが良いです。 Valentin に対する興味で本を手に取ったわけですが、 彼の前半生の伝記としても楽しめる本だと思います。

- 弦巻, 東京, Thu Dec 12 23:47:02 2002

昨晩Zingaro がらみの話題のフォローアップ。書くときに参照していた Label France 日本語版の訳につい引き摺られてしまって、 「馬術〜」って単語しか頭に浮かばなかったんですが。 「曲馬」っていう言葉があるじゃないですかー。 馬術劇じゃなくて曲馬、馬術劇団じゃなくて曲馬団ですね。 "L'Academie de Spectacle Equestre" の訳も「曲馬アカデミー」が良いと思います。

昨晩、日本語で書かれた nouveau cirque 入門として、France 大使館の 「ヌーヴォー・シルク ― 前衛的サーカス芸術」 を紹介したわけですが。その後、検索していて、 石井 達朗 「近代サーカスの誕生そしてヌーヴォー・シルク」 (『自然と文化』第59号, 日本観光協会, 1998) というテキストが、インターネットで読めるようになっていることに気付きました。 Zingaro も出てくるし、physical theater にも言及しているし、 こちらも入門としてなかなか良いのではないでしょうか。 テキストの章立てと関係無く元の誌面の一頁を そのままウェブの一頁に割り当てていて、ちょっと読み辛いですが…。 で、このエッセーのに、 こんな記述があるのが気になりました。

他方、ロンドンにサーカス・キャバレーなどというものが出現して、若い観客層の人気をさらっている。客席には丸テーブルと椅子がいくつもあり、客はパブにでもいるように酒類を飲み、つまみを食べながら、空中ブランコや綱渡りを見る。音楽は、かなりの音響でロックがガンガン鳴っている。一九二〇、三〇年代、キャバレーやミュージックホールが盛んであったころの雰囲気とサーカス芸を混ぜたのだろうか。あるいは、当時のバラエティショーの延長線上にあるのだろうか。いずれにしろ、これは既成のサーカスの興行システムに飽き足らない若者たちが考えだしたものである。クラブ、ディスコ、ロックコンサートにゆくが、サーカスのテントには入らないというような若者たちも、好んでこういうところにはやってくる。

ちょっと検索したんですが、それに関係するような情報は見つけられませんでした。 ま、4年前に書かれたものですし、今はまた状況は違うのかもしれないですが。 これに関するより詳しい情報 (会場や、出演者や演出者とか) を 持っている方がいらしたら、教えて下さい。よろしくお願いします。

しかし、これを読んでいて、同じようなことを日本で始めた 『カバレット・チッタ』 (レヴュー) も、 「若い観客層の人気をさらっている」って雑誌とかに紹介されるくらいに 盛り上がるといいなぁ、と思いました。 ちなみに、次回は2003年2月7日(金)。 ここ によると、もう前売りを始めたようです。 梅津 和時巻上 公一 の音楽での出演も決まったようですし、次回も楽しみです。 しかし、ダメじゃん小出 の名前が出演者の中に無いのが気になります…。 MCなのでパフォーマーの中には入らないのかしらん? メディアでもブレイク中ですし、MCをするなら、ちゃんとそう書いておいた方が…。

- 弦巻, 東京, Wed Dec 11 23:42:19 2002

サーカスの流れを組むパフォーミング・アーツに興味がある人であれば 一度は観てみたいと思っているのではないか、というのが、 Bartabas 率いる France の馬術劇団 (theatre esquestre) Zingaro。 2000年には Pierre Boulez, Dialogue De L'Ombre Double (レヴュー) などを音楽に使った 新作 TriptykFestival d'Avignon で初演して、話題になったりしたわけですが。 僕が Avignon に行った のはその翌年で、もちろん Zingaro は演ってませんでした…。

先週末東京日仏学院へ行ったとき、 France 大使館の季刊広報誌 Label France を拾ったのですが、最新号 (No.48, Oct. 2002) の特集は乗馬文化。 その中に、ヴェルサイユ宮殿の大厩舎を使って、 馬術スペクタクル・アカデミー (L'Academie de Spectacle Equestre) が来年 (2003年1月) に開校するという 記事 (日本版がまだオンラインで読めないので英語版) が載ってました。もちろん、ディレクターは Bartabas。をー、すげー。 France といえば、国立サーカス学校 (CNAC (Centre National sur les Arts du Cirque) の ESAC (Ecole Supurieure des Arts du Cirque)) とか、この手のパフォーミング・アーツの育成に力を入れていることで 知られているわけですが。馬術劇の分野でもやりますかー。

しかし、この記事を読んでいて、やっぱり Zingaro を観たいなぁ、と思ってしまいました。 来日は無理かなぁ…。France に観に行かなくちゃダメかなぁ…。

ところで、「馬術スペクタクル・アカデミー」というのは Label France 日本語版で使われていた訳語なのですが、 "spectacle" を「スペクタクル」と訳すのは語弊があると思います。 というのは、フランス語での spectacle というのは、 日本語の「スペクタクル」でイメージされるような大規模に展開される光景ではなく、 「演目」とか「出し物」という程度の意味です。 小劇場での一人芝居でも spectacle が使われます。 ちなみに、英語版では "equestrian show academy" と訳されています。 馬術ショー学校とか馬術劇学校と訳すべきように思います。 って、なぜそんなことを気にするようになったかと言うと、 今年の大道芸ワールドカップin静岡 で、「スペクタクル」という言葉をよく目にしたり耳にしたからです。 しかし、その使われ方がどうも変で、 パフォーマー等が単に「演目」「ショー」という意味で使っている "spectacle" を、 「スペクタクル」と訳しいるのではないか、と思うようなことがあったからです…。

ところで、日本の France 大使館のサイトを見ていたら、 2年ほど前に PDF 形式で公開されていて、その後削除されて読めなくなっていた、 サーカスの紹介 が、今度は HTML 形式で再び読めるようになっていますね。特に、 「ヌーヴォー・シルク ― 前衛的サーカス芸術」 は、日本語で書かれた nouveau cirque 入門として良いテキストだと思います。 日本語での情報がほとんど無いジャンルだけに、以下に続くカンパニー紹介と併せて、大変お勧めです。

- 弦巻, 東京, Fri Nov 8 23:54:23 2002

大道芸ワールドカップ in 静岡今年のチャンピオンですが、 「●ガイドブック等の表記は「ポップアイド」になっておりますが、正式には「ポパイ」の誤りです。訂正してお詫びいたします。」 ということになりましたね。しかし、本当に「ポパイ」にしちゃっていいの? これも「疑惑のカタカナ」というか、カタカナ表記をどうするかという問題なんですが。 ちなみに、彼らの出身地である Australia 現地での英語での表記は、例えば Australia の NCPTA (National Circus & Physical Theatre Association) のサイトの 若手のところを見ても、PopEyed です。 このオリジナルの英語での綴りを見れば、このアクロバット・デュオの名前が、 "popeye-d" (ポパイのようになった) と "pop-eyed" (目の飛び出した/ぎょろ目の) の 二つの意味をかけていることはすぐ判ります。 で、このカタカナ表記ですが、前者の意味を尊重して「ボパイド」にするか、 後者の意味を尊重して「ポップアイド」にするか、 というのは微妙な問題で、パフォーマーと相談できるならした方がいいことだと思います。 しかし、「ポパイ」と表記するという選択肢は普通は無いと思います。 おそらく、最後の "d" は母音を伴わずに発音するので、 パフォーマーに発音を訊いたら「ポパイ」と聞えたのではないかと思いますが。 だからといって、カタカナ表記から「ド」を落として「ポパイ」としたら、 英語でのオリジナルの名称は "Popeye" と思うのが普通じゃないですか。 きっと、この訂正を読んで、 英語での名前も正式には PopEyed じゃなくて Popeye だったんだ、 と思った人も多いんじゃないかと、想像されます。うーむ。 って、ここまで書いて、 大道芸ワールドカップ in 静岡 に来ていたのは PopEyed とはまた別の Popeye という名のアクロバット・デュオだった、 という可能性が、頭を過ったりしましたが。 もしくは、PopEyed から Popeye へユニット名を改名したばかりとか。 しかし、さすがにそんな可能性はかなり低いようにも思います。 ま、そういうわけで、「ポパイ」に訂正するよりも 「ポップアイド」のままにしていた方がまだマシだったのではないか、 と思わざるを得ません…。

- 弦巻, 東京, Tue Nov 5 23:06:28 2002

さて、今年の 大道芸ワールドカップ in 静岡チャンピオン が発表になりましたね。しかし、「ポパイ」って誰ですか? そんなパフォーマー、エントリーしてないですよー。 って、たぶん、「ポップアイド」でエントリーしていた Australia のアクロバット/クラウン2人組 PopEyed のことでしょう。 しかし、チャンピオン、シルバー、ブロンズの三賞ともアクロバット2人組だというのも…。 一応、3パフォーマーとも観ましたけどね…。ここの選考結果って、いつもわけわからん…。

しかし、チャンピオンとして授賞しておきながらパフォーマー名をイイカゲンに扱うなよ…。 って、ま、去年も、 日本の大道芸イベントにおいて、出演パフォーマーなどの名前の表記が非常にイイカゲン と言ってたわけで、このくらいのことは驚くようなことでもないんですが。 むしろ、今年は、いつもよりは酷いというほどでもなかった気もします。 といっても、マトモになったというわけじゃ、決してないですよ。 ま、Oliver Groszer と Zick Zack のカタカナ表記は、「オリバー・グロスザー」「ジッグザッグ」ではなく 「オリバー・グローサー」「ツィックツァック」の方が良かったんじゃないのとは思いましたが。 この手の「疑惑のカタカナ」は、ミュージシャンや映画俳優とかでも多いですしね。 むしろ、Jane Allan を「ジェーン」とファーストネームだけにする方が、 ありふれた名前だけに、特定が難しくなりがちで困りものです。 Jane Allan は、有名な女性空中ダンサーだったこともあり、誰だか判りましたけど。

ところで、今年の 大道芸ワールドカップ in 静岡 の 僕にとって一番のパフォーマンスは、Les Vernisseurs, Joyeuse Pagaille Urbaine。 舞い上げ、吹き付ける紙テープが彼らのパフォーマンスのハイライトだし (その様子は写真集でどうぞ)、 それ無しじゃほとんど意味が無いように思うんですが。 「なんでも、本当は今回のパフォーマンスでは『テープは無し』のお約束があったそうで。」 とか書かれていて、ちょっとびっくり。 紙テープ無しでやっても面白いって、本気で招聘した人は思っていたんでしょーか。 そもそも、そんな約束をしたことを、さも特別なことが起きたことのように自慢げに話すためのネタに使うか!? わけわからんなぁ…。 ま、紙テープは客にもウケていたように思いますし、約束を守らなくて良かったのではないでしょーか。後片付けとか、とても大変だったでしょうが。

そうそう、パフォーマー名がイイカゲン、といえば、 三茶 de 大道芸ですが。 一応、今年の不明の分については、 世田谷アートタウンの事務局に問い合わせをしているのですが、 正確なパフォーマー名、演目名等について回答を貰えません。 その後もメールや電話で問い合わせているのですが…。 どうやら、三茶 de 大道芸 は契約したプロデューサに全て任せており、 事務局は契約したプロデューサから貰った情報のみでパンフレット等の制作をしており、 回答しようにも事務局には情報が無い、ということのようです。 プロデューサは10月までの契約で既に契約切れだそうですし。 (けど、メールでの改めての問い合わせは、10月中にしているんですけどね…。) プロデューサからの回答が得られ次第回答する、ということですが…。 メールでの問合せに回答が貰えないために改めて電話で問合せしたら、 どうやらメールは読んでいたようで、 逆に「あなたは何を仕事にしていらっしゃる人ですか」みたいなこと言われるし。 正直に普通に観に行った一般の観客だと答えたんですが、 ウソでも演劇ジャーナリストだとかサーカス業界関係者だと言えば、 少しはまともに対応してもらえたのかしらん…。 あからさまに言われたわけじゃないですが、 「そんなことまで知りたがる観客は普通いない。あなたが変」 というような対応をされて、不快に感じてしまいました…。 「そういう名前にしたのはプロデューサの指示」、 「パンフレットは『三茶 de 大道芸』を観に来た人のために作っているのであって、 あなたのように、他でも観ようと思う人のために作っているわけではない」 「フェスティバルとかではウェブサイトを作っているところがありますから、 他に観に行きたいのであればそのウェブサイトで調べればいいじゃないですか」 みたいなことを電話でさんざん言われてしまいましたよ…。 というわけで、本当に回答が来るのかなぁ…。 黙殺されておしまい、って気もします…。 ま、僕の対応をしている制作側の人からしてみれば、 クレーマーみたいな観客からの特殊な問合せ、って感じかもしれないですしね…。 (いやホント、クレーマーだと思われてしまったような気がしますよ…。) 世田谷アートタウン相手では埒があかなさそうなので、 直接プロデューサに問い合わせをしたい、と言っても、 問い合わせ先を教えてくれないしなぁ。 しかし、「ブラン・パブリック」と「ボワイオ」のパフォーマー/カンパニー名については、 残念ながら判らず仕舞いになってしまいそうです…。 ちなみに、僕が世田谷アートタウンに問合せて回答をもらえていないメールの内容は こんな感じです (一応、相手の個人名、アドレスについては伏せておきました)。

しかし、海外の有名な大道芸フェスティヴァルのサイトを見ていると、例えば、 Festival d'Aurillac: Festival International de Theatre de Rueプログラムでも、 Festival des Arts dans la Rue de Morlaixプログラムでも、 普通に、パフォーマー名/カンパニー名と演目名 (こちらは省略されている場合もある) が載っているんですよね。 その大道芸のイベントの会期中のみ通用する愛称のような名前ではなく、 海外のフェスティヴァルなどで一般的に用いられているような 他でも通用するカンパニー/パフォーマー名と演目名を教えて欲しい、 パンフレット等の表記に使って欲しい、 という要望は、日本の大道芸イベントを制作しているような人たちにとって そんなに突拍子も無い・トンでもないことなんでしょうか…。はぁ…(タメイキ)。 ま、日本の大道芸イベントなんて、しょせんそんなものなのかもしれないですね… (諦)。

- 弦巻, 東京, Mon Nov 4 0:23:38 2002

というわけで、静岡から生還しました…。2日朝には熱は下がったんですが。 喉を酷くやられて、声がほとんど出なくなってしまいました。 今もまだ、声がほとんど出ません…。

それでも観てきました、 大道芸ワールドカップ in 静岡一昨年昨年に続いて、 今年も写真集を作りました。 もちろん、例年通り、 大道芸ワールドカップ in 静岡 のパンフレットや公式サイトには載っていない より正確なパフォーマー名、演目名を載せているだけでなく、 パフォーマーの公式サイト等へもリンクしてあります。 ワールドカップ部門で参加したパフォーマーは8割方カヴァ―していますし、 大道芸ワールドカップ in 静岡 の公式サイト は、今年は、出場パフォーマーは一覧リストのみで紹介をしていないですし。 この写真集を、 観に行くにあたって目当てのパフォーマーを絞り込む参考にしてもらえるとうれしいです。 って、残るは明日一日だけですし。 このサイトを参考に 大道芸ワールドカップ in 静岡 を観に行く人がいるとも思えないんですけれど…。

ちなみに、今年の一番楽しかったのは、 Les Vernisseurs, Joyeuse Pagaille Urbaine。 舞い上がる紙テープは綺麗だし、それでいて周囲を混乱に陥れるのが良かったですね。 去年一番良かった L'Elephant Vert は、 去年と同じ Faunemes を演ったのが残念。 他の演目も気になるんですけどー。 BI とかも観てみたいです〜。 素敵なパフォーマンスといえば、 Jane Allan の空中ダンス。 彼女は、Philippe Decoufle (関連レヴュー) の公演に参加したこともあるようですね。 しかし、彼女が参加している Cirque Plume による Mauricio Kagel, Variete (関連レヴュー) の 舞台作品 に参加しているよう。そういうのも観たいですねぇ。ふむ。

Philippe Decoufle といえば、今日、大道芸ワールドカップ in 静岡 の会場の浅間通りで、 彼にそっくりの人をみかけたんですけどー。単なる他人の空似かなぁ。 10月頭はワークショップで日本にいたわけですけど、まだ日本にいたりするんでしょーか。 声をかけてみようかと思ったんですが、Les Vernisseurs の騒ぎが始るところで、 カメラを向ける余裕も無く、見失ってしまいました…。

- 弦巻, 東京, Mon Oct 28 0:01:49 2002

というわけで、日曜日に観てきました『三茶 de 大道芸』 (ちなみに、2000年の写真集2001年のレヴュー)。 最初のうちは、写真集ページを作るべく気合を入れて観ていましたが。 後半は、食事をしに行ったり、買物をしたりしながら、その合間に遠目で観ていました。ふむ。

最も楽しめたのは ブラン・パブリック。 ロマンチックな雰囲気で持っていかれたような気がしたのは、女性パフォーマーが可愛らしかったから、というのもあるかなぁ、と思ったり。 先日観に行った『トウキョウ フィジカルシアター コレクション』には、こういうのが揃っているだと思ってたんですよ〜。 食事でも、と街中をふらふらしているときに、英字パンフレット片手の金髪碧眼系のカップルに「サンタワーはというのはどこ?」という感じで尋ねられたんですが。 道を教えた後、何を観に行ったのかなぁ、と、チェックしてみたら、この ブラン・パブリック でした。へ〜。

高足の ボアイオ も謎の生物って感じで面白かったですよ。去年、雨で観ることができなかった Cie Albedo, Les Bigbrozeurs は期待が大き過ぎたせいか、少々期待ハズレに感じました。

日本の芸人では、やっぱり がーまるちょば (Gamarjobat)。 ハコでの公演も一度観に行きたいとは思っているんですが。 次回は、12/6,7 @ 亀戸カメリアホール。亀戸は遠いなぁ…。

ところで、France から来た芸人 ブラン・パブリック と ボアイオ を、 いつものこのサイトの流儀と違ってカタカナ表記していますが、 これはパンフレットに載っている表記です。 しかし、Cie Albedo, Les Bigbrozeurs について、去年から相変わらず、 今年のパンフレットでも「ビッグブラザーズ」と、カンパニー名ではなく演目名をパフォーマー名に使っているし。 パンフレットの ブラン・パブリック のラテン文字表記も "Blanc Pablic" (sic) になっているし。 と、このパンフレットの表記は、かなり怪しげです。 一応、ブラン・パブリック と ボアイオ について、それなりに考えられる文字列で検索をかけたんですが、関係する情報は得られませんでした。 両方とも気になるパフォーマーだったこともあり、 今回はちょっと気合を入れて事務局の (財) 世田谷区コミュニティ振興交流財団 に 電話で正確なところを問い合わせてみようとしたのですが。 今晩は答えられる人が出払っているということで、現状では回答は得られていません。 大道芸イベントにおいて、出演パフォーマーなどの名前の表記が非常にイイカゲン という問題については、去年さんざん言ったことではありますが。 ケアレスミスがあるのは仕方ないと思いますが、大道芸フェスのパンフレット類に関して言えばそういうミスのレベルを越えています。 今年のパンフレットを見ていても、開催側にそういうことに対する問題意識は全く無いんだぁ、と呆れてしまいます。酷いよなぁ…。 世田谷パブリックシアターやシアタートラムの公演だったら、カンパニー名と演目名を入れ違えたりするでしょうか? もし、劇場公演で許されないけど大道芸なら構わない、と考えているのなら、それはどうしてでしょうか? と、小一時間問い質してみたいような気もしますよ…。 ま、正確なところが判ったところで、 写真集レヴューを、 カンパニー名や演目名を直したものに差し替える予定です。

- 弦巻, 東京, Mon Oct 7 22:57:43 2002

某MLに話題を振っていて、昨晩の発言で紹介し忘れていた、 フィリップ・ドゥクフレ研究ワークショップ習作公開』 (Presentation of Philippe Decoufle Workshop) でのエピソードを思い出しました。 Decoufle はウルトラマン動作・ポーズがお気に入りだったようで、客入れの間じゅうずっと、ウルトラマン・シリーズの主題歌のビデオを無音状態でずっと投影していました。 どうやら、日本固有のフォーク的な動作の型というのに興味があって、その一つとしてウルトラマンの動作・ポーズに注目しているようでした。 空手や柔道、相撲の型とかでなく、ウルトラマンの動作・ポーズに着目するあたりが、とってもいいかんじですね。くくく。 そういえば、ウルトラマンシリーズだけでなく、仮面ライダーシリーズとかゴレンジャーのような戦隊シリーズなどの特撮モノには、技を繰り出す動作とかキメのポーズとか共通する独特の身体言語というか語彙がありますよね。 Decoufle には、是非、遊園地とかでやっている仮面ライダーや戦隊モノのショーを生で観て欲しいものです。って、既に観ているような気もしますが…。

- 弦巻, 東京, Sun Oct 6 23:44:17 2002

で、そこから、横浜赤レンガ倉庫に流れて、 フィリップ・ドゥクフレ研究ワークショップ習作公開』 (Presentation of Philippe Decoufle Workshop) を観てきました。 今年の3月に NHK BS2 の番組『地球に好奇心』の「めざせ21世紀のサーカス ―― 仏・エリート養成校の青春」で、フランス国立サーカス学校 (CNAC (Centre National sur les Arts du Cirque) の ESAC (Ecole Supurieure des Arts du Cirque)) で卒業制作の指導をする Decoufle の様子を見ていましたし。 ワークショップの参加者にも、珍しいキノコ舞踊団の二人や、マイム/大道芸の JIDAI など、観たことのある人の名も見えましたし。 それなりに面白いものが出てくるのではないか、面白いパフォーマーを発見できるのではないか、と、期待していたところはあったのですが…。 Decoufle に格の違いを見せつけられたような気もしました。ま、習作だしそんなものかなぁ。 ワークショップ参加者による習作の中では、小道具に脚立を使い、脚立の動きとダンサーの動きをシンクロさせるパフォーマンスが、脚立を持って走りまわるダンスらしからぬドタバタさとの加減の対比もユーモラスで、最も楽しめました。 最後の、Philippe Decoufle の映像を使ったソロは、身体の動きのキレも良かったですし。少し時間をずらして単純に反復させただけの映像を使って、ユーモラスでファンタジックな小品を観せてくれました。く〜。

ちなみに、10月8日13時20分から東京芸大取手校地で、 「特別講座:L'art du cirque ― 舞台芸術としてのサーカスとダンス ― ドゥクフレ、自作を語る」 という講演があるそうです。 今、芸大のサーバ ( http://www.geidai.ac.jp/ ) の proxy の設定が腐ってるので、告知ページとか探せないのですが。 桜井 圭介 氏の 掲示板で話題になってます。 問い合わせ先は、MCE共同教官室 (0297-73-8663) だそうです。

- 弦巻, 東京, Mon Sep 23 1:33:56 2002

王子って遠いなあ、と思っていたんですが意外と近いもんですね。 南北線が出来たこともあって、田園都市線〜半蔵門線から永田町乗り換え一回で行かれるし。 というわけで、北とぴあで、 『トウキョウ フィジカル シアター コレクション』観てきました。 水と油 『机上の空論』 がダントツに良かったです。 ま、この演目が目当てだったんですが、期待を裏切らなかったというか。 実は、水と油 は以前から気になっていて、8月末のシアターXでの公演『スープ』もチケットを取っていたんですが、ダブルブッキングでふいにしていたのでした。ふむ。 やっと観ることができました。

ま、このオムニバス公演で、水と油 以外にも面白いカンパニーに出会えたら、と思っていたところもあったのですが…。 フィジカルシアター (physical theater) というと、acrobat や mime, commedia dell'arte や circus の流れを汲む、 台詞よりも身体表現に重きを置いた演劇的な表現を指すわけですが。 残りの2公演は dance の範疇と言っていい内容だったように思いますし、 このオムニバス公演や客層を見ていると、日本ではやっぱり dance からの流れがメインなかなぁ、と。 『カバレット・チッタ』に出演していた オブジェクト・パフォーマンスの ふくろこうじ も、 一時、水と油 に所属していたことがあるというし。 そのことを知って、日本ではまだまだパフォーマーの方も層が薄いのかなぁ、と思うところも。 ま、水と油 の舞台を観ていて最初に連想したのは、日本のカンパニーのものでなく、 Les Acrostiches (レヴュー) や Les Cousins (レヴュー) の舞台でしたしね。 水と油 は Avignon Off や Edinburgh Fringe に出てヨーロッパでウケているようですし。 そういえば、やはり mime をバックグラウンドに持つ がーまるちょば (レヴュー) も、Edinburgh Fringe に行ったりしてるもんなぁ…。

ところで、Les Acrostiches や Les Cousins で検索していて London International Mime Festival のサイトに突き当たりました。 Les Cousins が1997年に、Les Acrostiches が1998年に参加しているようです。ふむふむ。 去年は Josef Nadj (レヴュー) も参加してるしー。 あ、Les Acrostiches も手掛けている Christian Coumin が演出・振付した Compagnie 111 というのも、写真と Le Republicain の評 ("an astonishing blend of performance and sound installation") を見ると、とっても面白そう〜。 表紙にもなっている The Circus Space Cabaret も気になるけど、写真にダマされてそうな気も…。 ああ、生で観て見たいなぁ〜。

- 弦巻, 東京, Sun Aug 4 23:59:08 2002

土曜日は横浜みなとみらいに行ってきました。もちろん、 横浜美術館Jean-Marc Bustamante, Private Crossing 展を観てきたりしたわけですが。 主目的は Queen's Square でやっていた 「イタリアン・フラッグ・ショー」こと、 Musici e Sbandieratori della Citta Murata のパフォーマンス。 去年も日本におけるイタリア年2001で来日していたのですが、見逃し痛恨だったのでした。 いやー、予想以上に音も大きくダイナミックなパフォーマンスで、 鳥肌立つほどでしたよ。かっこいい〜。 日本ではあまり観る機会も無いものですし、あまり知られていないように思うので、 写真集のページ を作ってみました。しかし、野外でやって欲しかったと、つくづく思います…。

- 弦巻, 東京, Sat Aug 3 0:04:29 2002

最近した発言について、軽くフォローアップ。

Wed Jul 31 0:04:15 2002 の発言で触れた 「ヘブンアーティスト制度」 ですが、一次審査で647組中247組と約1/3に絞っているんですね。 芸が周囲に危険・迷惑を与える可能性や、迷惑防止のための芸人の場をコントロールする能力とか、 大道でパフォーマンスをする最低限の資質をチェックしているのかと思ったんですが、 書類レベルの審査でこれだけ落とされているということは、そうじゃないようですね。 なんで、そんなに審査を厳しくするのか、疑問です。 やっぱり、タレントの新人オーディションか何かと勘違いしてるんじゃないかなぁ。 確かに、Queen's Square とか、 大道芸人登録にオーディションがあるという話も聞くけど、 こういう場所は劇場に準じたところがあって、商業施設として演出したい雰囲気が当然あるわけだし、 そういうディレクションにパフォーマンスの内容が合うかどうかオーディションするのは判るんだけど。 「ヘブンアーティスト制度」が想定している場は、 そういうパフォーマンスの内容をディレクションをするような場じゃないと思うんですが…。 パフォーマンスの質の問題ならば、 別に都にあらかじめ審査してもらうようなことじゃなくて、 観た人が判断することだと思うんですが…。 こんな厳しい審査をしているんじゃ、表現の機会を広く与えるための制度じゃなくて、 むしろ管理を強めるための制度なんじゃないか、って思いたくなります。

- 弦巻, 東京, Wed Jul 31 0:04:15 2002

今晩のTVニュースでもちょっと取り上げられたりしているようですが、 Yahoo! News の伝えるところによりますと、都が 「ヘブンアーティスト制度」 というのを始めるそうです。この審査員に 国際サーカス村村長 西田 敬一 とかの名前も見えますし、大丈夫な気もしますが、 なんかイヤな予感もします。というのは、都のアナウンスの 今のヴァージョンからは削除されてますが、 最初のヴァージョン では、 「新進・若手アーティスト」って明記されているんですよ。 生活文化局トピックス では、まだこのフレーズが残っています。 おそらく、大道芸人とかその関係者・ファンとかから指摘があって修正したのだと思いますが。 ここで「新進・若手アーティスト」って言葉が出てきてしまう背景に、 テレビやステージが全ての芸人の最終的な目標で、 ストリートでやっているのはまだその機会が与えられない新進・若手、 みたいな「偏見」があるんじゃないかと感じられるからです。 もちろん、テレビに出たりステージに上ったりすることを目指して頑張っている人も いるでしょうが、それだけじゃないでしょう。 実際、僕はそのTV番組を観ていないのですが、ヘブンアーティスト絡みの審査で テレビでの芸と勘違いしたかのようなコメントが出た ってこともあったみたいですし。 テレビ・タレントの新人・若手発掘のオーディションと勘違いしたような イタい審査が行なわれそうなイヤな予感がしてしまいます…。

ちなみに、大道芸に関しては、いままでもこの談話室で何回も触れてきています (関連するレヴュー 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 11, 12, 13、 あと、写真集 1, 2, 3, 4, 5) が、この話題について参考になりそうな Tue Mar 12 22:17:59 2002 の発言からの引用を再掲しておきます。

サーカスと大道芸というと、大道芸をやっているのは売れない (サーカス) 芸人、と、勘違いしている人が日本では多いような気がしますが。 実際は、優れた芸人が積極的に大道芸という表現を選んでいる場合も多かったりします。 演劇やダンス、サーカス芸術 (arts du cirque) の近接ジャンルとして、 arts de la rue (「大道芸術」という感じでしょうか) というジャンルが成立しつつある表現だと思います。 France では、Hors Les Murs のような組織もありますし、 Coulisses のようなメディアもありますし、 制度的にも成立していると思います。 日本ではテント等での公演が行なわれることは少ないだけに、 実際、(nouveau cirque を含む広い意味での) 現代的なサーカス芸術に接する一番良い機会は、大道芸フェスティバルでないかと思います。 ここで 「ヌーヴォー・シルクの代表」で「「歴史を語り得る世代」として貴重な演出家」 と挙げられている Cirque Baroque の Christian Taguet も、 日本の大道芸フェスティバルの常連、とも言える存在です。

- 弦巻, 東京, Thu Jul 11 23:41:42 2002

昨晩観た 『カバレット・チッタ』レビュー、少し加筆訂正しておきました。 この舞台を観ていてまず連想したのが、 小西 康久率いる バチカンブラザーズ一昨年の三茶de大道芸で観て、 その後、去年の正月と夏、大道芸ではない二回ステージを観てますが、 こちらもテンポ良くたのしめましたよ。 『カバレット・チッタ』よりずっと小規模ですし、 ダンス的な要素が無く、その代わりに演劇的な要素が加わった、という感じでしょうか。 ちょうど、次のバチカンブラザースの公演の案内のダイレクトメール (同封されていたフライヤはここ) が届いたばかりなんですが、観にいこうかなぁ、どーしようかなぁ。ふむ。 しかし、黒テント赤いキャバレー とかにしてもそうですが、 自由劇場とか黒テントとかの界隈って、実は キャバレーからの影響が大きかったのかなぁ、と思ってみたり。

連想したといえば、一昨年観Ennio Marchette のような芸人は、ソロのディナーショーもいいけど、 バラエティ・ショーの一枠を使って紹介する方がいいんじゃないかなぁ、と思ったり。 音楽なら、 コメディア・デラルテを踏まえたステージをした Carlo Actis Dato Quartet とかも出演させると面白そうですねー。 Matthew Herbertパフォーマンス なんかも良さげですよねー。 ジャズフェスティバルやクラブイベントの一コマというのも悪くないけど、 こういうバラエティー・ショーの中でやるっていうのも、面白いように思ったり。 とか、海外のパフォーマーやミュージシャンがまず思い付いてしまったりするのも、 なんだったりしますが…。

ところで、大道芸フェスティバルとか客層と、 jazz / improv. のライブの客層ってかなり違うように思うのですが、 『キャバレット・チッタ』に集まった客層ってどんな感じだったんでしょうね。 周囲の客を見ても、いまいち謎でした。ふむ。 僕のサイトで知って観に行った、という人がいるとも思えないし。 そもそも、僕にしても、当日まで、 大島さんのサイト以外で 告知の類を見かけたこともなかったですし、 フライヤも当日になって会場で手にしたくらいだったのですが。 いったいどの方面の客が来ていたのかも、謎だったり…。

- 弦巻, 東京, Thu Jul 11 0:43:22 2002

というわけで、台風の中、川崎は、 クラブチッタへ行ってきました。 もちろん、 『カバレット・チッタ』 を観てきました。今晩は遅くなってしまったので、 とりあえずの速報レヴューだけ。

- 弦巻, 東京, Fri May 17 23:18:58 2002

こんにちは、大島さん野毛大道芸 (関連する発言) のときは、野毛坂の方にいたのですね。 Kinetic Theater は観ましたが、ベリーダンスは観ていません…。

『カバレット・チッタ』、楽しみです。 だめじゃん小出 (大道芸ワールドカップ in 静岡 2000 の写真集の下から2つ、とか) をはじめとするパフォーマーはもちろん、 梅津 和時巻上 公一 など (横濱ジャズ・プロムナード 2000 で共演を観てます)、バンドの面子も豪華ですし。

Vsevolod Meierhold / Vladimir Mayakovsky『ミステリア・ブッフ』 (Misteriya Voff (a.k.a. Mystery Bouffe), 1921)、 もちろん、知ってますよ。 といっても、ほとんど二次資料くらいしか読んだり見たりしてないですが。 なんと、来年の春に上演するんですね。 『カバレット・チッタ』に出るようなパフォーマーも出演したりするのでしょうか。 こちらもちょっと楽しみです。

ところで、演出する 加藤 直 というのは、 元 黒テント の方ですよね? そうなら、キャバレーを意識、というのもわかるように思います。 黒テントって、以前、 赤いキャバレー と称して、Brecht 物とかよくやってましたし。 昔の話になりますが、実は、黒テントは、中学高校時代 (1980年代前半) に何回かテントで観たことあるんですよ。 宮沢賢治ネタの (『宮沢賢治第弐旅行記』?) を観たことがあるように思うのですが、 記憶は定かじゃないです…。 『西遊記』は、斎藤 晴彦 の孫悟空とか、けっこう印象に残ってますが。

- 弦巻, 東京, Thu May 16 23:25:57 2002

一ヶ月ほど前に、この談話室の読者からメールで教えてもらったのですが、 Brecht 話でちょっと思い出したので。 メールだとそのまま埋もれて自分も忘れてしまいそうなので、 忘れないうちに、談話室へ備忘録。

去年末、関西ドイツ文化センターで、 『カール・ヴァレンティン大特集: 映像のパイオニア、メディアの職人』という特集上映があったようです。 サイレント〜初期トーキーの頃のコメディ映画、ということで大変に気になります。 かつて、十月シネクラブとかやってたくらいで、 この頃の Avant-Garde はいった映画って大好きですから。 東京でも特集上映をしてくれないものでしょうか。 どうやら、ヴィデオも売られているようですが…。PAL じゃなぁ…。

しかし、不勉強で、Karl Valentin についてメールで教えてもらうまで知りませんでした。 この Valentin はワイマール時代のドイツで活躍したキャバレティスト (キャバレー芸人)・俳優・映画監督です。 ちなみに、Valentin 主演で Bertolt Brecht らが作った映画が、 Die Mysterien Eines Frisiersalons (a.k.a. The Misteries Of A Barbershop; 1923)。 これもとても観てみたい映画ですね。く〜(悶)。 Brecht の年表を見ても、 "participates in Karl Valentin's political cabaret" (1919) とかあって、 Valentin の舞台に Brecht が参加するということもあったようですね。 しかし、"political cabaret" ですよ、"political cabaret"。く〜(悶)。

Munchen には Karl Valentin Museum なるものも あるようなのですが、 かなりシャレのきいた所のようで、 これは、行ってみたい気もする…。 『種村季弘のネオ・ラビリントス2 奇人伝』 (河出書房新社, 1998) に 「パロディーとしての博物館――カール・ファレンティン博物館」 というエッセーがあるようです。 あと、『ドイツの世紀末3 ミュンヘン 輝ける日々』 (国書刊行会, 1987) に、 Valentin のエッセーが3編ほど 収録されているようです。

しかし、Karl Valentin って、先日紹介した Museo Nacional Centro de Arte Reina Sofia, Painters In The Theater: Of The European Avant-Garde (Aldeasa, ISBN84-8003-204-9, 2000, book) では全く触れられてないですよね。 Centre Georges Pompidou, Paris-Berlin, 1900-1933 (Gallimard, ISBN2-07-011247-0, 1978/1992, book) にも取り上げられていないし…。 ま、1920s に Russia Avant-Garde と協働したサーカス芸人 Vitaly Lazarenko にしても、 Paris の Avant-Garde と交流のあった Cirque Medrano の Fratellini Bros. にしても、あまりこの手の本に取り上げられません。 やっぱり、サーカス芸やキャバレー芸の類って、 なかなか評価されないんだよなぁ、と思ってしまいます…。

- 弦巻, 東京, Sun Apr 21 1:35:52 2002

というわけで、今年も行ってきました野毛大道芸。 (1996年, 1997年, 1998年, 1999年, 2001年 のレヴュー。) ちゃんと写真を撮った/撮れたのはイセザキモールでだけだったのですが、 写真集も作っておきました。

例年はステージを絞り込んで、腰を据えて観ているんですが、 今年は必ず観たいという芸人がいなかったので、流して観ることにしました。 いやー、会場が広くなった、ということを痛感しましたよ。うむ。 桜木町駅から、まずは、いつもの、野毛商店街。 土曜の昼過ぎはまだ空いている、という印象もあったのですが。 今年は陽気も良かったせいか、野毛商店街は既に凄い人出。期待していた野毛坂の Kinetic TheaterTableau Vivant がいまいちだったので、嫌な予感もしつつ、人ごみを掻き分けて吉田町方面へ。 さらに今年から会場になったイゼザキモールへ。 野毛ほどの人出でなく、大道芸目当ての客も少なく、こちらの方が観易かったように思います。 Les Solitudes Ephemeres がとても良かったですね。こういうのツボかも。 ダメじゃん小出 を遠巻きに観たり。 って感じで、イセザキモールが、一番楽しめたように思います。 そこから、横浜第二合同庁舎前まで歩いて (ちょっと遠かった…)、 みなとみらいバスに乗ってみました。 最近、商業施設としてオープンした赤レンガ倉庫界隈で出演している芸人に惹かれなかったので、 クイーンズスクエアまで直行。 やっぱり、太神楽っていいなぁ、と、 鏡味小仙社中 を観たり。 ゆっくりランドマークタワーへ。 この界隈のステージもゆったり観られました。 で、桜木町駅に戻る、と、実にぐるりと一周してしまいました。ふう。

去年、大道芸ワールドカップ in 静岡観た L'Elephant Vert で印象に残ったことの一つとして、 フェスティバル側のスタッフとは別に、 常に芸人側の制作か演出と思われるスタッフが付いて、 演技や観客をチェックしていたということがあるのですが。 イセザキモールで観た Les Solitudes Ephemeres も、スタッフが付いて、 投銭集めやプロモーションのポストカードの配布などを行っていました。 (日本の) 小劇場クラスの劇団ですら まともな制作スタッフが付かないことが多いだけに、 しっかりやっているんだなぁ、と感心することしきりです。

それから、江戸太神楽 鏡味小仙社中 に、 一昨年の三茶 de 大道芸で観た Abovo の 富田 綾子 が。 3人の女性芸人の一人として出演していましたが、立ち振る舞いが目だってましたね。 そうそう、 外国人の芸人も出演していて、 かなりの腕前を見せてくれました。この人、Abovo のもう片割れじゃないですよね? ふむ。

- 弦巻, 東京, Tue Mar 12 22:17:59 2002

日曜の晩くらいから体調がいまいちだったんですが、 週明け早々熱を出して死んでます。この忙しいときに…。 というわけで、今日は草々に帰ってきて、おとなしく…。

さて、先週末、NHK BS2 『地球に好奇心』 で、CNAC (Centre National sur les Arts du Cirque) が取り上げられましたね。 (TV では CNAC と言ってましたが、正確には、CNAC の ESAC (Ecole Supurieure des Arts du Cirque) でしょうか。) フランス国立サーカス学校です。 「めざせ21世紀のサーカス ―― 仏・エリート養成校の青春」 ということで、サーカス芸人のエリートを養成する学校 CNAC の ESAC の卒業公演を、 その準備の段階から追ったドキュメンタリーでした。 ex-Cirque 空金井 圭介 が、 日本人で初めて研修生として留学している、ということも、取り上げられた理由かしらん、と。 CNAC の名前は、以前から知っていましたが、どんなことをやっているかまでは知らなかったので、興味深かったです。 ちなみに、卒業公演にあたって呼ばれた指導教官は、 Philippe Decoufle (レヴュー)。 字幕とナレーションが、「ドゥクフレ」ではなく「デクフレ」になっていたのが、 観ていて気になってなりませんでした。 実は「デクフレ」の方が発音が近いのでしょうか? 舞台の上に楽屋も、って、Triton 2ter まんまじゃん、 とか突っ込み入れながら観てしまいましたよ。 Cirque O 〜 Cirque Ici の Johann Le Guillerm とかちょっと出てきたりしましたが、 nouveau cirque (Jean-Michel Guy, Les Arts du Cirque a l'avant garde というエッセーと フランスの主要なグループの紹介の ) の紹介としては物足りなかったです。 例えば、Cirque Baroque の Christian Taguet に nouveau cirque を語らせる、とかいうようなのもアリのような気もしましたが。 ま、『地球に好奇心』という番組からして、 主題は指導教官と学生の間の人間ドラマが中心で、 nouveau cirque の紹介が主目的じゃないだろうし、 あの手の表現は生で観ないといまいちって気もするので、ま、いいんですが。

サーカスと大道芸というと、大道芸をやっているのは売れない (サーカス) 芸人、と、勘違いしている人が日本では多いような気がしますが。 実際は、優れた芸人が積極的に大道芸という表現を選んでいる場合も多かったりします。 演劇やダンス、サーカス芸術 (arts du cirque) の近接ジャンルとして、 arts de la rue (「大道芸術」という感じでしょうか) というジャンルが成立しつつある表現だと思います。 France では、Hors Les Murs のような組織もありますし、 Coulisses のようなメディアもありますし、 制度的にも成立していると思います。 日本ではテント等での公演が行なわれることは少ないだけに、 実際、(nouveau cirque を含む広い意味での) 現代的なサーカス芸術に接する一番良い機会は、大道芸フェスティバルでないかと思います。 ここで 「ヌーヴォー・シルクの代表」で「「歴史を語り得る世代」として貴重な演出家」 と挙げられている Cirque Baroque の Christian Taguet も、 日本の大道芸フェスティバルの常連、とも言える存在です。

で、東京近辺でお薦めの大道芸フェスティヴァル 野毛大道芸 まで、あと約一ヶ月となりましたね。今年は4月20,21日。 特別招聘も含め 出演者も決まったようですね。 特別招聘の 「タブロー・ヴィーヴォン」って Tableau Vivant のことでしょうか…。そうなら、「タブロー・ヴィヴァン」だと思うんですが…。 Kinetic Theatre を「キネティック」としてしまうのも、ダメだなぁ、と思いますが…。 ま、赤レンガ倉庫も会場になるようで、今年もいろいろ楽しみです。わくわく。 関連レヴュー 1, 2, 3, 4, 5

- 弦巻, 東京, Sun Nov 11 0:33:12 2001

と、パフォーミング・アーツ界隈の話題といえば、 一段落していた 大道芸 / サーカス に関する話題ですが、もう少し。 France では2001年夏〜2002年夏の一年間を、 L'Annee des Arts du Cirque (「サーカス芸術年」といったところでしょうか。) と定めているようです。 関連イヴェント がずらっと並んでいて、この表現ジャンルの層の厚さを感じさせてくれます。 L'Annee des Arts du Cirque の サイトは、 Hors Les Murs という組織のサイトに置かれているわけですが。 この組織は「大道芸とサーカスの発展と普及を促す国立の協会 "association nationale pour le developpement des arts de la rue et des arts de la piste"」ということで、 こういう組織があるということも、日本とは根付き方が違うなぁ、と思います。 以前にも薦めたように思いますが、 大道芸術・サーカス芸術に関する情報で日本語で読めるものとしては、 フランス大使館のサイト「芸術と文化」のコーナーの中にある 「演劇・サーカス」のページが お薦めです。特に、 Jean-Michel Guy, Les Arts du Cirque a l'avant garde というエッセーと フランスの主要なグループの紹介の は、この手の表現に興味があるのであれば、一読の価値があると思います。

そういえば、昨晩の 『たけし誰でもピカソ』 (TV東京, 金曜21:00〜) は、 『爆笑&仰天パフォーマンス大賞2』。 この番組も始まって暫くはそれなりに観ていたのですが、 最近は美術への興味も薄れているせいかほとんど全く観てませんでした。 が、パフォーマンスの特集というのは気になっていましたし、観てしまいました。 コメディからアート的なダンスやパフォーマンスまである、というラインナップは、 大道芸イヴェントと共通するところが多くて興味深かったし、その方が良いとも思いましたが。 『大道芸ワールドカップin静岡』とかで それなりの質のものをそれなりの量で観た 直後だったこともあると思いますが、 作品も評価というかコメントもぬるいなぁ、と感じてしまうところも…。うむ。

- 弦巻, 東京, Wed Nov 7 1:00:07 2001

France のスティルト・カンパニー Hors Strate の良い写真が見当たらない、 と、昨晩 Tue Nov 6 0:03:43 2001 に発言したわけですが、見つけましたよ。 Transe Express のサイトもある、Bretagne, France の "Arts de la rue" の公的な劇場 (scene conventionnee ってどう訳すのだろう?) Le Fourneau のサイトに、 大道芸を主に撮影している 写真やビデオの カメラマンのページがあるのですが、 Henry Krul のコーナー (直にリンクできないのですが、2nd set) にありました。 Hors Strate の他にも僕が観たことがあるカンパニーがありますね。ふむふむ。 今年の『大道芸ワールドカップin静岡』 に出ていたところだと、1st set に 5 Angry Men が、 3rd set に Cie Quidams & Inko Nito (Reve d'Herbert) がありますね。 3rd set にある Stalker Stilt Theatre や Strange Fruit も観たことあります。 ところで、 写真やビデオの カメラマンのページの最初に挙がっている Antoine Dubroux って、今年の静岡で観た L'Epate En L'Air の男性パフォーマーじゃないですか。カメラマンでもあるんですね。へー。 街中やステージでのライヴ感のある写真ではなく、 スタジオを使って背景を抑えたモノクロのちょっと静的な写真ですねー。 なんか Robert Mapplethorpe みたい、とか思ってしまいましたが、こういう写真もいいですね。

ライブや展覧会、イベントを観る前・観た後には、それに関連して インターネットを検索しまくる、というのが、以前からの僕の「習慣」ですし、 去年の『大道芸ワールドカップin静岡』 (写真ページ) や、 今年の『野毛大道芸』 (レヴュー)、 そして、Avignon 〜 Venezia への旅行 (レビュー) の前後にかなり大道芸やサーカスに関して検索したつもりですが。 今ほど情報が引っ掛からなかったように思います。 ここにきて、どんどんサイトが出来ている、ということなのでしょうか。

というわけで、『大道芸ワールドカップin静岡』の 去年に紹介したパフォーマーやカンパニー についても、この談話室からリンクしておきます。 デパート内でのハプニングも印象的だった Hector Protector ですが、Strasbourg, France のカンパニーで、 演目の題名は Genie Genetic というのですね。 コミカルか水芸を観せてくれた Chantier Mobil は、Languedoc (たぶん), France のカンパニーで、演目の題名は Les Flucks のようですね。他にもおバカな感じの演目があるみたいで、楽しそうです。 Australia の Strange Fruit もサイトを作ったようですね。静岡で演っているのは、 Swoon! という演目のようです。あー、 The Sphere というのも観てみたいなぁ。 Shosha & Volker Maria Maier もありますね。半年くらい前に気付いていましたが、 「ネストール・ザ・バトラー / Nestor The Butler」でエントリしていたのは、実は Cirque BaroqueNestor のソロということのようです。 UK のパフォーマーって自身によるサイトがなかなか見つからないのですが、 エージェント会社 Fool's ParadiseMen In CoatsThe Primitives紹介が載っています (他にも、1999年に観た Hair Of Insanity や Stickleback Plasticus 、今年観た Skate Naked も)。 The Primitives が静岡で演じていたのが Cook It だというのは、 パフォーマーから直接貰ったポストカードで知っていたのですが、 他にも Wash It というのがあるのですね。 the second in the successful `Coot It' trilogy ということは、三作目がある!? ちょっと気になります。 もっと遡って調べる気合もあまりないのですが、 1999年の『大道芸ワールドカップin静岡』で素晴らしい空中ダンスを観せてくれた (レヴュー) Fura について検索してみたら、 米 Christian Science Monitor 紙に載った 1999年の International Aerial Dance Festival に関する 記事 を見つけてしまいました。本名 は Pilar Cervera といって、 Cirque du Soleil (今、日本を巡ってますね) で演ってたこともあるようですね。ふむふむ。 ちなみに、写真が載ってないので地味ですが、 Sceneplay (Boston の舞台芸術のメディア) に載った レヴューも。 そうそう、1999年の『野毛大道芸』に出場していた 空中ブランコの Maryse & Bruno (レヴュー) が今でも気になっているのですが、関連する情報が見付けられないでいます…。うみゅー。

- 弦巻, 東京, Tue Nov 6 0:03:43 2001

検索していて気付いたのですが、先日も観に行った (と、Mon Oct 22 0:20:14 2001 の発言でも言及している) トリのマーク (通称)柳澤 明子 さんて Hors Strate、Rue Pietonne、Les Cousins が好きなんですね。へー。 Rue PietonneLes Cousins は今年の三茶で 観たばかりですが、 Hors Strate も1995年に『大道芸ワールドカップin静岡』で観たことあったりして。 (というか、この3つのカンパニー、全て、『大道芸ワールドカップin静岡』に 出場してますね。柳澤さんは、ひょっとして、そこで観たとか?) Hors Strate は、スティルトを使った ちょっとロマンチックな野外劇をするカンパニーですね。 (カンパニーのサイトとか良さげな画像は見当たりませんね…。残念。) このときは、駿府公園と札の辻 (商店街) と2回観たんですが、 公園ではハプニング的に、札の辻では演劇的な感じに演じたように思います。 こういうのが好きな人であれば、今年の 大道芸ワールドカップin静岡なら、 L'Elephant VertLa Muse Gueule は きっと気に入るんじゃないかな、と思います (レヴュー写真のページ)。 そうそう、山中 正哉 さんが挙げてますが、 Zingaro、 僕もとってもっとっても観たいです。く〜。 去年 (2000年) の Festival d'Avignon に出ていたんですよねー。 Avignon に行った今年はやっぱりもちろん出ていなくて、 残念だったのでした。ま、今年に出ていても、チケット入手が困難だったとは思いますが…。

しかし、ダンスと演劇 (特に小劇場) の客層もけっこう住み分けているなぁ、 と観に行っていて思いますが。 そういう客層から、大道芸やサーカスに分類されるような表現って、 ほとんど省みられていないように感じます。 サーカス表現をふんだんに取り入れている Philippe Decoufle (ちなみに、日本公演のレヴュー) が好きな人たちすら、 ほとんど視野に入っていないように思います。もったいないというか…。 国内のもっとアート寄りのパフォーマンス、例えば、 グラインダーマンとか観ている人たちにも、 大道芸やサーカスのような表現を観て欲しいように思っていますが…。

その一方で、逆から見ると、大道芸イベントに来ている客のほとんどが、 普段から劇場で行われている演劇やダンスなどのパフォーミング・アーツを ほとんど観ていなさそう、というのも、なんだかだなぁ、と思うところもあります。 ま、大道芸の方が、普通なら劇場に足を運ばないような客にも開かれている、 と言えば、聞えはいいかもしれないですが…。 『大道芸ワールドカップin静岡』のメインステージなど、観客席も設けてあり、 実質、野外劇場というつくりだし、劇場での演技と同じようだったりします。 素晴らしい芸には投げ銭、というだけでなく、素晴らしい演技に対しては カーテンコールで応えた方が良い、と思うときもあったりします。 しかし、こういったことを知らない客があまりに多いような気がするのです。 例えば、Thu Nov 1 23:45:50 2001 の発言で軽く言及しましたが、 今年のナイトパフォーマンスのTranse Express, Mobile Homme。 観客を大いに盛り上げたあと、パフォーマー達がステージに一列に並んで挨拶をし、 投げ銭タイムなどに入ることなく、さっと袖に下がったのです。 さあ、これはカーテンコールだ、と、僕は拍手を続けたのですが。 カーテンコールで軽くもう一芸とか仕込んであったのではないかとか思いましたし。 しかし、他の客はみんな拍手を止めて、席を立って帰りだしてしまったのです。 ま、カーテンコールなんて予定調和だ、という考え方とかもあるかもしれないですが、 この場合、そもそもそういう約束事があることすら知らない、という感じだし…。 思わず、そりゃないだろ、と思ってしまいました。 ま、そういう約束事だけでなく、演劇やダンスをある程度知っていると、 もっと幅広い角度から大道芸も楽しめるようになると思うんですけどね…。

そういえば、Transe Express過去の仕事 をみていたら、 Ceremonie d'ouverture des Jeux Olympiques d'Alberville, 1992 つまり、1992年のアルベールビル冬季五輪の開会式というのがありました。 これって、Philippe Decoufle が 演出したときのじゃないですか。パフォーマーとして参加していた、ということでしょうか。

話を戻して。観客だけでなく制作側も、演劇・ダンスとかとの間に壁を作ってしまっているのかな、 とちょっと感じるところもあります。 今年の『大道芸ワールドカップin静岡』のパンフレットに海外のフェスティヴァルのレポートが載っていて、 Avignon のフェスティヴァルについても載っているのですが。 (ここでは、"Avignon Festival" として紹介されていますが、 正式には、Festival d'Avignon とそのオフの Avignon Public Off ですね。) そこのコメントは「アビニオンのフェステキバル (sic) は演劇祭が主で、 大道芸は私達が期待していた程のものは見られなかった。」とあります 実際に観に行った立場で言うと、 いったい何を観てきたの? って感じのレポートです。 確かに、大道芸という形式ではやっていなかったけれど、オフの方には大道芸でも出来そうなものがそれなりにありました。 そもそも、オフの上演の多くは、普段は劇場ではない場所を使ってのものだったわけですし。 Les Acrostiches なんて、大道芸でも十分イケるでしょうし。 レヴューとかに書かなかったようなものを、ちょっと思い出してみると…。 Rhone 川の上に浮かべたボートを劇場にしていた所で観た 男女2人ずつのちょっとコメディ入ったアカペラ・グループ Avoix Cadabra! なんかも、大道芸としてやってもそれなりに盛り上がるんじゃないかな、と思うところがありました。

海外からのパフォーマーには野外劇・ダンスのような表現もそれなりにあるのに、 国内のパフォーマーのほとんどがコメディなジャグラーかパントマイム、というのも、 同じような所に根があるのではないかな、と思うところもあります。 大道芸的な野外劇・ダンスをやらせて面白そうな劇団・ダンスカンパニーや、 アート関係のパフォーマーをさせたりしても面白いんじゃないかと思います。


昨晩 (Mon Nov 5 0:05:30 2001)、少なくとも日本の大道芸イベントにおいて、 出演パフォーマーなどの名前の表記が非常にイイカゲン、 ということに軽く触れましたが。それがどの程度か、ということで。

トリのマーク (通称) の 柳澤 明子 さんが挙げている3つのカンパニーの最初は「オルストラート」ですが、 『大道芸ワールドカップin静岡』では、 ずっと「ホース・ストラート」と紹介されています。 (例えば、ここ。) 今年のパンフレットは十周年記念ということで過去に出場したパフォーマーを全て 写真入りでリストアップしていたのですが、そこでは、 「ホース・ストラート / Horse Strauta 」となっていました。 ちなみに、実際のカンパニー名は Hors Strate です。 カナ表記は 柳沢 さんの「オルストラート」が最も妥当なように思います。

柳澤さんが2番目に挙げている「ル・ピエトン」ですが。 彼らも、過去に『大道芸ワールドカップin静岡』に参加したことがあるのですが、 そこでは「シアター・ル・ピエトネ / Theater Lue Pietonne」となっています。 ちなみに、実際のカンパニー名は Rue Pietonne。 (Theatre や Compagnie (Cie) を付けるかという問題はありますが。) カナ表記するなら「(テアトル・) リュー・ピエトン」でしょうか。 ちなみに、『テアトル・ド・リュー東京』では「リュー・ピエトン」 『三茶de大道芸』では「リュ・ピエトン / Rue Pietonne」とこちらはまともでした。

で、今年の『三茶de大道芸』と『テアトル・ド・リュー東京』に参加していた「ビック・ブラザーズ」ですが、 会場配布のパンフレットでは "Les Bigbrozeurs" となっていましたが、 ウェブでは "Big Brothers"。 しかし、実際のカンパニー名は Cie Albedo で、 イベントで使われていたパフォーマー名の元と思われる Les Bigbrozeurs というのは、その演目作品の題名だったりします。

演目作品の題名がパフォーマー名になってしまう、というのは、これに限らずよくある話で、 今年の『大道芸ワールドカップin静岡』の 十周年特別企画 で来ていた「ヘルパードリーム / Herbert's Dream」も、実際は、作品のタイトル Reve d'Herbert から来ているものでした。 (しかし、題を英訳しているのならカナ表記は「ハーバーツ・ドリーム」だろう、とも思いますが。) ちなみに、これによると、 Inko'Nito と Cie des Quidams の 2つのカンパニーによる作品ということのようです。

すこし前までは、インターネット上に大道芸やサーカスの情報が少なく、 特に業界・関係者の知り合いなどがいない僕には 大道芸イベントのパンフレットくらいしか情報源が無く、 パフォーマーの名がこういうふうにイイカゲンに扱われていることには 最近まで僕も気付いていませんでした。 こういうことに気付くようになったのも、 インターネットを介して自分で独自に情報を集められるようになってからですが。

こういったパフォーマーの扱いのイイカゲンさに呆れる、というか、 制作する方ももう少しちゃんと調べろよ、と思うところも少々あります。 どうせ間違っていても観客は何も知らないから判るまい、とか、 制作側が思っているとしたら、ちょっとイヤだなぁ、とも思います。 特に、『大道芸ワールドカップin静岡』は、 世界でも名の通ったフェスティバルとか自称しているわけですし、 パンフレットやサイトでは英語での表記もしているわけで、 こんなイイカゲンなことしていて恥ずかしくないんでしょうか。 Avignon Public Off のパンフレットなんて そのままカンパニーのディレクトリとして使えるような作りだったわけですが、 今年の『大道芸ワールドカップin静岡』のパンフレットは完全保存版とか銘打ってますけど、 パフォーマーの名前すら怪しくて、そういう点での資料的な価値があまり無いんですよね…。 (こういう違いも、Avignon に何を観に行ってきたの? と思うようなことなのですが。)

しかし、その一方で、パフォーマーの名前や作品の題名がいい加減に扱われていて、 それがほとんど問題とされていない、というあたりを見ていると、 この表現ジャンルにおいては、アートのイデオロギーというのは ほとんど効いていないのだなぁ、とつくづく思います。 アート的な作家性・作品性といったものが重要であるのであれば、 それを特定するパフォーマーの名前や演目作品の題名というのは、 重要なものとしてもっと丁寧に扱われるはずだと思うからです。 やはり、制作する側も観る側もほとんどが、 非記名的な芸人による非作品的な芸に近い意識で接しているのだろうなぁ、と。

ま、綴りが間違っているとか、カタカナ表記がイイカゲンというのとは別に、 パフォーマー名と演目題名が混乱している、ということについては、 演目題名なのかその演目のための別の芸名・ユニット名なのか 区別しがたい場合があるせいもあると思っていますが。 それにしても「ビック・ブラザーズ」や「ヘルパードリーム」は、 そういう場合とはちょっと違うような気もします…。

ちょっと話が逸れますが、海外のサイトを見ていると、 この手の表現を取り巻く制度・イデオロギーの微妙な差が見えて面白いです。 例えば、France の大道芸 e-zine Coulisses は、"Media des Arts de la Rue" (大道芸術のメディア) と銘打っていて、 アートとして扱っているように思います。 Yahoo France にも Arts de la Rue とか Arts du Cirque というカテゴリーが存在します。 ま、ここでの Arts というのは日本のアート、芸術というほど強い意味ではないと思いますが。 その一方で、UKのプロダクション Cirque Bijou を見ていると、非常にエンターテインメント的な扱いをしています。 もちろん、France と UK の国における違いだけでなく、 商業イベント向けのプロダクションのサイトということもあると思いますが。 かといって、僕が観ている限りにおいては、 France のパフォーマーの表現はアート的で、 UK のパフォーマーの表現はエンターテインメント的、という感じではなく、 むしろ共通する部分も多いように思いますし。 そして、アート的かエンターテインメント的かというのは、 メディアやプロダクションといった、イデオロギー的といか制度的な面が大きいように思います。 それでは、日本におけるパフォーマーの名称のいいかげんさ、とか、 そういう現象はどういうイデオロギーの反映なのか、とか考えてしまうのですが、 そもそも、アート云々エンターテインメント云々以前の話のような気もします…。みゅー。

- 弦巻, 東京, Mon Nov 5 0:05:30 2001

日曜は家事+休養。ちょっと喘息気味になって弱ってます…。 『大道芸ワールドカップin静岡』レヴューを書いたついでに、 写真ページの文章にも若干手をいれました。 これで、こちらもフィックス、でしょうか。

静岡に行く直前に観た 『三茶de大道芸』 については、今年はこれといった写真を撮っておらず写真ページが作れないので、 ここからリンクでも、ということで。 レヴューで言及したカンパニーは、 Cirque BaroqueRue PietonneCie Albedo, Les Bigbrozeurs、 そして日本の がーまるちょば。 ちなみに、おもしろ座の枠で演ていたのは、 Les Cousins, C'est Pas Dommage! (レヴュー)。

しかし、『三茶de大道芸』関連で検索していたら、その一週間前の週末に、 『テアトル・ド・リュー東京2001』 なんていう大道芸イベントが上野恩賜公園であったことに気付きました。 しかし、出演パフォーマーが『三茶de大道芸』と被りまくっているし、 「アート楽市」なんてロゴまで一緒なんですけど…。 フライヤーには『三茶de大道芸』への言及もあるので、連動企画なのでしょうか。 来年もあるなら、来年は上野恩賜公園の方に行ってみようかなぁ。

しかし、どの国内の大道芸のイベントに行っても、 この手のイベントの出演パフォーマーや演目の表記ってとてもいいかげん。 カンパニーやグループの名前と演目名が混乱していたりするし、 海外のものだと綴りが間違っていたりするのはあたりまえ、というか。 後になってパフォーマーに関する情報を集めようしてもろくな手がかりになりません。 そのいいかげんさも大道芸らしい、と言ってしまっていいのでしょうか…。

- 市内のビジネスホテル, 静岡, Thu Nov 1 23:45:50 2001

というわけで、 大道芸ワールドカップin静岡 を観に静岡入りしてます。 早速、写真入り速報ページを 作りましたので、詳しくはそちらをご覧ください。 インライン画像が多いので表示に時間がかかるかと思うので、ご注意ください。 (ちなみに、去年のもまだ残っています。 参考までに。)

今回は、海外からの大掛かりなものに関して、 整備が間に合わずで公演中止になっているものが散見されました。 これも、テロで移動が大変になっているせいでしょーか。
あと、大道芸の客層と演劇・ダンスの客層が住み分けているんだなぁ、 と、実感することがいくつかあって、なんとも…。 Transe Express なんて、あんだけ素晴らしかったんだから、 カーテンコールしてあげなくっちゃ…。

- 弦巻, 東京, Wed Oct 31 0:04:53 2001

去る週末は、喘息気味だったり、 『三茶de大道芸』 を観に行ってたり、呑んだくれてたり、体調崩して寝込んでたり、といろいろあって、 全くもって更新どころじゃなかったのでした…。 遅れ馳せながら、歴史塵捨場に、 Les Cousins, C'est Pas Dommage! @ 世田谷パブリックシアターレヴューと、 『三茶de大道芸』レヴューを載せてあります。

- 弦巻, 東京, Sat Jul 28 0:49:43 2001

で、観てきました、 Les Gens d'R, EchoLa Biennale di VeneziaDance Music and Theater 部門 ですが、ちょうど nouveau cirque な演目が 僕の Venezia 滞在期間に当たった、ということに、ちょっと因縁を感じます。 別に狙って Venezia 行きの日程を決めたわけではありません。 プログラムを知った時点で、迷わず、日本で前売り券を押さえてしまいましたが。

演劇のフェスティヴァルである Avignon Public Off には Cirque BaroqueLes Acrostiches が 参加していたわけですし、 メインの Festival d'Avignon にも CNAC (Centre Nationale des Arts du Cirque. 国立サーカス学校) の La Tribu iOta がプログラムにありましたが。 La Biennale di VeneziaDance Music and Theater 部門 のプログラムにも nouveau cirque な舞台が入っていて、 Europe ではこの手のサーカス的な表現は既に一般的になっている、というか、 ある程度正統性のある舞台芸術の一ジャンルとして受け入れられているんだなぁ、と 感慨深かったです。 そうそう、Avignon で買った Les Inrockuptibles 誌 No. 296 の "Art Scenes" のコーナーで Les Baraques という nouveau cirque のカンパニーが取り上げられて 2ページにわたって紹介されていました。

在日フランス大使館のサイトには 演劇・サーカス のコーナーがあるんですが、そこにある Jean-Michel Guy, Les Arts du Cirque a l'avant garde というエッセーと フランスの主要なグループの紹介の があるのですが、nouveau cirque に関して日本語で纏まった文章は なかなか無いだけに、いろいろ興味深いです。 Avignon Public Off観た Cirque BaroqueLes Acrostiches も紹介されています。 Cirque Baroque「ヌーヴォー・シルクの代表として扱われることが多い。」と紹介されていますし (p. 1)、 Les Acrostiches「アクロバットに重きを置くカンパニー」として最初に名を挙げられています (p. 4)。 こういったトップクラスのカンパニーが、 メインの方ではなく、 自由参加のオフの方に参加して、 メインを食いかねないほど素晴らしい舞台を 観せてくれてしまうところが、Avignon の演劇祭の凄さなのかもしれないですね。

Les Gens d'R, Echo は、 3日前に観た空中芸をメインに構成された Cirque Baroque, Triple Trap非常に素晴らしかった だけに、 ダメさが目に付いてしまいましたが…。 会場の Teatre Verde が とても素晴らしかったので、会場を観にいっただけでも、行った甲斐がありました。 Teatre Verde のある Isola di San Giorgio Maggiore は、 Piazza San Marco の運河向かいにあるんですが、全く別世界でしたね。 僕の Venezia 滞在の一週間前には、ここで、 Rosas, Rain が上演されてたわけですが。そっちもここで観たかったなぁ、と思いましたよ。

Europe は緯度が高い上に夏時間だったせいか、日が暮れるのがとても遅く、 Venezia でも 21h00 頃でもまだそれなりに明るいくらいだったのですが、 Echo の開演時刻の 21h30 には真っ暗になっているんですよね。 野外劇場ということもあって、開演時間の設定がとても絶妙です。 Festival d'Avignon でも、 Cour d'Honneur du Palais des Popes (法王庁の中庭) などの野外の舞台は、開演時間が 22h00。 (Venezia より Avignon の方が若干日没が遅いのです。) 客入れのときはまだ薄明るくて、 暗くなるのに合わせて舞台が始まるって感じで、なかなか良い感じです。 日本だと、野外フェスとかで、日没に合わせて、とかそういう計算は あまりしないような気がします。

で、この日は、ホテルに戻ったら24時前だったのでした。ひー。

- 弦巻, 東京, Mon Jul 16 0:39:36 2001

少しずつ、旅行の話をしていこうと思っているのですが。まずは Avignon の話からでしょうか。

この街では7月に、 Festival d'Avignon という演劇祭が開催されています。 Edinburgh と並んで 世界的に権威のあるとされている演劇祭で、 こちらが、公式というか評価の定まった大物を呼んでいるのに対して、 同じ時期に自発的に自由参加でやっているのが、 Avignon Public Off です。(ちなみに、Edinburgh にも同様の Fringe というのがあります。) 少しは両者は連携しているのかと思っていたのですが、そんなことは全くなし。 Avignon TGV 駅に設けられていた Festival d'Avignon の案内所で Avignon Public Off の案内所の場所を訪ねたら、相手にされませんでした。うみゅー。 Festival d'Avignon は前売券を買っておく必要があるようで、 ホテルの人には「もう今週末のチケットは無いよ」と言われてしまいましたが。 Avignon Public Off は基本的に前売りは無しです。 ほぼ毎日上演しているせいか、満席になることはまずないようです。 案内所で買うことのできる割引パスで、 Public Off に参加している演目の入場料が割り引きになります。 案内所には全体のプログラムや参加カンパニーをチラシが置いてあって、 それらを使って面白そうな舞台を探すことになります。

Le Monde 紙と l'Humanite 紙の 号外を拾ったのですが、 Le Monde 紙が全12面のほとんどをメインの Festival d'Avignon に割いていて Avignon Public Off の話題はたった一面のみなのに対して、 l'Humanite 紙は全4面のうち Avignon Public Off に2面を割いて 二者を対等に扱っていました。さすが、l'Humanite というか。 ちなみに、街中は圧倒的に Avignon Public Off の勢いが強くて、 Festival d'Avignon の方がひっそりとやっている、という印象を受けました。 Festival d'Avignon の Jan Fabre のポスターはそれなりに目立ってましたが。

今回は、Avignon Public Off の方を観ることをメインに考えていたので、 Festival d'Avignon はほとんど眼中になかったのですが、 拾った Festival d'Avignon のプログラムを見ると、 Jan Fabre, Je Suis Sang とか、 Joseph Nadj, Le Temps Du Repli とか、 Cnac, La Tribu iOta (これはサーカス) とか、 Misia (Portugal の new Fado の歌手) のライヴとか、 面白そうなのもあるんですよね。ま、滞在期間中に観られるものでなかったんですが。 Palais des Popes 内に設けられた劇場とか、ハコを観に入っても良いかも、 と思うところもあったり。

ちなみに、古都とはいえ、人口10万程度の街でこんな規模の演劇祭をやっているので、 宿を取るのは大変です。 今回の旅行を具体的に計画しはじめたのは5月に入ってからだったのですが、 フランス政府観光局で紹介してもらった宿に片っ端からメールやファックスをして、 なんとか街の中心の Place de l'Horloge に面したホテルを取ることができました。 ちょうどキャンセル空きが出た直後だった、という感じだったのですが。 後から知ったのですが、実際は、 3月ころから 予約をかけても全滅で、周辺の町から通う という感じのようですね。ひえー、ラッキーでした。

Avignon Public Off へ参加している劇団は自由参加ということもあって、 玉石混交、というか、石も多いという印象は否めませんでしたが。 参加劇団の9割近くは地元 France の劇団なわけですが、そんな中で、 日本からの参加者は健闘していたように思います。 雪竹 太郎ウケていましたし、 珍しいキノコ舞踊団悪くなかったです。 珍しいキノコ舞踊団 がやっていたハコ Le Funambule は 海外のカンパニーの紹介に積極的なハコだったようで、 Vladimir Sorokine を舞台化した Russia の劇団とかもやってました。これ、とても気になったのですが、 時差ぼけで眠いなか言葉の判らない芝居を2時間近く観る気合も無くて パスしてしまいました…。うむー。

って、感じで、自由参加とはいえ、Avignon Public Off の各ハコは、 それぞれに個性を持って運営されているようだったのも印象的。 素晴らしい舞台だった、 Cirque Baroque, Triple Trap のハコ、 Theatre Le Chien Qui Fume なんかは、それなりに定評のあるものを集めてちゃんと制作しているようでしたし。 小さなハコだと、Rhone 川に浮かべたボートに劇場を作りこんでいたり。 客席も30席あるかどうかというくらい。そんなところも楽しかったのですが。

正直に言って、France の劇団の舞台は言葉がほとんど判らないので、 雰囲気を楽しむのが精一杯。一人芝居とかだと、全くお手上げでした。 というわけでレヴューは特に書きません。 音楽的な要素が多いのがけっこうあったのが印象的、というか、 そういうのであれば、それなりに楽しめた、ということでしょうか。 ま、メインの目的はサーカスや大道芸的なものを観ることだったので、良いのですが。 もう少しダンス物も観たかったなぁ、と思いましたが。 実質2日滞在 (9日は月曜のため、休みが多かった。) だったので、 これが限界かしらん、と。

って、Avignon の演劇祭の話で今日はおしまい。続きはまた後日。 ま、旅行の写真集だけ 先行して公開してしまいます。こちらで雰囲気をお楽しみ下さい。 インラインの画像が多くて、いささか重いのでご注意下さい。

- Avignon, Provence, France, Mon Jul 9 6:46:21 2001

Avignon も二日目。今日観た中で一番だったのは、 Cirque BaroqueTriple Trap。サーカスというより、 サーカス的な動きを大きく取り入れたダンス・シアターという趣。 Philippe Decoufle のような映像や舞台装置のギミックは無し。 かなりミニマルな印象を受けました。上品、といえばそうですが、笑いも忘れてないし。 個人的に Decoufle より好きかも。 出発前から期待していた舞台ではあったのですが、期待以上に良かったです。 もちろん、観客席も、皆、スタンディング・オベーション。受けもとても良かったです。 座長の Christian Taguet は日本の大道芸フェスに頻繁に顔を出していますが、 たまにはこういう舞台を日本に持ってきて欲しいものです。しかし、会場の Theatre Le Chien Qui Fume もとても良かったし、これだけのためでも Avignon に来た甲斐があったというものです。
サーカスというと、Les Acrotiches という三人組も観たのですが。 こちらも、高度なアクロバットとジャグリングと歌唱力を生かした 良質なエンターテインメントという感じで、また違った良さがあって楽しかったです。

他にもいろいろ観てますが、必ずしもレベルが高いわけじゃない、というか。 むしろ、日本びいき抜きで、 雪竹 太郎 (Place du Palais にて) や 珍しいキノコ舞踊団 (Place de l'Horloge にて) の方が良いと思うようなことも。日本だと、来日物の方が外れが少ないわけですが、 やはり、日本に来るのは、あるレベルをクリアしているものだということですね。

Avignon の街中は演劇一色、という感じで、 演劇のポスターが至る所に貼られている という状態。 Avignon Public Off のトートバックを持って歩いていると、あちこちで声をかけられてフライヤーを渡されます。 こういうポスターやフライヤーのデザインもピンキリ。 ま、当たり前ではありますが、シャレた演劇ポスターばかりではないんだなぁ、と。 で、ポスターウォッチをしていたら、演劇のポスターに混じって こんなポスターが。 街中が劇場になっているような街で Jeff Mills というのも凄そう、というか、 変な客が沢山集まりそうで、見てみたいような、見たくないような。

- Avignon, Provence, France, Sun Jul 8 8:21:02 2001

新宿西口で 雪竹 太郎観てから7年。 ついに、Avignon の Palais des Papes の前で彼の大道芸を観てしまいました。 France の観客に彼の芸が十分通用しているのが、感慨深かったです。 というわけで、実は Festival d'Avignon を観に、Avignon, Provence, France に来ています。実際はメインではなく、 Avignon Public Off の方を観ているのですが。着いて、Palais des Papes の前の案内所でパンフレットを貰い、 前の広場の階段でパンフレットを見ていたら、前で Commedia dell'Arte が始まったり。 初日は日本勢の応援、ということでもないですが、 去年の麻布十番 Deluxe での初演が話題になった 珍しいキノコ舞踊団 (Strange Kinoko Dance Company) 『フリル (ミニ)』 (Frill (Mini)) も観てしまいました。 時差ぼけ気味で少々眠かったのですが、楽しめましたよ。 他にもいろいろ観ていますが、時差ぼけで眠いし、また後ほど。

Paris Charles de Gaulle 駅で、駅の案内と実際に到着した列車の編成が異なっていて、 大きな荷物を持った休暇に向かう客がホームの上を右往左往して走り回る、 という、Jacques Tati の映画さながらの状態を体験してしまうなど、 旅のネタも無いわけじゃないですが。 ま、今晩はとりあえずこの程度で。

- 弦巻, 東京, Sun May 27 23:00:51 2001

土曜は風邪薬をドーピングしつつ、芝居をハシゴ。 まずは、バチカンブラザーズ 『バチカン4 五がつ場所』 @ Studio St. GIGA, 竹芝去年の三茶大道芸の後、 正月の公演を 観たので、もういいか、と思っていたところもあったのですが、スペシャルゲストが、 KERA だということで。歌う KERA を久しぶりに観たような気がしますが。 『薔薇と大砲 ― フリドニア日記#2』での歌 (Nino Lota の曲に たま が詞を付けたらしい) を歌ってました。 丸くなりましたね〜、体型が…。


その後、青山に流れて、 『フラミニアの誘惑 あるいは 恋はルナティコ』 (Teatro del Vicolo / Famiglia d'Arte Fava-Buccino, La Flaminia Rapita ovvero L'Amor Lunatico) @ 青山円形劇場Commedia dell' Arte は、サーカスや 大道芸の ルーツの一つとして知られている即興喜劇ですが、 ダンスを観てても影響があるのかなと思うときがあり、 2年前に Piccolo Teatre di Piccolo が 来日したときに観ておけば良かった、と後悔していたのでした。

いやー、所々の日本語、英語のセリフ以外は全くわからなかったですが、 とっても面白かったですよ。 確かに、セリフやストーリーにほとんど依存しないパフォーマンスですね。 日本での相当物がぱっと思いつかないんですが…。 狂言と対比されることが多いように思いますが、 役者が代わる代わる楽器を演奏したりしますし、ちゃんと観たことないのですが、 太神楽 の茶番芝居なども近いのではないかなぁ、と思ったり。 軽業、曲芸的な面は少なめですが、大道芸のルーツ、というのは納得です。 客との即興的なやりとり、という点では、言葉の壁は大きかったように思いますが、 偶然、最前列中央にフランス人カップルが座っていて、 どこから来たのかと英語で尋ねて、フランスからと判るや、 フランス語で掛け合いを始めたりしていました。 こういう所は、日本で欧米の大道芸人が客弄りをするときに 金髪碧眼系の客を弄りがち、というのに近いとは思いましたが。 ま、やむを得ないというところでしょうか。 舞台は、能舞台みたいな感じに作られていて、 舞台上に舞台を仮設するというようなものではなかったですが。

それから、横浜 Jazz プロムナード観た Carlo Actis Dato Quartet のステージが、この Commedia dell'Arte を踏まえたものだった、 ということに気付きました。 ちなみに、このステージでは、Carlo Actis Dato は Pantalone の、 Piero Ponzo は Zanni (Bagatino) の格好をしていたのでした。 (Pantalone、Zanni (Bagatino) は、Commedia dell'Arte のストック・キャラクター。) 彼らの初期の 作品を集めた編集盤のジャケットも、あの仮面を被った姿は、 クラウン (道化) というより、 そのルーツの Commedia dell'Arte の登場人物じゃないですか。 なるほどー。しかし、Dato と Commedia dell'Arte の関係って、 少なくとも日本ではほとんど紹介されていないように思います。 検索をしてみると、欧州では、 C'est la Comedia dell' Arte du jazz とか言われてたりもしているみたいですね。というか、 自身による 紹介ページのイタリア語版では Commedia dell'Arte に言及していることに 気付きました。うむー。 地元では、客も、そういうのを踏まえた上でウケているんでしょうね。

というわけで、こういうのを知っていると、欧州発の音楽やパフォーマンスを観る際に、 面白さが全然違うんだろうなぁ、と痛感しました。 そういう意味で、そういう方面に興味がある人なら教養として観ておいて損はないと思います。 しかし、そんなこと抜きにして、素で充分に楽しめる芸というかパフォーマンスです。 って、もう、今回の日本公演は終わってしまったんですよね…。うむ。

- 弦巻, 東京, Mon Apr 23 0:47:43 2001

この週末は、野毛大道芸。 正直に言って、土曜日は寒い雨の日になってしまい、 桜木町から野毛商店街に向かうまでは かなりくじけ気味だったのですが。去年は病欠したとはいえ、ほぼ きているし、静岡にも てるだけに、 一度は観たことがある芸人さんが多いということもあって、 悪天候の中でまで観たくない、ということもあったりしたのですが。
そんな気分をふっ飛ばしてくれたのが、特別企画 綱渡りの一環として After Cloudy Company が招聘した韓国無形文化財チュルタギ保存会による綱渡り。 音楽が生演奏だった、というのも良かったし、綱渡りの技自体が凄かったです。 上でジャグリングとかするわけでなく、ステップだけでみせてくれました。
しかし、今回の大道芸で一番ツボにはまったのは、江戸太神楽。5年前から 鏡味小仙社中 が出演していたそうですが、チェック甘かったですねー。 土曜日に観たときは雨が振り出したくらいの頃で、囃子に三味線は無かったし、 演目も省略されたものもあったりしましたが。 とっても面白くて、日曜日に改めて観直してしまったくらい。 日曜は三味線も出てたし、小刀の曲撥とかもやってました。 いやー、江戸のサーカスですね、これは。全演目を観て見たいです。
土曜は雨が寒いし雨が強くなってくるし、ということで、 後半はみなとみらい21のランドマークプラザやクイーンズスクエアの屋内ステージに 流れたのですが、もはや気分が乗らなくて、遠巻きに観る程度でした。

で、土曜の晩は、東京に戻って Rock'n'Netter Party の10周年の同窓会的な宴会。 終電まで呑んだくれてました。

そんなこともあって、日曜は動き出すのが遅くなってしまい、 野毛商店街に着いたのは14時過ぎ。土曜とうってかわって凄い人出ということもあり、 流し気味に、気になっていたものの、土曜日に雨で観られなかったものを落穂拾い。 上條 充江戸糸あやつり人形を観て、改めて日曜に来て良かった、と思いました。 この界隈は全く疎いので、ちょっと検索をかけてみたのですが、 この人、元結城座の人なのですね。 って、検索していたら、灰野 敬二 が音楽をやった 『アンチェイン・マイ・ハート』 (シアタートラム, 1999) の公演の様子を紹介するページに辿りついてしまいました。 うむー、奥が深いぞ。

- 弦巻, 東京, Sun Jan 7 0:55:01 2001

土曜日は、昼には家を出て吉祥寺へ。 Star Pine's Cafe で、 『バチカンブラザーズの祝・新世紀・初春特別興業』 を観てきました。 去年、三茶 de 大道芸で観て 楽しかったので、 普段はどのような舞台をやっているのか覗きに行ってきたわけですが。 覗きに、といっても、いつも Star Pine's Cafe で ライヴを 観るとき のように、最前列ほぼ中央に座っていたんですが。 って、いつもこのハコで観ているものと、かなり毛色が違うわけですが…。 こういうハコでのパフォーマンスでも大道芸のときとあまり変わらなかった、 という印象を受けたのは、最前列に座ってしまったということもあって、 マジックやジャグリングのパフォーマンスの際に、 何回かステージに引出されてしまったからかもしれません。 4人でやる空気椅子もやってしまいました。 三茶 de 大道芸 と同じネタもあったわけで、展開が読めないわけじゃないんですが、 微妙にタイミングというか間合いが違うんだなぁ、と、 爆弾ネタで舞台に引き上げられたときに痛感しました。 って、思ったようなリアクションができなかった言い訳をしてみたり。 ステージの後ろにけっこう笑える映像を投影してのパフォーマンスもあったわけで、 必ずしも大道芸でやっていることばかりではなかったし、 Steve Eto のソロのコーナー (意外にユーモラスでした。グラインダの金属音と火花も ポップに使われていたのが、興味深かったです。) もあったし、 特別ゲストの 吉田 日出子 のコーナーもあったし、それも楽しめましたが。

去年も、年始早々、 クイーンズスクエアで David Claypatch の大道芸を 楽しませてもらったわけですが。 今年も、大道芸ではないですが、このバチカンブラザーズで楽しませてもらいました。 年の頭にちょっとおめでたい感じがして良いですね。

- 弦巻, 東京, Sat Dec 16 22:54:55 2000

土曜は、浅草に行って、 江戸前天丼まさる で、天丼を食べてきました。美味しかった〜。
じゃない。浅草公会堂で、先日の『ダンス・セレクション 2000』で 気になったCAGR (Choreography Art Gymnastics Rockets)『オペラ・ドゥ・サーカス 002 「太陽の第九」』 を観てきました。感想は…。先週、 Dumb Type 『memorandum』 @ 新国立劇場小劇場 を観たとき、 出演者の動きが悪くてダメと言っていたわけですが、 いくら出演者の動きが良くても、それだけでは全然ダメだと痛感しました…。 これなら、動きが悪くても Dumb Type の方がマシです。うむー。 比べものにもならないように思いますが、こういうのと比べてしまうと、 Philippe Decoufle って 舞台の演出が、ほんとに巧いんですねー。うむー。 演出抜きに観れば、よりも、 ダンス的な動きも良くなってましたし。 夏のドイツ公演の際にフランスのサーカス学校に入学したということで、 その成果と思われるロープやティッシュを使った空中芸や ホイールを使った技なども観せてくれましたが、 確かに、Fura とかと比べてしまうとまだまだ (特に、キメのポーズが流れがち) とはいえ、今後に期待したいとことがあるんですが。 それ以外の演出というか舞台の構成の仕方がもう…。 変な演出が無かった『ダンス・セレクション 2000』のときの方が 良いところだけ凝縮されていてマシでした。 (「歓喜の歌」の) 「第九」をネタに持ってきている所で いやな予感がしていたのですが、なんか、それ以前のレベルのように感じました。 だいたい、いろいろ生演奏が出てくるんですが、 ダンスと全く噛み合ってなかったです。 一緒にやらなくてもいいのでは、と思いましたし、 もっと悪いとこには、歌っている Awaji たちの方が主役で、 CAGR は脇役で花を添えるようなダンサーみたいに感じるようなところも。 これで、歌の方が良いというのであれば、まだマシなのかもしれないですが…。 あれだけ動ける人たちってそうそういないし、アクロバット的なものから ダンス的、サーカス的な身体表現へと動きの幅を広げてきているみたいだし。 これで、まともな演出・制作を付けるだけで大化けしそうだと思うんですが…。 ああ、なんとかならないのかなー、と観ながらタメイキをついてしまった、 そんな舞台でした…。

嶋田 TFJ 丈裕 <tfj(at)kt.rim.or.jp>
- 弦巻, 東京, Sun Nov 19 22:57:17 2000

先日紹介した 『サーカスと革命 ― 道化師ラザレンコの生涯』 (平凡社, ISBN4-582-37306-2, 1990) についてですが、その著者の 大島 幹雄 のサイト 『デラシネ通信』 を、 フィリップ・ドゥクフレML で教えてもらいました。 今年の8月末くらいに始まったばかりのサイトのようで、今後の更新に期待したいです。 しかし、このサイトで、この著者が、 After Cloudy Company の人だと気付きました。本の著者紹介にちゃんと書いてあったですけどね…。
そういえば、 After Cloudy Company の企画で来年秋にまた来日公演する予定があるという France の3人組、 Les Cousins のサイトもあるんですね。

ついでに、大道芸に関するサイトをもう一つ。 昔に一度見つけて、見失ってしまっていたサイト 遊民社通信 を再発見。といっても、すでに更新は止まってしまっていますが。 新宿東口の規制を巡る状況についての 記事とか。
この記事にも 出てきますが、今、活躍している日本の大道芸人って、 1989-91年の3年間だけ開校していた クラウンカレッジ・ジャパン 出身の人が 目立つような気がします。 『Plan B コメディナイト』 の座長ともいえる存在で、ここのところ続けて 『大道芸ワールドカップ in 静岡』 に Japan Cup 入賞している 三雲 いおり とか。 僕が知る限り、小出 直樹Booly Oooly Company もそうです。 1970年代に興った nouveau cirque とサーカスの教育機関の関係は よく指摘されるわけですが。 似たような話で、1990年代に入って日本において大道芸フェスティヴァルが あちこちで開催されるようになっている、ということには、 それらのフェスティバルに出場する日本人芸人を供給した、という点で、 クラウンカレッジ・ジャパン の存在というのも少なからず影響しているのかもしれない、と、思ったりしました。 誰か、このクラウンカレッジ・ジャパンのドキュメンタリーを書いてないのかしらん。

嶋田 TFJ 丈裕 <tfj(at)kt.rim.or.jp>
- 職場だけど休憩時間中, Sat Nov 11 13:53:50 2000

大島 幹雄 『サーカスと革命 ― 道化師ラザレンコの生涯』 (平凡社, ISBN4-582-37306-2, 1990)、面白かったです。くー。 1910〜20年代にロシアで活躍し Vladimir Mayakovsky や Vsevolod Meierhold ら Avant-Garde なアーティストたちと協働した 「赤い道化師」Vitaly Lazarenko の伝記なのですが。

まず、こういう攻撃的キャラクターの道化師で思い出したのが、 Russia の映画監督 Boris Barnet が「雪解け」直後に作った 『レスラーと道化師』 (The Wrestler and the Clown, 1957)。 Avant-Garde 期から活動し Stalin 時代は不遇だった Barnet の頭の中に あの批評精神溢れる道化師のモデルとして Lazarenko があったのは確かでしょう。 しかし、Lazarenko が Mayakovsky と共同で作り上げた有名なレパートリーに、 『階級闘争世界レスリング選手権』 (1920) (く〜 (悶)。こういうネタ、ツボかも。) というのが あるそうで、こういうレスリング・ネタも、『レスラーと道化師』を連想させます。

それから、『美術と演劇 ロシア・アヴァンギャルドと舞台芸術 1900-1930』展を 観て以来、大変に気になっている、 青シャツ劇場 (Blue Blouse Theatre) も、Lazarenko と関係あったのですね。 青シャツ劇場の舞台を捉えた写真を観ると、サーカス的要素、 特にアクロバットやクラウンからの影響が見えますからねー。 く〜、やっぱりそうだったのか〜、という感じです。

ところで、Lazarenko のような道化師が登場した背景としては、

一九二〇年代はじめには、革命ロシアのなかで <サーカス・ルネサンス>とも呼べるような、 サーカスを再評価し、さらにサーカスをばねに表現の拡大をめざす運動が、 ダイナミックに展開されていたのだ。

とこの本のプロローグにある (p.11) わけですが。 その運動の背景には、この本に出てくるアジ・サーカス団のエピソードにあるように、 大衆をアジテーションする存在として革命政権側がサーカスを必要とした、 という面も確かにあると思います。 ま、それは、Russian Avant-Garde な芸術運動全体に言えることだとも思いますが。
しかし、この本の「サーカスとアヴァンギャルド」という節 (p.159) でも 触れられているように、Russian Avant-Garde に Lazarenko がいたように、 Paris の Avant-Garde には、Fratellini Brothers がいたんですよね。 ちょっと長めに引用すると:

同じころ、パリでもアヴァンギャルド芸術家たちがサーカスに熱中していた。 フラテリーニ三兄弟が活躍していたメドラノ・サーカスには、 ピカソ、コクトーたちが集まっていた。 『道化 ― つまずきの現象学』のなかでバルレーヴェンは、 パリのアヴァンギャルドとサーカスの結びつきについて書いている。 「一九二〇年代パリのメドラノ・サーカスは、 …知識人たちの合流点のおもむきを呈していた。 その愛嬌ぶり、フラテリーニ兄弟の<イタリア気質>は、 かつてないほど頻繁に模倣された。 コメディ・フランセ―ズさえも、うやうやしく招待を申し入れ、 演劇のアヴァンギャルドは、フラテリーニ兄弟を、演劇の無限の可能性の証明と見た。 ジャン・コクトーは、一瞬またたく間に掻き消えたと思うまに、 また繰り広げられる彼らの魅力に惹かれ、 自分の奇怪笑劇『屋根の上の牛』で、彼らを、うってつけの機械人形に使った。」

革命ロシアの政治的状況だけが背景じゃないと思われるだけに、 もっと広く 20世紀初頭 Avant-Garde とサーカスの関係について知りたくなってしまいました。 佐藤 康 「中世演劇覚え書き」 というページある「1920年代サーカス」という項目が気になります。うむ。
実際のところ、Paris-Moscou (Centre Georges Pompidou / Gallimard, ISBN2-07-011225-0, 1991) (レヴュー) のページを繰っても、Vitaly Lazarenko の名も、Fratellini Bros. の名も 出てこないんですよね…。Blue Blouse Theatre も出てこないし…。 なかなか、ここらをちゃんと取り上げてくれている本が無いんですよねー。 いい本を知っていたら、教えてください。

そうそう、Philippe Decoufle (レヴュー) が、 インタヴューで、 「Annie Fratellini に影響を受けた」と言っているのですが。 この Annie Fratellini は、Fratellini Bros. の Paul Fratellini の孫娘です (参考)。
って、実は、先日のフィリップ・ドゥクフレMLのオフライン・ミーティングで Decoufle が Annie Fratellini から影響受けたという話を教えてもらったのですが、 そのときに、Annie Fratellini と Fratellini Bros. は関係あるのかどうか、 と尋ねられて、僕もちょっと気になっていたのでした。

その話が出たときにも、サーカスや大道芸の界隈で参考になる本が少ない、 という話になったのですが。実際、書店や図書館に行ってもなかなか これといった本が見当たらないですし。 ジャンルがジャンルだけに、本として記録されづらかったという経緯も あるんでしょうが。 上の『サーカスと革命 ― 道化師ラザレンコの生涯』からの引用で出てくる、 C. V. パルレーヴェン 『道化 ― つまずきの現象学』 (法政大学出版会, 1986; Constantine V. Barloewen, Clown: Zur Phaenomonologie des Stolperns, 1981) とか、やはり参考文献で挙がっている、 P. ブーイサック 『サーカス ― アクロバットと動物芸の記号論』 (せりか書房, 1977; Paul Bouissac, Circus and Culture: A Semiotic Approach, 1976) とか気になるところですが。 サーカスや大道芸からもうちょっと視野を広げて、 和書で何か参考となる文献とか無いかなー、と検索していたら、 橋本 裕之 「芸能を記述する」 という講義シラバスを発見。このテキストと参考文献の一覧は、けっこう使えそうかも。 全部読むつもりはないですが…。

話はちょっと、Philippe Decoufle & Compagnie D.C.A. に戻りますが、 先日の Triton (2ter) の公演について、 こんな感想 を書いている人がいます。で、 「何をやってもうまくいかない人から、何をやってもうまくいく人に変身を遂げた点」 に凄く注目しているわけですが、これは、Triton (2ter) が特に凄いというわけでなく、 クラウン (道化) の基本、というか、 大道芸においても芸人が観客の関心を惹くための常套手段だったりします。 ここでは、そういうことを知らないことがダメという話ではなくて。 実際、僕も観ているときは、この手の駆け引きを楽しんではいるんですが、 やはり見慣れてしまい、レヴューのように 「クラウン芸」の一言で済ますようになってしまってたりするだけに、 こうやって新鮮に受け止めている人を見ると、羨ましいなぁ、と思ったり。 ちなみに、この Triton (2ter) の感想で言及されている 腹芸をしたクラウン Didier Andre は、確かに上手いと思いましたが。 Andre はあの Cirque O でジャグラーをやってた人なんですよね (参考)。 Cirque O と Philippe Decoufle って、 指向がちょっと違うように感じるので、それを知ったときは意外でした。 ちなみに、Cirque O は既に解散しているのですが、そのドキュメンタリー映画 『ミドル・オヴ・ザ・モーメント』 (Nicolas Humbert & Werner Penzel (dir.), Middle Of The Moment, 1995) がお勧めでしょうか。ちなみに、サウンドトラックは、 Fred Frith

サーカスや大道芸に関する情報はやはり少ないわけですが、 そんな中でも手がかりを、というわけで、日本のサイトをいくつか紹介。 最も充実しているのは、 見世物広場 でしょうか。特に文献リストはかなり参考になりそうです。 Going One Way は、ジャグリングにいささか特化したサイトではありますが、 ジャグリング関連リンク での、日本の芸人へのリンクは非常に充実しています。 小出 直樹つぶつぶオレンジ のサイトが〜。 アパッチ の本名って 荒木 芳彦 って言うのですね。 静岡の写真集で紹介した Booly Oooly Company のサイトもあるんですねー。ふむふむ。 とにかく、大道芸って情報が少ないので、こういう芸人のサイトがあると いろいろ助かります。

日本でサーカスや大道芸に関するイヴェントを制作している会社に After Cloudy Company というのがあって、特に、ここが手がける 『Plan B コメディナイト』 は日本の大道芸人が出ているので以前から気になっていた (特に今年三月の ダメじゃん小出 『一人決起集会ライブ「ふりにげ」』の見逃しは痛恨。) のですが。 ここも、サイトを持っていたのですね。ふうむ。
今月末に観に行くつもりStudio Azzurro + Compagnia di Roberto Castello, Il Fuoco L'Acqua L'Ombra日本公演 も、ここがらみだということに、いまさら気付きました。うむー。 Studio Azzurro (レヴュー) って、 ICCっぽい マルチメディア・パフォーマンスという点でも、 続いて来月頭に観る予定Dumb Type 『memorandum』 に近いという印象があって、同じようなのが続くなー、と思っていたのですが。 で、大道芸から Studio Azzurro や Dumb Type って我ながら落差あるなー、と 思っていたんですけど、こういうつながりがあったとは…。

そういえば、 『大道芸ワールドカップ in 静岡 2000』 (レヴュー写真集) の World Cupt と Japan Cup が発表になっていますね。うむー。そうですか…。 例年のことですか、自分が面白がっているのとかなり違うなー、という印象が…。

嶋田 TFJ 丈裕 <tfj(at)kt.rim.or.jp>
- 弦巻, 東京, Sun Nov 5 0:33:08 2000

久しぶりです、田中さん。田中さんは、静岡出身でしたか。
今日は観客として観ていた芸人さんと話しをする機会があったのですが。 『大道芸ワールドカップ in 静岡』 は、企画運営に大手広告代理店出身の人がけっこういて、 最初からショービジネスとして成功するよう充分な準備期間を設けて始めており、 何も無いところから草の根的に始まった 野毛大道芸 とはかなり雰囲気が違う、という感じの話をその人から聞きました。 確かに、良くも悪くも、静岡は運営もかなり組織立って運営されていると思いますし、 このように大規模にやるのであれば、そのくらい徹底して割り切ったほうが良い のかもしれない、と思うところもありますが。
ちなみに、話をした芸人さんは、去年まで4回続けて出場していたそうですが、 今年は声がかからなかったので、観客として来たそうです。 なんでも、出場を希望する芸人が多くなってきて、 出場するのが難しくなっているそうです。 ゲリラ的に無許可でパフォーマンスをやっている芸人たちもそれなりいるそうですが、 そういう芸人たちに対しては、かなり厳しい取り締まりが行われている、 という話も聞きました。うむー。 ま、そうでなくても人出が多くて大変なことになってますから、 いたしかたないとは思いますが。

そうそう、こういう大規模なフェスティヴァルとなると、 出番ではない出場している芸人はもちろん、 出場していない芸人を観客の中にみかけることもよくあります。 芸を盗みにきている、という面もあるのでしょうか。 先日の 『三茶de大道芸』 (写真集レヴュー) に出場していた、Abovo の男の方はあの長身に赤毛がかなり目立ってました。

という感じで、今年も二泊三日ということで、最終日を待たずに帰ってきました。 デジタル・カメラの充電を忘れてしまい、3日目はあまり撮れなかったのですが、 画像付きの速報を更新してあります。 フィルムで撮影したものもありますので、 後でもっと画像を充実させようかと思っています。 レヴューについてもまた後で。今晩は、もう休みます。

嶋田 TFJ 丈裕 <tfj(at)kt.rim.or.jp>
- 静岡市内, Fri Nov 3 23:26:15 2000

『大道芸ワールドカップ in 静岡』 は2日目。はっきりしない天気だったのですが、それでも午後は凄い人出でした。 駿府公園で朝から観ていたのですが、ここは一日腰を据える覚悟の客も多く、 午後に入ってからは人垣でまともに演技が見られないような状態。 青葉通り方面に流れるも、そちらも激しい陣取り合戦でした。ひえー。 今までは晩は商店街でのみだったのですが、今年は駿府公園でも演技あり。 というわけで、日暮れとともに駿府公園に移動したら、 比較的空いて、かなり楽しめました。ラッキー。 さっそく、画像付き速報を更新しました。

しかし、僕のデジタル・カメラは古いこともあって、 シャッターのレスポンスが悪くて、決定的な瞬間がなかなか撮れません。 電池のもちも悪いうえ、電源を入れてから撮影可能になるまでに時間がかかるし。 撮影していていらいらすることしきりです。うむー。 確かに、なかなか観られない海外の芸人を優先的に観てきていますが、 観ていても撮影していないためにここでは 挙げられていない芸人もいます。そうそう、怪我をした アパッチ も観ましたよ。 『三茶de大道芸』 (写真集レヴュー) と同じ内容でしたが、 怪我を感じさせない演技でしたよ。

大道芸の醍醐味の一つは、芸人の客弄りというか、芸人に弄られることなのですが、 今日は2回も弄られてしまいました。一回目は、昨日も観た The Primitive 。 引き出されて記念撮影 (?) の後、にんじんを貰ってしまいました。 二回目は、Nestor The Butler 。眼鏡を取られて、磨かれてしまいましたよ。

嶋田 TFJ 丈裕 <tfj(at)kt.rim.or.jp>
- 静岡市内, Thu Nov 2 22:23:09 2000

夕方のTVニュースで知ったのですが、結局、初日の 『大道芸ワールドカップ in 静岡』 は、全面的に中止となったそうです。 今晩のナイトステージはありませんでした。しくしく。 1992年の第一回以来、全面的な中止は初めてのことだそうです。うむ。 18時頃には雨あがっていたのですが、またいつ降り出すかわからなかったですし。 全面的な中止を決めたのはまだ雨が強かった15時半なのですが、 交通規制をどうするか、という問題もあるので、仕方ないでしょうか。 ま、静岡に来るといつも朝から晩まで芸を追いかけて走り回っているわけで、 こうしたゆっくりとした晩を過ごすのも、悪くはないかな。
明日は天気が快復するということなので、朝10時過ぎから晩22時近くまで、 大道芸三昧の一日を過ごしたいものです。

というわけで、夕方に書き忘れた小ネタを少々。 今日、朝10時頃に静岡入りしたわけですが、付いたときはまだ準備中状態。 そんな会場をふらふら歩いていると、準備をしている芸人の姿がちらほら。 そういう様子を観るのも興味深かったです。 青葉通りでみかけた 雪竹 太郎 (レヴュー) は、 ウォーミングアップ(?)としてバレエの型をやっていました。 見た目は舞踏っぽいんですけど基本的なところにバレエがあるのかしらん、と。 駿府公園では普段着姿の Strange Fruit レヴュー) の面々が、 地上で動きの最終確認しているところを見かけてしまいました。 やはり、駿府公園のステージでは、アパッチ が ステージの最終チェックをしていました。しかし、アパッチは、先日の 『三茶de大道芸』 (レヴュー) で、左手小指を負傷していたんですね。うむー。

嶋田 TFJ 丈裕 <tfj(at)kt.rim.or.jp>
- 弦巻, 東京, Thu Oct 26 23:58:29 2000

Philippe Decoufle & Compagnie D.C.A., Triton (2ter) の日本公演 (レヴュー。 も一つ、関連するレヴュー) に合わせて、 フィリップ・ドゥクフレML なるメーリング・リストができて、縁があって僕も参加しているのですが。 この週末に世田谷パブリックシアターに公演を観に来る人たちに、是非とも 『三茶de大道芸』 を楽しんでいって欲しいと思い、つい、長めの記事を投稿してしまいました。 しかし、せっかく書いたので、 この談話室の方に、少し原稿に手を入れたものを載せておきます。 都内の比較的便利な場所での大道芸フェスティヴァルですし、 行こうと思うきっかけになれば、嬉しいです。

まず、初めて大道芸フェスティヴァルへ行こうという人向けの、 一般的なコメントから。
フェスティヴァルでは、観たい芸人をあらかじめ絞って観ることをお勧めします。 人出が多いですから、ぶらぶら観ていると、人垣を見るだけで終わってしまいます。 ま、そういうお祭りの雰囲気を楽しむのも一興ですが。 フェスティヴァルでは、たいてい、芸人が出てくるステージが設定されており、 タイムテーブルも決まっています。 先にステージの配置やタイムテーブルに関する情報を入手すると良いでしょう。 各芸人さんは一日一回きりとかではなく、何回か出演するので、 早めに入手しておいた方が後悔は少ないと思いますが、 会場に付いてから地図やタイムテーブルを入手しても遅くはないと思います。
ジャグラーやクラウン芸の場合は、さほどネタにバリエーションは無いので、 フェスティヴァル中は一回観れば充分なように思いますが。 サーカス系のアクロバット芸、空中芸などでは、 毎回同じものをせず、演目を変えてくることが多いです。 一回観たら充分というわけではない場合もあるので、注意しましょう。

続いて、今年の 『三茶de大道芸』 に関してですが。
ウェブでは公開されていませんが、既にタイムテーブルが発表になっています (といっても、タイムテーブルを打ち込むのは大変なのでしません)。 芸人紹介と地図、タイムテーブルが載った、無料の黄色い冊子があるので、 それを入手することをお勧めします。 既に、パブリック・シアター内の パンフレット置き場に置いてありました。 世田谷文化生活情報センター (キャロットタワー (パブリックシアターの入っている建物) 3F) などでも手に入るかと思います。 当日はキャロットタワーのプラザ (シアタートラムや世田谷線乗場の前の広場) に アートタウン本部ができるようなので、そこに行けば確実に入手できると思います。 12時には大道芸が始まるので、当日11時半頃にはこのパンフレットを入手して その日の自分のスケジュールを考えた方が、後悔は少ないかもしれません。

観たい芸人をあらかじめ絞って観る、といっても、 予備知識が無いとそれも困難かと思いますので、 最後に、僕のお勧めの/気になる芸人を、コメント付きで紹介します。

Caroline & Christian
Christian Taguet は、France の Cirque Baroque の団長でジャグラー。綱渡りと火吹きが決め技。 日本の大道芸フェスにも何回か単独で来てますね。 僕はたしか野毛で一度観たことあります。 といっても、今回は、女性の空中芸 Caroline との競演なので、 またちょっと雰囲気が違うかな、と。

Abovo
富田 綾子 (ex-自由劇場) がフランスのサーカス学校で結成した、Pierre Yves とのコンビ。 空中芸を含むアクロバットとジャグリングというのは、 Caroline & Christian と同じなので、比較して観ると面白いかも。 ex-自由劇場 関係では、山本 愛子 が、この『三茶 de 大道芸』中、 烏山川緑道で『TETE芝居小道具市』というものをやるみたいです。

Caroline & Christian と Abovo の2つは、 Philippe Decoufle & Compagnie D.C.A., Triton (2ter) と共通する点も多いので、 Triton (2ter) を観に行く人は、その比較で観ると面白いかもしれません。 しかし、下手すると、Triton (2ter) が負けてしまうかも (笑)。

Berenise Levy
France の女性ジャグラーだそうです。女性のジャグラーって、珍しいです。 観たことないですが、 Festival d'Avignon (たぶんオフの方) に出演したこともあるそうなので、ちょっと期待。しかし、言葉の方は大丈夫かしらん?

中国雑技団
ここでは2組に分かれて出るようですね。 野毛で散々観てきている 中国雑技ですが、ヨーロッパのサーカス (シルク) のテイストと違って 面白いです。パンフレットによると男女で2組に分かれているような感じですが、 男の方の壺のバランス芸 (関連するレヴュー) の方が面白そうです (というか、僕の好みです)。

アパッチ
元上海雑技団の日本人芸人。 横浜みなとみらいの クイーンズスクエアとかに行けば、 フェスティヴァルじゃなくても彼の大道芸が観られますが。 去年の静岡で初めて観ましたが、 自転車芸をはじめ技がとても安定して上手いです。 今回の日本の芸人の中では、一番ハズす確率が低いように思います。

アフリカン・ソゲ (African Soge (?))
よく知らないのですが、アフリカ6ヶ国から集まった percussion 奏者グループ。 Guinea, Ghana 等ということなので、西アフリカ方面なのでしょうか。 だったら、djambe や sabar あたりを叩くのではないかと。 ちなみに、去年の秋にちょっとハマッていた (関連するレヴュー 1, 2) わけですが、 この手の音はCDとかで聴いても体への響きが違うので、生でぜひ。 といっても、サーカスや雑技のような大道芸とはちょっと違いますが、

おまけで、参考までに、歴史塵捨場にある、 大道芸フェスティヴァル関係のレヴューの一覧を。