→ 関連情報:「予知最前線:東海地震 島村英紀・北大教授、大震法に疑問」(毎日新聞のページ)
「噴火を防ぐことはできないが,被害を防ぎ,減らすことはできる.富士山と共に生きるため,まずできることは,学び,知ることです」(本文p.46;太字は東宮による)この言葉は,「富士山」を例えば「浅間山」など別の火山に置き換えても全くそのまま通ずる真理であろう.また,噴火に限らず,地震・台風などほとんどの自然災害(地学現象)について,同様のことが言えると思う.
関連サイト:
・茨城王 〜本書の元になった青木氏のページ
・マックスコーヒーについて 〜利根コカ・コーラボトリングのページ
注:「マックスコーヒー」とは,千葉県・茨城県限定販売の人気(笑)コーヒーである(後に栃木県でも販売される).両県で子供時代を過ごした者は誰もが「マックスコーヒー」の洗礼を受けたに違いない.:-)
ストーリーについてはここでは深く立ち入らないが,500ページ近い分量にも関わらず,ぐいぐいと読者を引き込んで一気に読ませる筆力は実に優れたものである.地震によって引き起こされる様々な災害の描写も(現実に起こるかどうかはともかく?)臨場感溢れるものであった.また,著者の博識ぶりとともに,痛烈な社会批判も前作同様に炸裂している.国の中枢を担う方々にとっては,ちと耳に痛い話かも.(^^;
ここに描かれる災害は,地震国(というか自然災害のデパートともいうべき)日本に住む誰もにとって,他人事で済まされないものである.本書の刊行の翌日 (10/23) に新潟中越地方を襲った地震災害(最大震度7)を見れば,それは明らかであろう.
→「震災列島」について(Amazon.co.jpのページ.著者からのコメントも見られます!)
→関連図書:「死都日本」(石黒耀著)
「円紫師匠と私」シリーズ一覧:
1.空飛ぶ馬
2.夜の蝉
3.秋の花
4.六の宮の姫君
5.朝霧(=本作)
参考:
出版業界にまつわる問題については右の書がお勧め:「誰が「本」を殺すのか 上・下」(佐野眞一著)
リドル・ストーリーについては右をどうぞ:「謎のギャラリー 名作博 本館」(北村薫著)