運営しているメーリングリストの内容を、他のメーリングリストのメンバーにも読んでほしいとばかりにそのメーリングリストのアドレスを登録すれば効率的と考え勝ちです。しかし、それはメーリングリストのシステムやメールサーバーにトラブルを引き起こす危険をもたらすため好ましくありません。
たとえば、AというメーリングリストにBというメーリングリストのアドレスを登録したとします。Aから送信されたメールはBにも配信され、Bの登録アドレス全員にも送られます。一方、Bからメールが送信されたときはBに登録されているアドレスに配送され、さらにAにも配送されます。Aに配送されれば再びそのメールはBのアドレスにも配送されます。すると、再びそのメールはBの登録アドレスに配送され、その結果Bの登録アドレスには同じメールを2通受け取ります。
もし、AとBのメーリングリストのメールを相互にやりとりできればと考えてAにはBのアドレスを、そしてBにはAのアドレスを登録したらどうなるでしょう。Aからメールが送信されるとBに配送され、BのメールはAに配送し再びAはBに同じメールを配送します。その結果、AとBの間で永久にメールを配送し他の登録アドレスにも同じメールを送り続ける歯止めのかからない事態となります。これをループメールといい、メールサーバーに負担をかける原因となります。メーリングリスト管理ソフトではループメールを抑止する機能が含まれていますが、万一ループメールを招けばメーリングリストの利用者に多大な迷惑をかけます。
このように、メーリングリストのアドレスに別のメーリングリストのアドレスを登録することは大変危険であり、絶対にしないのが望ましいです。
また、管理におけるセキュリティでも問題があります。他のメーリングリストのアドレスを登録すると、登録されたメーリングリストにどんなアドレスが含まれているのか把握できません。したがって、たとえば登録された別のメーリングリストのメンバーから退会依頼を受けても対処ができません。誰にメールを送っているか把握できないメーリングリストを運営するのは管理上よいとはいえません。
メーリングリストの登録アドレスは、個人で使用するものに限定するのが基本です。
<参考ページ>
多発する大量メール配信事故
2008.4.21 更新