edogawa's diary 02-03 #25. 『闘え!秘密戦隊ジョージア・オキーフ』
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2003.04.18.Fri. 11: 40 a.m.
BGM : BILLY JOEL『GREATEST HITS VOL.1』

 きのうは吉祥寺ルノアールでSD社H原氏と打ち合わせ。私とほぼ同年代のH原氏は、中途入社してから13年ぐらい経つというから、ちょうど私と入れ替わるようにSD社入りしたようだ。人生いろいろである。A4判5枚におよぶ詳細なコンテ(内容を箇条書きにした構成案)を頂戴した。各項目を2枚分ぐらいに膨らませれば300枚になる、という感じか。ここまで細かい設計図を作ってくれるのは、私の知る限りSD社の編集者だけだ。去年、同社の若手S宮氏と仕事をしたときもそうだったが、このあたりのSD社カルチャーは変わることがない。私も雑誌編集部でコンテをちゃんと作るように教育されていたので、フリーになって書く側に回ったときは、世間では意外に「お任せ」が多いことに面食らった記憶がある。当時の上司だったマッキー社長なんか、たった800字の原稿でも3行ぐらいコンテを書いてくれるが、これはレアケース。まあ、設計図が細かすぎると窮屈になる面もあるので、どちらも一長一短ではありますが。ともあれ、あとは私が書くだけなので書かなければいけないのだった。でも、本になるのは10月。どうやって自分を追い立てるか、それが問題だ。その方法までは、コンテにも書かれていない。

 ゆうべは、ソシエダ×レアル・マドリー(リーガ第29節)をビデオ観戦。ソシエダは死んでいなかった。快活な連続アタックで、イエロ&エルゲラのCBネジがゆるゆるのマドリー守備陣を翻弄。コバチェビッチの2発は、いずれも左からのクロスをニアに詰めて押し込んだものだった。とくに2点目、デ・ペドロの変化球クロスは絶品。あれを左足でゴール右隅にコントロールしたコバチェビッチのシュートも、偶然とはいえ凄い技術だった。えっ、偶然じゃないの? うそ。3点目はニハトの強烈な中央突破。ニハトって、ちょっとクーパー捜査官に似てるよね。その1分後、ロナウドのゴールで3-1となったと思ったら、また1分後にシャビ・アロンソがミドルをブチ込むという荒々しい展開で前半は4-1。後半もソシエダの集中力はすばらしかった。集中すること自体を楽しんでいるような感じで、そういう人間集団を見るのは心地よい。と言いつつ、ポルティージョのゴールは居眠りしていて見ていなかったが。べつに観戦者は集中しなくていいんである。4-2でソシエダの勝ち。愉快愉快。

 そうこうしているうちに、また週刊ダイヤモンドの資料が届いた。このあいだ2本書いたばかりなのに、また2本同時〆切だ。GW進行であるらしい。忙しないなぁ、週刊誌って。今回ご紹介するのは育毛剤とゴルフクラブだ。自分の生活環境に存在しない商品を勧めるのって、なんだか気が引ける。通販番組に出てる芸能人を責められない。




2003.04.17.Thu. 11: 55 a.m.
BGM : 向井滋春『Favorite Time』

 誕生日である。39歳になった。90年の4月に会社を辞めてから13年。人生の3分の1をフリーライターとして過ごした計算になる。だから何なのかよくわからないが、まあ、そういうことだ。このあいだ同級生のG舎ゴンザレスが、もうじき40歳になることについての感慨というか狼狽というか違和感というかそんなようなことを口にしていたけれど、私の場合、37歳のときにセガレが入園し「父兄」と呼ばれる立場になった時点で心理的なモードチェンジが完了していたので、とくにどうということもない。むしろ、あれ、おれってばまだ30代だったのかよ、という感じでしょうか。

 誕生日が来るたびに、檜原村のサカモト君のことを思い出す。サカモト君は高校の同級生で、誕生日が私と同じだったのだ。登校後に朝からの雪が激しくなった日、彼が校舎の窓から空を見上げながら「ああ、家に帰れないかもしれない」と呟いていたのが印象的だった。あっちのほうは、土砂崩れなどでしばしば電車が止まるのである。教師の物真似がものすごく上手で、いつもクラスメートを笑わせているような男だった。彼も、今日、39歳になっている。高校を卒業してから会っていないし、どこで何をしているのかも知らないが、元気でいてくれたらいいと思う。彼も私のことを思い出してくれているだろうか。思い出していてほしい。

 きのうは、府中の試験場に行って免許の更新。3年前よりも、ずいぶん手続きにかかる時間が短縮されたような印象がある。たしか3年前は申請書に顔写真を貼った記憶があるが、今回は案内所で古い免許証を申請書にコピーしてくれた。テクノロジーの勝利。もろもろの作業が効率化されて楽になったせいなのか、どの担当官も妙に愛想がいい。「印紙はここの一番上に貼ってね。うふ」とかオバサンに微笑まれると、幼稚園児になったような気がしますが。ハーイ、ここに貼るんでちゅねー。視力検査、写真撮影、講習会と、ベルトコンベアに乗せられた缶詰のように流れ作業に身を任せるのは、あんがい快適。主体性という奴を完全に投げ捨てて、命じられるままに行動するのは、実のところとても楽なのだなと思った。

 しかし、いくら楽だからって、マグロみたいに押し黙ったまま流されていく人が多いのは不気味である。私はいちいち「お願いします」「はい、わかりました」「どうもありがとう」などと言わないと気が済まないのだが、たいがい無言ですね、みなさん。最後に免許証を渡されるときも、名前を呼ばれて返事をしたのは私だけだった。呼ばれたら返事ぐらいしようよ。だいたい、呼ばれた自分がここにちゃんといることを相手に伝えないと不安じゃないか。私は不安だ。いないと思われたくない。

 いつから人々が返事をしなくなったのかは知らない。もしかしたら昔からしていなかったのかもしれないが、私が気づいたのはセガレが生まれた後だった。病院の6ヶ月検診やら1歳児検診やらで順番待ちをしている母親たちが、呼ばれてもぜんぜん返事をしないのである。黙って赤ん坊を診察室へ連れて行く準備などしているので、看護婦は相手がいるのかいないのかわからず、何度も名前を呼んでいる。見ていて、猛烈にイライラした。何度、「みんな、呼ばれたら返事しようぜ!」と大声で提案しようと思ったかわからない。何だろう、あれは。いないと思われて後回しにされる、次の人が呼ばれたときに出て行って場が混乱する、ハナコちゃんなのにヨシコちゃんだと思って診察される、挙げ句の果てに他人と取り違えられて手術までされてしまう、といった事態が予測できないぐらいバカなのか。呼ばれてモゾモゾ動き出せば、それが自分だとわかってもらえるだろうと甘えているのか。たぶん、その両方だ。バカで甘ったれなのだ。

 バカで甘ったれな人間にはなってほしくないので、セガレには何か言われたら返事をするように口うるさく言っているのだが、なかなかそれが習慣にならなくて困る。返事はしないくせに口答えはするから、このところ一緒に過ごす時間が多いせいもあって、叱り飛ばしてばかりだ。ずっと忙しくてかまってやれなかったから、暇になったら楽しく遊んでやろうと思ってたのになぁ。いい加減、何をすると父親が怒るかわかってちょうだいよ。と、私は私でセガレに甘えているのだった。

 試験場から帰宅後、韓国×日本(国際親善試合)をライブ観戦。学校で教師に叱られ、クサクサした気分で道端の石ころを蹴りながら下校していたら、蹴った石が転がっていった先に1万円札が落ちていました、というような試合だった。怒濤のテーハミングを聞きながら「ふん、どうせ」とムスッとした顔で見ていたのだが、ああやって急にいいことが起きると、どう笑っていいのかわかりませんね。終了10秒前に永井のばかづきゴールで0-1。こういうことがアウエーの韓国戦で起こるとは思っていなかった。監督がポピュリストになると勝ち方も漫画テイストになるということか、などと言ったらシニカルに過ぎるだろうか。勝因はGK楢崎の安定感、でしょうかね。どうでもいいが、韓国の10番(チェ・ソングッ?)は日比野克彦に似ているな、と思った。

 古い試合だが、レアル・マドリー×マンチェスターU(CL準々決勝第1戦)をビデオで観た。フィーゴのループシュートでマドリーが先制。韓国戦の後でこれを見ると、どうしたって小笠原のことを思い出さずにはいられない。次はフィーゴみたいに入れてね。でも、あれが決まっていたら、山口のループ@国立競技場を思い出した韓国が火の玉となって逆転したかもしれない。うう。いまごろ何を思い出しておるのじゃ私は。加茂め。そんなことはともかく、3-1でマドリーの先勝。ラウールはすばらしいのだった。マドリーは嫌いだがラウールは好きだ。




2003.04.16.Wed. 10: 50 a.m.
BGM : Chicago『Greatest HIts vol.1』

 ゆうべは、サッカーズからプレミアシップマガジンに移って私の担当を放り出したかと思ったらやおらイングランドへ出張して私が1週間で200枚書いているあいだにプレミアを3試合も観戦してきた恩人のY氏と、渋谷で会食。彼は4月1日の朝に英国へ旅立ったのだが、その直前にこの嘘ページを見ていたため、それが四月馬鹿の冗談だと気づかぬまま10日間を過ごし、後任者に引き継いだ私のコラムがちゃんと入稿されるかどうかたいへん心配していたらしい。心配をかけた。私も心配だったけど。で、「せめてメシだけでも南の島で」という泣かせるお気遣いをいただき、バリ料理を食わせる店へ。バリ料理じゃなくてインドネシア料理っていうのかな。まあ、どっちでもよろしい。席につくと、テーブルにはウチにもあるコースターやウチにもあるランチョンマットなどが並んでいた。うう。これでガムランでも聞こえてきたら、思わず水着に着替えてしまいそうだ。ビンタンやらあっち風の焼き鳥やらナシゴレンやらバリコーヒーやら、大変おいしゅうございました。ご馳走さまでした。

 おまけにチェルシーのショップで買ってきたというグッズをお土産にいただき、恐縮至極。チームのエンブレム入り100円ライターと、マフラーである。イギリスで100円ライターってことはないか。1ユーロライター? 凄いのはマフラーだ。広げると、ハッセルバインクとグジョンセンの顔写真数ショットがびっしりと(キリヌキで)レイアウトされている。ハッセルバインクとグジョンセンだらけ。さまざまなハッセルバインクと、いろいろなグジョンセン。これを首にかけて歩いていたら、きっと「おまえ、そんなにハッセルバインクとグジョンセンが好きか」と言われるに違いないような感じのマフラーである。こういうモノを作ろうと企画するセンスも凄いが、それがちゃんと売れることも凄いと思った。私が現地に行ったとしても、きっと買っただろう。すごく嬉しい。なにしろハッセルバインクは記念すべき連載第1回に登場した選手だからね。どうもありがとうございました。

 それにしても羨ましいのは、Y氏が99-00シーズンのローマダービーをオリンピコで観戦したという話である。モンテッラのゴールで先制されたラツィオが、ネドベドの変なゴールとベーロンのFKで逆転勝利を収めた感動的なゲームだ。いいなぁ。悔しいので、当時(2000年3月26日)の日誌を読み返してみたら、「とくに目立ったのが、ベーロンとパンカロ。パンカロが中へ中へと積極的に入っていったぶん、中田の負担も大きくなっていたように感じた」などとタワケたことを自分が書いていたことを知って愕然とした。いや、まあ、たしかにあのシーズンのパンカロはえらかったんですが。今はえらくない。ともあれ、私も取材と称してオリンピコに行きたいもんだよなぁ。タイトルに「お茶の間」と銘打ったことを、ちょっと後悔する今日この頃である。

 帰宅後、バルセロナ×ラ・コルーニャ(リーガ第29節)をビデオ観戦。序盤は、ボール支配率31%のバルサが2-1とリードするという天気雨みたいな展開であった。サビオラのループもモッタの左足もお見事の一語。しかし、それでも慌てず騒がずゲームを組み立てるデポルを見ていると、どっちが横綱なのかよくわからない。ま、いまさらバルサを横綱扱いするのもどうかとは思いますが。バルサとインテルはどっちがより阪神だろうか、そして、CLファイナルが「阪神決定戦」になったりしたらどうしよう、というどうでもいいことを考えているうちに、2-4でデポルの勝ちである。それにつけても気になるのはフランク・デブールの顔なのであって、以前「下降する眉毛が目を追い越したらどうしよう」という懸念を表明したことがあったが、今は眉毛と目が一緒に下降しているように見える。目に追いついた眉毛がそのまま目を押し下げているというべきか。その、眉毛と目の現在位置は、かつて「頬骨」と呼ばれていた場所ではないのか。こんどは、眉毛と目が鼻を追い越してしまうのが心配される。どんな顔だそれは。




2003.04.15.Tue. 11: 20 a.m.
BGM : Chicago『Greatest HIts vol.2』

 仕事はないが幼稚園はあるので8時半に起床しなければならないのが辛い。雨なので電車で通園。朝っぱらから幼稚園児と2人で電車に乗ってるお父さんって、世間にはどう映るんだろう。「仕事がないお父さん」に見えたとしたら、今日に限っては正しい。まだお弁当が始まっていないので、この日誌を書いてから11時半に迎えに行く予定になっている。「お弁当が始まる」って、もしかしたら世間一般には通じない表現かも。えーと、新学期が始まってしばらくは午前中保育で、やがてお弁当を持って行くようになるわけですね。それが「お弁当が始まる」ということだ。ものすごくどうでもいい話ですが。最近、仕事の原稿を書いていても、こういう「通じる/通じない」を自分は気にしすぎているのかもしれないと思うことが多い。読者のリテラシーを信用していないわけだが、しかし基本的なリテラシーのない奴は本なんか読まないから、もっと端折っていいんだろうな、きっと。

 きのうは2章の修正を指示されてから2時間後にやっつけて送稿。まだOK/NGの連絡は来ず。最近、こういう連絡を自分は気にしすぎているのかもしれないと思うことが多い。「便りがないのは良い便り」でいいんだろうな、きっと。で、次の仕事の段取りは決まった。著者が6月に新しいビジネスを始めるので、その話を入れ込んだ上で10月頃に出したいらしい。それで「7月に追加取材して8月に書くのは可能か」と問われたのだが不可能なので、すでに取材した分を5月中に書いて、追加分だけ7〜8月に書くことになった。キモチ悪いんだよなぁ、そういうの。追加分を1章にまとめてポコッとはめ込めればそれでいいが、そういうもんじゃないだろうと思うし。しかしまあ、1ヶ月半もぶらぶらするわけにもいかんので、やるしかない。二度手間になる可能性がきわめて高く、しかも8月中に上げれば間に合う原稿を、5月中に気合いを入れて書けるかどうか心許ないかぎりだけれど。だらだらした5月になりそう。っていうか、GW明けぐらいまで休んでしまいそうで怖い。100本ノック系の業務は、いまが発注しどきでございます。

 ゆうべは、インテル×ミラン(セリエ第28節)をビデオ観戦。好ゲームだっただけに、コルドバの退場が残念だった。ルイコスタのスルーパスをインザーギが振り向きながらダイレクトで流し込んで0-1。テレビカメラには、発狂中のピッポをもっと追ってほしかった。ま、ベンチ前のほうが人が多かったからしょうがないけどね。ピッポが無理やり押し倒していたのは誰だったんだろう。たぶん、本人も相手が誰だかわからないまま押し倒していたんだと思う。ところでビエリはいつまで髪を伸ばすつもりなのか。だんだん、真実の口に似てきた気がする。




2003.04.14.Mon. 13: 40 p.m.
BGM : 向井滋春『PLEASURE』

 宙ぶらりんな月曜日である。

 嵐のような多忙がウソのように、緊急にやるべき仕事がない。ならば解放感に浸っていればよさそうなものだが、先週の木曜早朝に上げた原稿のOK(もしくはNG)がまだ出ず、次の仕事も、著者と編集者の打ち合わせが終わるまで着手していいものかどうかわからないのだった。連絡待ちは苦手じゃ。営業とアポ入れの次に苦手かも。要するにマイペースでやれない作業は苦手だということで、実にわがままな話である。仕事場の掃除、翼コメントのゲラ直し、資料読み、確定申告、運転免許の更新などやるべきことはいろいろあるのだが、連絡を待っていると、何もする気にならない。

 しょうがないので、どこかから連絡が来るまで日誌を書き続けることにする。きのうは、としまえんでセガレのサッカー大会があった。私と愚妻、私の両親、ヤマちゃん夫妻、O崎君とその娘&息子と、セガレ一人で9人もの観客を動員。何を大騒ぎしているのかと、いささか反省しないでもない。前回は銀メダルだったが、今回はエースのヒカル君が移籍(父親の転勤による引っ越し)、シャドウストライカーのマサシ君が故障(入院中)で、大幅な戦力ダウンである。ダリオ・シルバとデリー・バルデスのいないマラガみたいなものですね。

 前回は8チームによるトーナメントだったが、今回は4チームによる総当たりのリーグ戦だった。セガレはピンクの14番である。おお。シメオネと同じじゃないか。頼もしいゼッケンだ。しかし頼もしいのはゼッケンだけで、プレイのほうはフィオーレ並の運動量不足。暑さのせいで、全然やる気がない。第1試合は黄チーム相手になす術なく0-2の完敗。第2試合は青チームが紫チームを1-0で下した。よそのチームが試合をしているあいだ、セガレは栄養&水分の補給。試合の直前におにぎり食うなよな。よけい動けなくなるじゃないか。しかし第3試合、セガレは相変わらず緩慢なプレイに終始したものの、連戦となった紫チームの疲労につけ込んでピンクチームの2-0。続く第4試合は青チームが1-0で黄チームに勝利。各チーム2試合を消化した時点で、こんな順位だ。

 青 勝ち点6 得失点差 +2
 黄 勝ち点3 得失点差 +1
 ピ 勝ち点3 得失点差 +0
 紫 勝ち点0 得失点差  -3

 まだ行ける。青に勝てば、黄×紫戦の結果次第で銀メダル以上が狙えるのだった。幼稚園児に得失点差を計算させるなんて、過酷な大会である。実際に計算してるのは親だけだったりするのだが。ともあれ、勝負のかかった青チーム戦。セガレはスタートからGKに配置された。おいおい勘弁してくれよ。こんな大事な試合でGKなんて、親はたまらんよ。というわけで、いてもたってもいられず、ゴール裏に移動してコーチングしてしまいました。「あと2歩前に出てろ」「ボールから目を離すな」と本気で指示しているうちにキックオフ。数秒後、ピンクチームが怒濤のラッシュであっさり先制した。やった。だが、さすがに連勝で波に乗る青チームの攻撃は迫力が違う。ゴール裏で見ていると、けっこうな恐怖感。撃たせるな、頼むからシュートを撃たせないでくれえ。という私の願いも届かず、ボールはフリーでゴール前に立っていた子の足元へ。
「R太郎、前に出ろ!」
 父親の指示に、セガレの反応は機敏だった。勇敢な飛び出しで、シュートをセーブ。よしよし。えらいえらい。本日のベストプレイじゃ。

 しかしGKがほかの子に交替した後に、青チームの同点ゴールが決まってしまった。1-1のドロー。勝ち点7の青チームが最終戦を待たずに優勝を決めた。ピンクチームは勝ち点4。紫が黄を負かしてくれれば銀メダルという期待薄な他力本願状態である。黄チームは引き分けでオーケー。こういうのって、2試合同時にキックオフしないと不公平だと思うのだが、グラウンドに余裕がないので仕方がない。幼稚園児にドロー狙いの戦い方ができるとも思えないしね。ラツィオだってできないんだから。で、その第6試合は黄チームが先制。万事休すかと思われたが、ここまで無得点だった紫チームが後半に同点に追いつき、ピンクチーム関係者(というか私)の期待を高まらせた。がんばれ紫。見知らぬ幼稚園児のサッカーをこんなに本気で応援することになるとは思わなかった。リーグ戦はややこしいのである。

 だが試合はそのまま1-1のドロー。勝ち点4で並んだものの、得失点差で1つだけ及ばず、銀メダルは黄チームに持って行かれてしまったのだった。くっそー。あのままセガレをGKにして私をゴール裏に陣取らせていれば青に勝てたかもしれないのに。と、内心で監督の采配ミスを糾弾しながらグラウンドを後にした私であった。

 どういう企画なのかよくわからないのだが、きのうのとしまえんにはコスプレの人たちが大勢集まっていて、とても異様だった。コスプレの人たちを間近で見るのは初めての経験である。そういう人たちが存在することは知っていたが、何をするでもなく変なカッコしてぞろぞろ歩いている彼ら彼女らとすれ違うと、絶句しますね。昔、山田風太郎の「畸形国」という短編のことをここに書いたことがあるが、それを思い出した。ちょっと意味は違うが、似たようなもんだろう。

 それにしても「コスプレの人たちが20人ぐらい乗ってキャーキャー言ってる絶叫マシン」を見ることができたのは収穫だった。滅多に見られない風景だと思う。絶叫マシンとコスプレの組み合わせを目の当たりにすると、どうしたって平和について考えざるを得ない。これが日本だ私の国だ。絶叫マシンから降りてきたコスプレの人が、下で待っていたコスプレの人に向かって、「(上から見たら)あんた、すごく目立ってたよ」と言っていたのが、すごく印象的だった。そりゃあ、そうかもしれんけど、あんたら全員で目立ってるんだよ。コスプレの人たちにおける「見る/見られる」の意識の有り様というのは、心理学的な研究対象としてかなり興味深いのではないだろうか。っていうか、単に、絶叫マシンには人間の「見られる」という自意識を失わせる効果があるということかもしれんが。

 O崎君が、また向井滋春の旧盤をCD-Rに焼いて、としまえんに持ってきてくれた。『PLEASURE』と『FAVORITE TIME』である。それに加えて、松岡直也の『FIESTA FIESTA』もあった。しかもデジカメやら何やらを駆使して作ったジャケット&ライナーノート付き。忙しいのに、マメな人だ。すごく嬉しい。この時代の音楽には、「俺たちゃBGMにはならねえぞ」という最後の踏ん張りのようなものが感じられるが、それは単に私が若い頃さんざん聴き込んだという個人的な事情によるものなのだろうか。ともあれ、ますます楽器が吹きたくなりますな。吹けないけど。もっとも、私が「向井滋春のソロをコピーしたい」と思うそのメンタリティの延長線上にコスプレもあるのかもしれないなどと思うと、ちょっと考え込んだりもするのだった。まあ、人の趣味はいろいろだ。とやかく言うほどのことはない。でも自分のセガレには、コスプレの人にはなってほしくないです。暴走族のほうがまだマシかも。

 しかし、ことによると私たち日本人はこの半世紀、アメリカ人のコスプレをしてきたのかもしれない。ふと、そんなことを考える。

 ゆうべは、としまえんで遊んだ後、ヤマちゃん夫妻を自宅に招いて焼き肉。2人が帰った後、モデナ×ラツィオ(セリエ第28節)を観戦したのだが、ビール飲み過ぎでうたた寝しているあいだに時間が過ぎ、目覚めたときには試合が終わっていた。スコアレスドロー。はあ。そうですか。まあ、いいや。パルマもキエーボも負けたみたいだから、CL争いはリードを広げることができたわけだ。何より何より。って、おまえら、これ勝っとけばすげえ有利になったんじゃんか。ったくよぉ。誰が悪いって、パンカロが悪い。見てないから出てたのかどうかも知らないけど、パンカロのせい。

 ……と、だらだら日誌を書いていても落ち着かないので、こっちから編集部に電話。木曜に送った4章と5章は「ばっちり」とのことである。早く言ってほしかったです。ただしその数日前に送った2章に若干の修正。やや問題があることは送稿直後に聞いていたものの、「微調整で済む問題」とのことだったので向こうで適当に直してくれるのかと思っていたのだが、どうやら私がやるらしい。早く言ってほしかったです。まあ、いいや。「終わらせることが大事」とばかりにほとんどヤケクソで書いた5章のほうが問題ありそうだったからビクビクしていたのだが、あれがあれでOKなら御の字である。そんなわけで、やるべき仕事ができたので、日誌はここまで。もう十分ですか。そうですか。




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