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江戸川虎視郎のサッカー日誌
2001-2002/第3節



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10月15日(月)15:00 p.m.

 買った。HDビデオを買ったのである。ソニーの60GBだ。最大40時間録画だ。Gコードが使えるやつだ。BSも内蔵だ。きのう、愚妻の免許書き換えにつきあって小金井の試験場へ行った帰り、「一応、な」と立ち寄った東八道路沿いのサトームセンに、それはあった。東大出てもその日暮らしとは、よく言ったものである。違う。灯台もと暗しだ。こんなに近くにあったとは。

 店に入ったときは、ソニーどころかハードディスクビデオ売り場そのものが見つからず、すぐに帰ろうかと思った。しかし店員に訊いてみると、「ああ、ハードディスクはあんまり置いてないんですけど、そこにソニーのが1台だけあったんじゃないかな」と言う。どうせ新製品の515だろうと思ったのだが、やはり郊外は都心より時間の進みが遅いようだ。そこで埃をかぶっていたのは旧型の715で、しかも「60GB増設済み。現品限り。¥99.800」と小汚い字で書き殴った紙が貼ってあった。「こ、これを私に売ってくれ」と反射的に言っていた。「どうもありがとう!」と店員を抱きしめてあげたかった。「こんなところで待ってたのか。ずいぶん探したんだよ」とキカイをなでなでしてあげたかった。ハイテイでドラのカン8ピン(しかもラス牌)をツモったような気分である。私のツキも捨てたもんじゃない。もしかしたら、改名して運勢が変わったのかも。ラツィオも勝ったし。どうも気に入らない(気に入るわけがない)ので速攻で再々改名しようかと思っていたのだが、このまま虎視郎で行くことにしよう。

 で、帰宅してさっそくセッティングした。最初に録画したのは先週から始まったテレビ東京『キャプテン翼』(第2話「ロベルトとの出会い」)だ。ロベルト本郷が語る少年時代の悲話に涙。ロベルトの母親は、事故で亡くなる前日にスポーツ店に行き、息子の誕生日にプレゼントするサッカーボールの代金を半分だけ払っていた。「残りの半分は誕生日までに必ず払いますから」と言い残して……。そして事故の数日後、母親を亡くして「もうサッカーはやらない」と心に決めたロベルトの前に、スポーツ店の主が新品のボールを持って現れる。「このボールは他の人間には売れない。おまえのものだ」と言う店主に、ロベルトは「もうサッカーはやらないから、ボールなんていらないよ。それに、残りの半分のお金、僕には払えないし」と答えた。そこで店主は親指を立ててこう言うのだ。「お金はいらないよ。その代わり、いつかおまえがブラジル代表選手になったら、俺のために1ゴール決めてくれ」……。うう。泣けるなぁ。ええ話じゃ。こうして書いていても涙腺が緩むぞ。

 そういう話じゃないのである。HDビデオだ。HDビデオはすばらしい。いちばん録画時間の長いLPモードでも、従来のビデオとは比較にならないぐらい画質がよかった。チューナーの連動録画システムを使わなくても、赤白黄色のコードをつないだだけで、CSチューナーの電源ONを感知してシンクロ録画してくれるのも、とっても便利。もちろん、それより何より、「テープ不要」の解放感は想像以上である。実にすがすがしい。キミも買いなさい。

 ……と満足していたところ、今朝、テュラムユベンテーノ氏から「HDビデオ最新情報」のメール(発信は金曜日)が届いていた。わざわざ、すみません。それによると、12月にパナソニックから、「内蔵HDDで最長52時間、DVD-RAMで12時間(両面)の録画が可能、HDD内蔵DVDビデオレコーダーDMR-HS1」が発売されるらしい。標準価格20万円。いいなぁ、これ。土曜日の時点でこのメールを拝見していたら、サトームセンに立ち寄ることもなかったかもしれない。うーむ。やっぱ半ツキ? でも、まあ、いいのである。標準価格20万円は、今のわしには高値の花じゃ。

*

 ところで今日は結婚記念日である。えーと、満7年か。セガレは4歳だから、「子供のいない結婚生活」より「子供のいる家庭生活」のほうが長くなったってことですね。だから何だというわけでもないが、まあ、そういうことだ。セガレは、両親の結婚式に自分が出席していなかったことがとても悔しいらしい。そんなこと言われてもね。関係ないが、以下、数日前に風呂場で交わされた父子の会話。

倅「アヒル」
私「アヒル?」
倅「うん、アヒル」
私「ああ、アヒルね。おまえねぇ、いきなり尻取り始めるのはいいけど、のっけからルはねえだろ」
倅「アヒル」
私「わかったわかった。ルだろ。えっと……ルクセンブルク」
倅「くま」
私「マグロ」
倅「ロクセンブルク」
私「そんなのねーよ」
倅「じゃあ、ロケット」
私「そっちを先に言わんか。トンガラシ」
倅「シ?」
私「そう、シ」
倅「ん〜〜〜っと、シー、シー……信じる愛!」

 いったい、どこで覚えてくるんだろう。意味わかってんのか?

*

 昨夜は、フェイエノールト×フローニンゲン(オランダ第?節)をライブ観戦。……していたのだが、ハーフタイムにブレシア×キエーボ(セリエ第6節)に浮気したらグアルディオラが出ていたので、そのまま前半終了まで見てしまった。んでオランダに戻ったら、すでに1-0。小野の初ゴールを見逃してしまった。グアルディオラめ。ちなみに前者は1-0、後者は2-2でした。ブレシアもキエーボも、明らかに今のラツィオより強いと思った。バッジョの代表復帰はあるのだろうか。あれだけ切れてれば、あっても不思議じゃないっすね。



10月14日(日)

 勝った。ラツィオが勝ったのである。ゆうべライブ観戦した残留争いの直接対決、ラツィオ×アタランタ(セリエ第6節)は、2-0でラツィオ。先制点はピオホ、2点目はなんとフェルナンド・コウトであった。やった。宙返りだ。コウトが足でゴールを決めるのは初めて見たような気がする。そういう珍しいことでも起きないと点が入らない、ということか。ともあれ、今季初めての生ゴール&生勝利に接することができて、たいへん機嫌がよろしい。

 リバプール×リーズ(プレミア第?節)は2-2のドロー。後半から登場したリトマネンがすばらしかった。リトマネンがすばらしい選手であるということが初めて実感できた。全盛期を知らないもんで。



10月13日(土)

 幼稚園のうんどう会。セガレは数日前から「面倒臭い」などとぬかして厭がっていたが、親にとっては人生における一つの「節目」である。久しぶりに、シャッターばしゃばしゃ押しちゃいました。しかし「かけっこ」は、スタートで完全に出遅れてビリ。まあ、転ばずに最後まで走っただけでもよしとしよう。でもね、R太郎くん。おゆうぎの最中に、シャツをめくって客席の親に腹を見せるのはやめようね。父さんは、とっても情けなかったです。それは、ゴールを決めたときだけやりましょう。

 最後に、保護者による「大縄跳び」に参加。10人1組で、跳ぶ回数を競うのである。気楽に出ていったのだが、いざ始まってみると、「他の人に迷惑はかけられない」と猛烈なプレッシャーがかかる。練習では、「ひざを曲げて跳ばないと必ず引っかかる」ことを知った。大縄跳びは侮れない。本番で1分間に19回跳んだわがチームは、残念ながら2位。しかし私は一度もミスしなかったので、よしとしよう。大縄跳びを19回跳ぶと、ものすごく疲れるということがわかった。



10月12日(金)11:15 a.m.

 ヤフーの検索で遊んでいたら、ふとした拍子に、知らない方が本誌にリンクを張っているのを発見した。「ミニマムなlink」と題したページで、べつにケナされているわけではないし、「リンクは勝手に張っていい」が私の持論なので何も問題はない(というか嬉しい)のだが、なんだか不思議な感じである。で、どうやらここのウェブマスターは沖縄で教職に就いてらっしゃるらしい。どうも「沖縄の先生」に縁があるのう。私が把握している範囲では、ここにリンクを張ってくれているのは4カ所しかないのだが、そのうち2つが沖縄の先生である。沖縄の先生率5割だ。まともな統計学者なら、「江戸川の日誌は沖縄の先生にウケがいい」という結論を出すことは間違いない。だから何なんだ。それは統計学者に訊いてくれ。

 それはともかく、この自己愛検索遊びの過程で、江戸川駄筆を名乗る者(たち?)があちこちのサッカー掲示板に出没していることがわかった。前に発見したアナザー駄筆と同一人物かどうかは定かでない。いずれにしろ、混同されるのはヤだし、こんな誰でも思いつく陳腐な名前を名乗り続けるのは業腹なので、1年8ヶ月ぶりに改名することにした。

 とはいえ今さら「江戸川」を捨てるのも何かと面倒だから下の名前だけ改めることにしたのだが、なかなか思いつかないので「偶然性に任せよう」と思い、たまたま昨日買った2冊の本の中から貰うことにした。村上龍『最後の家族』(幻冬舎)と、半藤一利『真珠湾の日』(文芸春秋)である。どちらにしようかしばし迷ったのだが、やはり本誌のタイトルを彼の小説からパクらせてもらっていることでもあるし、村上龍に任せようと思った。で、小説の登場人物のうち、最初に出てくる男性の名前を貰おうと決めて本を開くと、いきなり最初のセンテンスに男性の名前があった。

<内山秀樹は、自室の窓を被う黒い紙に直径十センチほどの丸い穴を開けた。>

 うーむ。秀樹だったか。江戸川秀樹。ちょっとなぁ。なんかバランス悪いよなぁ。そう思って、いちおう二人目の男性も探してみた。それは秀樹の父親だった。名前は「秀吉」である。なるほど。「秀つながり」と来たか。江戸川秀吉。ちょっとなぁ。立候補しちゃいそうだもんなぁ。

 しょうがないので、もう一冊のほうで決めることにした。ノンフィクションだから、出てくるのは実在の人物である。「だ、だれかな。山本五十六だったらヤだな」と、かなりドキドキしつつ本を開いた。最初に出てきた人名は、意外にも「蒋介石」だった。江戸川介石。ちょっとなぁ。こりゃあ、まずいだろう。だいたい、日本人じゃないし。なので、これも断念し、「最初に出てくる日本人の名前」にすることにした。それは蒋介石の二行後ろにあった。「近衛文麿」である。ふみまろねぇ。「ふみまろ」と口にしたときに生じるこの脱力感は何なんだろう。江戸川文麿。ちょっとなぁ……と思いつつ、念のため二番目に出てくる日本人は誰かと見てみたら、山本五十六だった。はらほれ。さらに3番目をチェックしてみると、登場したのは及川古志郎(海軍大臣)である。ほほー。コシローか。シブいじゃん。これ、いただき。

 しかし、そのまま貰ったのでは及川古志郎のことを尊敬しているように思われてしまうので、ちょいとアレンジして「虎視郎」でどうだ。アイ・オブ・ザ・タイガーだ。恐れ入ったか。というわけで、私は今日から江戸川虎視郎なのであった。三流探偵小説の主人公みたいだ。このダサダサ感がたまらないっすね。でも、1ヶ月後にはまた改名しているような気がする。文麿のほうがよかったかな。

*

 フェイエノールト×バイエルン(CL1次リーグ)を観戦。2-2のドロー。前半にフェイエノールトが奪った2つのゴールは、いずれもダイナミックでカッコよかった。しかし、あれだけ主力不在で薄味のバイエルン相手にホームでドローでは物足りない。いっぺん、小野にFKを蹴らせてみてほしい。



10月11日(木)11:15 a.m.

 未見のまま溜まりに溜まったビデオの中から、昨夜はまずバルセロナ×マジョルカ(リーガ第6節)を観戦。ルイス・エンリケの2発とサビオラの1発で、バルサの3-0。このスコアでも退屈なんだから、バルサにも困ったものである。ただ、右サイドからジオバンニがニアに放り込んだクロスをサビオラがシャープな動きで仕留めた3点目だけは見応えがあった。観客も、サビオラの輝きと可能性だけを救いにしている感じである。一方のマジョルカも、CLで激賞したのが恥ずかしくなるくらい凡庸。どうやら、この試合で4戦連続スコアレスであるらしい。ま、CLのアーセナル戦でも点はPKでしか取れてなかったけど。

*

 引き続き、リバプール×ボアビスタ(CL1次リーグ)をビデオ観戦。いったい何時の試合なんだか、さっぱりわからなくなっている。初めて見るボアビスタはかなり素敵なチームだった。プレミアのチームを相手に走り負けていないのがすばらしい。そのボアビスタが、キックオフから間もない前半3分に先制。ゴールを決めたのは……えーと、何だっけ。あー、どうしても名前が思い出せない。ん〜〜〜、なんか「よくある名前」だったんだけどなー。ちぇっ。「こいつは覚えておこう」と思って、ほんの12時間前に頭に叩き込んだつもりだったのに。脳味噌め。ま、いいや。覚えておこうと思ったのは、彼のゴール後のパフォーマンスが印象的だったからである。両手の人差し指と親指で「二丁拳銃」を撃ちまくるところまではソニー・アンデルソンの二番煎じだったのだが、彼は最後にその拳銃を自分の頭に撃ち込み、バッタリと仰向けに倒れてみせたのであった。自殺してどうする。でも、なかなかのオリジナリティだ。次は、「ロシアンルーレットが外れて命拾い」にチャレンジしてもらいたい。試合のほうは、その後オーウェンの至福のゴールが決まって1-1のドロー。数人に囲まれながら見事にポスト役を果たしたヘスキーからのラストパスを、右足のインサイドでゴール右隅に放り込んだ、実にエレガントな得点であった。そりゃあ、このオーウェンがいなけりゃイングランド代表も別のチームになるわな、と思わせるのに十分な存在感。故障したのが残念でならない。



似てる人シリーズ

#171 バルセロナのチャビと日産のカルロス・ゴーン。(妻)
#172 ラ・コルーニャのフランとコント赤信号の小宮某。
#173 現役時代の信藤さんと名波。



10月10日(水)13:45 p.m.

 本来なら「脱稿したぜえ」と陽気に行きたいところだが、私は機嫌が悪い。仕事のほうは土曜日にケリがつき、月曜日にはセガレと2人で渋谷に行って映画版ガオレンジャー&仮面ライダーアギトを見るなどしてリフレッシュしたが、機嫌が悪い。原因はハードディスクビデオである。結論から言うと、まだ買っていない。諸々のネガティブ・ファクターが続出したからだ。

 9/26の日誌を書いた後、友人から「東芝のDVDレコーダーとのハイブリッドタイプにすれば?」というメールをもらい、気持ちの揺れ動いた私は、その東芝製品について調べてみた。ところが、どうやらこのマシンは発売直後から不具合頻発で回収騒ぎなどを起こしているらしい。不具合頻発は勘弁してほしいので、これはまず候補リストから消えた。

 次の候補はソニーの新製品SVR−515である。40GBだが、増設して80GBにすれば録画時間は最大53時間。現時点ではこれがいちばん長い。しかし問題もある。旧型のSVR−715(30GB)、SVR−715A(60GB)と違って、この機種はGコードに対応していないのだ。GガイドというEPGを使った予約録画システム一本になっている(旧型はGコードとGガイドの併用)。このGガイドというのは放送局から送られてくるらしいのだが、うちは地上波をケーブルで見ている(マンション丸ごとそうなっている)ので、使えるのかどうか心配だった。で、店で訊いてみると、やはりケーブルテレビでは信号が送信されないという。つまり、いちいち日付や時間をマニュアルで設定しないと予約できないということだ。うーぬ。どうしてGコードをなくしちゃったんだ? 進取の精神もたいがいにしろよソニー。とブツブツ言いながら、SVR−515もリストから削除せざるを得なかった。

 ならばGコードを使えて容量もSVR−515(増設前)より多いSVR−715Aにすればいいのであるが、これが、無い。どこにも、無い。私は昨日、アキハバラを徘徊して探しまくったが、「715Aはないか」と問う私に対して、店員たちは気の毒そうに首を横に振るばかりだった。「ないよね?」「悪いね」というやり取りを30回ほどくり返しただろうか。家出人を捜索する私立探偵になったような気分だった。どうやら515の発売前に、余っていた715Aをソニーが安く投げ売りしたらしい。ソニーめ。ちなみに30GBの715は2台ほど見つけたが、なぜか値段があまり安くなっていなかった。いまさら30GBに10万以上も払う気にはならない。なにしろ60GBの715Aだって、投げ売り時は10万ちょっとで捌いていたらしいのだ。

 ともあれ、無い物はしょうがないので、ソニーは断念してビクターのHD1に狙いを絞った。40GBで最大40時間。ソニーは40GBで26.5時間なのに、こちらは40時間だ。どうやらそのぶん画質が犠牲になるようだが、まあ、サッカーの場合は画質なんか大した問題ではない。しかも私は昨日の午前中に、吉祥寺のVICでこのマシンが8万円を切っていることを確認していた。アキハバラでもいちばん安かったのは8万6000円である。これは安い。Gコードもばっちりだ。よし、買おう。そう決心したのは、へとへとになってアキハバラから帰宅した昨夜のことだった。

 しかし。あらためてカタログを熟読した私は、重大なことに気づいたのである。なんとHD1には、アナログのBSチューナーが内蔵されていないのだ。ど、どーゆーことなの? HD1の前に出たVHSとのハイブリッドタイプはBS内蔵なのに。

 疑問に思ったので、さっき、ビクターのお客様ご相談センターに電話をかけ、どーゆーつもりで設計したのか訊いてみた。すると、手持ちのテレビにBSチューナーが内蔵されていることを前提に作られているという。予約録画する場合は、テレビのタイマー設定を利用するしかないとのこと。「それじゃあ、テレビ見ながら裏録できないじゃないですか」と言うと、すごく丁寧な口調で「さようでございますね」という答えが返ってきた。使えねーなー。HDはスカパー&地上波専用、BSはVHSデッキで録画するという手もあるが、それではHDVの効果半減である。テープ整理地獄から抜け出せない。

 こうしてHD1もリストから消えた。ビクターのお客様ご相談センターには、ユーザーを騙すつもりがないなら、カタログに「BSチューナーは内蔵していません」とでかい字で明記しろよ、危うく知らずに買っちまうところだったじゃねーか、と忠告しておいた。「貴重なご意見として事業部に伝えます」という答えが返ってきた。

 ではBS内蔵のハイブリッドにすりゃいいかというと、こっちはこっちで容量が少ない。しかも11月には40GBに増やしたハイブリッドタイプが発売されるという(それがBS内蔵かどうかは定かではない)。また、ソニーやビクター以外にも、パイオニアやパナソニックなど検討の余地があるターゲットもなくはないが、どれも容量のわりに値段が高い感じだし、それ以前に私はもう疲れた。あんまりカネもないことだし、当面は少し頭を冷やしつつ、今後の成り行きを見守ることにするつもりである。言っておくが、購入を先送りしたからといって、私は決して臆病者でも怠け者でもない。ただ、ちょっと運が悪いだけだ。ソニーの715Aが世の中に1台でも残っていれば、何も問題はなかったのだ。

 というわけで、私は機嫌が悪い。Gコードを切り捨ててしまったソニーのことも、BSチューナーを省略してしまったビクターのことも、まったく理解できない。今まであった機能を取っ払ってユーザーに不利益をもたらすような製品を世に出すなんて、恥ずかしくないんだろうか。客に「不便じゃん」と言われるのって、技術者の敗北だと思うんだけどねぇ。

*

 話はころりと変わる。きのうの午前中、吉祥寺のラオックスに行く途中、楳図かずおに遭遇した。今年の1月、中3日で立て続けに見かけて以来9ヶ月ぶり、この2年間で4度目の遭遇だ。三越(旧近鉄デパート)1階の喫茶店で、一人でお茶を飲んでいらっしゃったのだが、その店はガラス張りなので、赤を基調とした派手な洋服を着てこちらを向いて座っている楳図かずおはものすごく目立っていた。見つけて欲しくてやっているとしか思えない。もしかすると、街全体で「楳図かずおを探せ!」とでも題したイベントをやっていたのかも。そんなイベントをやって、どんないいことがあるのかよく判らないが(むしろ不吉なことが起こりそう)。また、ちょっとだけ目が合ったような気がした。なんだか、他人のような気がしない。

*

 以下、この2週間の出来事を思い出せるかぎり新しい順に。

●デポル2-1バルサ(リーガ第7節) ……高等技術&長い脚を駆使したクライファートのゴールでバルサが先制するも、フランの2発でデポルが逆転。今季初めてじっくり見たバルサは、メンバーが揃っていないとはいえ、なんだか退屈なチームになっていた。移籍した大空翼に出場してほしい、と思った。

●ブラジル2-0チリ(W杯予選) ……ブラジルは、やっと「らしさ」が戻ってきた感じか。ずいぶん楽しそうにプレイできるようになってきた。でもやっぱり2トップに顔と名前で勝負できる人間がほしい。

●パラグアイ2-2アルゼンチン(W杯予選) ……勝てば出場決定のパラグアイがチラベルトのPKで先制。セットプレイから何者かがヘディングシュートを決めてアルゼンチンが同点に追いついたが、ありゃ明らかにハンドだった。ゴールを認めた審判は、しばらく仕事ないかも。2-1から同点ゴールを決めたバティはさすが。

●日本2-2ナイジェリア(練習試合) ……時差ボケが取れたのか、見るべきもののなかったセネガル戦とは一変して、立派な戦いぶり。ヨシカツも目がいっちゃってたし。ナイジェリアも意外に本気だったので、ここは一つ、「たまには3-2で勝つようなサッカーをやってほしい」と思った。なので、2-2に追いつかれたこと自体は別に悪くない。戦う姿勢もあった。一つだけ悔やまれるのは、タイムアップ直前の攻撃で、無駄なパスを回してシュートまで行けなかったこと。無理やりにでもクロスを入れてほしかった。あの局面でゴール前まで上がっていないようじゃ、ヨシカツのコンディショニングもまだまだピークには程遠いな、と思った。

●イタリア1-0ハンガリー(W杯予選) ……デルピのFK一発でイタリア出場決定。リードした途端、トラパットーニは後半12分の段階でデルピを引っ込めてガットゥーゾを投入していた。そうか。その時間帯で守りに入るか。なんて期待どおりの采配なんだろう。そんなイタリアが、私は好きだ。

●イングランド2-2ギリシャ(W杯予選) ……今でもイングランドが2点も取ったことが信じられない。本当にひどい出来だった。パスの弱さは日本代表以下。それでもドローに持ち込めたのは、言うまでもなくベッカムとシェリンガムのお陰である。1点目は、ベッカムのFKをいつの間にかピッチに入っていたシェリンガムがヘッドで流し込んだもの。2点目は、シェリンガムが無理やりもらったFKをベッカムがねじ込んだもの。サッカーは2人でできるということがよくわかった。ともあれ、もっと情けないドイツがフィンランドと引き分けたお陰で、イングランド出場決定。エリクソン、よかったねぇ。あんたの去ったチームはズタボロだけど。

●マドリー2-2バジャドリ(リーガ第6節?) ……2-1の時点で、どっかで見たことのある首のない選手が出てきたので誰かと思ったら、メキシコのブランコだった。おお、ブランコ。こんなところ(バジャドリ)にいたですか。あのカニ挟みジャンプ一発(正確には三発だったか?)で世界中に名を轟かせた男である。同点のFKを決めたのは、そのブランコだった。なんだか妙に嬉しかった。

●デポル2-2セルタ(リーガ第6節?) ……さすがは粘りのデポル、0-2の劣勢からPKとOGでしぶとくドローに持ち込んだ。しかしこの試合は、そんなことより、マヌエル・パブロの大怪我である。膝の下にもう一つ膝ができたような状態で、スネがぷらんぷらんになっていた。これまで見た故障シーンの中でも、もっともショッキング。人の骨って、あんなふうに折れるものだろうか。リプレイを見るたびに寒気がした。決して悪質なプレイではなかったのに、怪我の原因を作ってしまってショックありありのジオバネーラが気の毒。試合後、泣いてたもんな。マウロ・シルバがジオバネーラを慰めている姿が印象的だった。

●ラツィオ0-0パルマ(セリエ第5節) ……馬鹿馬鹿しいので、ちょっとしか見ていない。これでラツィオは15位である。万が一、戦火が欧州に拡大してリーグ戦が中止されたりなんかしたら、降格だ(優勝はインテルだ)。いつそんなことになってもいいよう、一日も早く降格圏外に脱出してほしい。

●ベルリンマラソン ……ここで出した高橋の記録は早々と抜かれてしまったようだが、後世の人々が「出来レースという慣用表現は、あのベルリンマラソンで生まれたものらしい」と勘違いしそうなぐらいの予定調和であった。「2時間20分を切って当然」の空気の中でそれを実現してみせた高橋はすごい。一方の「彼ら」は、「開催国は決トナ進出して当然」の空気に耐えられるんだろうか。心配だ。代表スタッフの中に、「君ならできる」と暗示にかけてくれる人はいるの? だけどベルリンマラソン、ペースメーカーだ転倒防止のガードランナーだ給水は手渡しだで、「レース」というより「実験」を見ているような気分になったのは私だけだろうか。マラソンの「定義」って何なんだろう。

●曙断髪式 ……私はテレビでちょっと見ただけだが、ファンだった愚妻は国技館の枡席で観賞(?)した。でも位置的に、曙の背中しか見えなかったらしい。それでも「泣けた」って言ってたけど。お疲れさんでした。

●ボカ6-1ラヌース(アルゼンチンリーグ) ……高原初ゴールである。チームの6点目なのに、まるでVゴールを決めたかのような喜び方。苦しかったんだねぇ。辛かったんだねぇ。ゴールを決めていないストライカーほど孤独な存在が他にあるだろうか。孤独に耐えて結果を出した高原はえらい。西澤はえらくない。

●長嶋辞任、原監督誕生 ……いろいろあった本誌としては触れざるを得ないモンダイだが、もはや私は何の関心もない。長嶋茂雄には、今後、例の「タイトルや新記録阻止の敬遠」を撲滅するための仕事をしてほしい、と思うぐらいか。野球ファンが抗議の観戦ボイコットをするような気概を持ち合わせていない以上、それができるのは、今の球界に彼しかいないんじゃないだろうか。

●アヤックス1-0ミラン(95年CL決勝) ……H氏コレクションから、今回はこれを観戦。日テレのメンバー表に「ダビーズ」という名前があった。むろんダビッツのことである。6年前は雑誌とかでも「ダビーズ」だったのかしら。オランダ人の名前は難しい。決勝ゴールは途中出場のクライファート。ライカールトがワンツーのつもりで出したパスを、そのまま振り向いてシュートしていた。そのボディバランスも驚異的だったが、もっと驚いたのはゴール後のパフォーマンスだ。興奮したクライファートは、ベンチに向かって走りながら、ユニフォームを後ろ前に着替えたのである。あの興奮状態で、どうしてそんなややこしいことを思いつくのか不思議なのだが、クライファートはまず両腕を抜き、シャツをぐるりと回し、また両腕を袖に通した。それを一瞬にして(しかも全力疾走しながら)やってのけるのだから、ほんとうに器用な男である。あれをやっている選手を他に見たことがない。難しくて真似できないのだろうか。バティストゥータなんか、このあいだのパラグアイ戦で、脱いだシャツがこんがらがっちゃって、ベーロンに「直してくれ」と言わんばかりに手渡してたもんな。バティが着やすいようにいそいそと袖を直してたベーロンが、とってもしおらしく見えた。おまえはバティの奥さんか。

●デポル2-1マンU(CL1次リーグ) ……残り5分から2点奪取したデポルが大逆転勝利。気持ちええ〜。この試合でもっとも溜飲を下げたのはバイエルンのファンであろう。味方のDFラインから5メートルも置き去りにされてオフサイドを取れず、同点ゴールの原因になったG・ネビルが笑えた。誰か彼にオフサイドのルールを教えてあげたほうがいいと思う。



9月26日(水)10:15 a.m.

 驚いたことに、きのうの日誌を書いてから、さらに真剣にソニーのハードディスクビデオ購入を検討し始めている私がここにいるという事実に、さっき気づいた。まだ電話によるセールスはなく、正直、迷っている。買うべきか、買わざるべきか。それがモンダイだ。こういうときは、ポジティブ・ファクターとネガティブ・ファクターを並べて比較検討するのが良い。ハムレットがいかにして意志決定を行ったのかは知らぬが、それが分別ある理性的なオトナの態度というものである。

<HDビデオ購入に伴うポジティブ・ファクター>

●ハードディスクビデオがあると、ビデオテープ代が節約できる。

●ハードディスクビデオがあると、ビデオテープ置き場を節約できる。

●ハードディスクビデオがあると、テープを巻き戻す時間が節約できる。

●ハードディスクビデオがあると、うっかりビデオテープを買い忘れても録画ができる。保存したい試合は後でダビングすればよい。

●ハードディスクビデオがあると、重ね録りによる画質劣化がない。シーマンの顔もくっきり鮮やかだ。

●ハードディスクビデオがあると、頭出しをしたときにうっかりその前に録画した未見の試合の結果を見てしまうという失敗が、たぶん発生しない。

●ハードディスクビデオがあると、帰宅が遅れても録画中の試合をキックオフから見ることができる(これがかの有名な「追っかけ再生機能」である)。したがって、サッカー観戦のために仕事を中途半端なところで切り上げて帰宅してしまい、翌日、その後をどういう脈絡で書こうとしていたのか忘れている、という事態が起こりにくい。

●ハードディスクビデオがあると、試合を録画しながら録画済みの別の試合を観戦することができる。また、録画したウルトラマンコスモスやガオレンジャーをセガレに見せてやっているあいだにも、サッカーを録画することができる。つまり、父子のあいだでビデオ使用権をめぐるトラブルが起こりにくい。

●ハードディスクビデオがあると、「かあさん、このテープ、何が入ってんだっけ」「え〜、忘れた」「ま、いいや、どうせ見ないから消しちゃおう」と軽率に判断して、大事な試合を消してしまうことがない。

●ハードディスクビデオがあると、「かあさん、どのテープが空いてるんだっけ」「え〜、忘れた」「ん〜〜〜〜、探すの面倒だから、もういっか」と諦めて大事な試合を録り逃すことがない。

●ハードディスクビデオがあると、テープを出し入れするたびにいちいち立ったりしゃがんだりする手間が省け、すべてが遠隔操作で行えるので、体に負担がかからない。

●こうして考えてくると、どこからどう見ても我が家のために開発された商品としか思えない。「いやはや、ウチなんかのために、わざわざどうもスンマセン」と頭を下げたいぐらいだ。

●サッカー関係の仕事が予定されている。したがって、これは単なる無駄遣いなどでは断じてなく、効率的な情報収集を行うための設備投資である。設備投資はとても大事だ。

●年内にアメックスで買うと分割手数料がタダである。手数料がないことはとても大事だ。

●友人にCSチューナーを1つ譲ったので、テレビの入力端子と電源に1つずつ空きがある。空きがあることはとても大事だ。

●いずれHD内蔵テレビを買うことになるやもしれぬが、そうなったらそうなったで、「外付けHD」として有効活用すればよい。それに、「いずれ手に入るかもしれない、もっと便利なキカイ」のことを考えているとキリがない。人生には限りがある。

●いずれ価格がもっと下がるやもしれぬが、そういうことを言っているとキリがない。「まだ高い」は決断を先送りにする優柔不断な臆病者の口実である。セガレの手前、私は世間から「臆病者」と後ろ指を差されるような父親になりたくない。

●過去37年間、ハードディスクビデオなしで何不自由なく暮らしてきたが、そういうことを言っていると生活は向上しない。「べつに、なくても生きていけるし」は、ひたすら現状を肯定するしか能のない、向上心と開拓者精神に欠けた怠け者の口実である。セガレの手前、私は世間から「怠け者」と指弾されるような父親になりたくない。以上。


<HDビデオ購入に伴うネガティブ・ファクター>

●初版部数激減による経済的不安。以上。


 さて、両者を比較検討してみよう。
 まず、誰でも気づくことだが、項目数に18対1という圧倒的な差がある。そして、それ以上の比較検討にはあまり意味がない。この点だけを比較すれば、「買う/買わない」のどちらを選択するのが合理的な意志決定であるかは自明だろう。残るモンダイはHDの容量、つまり30GB、40GB、60GBのどれを選択するかということだけだ。明日は、新しいMacの購入に伴うポジティブ・ファクターとネガティブ・ファクターについて比較検討してみようと思う。

*

……人はこうして、自己破産への坂道を転げ落ちていくのかもしれない。父親が「臆病者」「怠け者」と呼ばれるのと、「破産者」と呼ばれるのと、セガレはどちらがより傷つくだろうか。

*

 S社インターS氏から、明日の口述取材の件で電話。ついでにお互い、「いま自分が書いている原稿」に関する愚痴と弱音をこぼし合う。S氏は「難しくって、毎日毎日、苦吟している」とのことだったが、内容を小耳にはさんだかぎり、自分の抱えている「べつに難しくはないが退屈で、退屈であるがゆえに苦吟(および逃避)してしまう仕事」よりも百倍ぐらい意欲をかき立てられる魅力的な仕事のように思えた。隣の芝生、である。

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 さらに、P社K嬢より、来月刊行される新書の初版部数およびギャラについて電話。近頃には珍しく、部数もギャラも想定より少しばかり多かった。むろん、こちらの想定する水準自体が低減傾向にあるわけだが、ちょっと嬉しい。前記のポジティブ・ファクターが一つ増えてしまった。うひ。

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 ここに至って、ようやく本誌本来の話題に入る。ゆうべは、レアル・マドリー×エスパニョ〜ル(リーガ第4節)を見た。マドリー、今季最高のゲーム。この評価は、おそらくシーズンを終えた後も変わらないであろう。そう思いたくなるぐらいの出来だった。ジダン、ロベカル(FK)、フィーゴ(PK)、ラウール、マクマナマンと、5人で5得点。何なんだよ、この高カロリーなメンツは。見てるだけで高脂血症になりそう。この5人でバスケやっても日本バスケ代表より強いかもな。バスケ好きの人に怒られますね。たぶん、そんなことはないです。やけに上達した右足にこだわるラウールが印象的だった。外したシュートも、ゴールも、5点目をお膳立てした見事なスルーパスも、ぜーんぶ右足。もっとも、ゴールしたシュートはちょっと浮き気味でヤバかったけど。右足を使えるようになったのはいいが、そのぶん左足のファンタジーが減衰してたら寂しいですね。あとは、マクマナマンがすばらしかった。あのポジションをやらせたら、いまの世界ではピレスと双璧かも。

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 Y・Nさんからお便りいただきました。


Readers' Mail No.119「投稿欄は何処へ(笑)」(9/26)

 お久しぶりです、江戸川先生。最近、めっきり投稿してなかったのですが、相変わらず日誌は楽しく読まして頂いてます。

 とは言うものの、最近の日誌はラツィオの某サイドバックに対する怒りが充満しているので、何年か前にそのサイドバックに魅せられた僕は何ともやりきれない気分です(涙)。が、実際は最近その某サイドバックのプレーも全く観戦することが無くなったので、何とも言えませんが、僕が魅せられた選手(ワイズ、ミハイロビッチ等)は、必ずと言っていい程、僕がファンになり次第、衰えが見え始めます(笑)。これは大変悲しい事実です。ラツィオの某サイドバックもこれ以上江戸川さんに酷評されないように、何とか奮起してもらいたいのですが、肝心のチームが・・・(あ、この話題にふれてしまった)。

 最近は季節の変わり目で、体調も変わりやすいですが、風邪等に気をつけ、お仕事の方、頑張って下さい。そして、この楽しくも厳しい?観戦記を長く続けて下さい。では、失礼します。(Y・N)


 ラツィオが優勝したシーズン、Y・Nさんがパンカロを高く評価なさっていたことは、もちろんしっかり覚えておりますとも。私も高く評価してましたけど。あはは。人は変わるのである。ま、ほんとのところ彼の力量がどんなもんなのかは知りませんが(すげー無責任)、要するに私にとっては怒りの矛先を向けやすいタイプだってことですね。いじりやすいキャラ、っていうか。嫌いといえば嫌いだが、好きといえば好き。愛にはさまざまな形があるものです。ともあれ、ハゲましていただいてありがとうございました。上記のとおり、しばらく休止しますが、またお越しくださいませ。



9月25日(火)8:45 a.m.

 なぜ電話セールス人は、私が興味を持っていないモノやサービスばかり私に売ろうとするのだろうか。新築の一戸建て、ワンルームマンション、墓、屋根の修理、羽毛布団、マイライン、幼児向け英語教室、オプション取引など、私はどれ一つとして興味がないのである。世の中には星の数ほどのモノやサービスが溢れているのだから、たまには、私が多少なりとも興味を持っているモノやサービス(たとえばDVDプレーヤー、ハードディスクビデオ、BSデジタルチューナー、タイプ1〜3のエラーが滅多に発生しないMac、時速100キロを越えてもハンドルがガタガタしない自動車、高さの調節できる座り心地の良い椅子、中で思いきり両脚を伸ばせる浴槽、ドアを開けたとたんに台所が見えたりしない広い玄関、ローマダービー観戦ツアー、1週間で体重が5キロ減る魔法、前髪、世界文学全集コスタリカ編など)のセールスがあってもよさそうなものだが、生憎そういう電話をもらったことは一度もない。これは実に奇妙なことだ。私にはこれほど旺盛な物欲があるにも関わらず、どうして彼らは、わざわざその物欲にかすりもしないものばかり勧めるのか。

 そういえば、かつて私が購入したことのある物品(たとえばテレビ、冷蔵庫、腕時計、ネクタイ、靴、靴べら、靴下、靴の消臭スプレー、灰皿、床に落下すると割れがちな灰皿、フライパン、トロンボーン、エマーソン・レイク・アンド・パーマー『展覧会の絵』のLD、カタカナ語辞典、読みもしない夥しい数の本、それを入れておく夥しい数の本棚、ホワイト十勝カスタード2個入り120円、例のあれ、メグ・ライアンのカレンダー、キャンディーズのベスト盤CDなど)の電話セールスを一度も受けたことがないのも、考えてみると不思議である。コンサイスのカタカナ語辞典など、まだ持っていないときに電話セールスを受けたら、たぶん「じゃあ、この機会に一冊お願いするわ」ということになったと思う。電話セールス人も、惜しいチャンスを逃したものだ。

 そこで今回は特別に、日頃から本誌をお読みのラッキーな電話セールス人の皆様にだけこっそり教えておくが、今の江戸川相手に商売をしようとする場合、とくに狙い目なのは、「ソニーのハードディスクビデオ」である。ビデオデッキ不調につき、口説き方次第ではついふらふらと買ってしまう可能性大だぜベイビィ。「もう、こうなったら増設HDを無料にしちゃいます」なんて言われた日には、きっと誘惑に抗えないと思う。また、「1週間で体重が5キロ減る魔法」も、割引率によっては3週間分買ってやってもいいぞ。さあ、かかってきなさい。

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 ついでと言っては何だが、「ふと気づくと3日間で原稿が100枚書けている魔法」も買う。これは6日分、しのごの言わずに定価で買ってやる。売ってくれ。頼む。

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 ミラン×ラツィオ(セリエ第4節)をビデオ観戦。2-0でミランの勝ち。北の3強が勝ち点10で並ぶという、コンサーヴァチヴで見応えのあるスクデット争いになってきた。以上。

 ……と、あっさり流してしまいたいぐらい、救いようのない試合であった。前半は、相手のミスに乗じて手にしたビッグチャンスをクレスポが2つもフイにした挙げ句、ニーチャン・インザーギに先制ゴールを奪われて1-0。後半は、短髪にしてすっかりイメージチェンジした復活ルイコスタの華麗なクロスをラウルセンとかいう選手が決めて2-0である。

 まあ、それは良い。いや、良くはないが、しょうがない。弱いんだから。問題は怪我人である。前半途中にファバッリがモモだかフクラハギだかを痛めて引っ込むと、クレスポとネスタが相次いでモモ裏を痛めてリタイア。交代枠を使い切ったところで、ディノ・バッジョまでヒザを痛めてベンチに下がってしまったのであった。どいつもこいつも、大した接触プレイもないのに勝手に怪我して勝手に10人になりやがって。冷たい雨にスリッピィなグラウンドという悪コンディションだったとはいえ、ミランは誰も怪我してないじゃないか。プロにあるまじき拙劣なコンディショニングである。

 しかもネスタが引っ込んだ後は、よりによってパンカロがキャプテンマークを巻くという体たらくだ。豚に真珠、猫に小判、ウンコロにCマーク。世も末じゃ。誰か、あいつに守備の仕方を教えてやってくれ。あいつがマークについて、クロスを入れられなかったシーンを、ほとんど見たことがない。見切りが早すぎて、すぐ体を投げ出しちゃうから、いとも簡単に切り返されちゃうのだ。粘りがないっちゅうか、責任感がないっちゅうか、頭は薄いのに胸毛が濃いっちゅうか。ミランの1点目について、八塚アナは「半分は(粘ってクロスを入れた)コントラのゴール」と評していたが、違うね。半分はピッポ、もう半分はウンコロのオウンゴールである。

 それにしても、すでにミハイロ、ネグロ、ポボルスキー、スタムが故障しているのに加えて、クレスポ、ネスタ、ファバッリ、ディノを欠くことになろうとは。およそ1チーム分だ。ザッケローニは疫病神か。故障中の8人でチームを作ったほうが、残った11人より強そうである。この2年のあいだにチームを去った人々は、みんな(ラバネッリ@ダービーやエリクソンを含めて)活躍してんのになぁ。しかも呆れ果てたことに、これだけ怪我人が出てるのに、パンカロは無傷。「なんで、あいつは怪我しねえんだ?」とボヤくと、愚妻は間髪入れずに「チンタラやってるから」と答えた。なんて無駄のないシャープな正解なんだろう。「無事これ名馬」という言葉を、私は信じない。

 ともあれ、これだけメンバーを失った以上、CLは投了するしかない。ま、とっくに前節で終わってるんだけどよ。あまり無理をせず、ザッケローニにじっくりと来季を見据えたチーム作りをさせながら、A残留を目指して一所懸命がんばろー。



9月24日(月)14:35 p.m.

 引き続き、コンビのおにぎりのことを考えている。9/22の日誌を読んでくださったある読者から、「そうなると、近い将来、おでんも握り込まれるのでしょうか。その場合、レジ横のおでんコーナーがどうなるのか心配です」という示唆に富んだ季節感あふるる質問を受けたからである。そうなのだ。あらゆる食品がおにぎりに握り込まれたとき、コンビニの風景は一変する。当然、おでんがおにぎりに握り込まれれば、それが置かれるのは「おにぎりコーナー」だろう。したがって、おでんコーナーは廃止である。

 それだけではない。廃止されるのがおでんコーナーだけだと思ったら大間違いだ。中華まんも、焼きうどんも、ハンバーグ&唐揚げ弁当も、ハーゲンダッツのクッキー&クリームも、メロンパンも、ホワイト十勝カスタード2個入り120円も、おにぎりになった以上、陳列場所はすべて「おにぎりコーナー」である。しかもその先に、さらに驚くべき戦慄のシナリオが用意されていることは、いまさら言うまでもないだろう。そう。歯ブラシやシャンプーや石鹸、ボールペンやノートや祝儀袋、アルカリ単3電池や電卓やカセットテープ、週刊文春や抜け道マップ、パッケージにユニオンジャックをあしらったミチコ・ロンドンの例のあれ、花火など、あらゆる商品がおにぎりに握り込まれ、店内すべてが「おにぎりコーナー」と化すのだ。それはもはやコンビニではなく、「24時間営業のおにぎり屋さん」ではないのか。

 こうしてコンビニは、すべてをおにぎり化した結果、きわめて皮肉なことに、店自体が丸ごとおにぎりに握り込まれることによって、その社会的役割を終えるのであった。そのとき人々は、「あれがターニングポイントだった」と呟きつつ、「おにぎりに牛タン塩が握り込まれたあの日」のことを思い出すだろう。中には、おにぎりの仕入れに追われながら、つい「タン塩を嗤うものはタン塩に泣く」と、意味のよくわからない格言とも愚痴ともつかない独り言をもらす元コンビニ経営者もいるかもしれない。タン塩おそるべし。

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 ゆうべは、ローマ×フィオレンティーナ(セリエ第4節)をライブ観戦。監督にマンチーニ、ボランチにバローニオ、借金苦で経営状態ボロボロ、ユニフォームのデザインさえ妙に安っぽく見えるというわけで、私にとってフィオレンティーナは今もっとも応援しがいのあるチームである。前線には移籍を断って(?)残留したキエーザとヌーゴメ、キャプテンマークはディリービオ。トラップ時代以上に、「仁侠」を感じさせる雰囲気になっている。ボロは着てても心は錦。熱血ヴィオラ組よ、いまこそ仁義なき経済ヤクザに立ち向かへ。

 というわけで、フィオは果敢に立ち向かったのであった。アウエーであることを感じさせない勇敢な攻撃。それだけに反撃を食らって慌てる場面もしばしばだが、レプカをウエストハムに放出したDFラインは、むしろ強さを増している(ちなみにレプカは移籍先でもいきなりイエローの連打を食らっていた)。そしてセットプレイから、何者か(たしかCB。名前忘れた)のヘッドで先制だ。熱いぜヴィオラ組。ところがその直後、主審がモンテーラの芝居を見抜けずローマにPKが与えられる。若頭トッティがこれを憎々しく決めて同点。前半は1-1。

 後半のフィオは、実にシビれる守備を見せてくれた。ローマの物量攻撃にぶんぶん振り回されながらも、最後は身を挺してボールを弾き返す。傾きかけた組を捨てて出ていったバティ親分の不調にも助けられた。どフリーの決定機に彼のシュートがどうしても枠を捉えきれなかったのは、やはり「後ろめたさ」が原因か。しかもフィオは守っているばかりではなかった。ときおりカウンターに出てはキエーザが鋭いクロスを放り込み、惜しいチャンスを作る。白星を求めて焦るカペッロは、モンテーラに替えてカッサーノを投入。調子を見れば、引っ込むべきはバティのほうだった。不愉快そうなモンテーラ。内紛爆弾の導火線に火がついたのは間違いないであろう。

 しかし、結果は2-1。パヌッチのゴールが決まったのは、すでに80分を過ぎだ時間帯だったと思う。左サイドからクロスを入れたアスンソンに、どうしてあのときだけ誰も近寄っていかなかったのだろう。疲れてたのか。疲れてちゃしょうがないな。でも、フィオはすばらしかった。この時期、例によってだるだるな試合をしているカルチョ界全体に、カツを入れるような戦いぶりだったと思う。

*

 G先輩から「異業種サッカー化計画」が届きました。ときおり思い出したように復活するコーナーである。「チームとプレーヤーへの思い込み全開で楽しめるおもろい企画であるなあとあらためて感じ入った次第」とのことで、どうもありがとうございました。でも私、クルマのことはさっぱりわからないので、強いのか弱いのかよくわかりませんが、NSXの使い方はとても格好いいと思いました。各国代表プランもお待ちしてます。ちなみに、CB「エボ」の後ろの文字が機種によってはバケているかもしれませんが、これはローマ数字の「6」です。


Readers' Mail No.118「異業種サッカー化計画」(9/23)

自動車界日本代表
(監督=ロータス・ヨーロッパ コーチ=AE86)


GK ランドクルーザー

GT-R   エボ、   アリスト  スープラ

インプレッサWRX(C)

RX-7      NSX      MR-S

シビックR      ロードスター


 『サーキットの狼』『イニシャルD』のファンには楽しんでいただけますでしょうか。ハイパワーターボの両サイドバックの破壊力は驚異的(なはず)。俊敏なNAの2トップが開けたスペースを高価なNSXが突く攻撃パターン。「世界で戦う」経験豊富なインプレッサWRX、エボ、が後ろから叱咤激励する。フラットスリーには人材(?)不足なので4-4-2。マジでかなり強いと思うぞ。各国代表も考えよう(イタリア、フランス、ドイツ、アメリカはけっこう強そうだけど、イングランドとスペインと韓国はメンバー不足か)。




9月23日(日)12:30 p.m.

 きのうは正午から、南青山のリストランテエノテカリヴァデリエトゥルスキで催された結婚パーティに家族3人で出席。リストランテエノテカリヴァデリエトゥルスキは、名前を除けば申し分のないレストランだった。新婦は愚妻の小学校時代からの友人、新郎はロンドンで出版関係の仕事をしているスコットランド人である。すでにロンドンのタウンホールで挙式を済ませており、今回は日本の友人だけを呼んだ20人に満たないこじんまりしたパーティであった。

 新郎のW氏はグラスゴー出身である。そこで私は彼に、レンジャーズとセルティックのどちらが好きか訊こうかと思ったのだが、スコティッシュ訛りの英語は苦手なのでやめておいた。スコティッシュ訛りの英語をしっかり勉強しておけばよかったと思うのは、こういうときだ。むろん、「どちらがお好きですか?」「レンジャーズです」ぐらいまでの会話は可能だが、そのあと、「では私も今日からレンジャーズを応援することにします」をスコティッシュ訛りの英語でどう表現すればいいのかがよくわからない。うっかりカリフォルニア仕込みの英語でそんなことを言ったら、あらぬ誤解を招きかねないので、こういうときは黙っているのが国際常識をわきまえたオトナの態度というものなのだ。

 W氏は挨拶のとき、「ロンドン郊外に3ベッドルームの新居を購入したのでいつでも遊びに来てください、ただしみなさん同時に来られては困りますが」という、品の良いジョークを披露して出席者を楽しませていた。さすがにスコットランド紳士のジョークは、カリフォルニアの連中とは違う(連中の場合、「ただしベッドルームにベッドはないけどね」という救われないオチになったことだろう)。私もW氏の挨拶に笑いながら「3ベッドルームって、あんた、そりゃ」と内心でツッコミを入れたのだが、どうやらその部分はジョークではなかったらしい。ほんとうに行きたい、と思った。できればチェルシー×アーセナルのダービーマッチの週末に。

*

 夜、アーセナル×ボルトン(プレミア第6節)をライブ観戦。またアーセナルだ。同時生中継のマンU戦とどっちを見ようか迷ったのだが、いちおう日本人所属チーム・ダービーなので、こちらを選択。2人とも、ベンチ入りしてなかったけど。シーマンは黄シャツ&黒パンツだった。そうそう、それでいいのだ。試合は、ボルトンが10人になったこともあって終始アーセナルが圧倒していたが、どいつもこいつもフィニッシュに魂がこもっていない感じで、ゴールが遠い。「いつでも取れる、どうせ勝てる」の余裕がユルみを生んでいるような印象。とくにアンリは、右利きの雀士が左手でツモ切りをくり返しているようなカンジの悪さだ。比喩がわかりにくいってば。ベルカンプは一生懸命やってるように見えたが、その一生懸命さが裏目に出て他のメンバーと呼吸が合わなかったのかも。そんなわけで、「こういう試合はえてして0-0」と決めつけた私は、睡魔に勝てなかったこともあり、後半20分で観戦を切り上げたのであった。その後、後半29分にジェファーズ、38分にリケッツのゴールが決まって1-1のドローだったらしい。まったくもって、私はサッカーがわかっていない。

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 思うところあって、昨日から基本一人称を「私」にしている。ちょっとした実験というか訓練のようなものだが、なんだか少しだけオトナになったような気がするから不思議だ。



9月22日(土)

 ここ数年、コンビニのおにぎりがかなりラジカルなことになっているのは、よく知られた話である。かつて、初めて「ごはんにマヨネーズ味」という禁断の実を世に解き放ち、「日本人のコメへの愛はどうなってしまうのか」と一部の守旧派を嘆かせたシーチキンなど、もはや梅干しや鮭と肩を並べるスタンダードな食文化としての地位を獲得したといってよい。それが明太マヨネーズに発展するまで、そう時間はかからなかった。

 そして私たちは今日、おにぎりに何が入っていようと、たいがいのことでは動じなくなっている。それに、豚キムチ、小エビマヨネーズ、そばめし、などはかなり旨い。ちなみにそばめしは、白飯の中にそばめしが握り込まれているのではもちろんなく、そばめし自体を握ったものだ。そばめしは、握って食うのがいちばん旨いかもしれない、とさえ思う。むろんチャーハンを握ったものもあり、そんなものはいまどき珍しくもない。おそらく、「ペンネ・アラビアータ」や「ゴルゴンゾーラのリングイネ」などを握ったものが登場しても、さほどの衝撃はないと思われる。

 また、豚生姜焼きや焼き肉カルビなどは、「おにぎりの定食化」という新たな地平を切り開く画期的な試みとして評価できよう。おにぎりとは、つまり、「コンパクト&ハンディな定食」だったのだ。そこで生姜焼きやカルビに与えられた役割は、すでに「具」ではなく「おかず」である。いずれ近いうちに、サバの味噌煮やミックスフライなどを握り込む技術も確立されるかもしれない。すばらしいことだと思う。それが完成した暁には、プロジェクトXで取り上げてもらいたいぐらいだ。

 そんなわけで、私はコンビニのおにぎりに関して、どちらかといえば寛容な人間である。おにぎりの棚を眺めるたびに、自由ってすばらしい、とさえ思う。だが、そんな私も、これが握り込まれたおにぎりを見つけたときには、思わず首をひねった。

 牛タン塩

 いかがなものか、と思う。むろん、見方によっては、豚キムチや豚生姜焼きや焼き肉カルビと同じ路線である。したがって、そう目くじら立てることはないのかもしれない。しかし、牛タン塩は、やはり一線を踏み越えていないか。なぜと問われても困るが、そこに言いようのない反則感を感じるのは決して私だけではないだろう。おまえ、いくら何でも、おにぎりにタン塩を握り込むこたぁないじゃないか。牛だって、そんなところにそんなものが入ってたら驚くじゃないか。自分の行く末を想像したくないじゃないか。

 そもそも「おにぎりにタン塩」以前に、「コンビニにタン塩」がだめだ。そこには何か、タン塩世界のパラダイム・シフトを強要する邪悪な企みのようなものの存在を感じる。それはたとえば、かつて「新橋のガード下に群がったおやじギャル」が醸し出した邪悪さに近い。その邪悪さは、「べつに根拠はないんだけど大事にしたかった規範」を根底から揺さぶろうとする。「コンビニと若い女」には、何かそういう共通点がありそうだ。コンビニの店内がやけに明るいことも、何か関係があるかもしれない。

 話をおにぎりに戻す。ここで私が危惧しているのは、つまり「歯止め」の問題である。焼き肉カルビまでは、まだよかった。だがタン塩となると、もういけない。これがアリとなったら、もう歯止めは効かないのではないか。たとえば、こんなモノが握り込まれるようになったらどうしてくれるというのだ。

 ユッケ

 しかもご丁寧なことに生タマゴ付きだ。ぐちゃぐちゃじゃないか。食べにくいじゃないか。ユッケがオーケーとなって以降のおにぎり世界のことを、私はあまり想像したくない。おそらく、次はカルビクッパだ。さらに歯止めは失われ、肉じゃが、クラムチャウダー、フカヒレスープ、温泉たまご、パンナコッタ、森永ミルクキャラメル、森永パックンチョ、寄せ鍋などが握り込まれるようになるまで、そう時間はかからないであろう。それは、もはやおにぎりではない。おにぎりに名を借りたブラックホールだ。

 今日、私がこうして唐突におにぎりの話を始めたのは、きのう食った牛タン塩のおにぎりが旨くなかったからである。つい買ってしまった自分が、悔しい。タン塩は、やはり焼きたてにかぎる。言いたいのはそれだけだ。(にもかかわらず9/24の日誌に続く)



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