ロンドン (London, UK) を拠点に活動していた dubstep DJ Shackleton (Sam Shackleton) は、 2008年に Appleblim と共同運営していた Skull Disco レーベルを止め、ベルリン (Berlin, DE) へ転居。 昨年の Shackleton: Three EPs (Perlon, PERL76CD, 2009, CD) に続く Berlin 拠点でのリリースは、自身の新レーベル Woe To The Septic Heart! からの第一弾だ。 アートワーク (ジャケット) には Skull Disco 時代からの Zeke Clough のイラストが使われている。 新展開が聴かれるわけではないが、percussion の音色も独特な dubdstep が相変わらず楽しめる。
ベルリンでは Mark Ernestus や Torsten Pröfrock (aka T++)、Rachad Becker ら Hard Wax / Dubplates And Mastering 勢と緊密な関係にあるようで、 この新作は Rachad Becker とのコラボレーションという。 しかし、比較的アップテンポな曲ということもあってか、 “Man On A String Part 1 And 2” 前半の hand drums や木製 percussion のような音が乱れ飛ぶような展開など、 むしろ Skull Disco 時代を思い出させられた。そして、それが良い。 後半や続く “Bastard Spirit” では、 Three EPs 同様リバーブ深く dubwise な音作りに ベルリンの dub techno の影響が感じられる。
Shackleton は、このようなダンスフロア志向の録音だけでなく、 Skull Disco 時代から voice としてフィーチャーしていた Vengeance Tenfold (aka Earl Fontainelle) と Refugees To The Septic Heart! という spoken word のプロジェクトによる作品も制作しているという。 そういう所から新たな展開がある事を期待したい。
そんな新作シングルからの曲も収録した DJ mix が、ロンドンのクラブ Fabric からリリースされている。 Skall Disco 時代の2006〜8年の音源から、去年の Perlon 音源、そして未発表の最新曲まで全曲自身による曲を駆使して、 CDいっぱい約75分の Shackleton ならではの音世界を作り出している。 未発表曲が22曲中12曲と半分以上使われており、最新アルバムとも言えるような内容だ。 percussion の音が印象に残り易いせいか、収録している曲数以上に Skull Disco 色濃く感じられた。 Skull Disco のCD 2タイトルよりもとっつきやすく、Shackleton の入門盤としてもお勧め出来る内容だ。