jazz 的な要素の強い club music を演奏するユニット Scott として2006年以降活動する Daniel Brandt & Jan Brauer、 comtemporary classical のバックグラウンドを持ちつつ 2007年以降 Kalk Pets レーベル等から minimal な tech house のリリースのある Paul Frick による 生演奏 minimal techno ユニット Brandt Brauer Frick のアルバムだ。 アナログのシングルはデンマークのレーベル Tartelet からのリリースだが、 アルバムはドイツの大手独立系レーベル !K7 から。 斬新な音という程ではないが、 classical や jazz で聴かれるようなアコースティックな楽器音が ミニマルに反復されて作り出されるグルーヴが楽しい作品だ。
強めの piano の反復フレーズ (おそらく Frick による) もあって、 “Bop” や “Papalazzi” など グルーヴ感のある jazz piano trio のよう。 少々抑えた外れた響きも生かした “Caffeine” や “You Make Me Real“ など Nik Bärtsch [レビュー] を連想させられた。
しかし、最も捉えたのは細かくタンギングで刻む bass clarinet のフレーズと percussion の絡みが面白い “Heart Of Stone”。 strings のピチカート音や tuba らしき低音などが入り交じる “Teufelsleiter“ も面白い。 piano/keyboards と percussion が基本なのは判らないではないが、 管楽器や弦楽器をもっと活用した曲も聴いてみたかった。
このアルバムはほぼ3人による演奏による録音だが、 The Brandt Brauer Frick Ensemble という10人編成の楽団も結成されており、 去年の行っていた リハーサルの様子の動画を 公式サイトで公開している。1月には最初のコンサートを行い、5月以降ヨーロッパを回る予定だ。 また、ヒット曲番組をパロディにした (Hit Parade ならぬ Minimal Parade) “Bop” の videp clip も面白い。 これらのビデオを観ていても、アコースティックな楽器の生演奏だけに、 音だけ聴いていつよりライブで観た方が面白そうだ。