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Review: Gabriele Mirabassi & André Mehmari (live) @ Sengawa Avenue Hall, Tokyo
2011/10/30
嶋田 丈裕 (Takehiro Shimada; aka TFJ)
Gabriele Mirabassi & André Mehmari
仙川アヴェニューホール
2011/09/22, 19:00-21:00
Gabriele Mirabassi (clarinet), André Mehmari (piano).

André Mehmari は Pau Brasil や Núcleo Contemporâneo の レーベルの界隈 [関連発言] の ブラジル・サンパウロ (São Paulo, BR) の jazz の文脈で主に活動する piano 奏者。 もう一方の、Gabriele Mirabassi は Michel Godard や Rabih Abou-Khalil のグループなどの jazz の文脈だけでなく、 Elena Ledda や Ricardo Tesi など folk/roots のミュージシャンとの共演も多い イタリア・ウンブリア州ペルージャ (Perugia, Umbria, IT) の clarinet 奏者だ [関連レビュー]。 Miramari はこの2人によるプロジェクトで、 内陸の地であるウンブリアとミナスジェライス (Minas Gerais, BR) の共通点がコンセプトという。 Miramari (Tratore, 2009 / Egea, SCA159, 2010, CD) というリリースもある。 そんな2人の来日ライブを観てきた。Mehmari は以前にも来日しているが、Mirabassi は初来日だ。

ライブで目を引いたのは Mirabassi の演奏する様子。 踊るようにステップを踏みつつ、動き回りながら吹くのだ。 それも華麗な足捌き身のこなしで踊るのではなく、背を丸め足を交わらせ身をよじるように踊るのだ。 folk/roots のミュージシャンも多いくらいなので、 淡々とというよりもノリよく演奏するんだろうとは予想していたが、そういう動きは意外だった。 情感を込めるように演奏しているというにしても身振りが大き過ぎだとは思うが、 観ているうちにそれもアリかと思うくらいの演奏だった。 一方の Mehmari の piano の演奏は classical に感じる程端正なもので、よい対比をなしていた。 Núcleo Contemporâneo 界隈のCDで聴かれる Mehmari は自分にとっては流麗過ぎてとっかかりが無い感もあるのだが、 Mirabassi と組むことでその端正さが逆に活きているようにも感じた。

どの曲を演奏したかまでは把握できなかったが、 演奏自体はアルバム Miramari の延長。 ライブで聴いても、コンセプトで言うほどイタリアの folk/roots の要素はあまり聞き取れなく、 むしろ choro をより複雑に現代的にしたかのような演奏に聴こえた。 Mirabassi は 1-0 (Egea, SCA088, 2001, CD) という Pixinguinha の曲を中心に演奏したアルバムをリリースしているくらいで、 choro 的なことは全く意外ではないのだけれど。 抽象的な即興演奏に突入するようなことはなくリズミカルでメロディアスな演奏が続いたが、 あまり体調がよくない状態でライブ臨んだこともあり、 適度な緊張感を保ちつつリラックスして聴くにのにちょうど良かった。

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