今年の「コンポージアム」は日本人ながらヨーロッパを中心に活動する作曲家 細川 俊夫。 Wergo や ECM での録音で知る人だったので、生で聴く良い機会だろうと思い、足を運んでみました。 一番の興味は、宮田 まゆみ の笙のソロ。 前半、後半それぞれ冒頭10分程の曲を演奏したのですが、 パイプオルガンの前で吹いたので、その類似性を意識させられたよう。 今回のコンサートのハイライト『星のない夜』にしても、 第二次世界大戦末期の大空襲で崩壊したドレスデンの聖母教会 (Dresdner Frauenkirche) でのセレモニーにおけるレパートリーと考えれば、合っているのかもしれません。 パイプオルガンのような笙も合わせて、コンサートホールが教会になったよう、と思いつつ聴いていました。
Toshio Hosokawa (comp.), Mayumi Miyata & Stefan Hussong: Deep Silence (Wergo, 2004) のような 笙の音響を聴かせるようなCDから、音の響きをきかせるような作曲家なのかなと予想していたのですが、 最後の『星のない夜』が歌やナレーション入りだったせいもあるかもしれませんが、 1月に聴いた Sciarrino [レビュー] に比べて 式典的というかナラティヴな表現という印象を受けました。 比べるものではないとは思いますが、Salvatore Sciarrino の方が好みでしょうか。 というか、Sciarrino のコンサートはこの手のものとしては面白かったなあ、と、つくづく。