TFJ's Sidewalk Cafe > Cahiers des Disuqes >
Review: The Living Room Trio (Torben Snekkestad / Thomas Strønen / Søren Kjærgaard) & Makigami Koichi (live) @ Pit Inn, Shinjuku, Tokyo
20143/04/24
嶋田 丈裕 (Takehiro Shimada; aka TFJ)
The Living Room Trio (Torben Snekkestad / Thomas Strønen / Søren Kjærgaard) & 巻上 公一
新宿 Pit Inn
2014/04/23, 20:00-22:00.
The Living Room Trio: Torben Snekkestad (saxophones, trumpet), Thomas Strønen (drums, electronics), Søren Kjærgaard (piano, synthesizer); guest: 巻上 公一 [Koichi Makigami] (voice, theremin, jew's harp, pocket trumet).

The Living Room Trio は デンマークの Torben Snekkestad、Søren Kjærgaard とノルウェーの Thomas Strønen というトリオ。 Strønen は Food [関連レビュー] や Humcrush [関連レビュー] として、度々来日している。 今回の日本ツアー初日のライブは、北欧でのライブで共演することが多い巻上を最初から加えてのもの。 休憩を挟んで2セット、アンコール無しのあっさり目のライブだった。

Food で馴染みあるせいか、やはり Strønen の electronics を駆使した drums が耳を捉える。 もちろん、複雑ながら反復感のある展開の時も良い。 それから盛り上がってシャメシャな展開になった時、音だけ聴くと手数多く叩きまくっているように聴こえるのだが、 見た目は片手で叩きつつループマシンのつまみを弄っている。そのギャップが面白かった。 Søren Kjærgaard も内部奏法は駆使するが、トーンクラスターをガンガンならすようなことはなく、 むしろ繊細に手数を増やす演奏。 一方、Torben Snekkestad は trumpet に sax のマウスピースを付け、soprano sax と2管同時に吹いたり。 Strønen を手掛かりに聴いていたうえ、 saxophone, piano, drums という70s free jazz を思わせる編成もあって、 70s free jazz ぽくなる Food という印象を受けたライブだった。

3人だけでどういう演奏をするのか聴いてみたかったが、 共演することが多いこともあってか 巻上 も馴染んでいた。 そんな中で特に面白かったのが、1stセットの終わり近く、巻上が様々な音色の jew's harp を何本も取り出し少しずつ鳴らしていくので、 何をしているのかと訝しく観ていたら、 それを Strønen がループマシンで拾って回してユーモラスな音空間に仕立て上げた所だった。