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Review: Oval: Voa
2014/07/06
嶋田 丈裕 (Takehiro Shimada; aka TFJ)
Oval
Voa
(self-released, 2013-10-15, DL)
1)Drift (feat. Agustín Albrieu) 2)Stop Motion I (feat. Dandara) 3)-ada 4)Emocor (feat. Hana Kobayashi) 5)Mersey (feat. Aiace) 6)-dor 7)Hmmm (feat. Maité Gadea) 8)Credit Line (feat. Andrés Gualdrón) 9)-ejo 01:48 10)Heroic (feat. Dandara) 11)Oslo (feat. Hana Kobayashi) 12)-eza 13)Sediment (feat. Agustín Albrieu) 14)Flageo (feat. Aiace) 15)-ismo 16)Latvia (feat. Andrés Gualdrón) 17)Habitat (feat. Maité Gadea) 18)-oso
Recorded in Salvador da Bahia and Berlin, 2012-2013.
Music written and produced by Markus Popp.
vocals / vocal arrangement by Agustín Albrieu, Dandara Modesto, Hana Kobayashi, Aiace Felix, Maité Gadea and Andrés Gualdrón.

ドイツの electronica のミュージシャン Oval (aka Markus Popp) の 昨年前半にリリースしたブラジル・バイーア州サルバドール制作のアルバム Calidostópia! の「姉妹」アルバムが去年秋リリースされている。 Calidostópia! は無料のデジタル配信だったが、 Voa は限定アナログ盤及び有料のデジタル配信になっている。

フィーチャーしている歌の部分は Calidostópia! と同じセッションでの録音から 未発表の最上セレクションを用いているという。 classical な soprano で歌う Emilia Suto が外れ、 MBP/modern folklore に近い方向性がよりはっきりしている。 Markus Popp によるトラックも、 Calidostópia! では O の素材などが使われていたが、 Voa では新規素材を用いているという。 空間に疎に音を散りばめたような Calidostópia! に比べて、 持続的なテクスチャが増え音の層が厚めの展開も目立つ。 また、“Sediment” で聴かれるような断片化されていない guitar のアルペジオも新鮮だ。 間奏のように歌をフィーチャーしない曲が配されていることもあり、トラックの存在感は増している。

そんな guitar にはっきりとした歌い口もあって、 Agustín Albrieu をフィーチャーした “Sediment” が最も印象に残る曲だった。 Calidostópia! では男性歌手の印象が薄かったが、良いものもあったのだな、と気付かされた。 もちろん、女性歌手も良い。明るく沸き立つような電子音を背景に詠唱する “Mersey” や 控えめな電子音にループするコーラスのテクスチャも印象的な “Flageo” など、Aliace の歌声が特に印象に残った。

Calidostópia! から印象が大きく変わるわけではないが、 新しい方向性を感じさせる音作りもあり、 Calidostópia! のアウトテイク集とは違うアルバムに仕上がっている。

去年中にリリースに気付いていて聴いていたら Top Ten の選択もまた違っていたかもしれませんが。 まあ、仕方ありません。 CD/LP中心で新譜情報をチェックしていると、デジタル配信リリースを見落としがちだと、 反省することしきり。

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