CD/DL聴取メモ。在フランスのイラン系打楽器奏者絡みのアルバムを2タイトル。
イラン系でフランスを拠点に活動する打楽器奏者 Keyvan Chemirani [関連レビュー] の新作は、 ブルターニュ (Bretagne) のミュージシャンとのコラボレーション。 リリースしたレーベル Innanor もブルターニュのレーベルだ。 弟 Bijan Chemirani のプロジェクト Oneira [関連レビュー] でも御馴染み、妹の Maryam を歌手としてフィーチャー。 イラン側からはもう一人、撥弦楽器 tar 奏者 Hamid Khabbazi。 ブルターニュ側からは、やはり、フォークの文脈で活動する女性歌手 Annie Ebrel と ブルターニュからインドまで様々な伝統的な横笛を吹く Sylvain Barou。 Chemirani の地中海〜オリエント方面の異文化混交プロジェクトは耳に馴染んでいましたが、 ケルト系のフォークとの取り合わせに、若干の違和感を覚えたのは確か。 しかし、シンプルでアコースティックな音を生かした落ち着いた音世界は楽しめました。 例えば “An Teir Rozenn / Rûmî's Vision” のような Maryam のゆったりした詠唱と Annie の刻むような歌い方がコントラストとなる曲の方が 面白く聴けました。
jazz/improv の文脈で活動するフランスの clarinet 奏者 Louis Sclavis の新作は、 前作 Louis Sclavis Atlas Trio: Sources (ECM, ECM2282, 2011, CD) に Keyvan Chemirani を加えた4tet。 ECM制作ということで、Chemirani の percussion が大活躍という程ではなく、控えめにカンカンとリズムを添えるよう。 しかし、Sources に比べて guitar や Fender の音が落ち着いて、 添えるようなリズムもゆったり。そんな所を楽しみました。