NTTインターコミュニケーション・センターの 開館25周年記念イヴェント>として、 La Biennale di Venezia 2022 の展示 2022に基づき、 2022年11月30日に Teatro Goldoni, Venezia で行われた上演された作品のICCヴァージョンの コンサートが開催されました。 今まで、舞台作品 [鑑賞メモ] や展覧会 [鑑賞メモ] は観ていますが、 音と映像のコンサートという形式は観たことがなく、観る良い機会かと足を運びました。
ギャラリーAの奥側の壁のスクリーンに向かって客席を並べた会場で、 スクリーンに投影される映像を観つつ、ライヴでリミックスされる音を聴くという 約1時間でした。 出演のクレジットはありましたが操作卓は客席後方に置かれ、 舞台作品とは違い映像中も含めパフォーマーが出てくるわけではなく、舞台作品というよりインスタレーション作品に近いものでした。 しかし、インスタレーションより音圧高くフラッシュ光多め、1時間程の長さもあって没入感はインスタレーション以上でした。
投影される映像は僅かに赤が混じるもののほぼモノクロで、アスペクト比は1:1。 19世紀アメリカの地理書の著者 James Monteith のテキストが英語もしくはモールス信号で画面中央水平に表示され、 全天球カメラや地上の定点カメラの粗めのタイムラプス映像が時にデジタルノイズ的な加工もされながら時にフラッシュ光のような効果も交えつつ投影されていきます。 音の方もテクスチャを強調するようにリミックスされたフィールド音や電子音が織りなすもので、 インスタレーション作品にも近いものがありましたが、 中盤にはモールス信号のパターンに合わせて重低音のビートが刻まれるような展開もありました。
重低音モールス信号に機関銃音を想像したり、 白黒の風景にグリッドを示すようなマーキングが付けられた粗い映像に携帯型ミサイルのディスプレイを連想してしまうのは、 この一年、ロシアのウクライナ侵略の戦場の映像を目にし続けてきたせいでしょうか。 映像の中に、丘の上の石造りの城郭らしきものが見え、 先のトルコ・シリア地震で崩壊する前のガジアンテップ城 (Gaziantep Kalesi) を連想したり。 このような音や映像から戦争とか災害とか想起しがちなところから、 作家の意図というより、そういった映像に日常的に晒され続けているということに気付かされました。